ゴッドファーザー(映画)

登録日:2023/04/20 Thu 00:24:41
更新日:2025/03/16 Sun 08:05:28
所要時間:約 10 分で読めます





"権力という孤独"




"愛という哀しみ"




"男という生き方"





『ゴッドファーザー(原題:The Godfather)』は同名のベストセラー小説を原作とする1972年公開のアメリカ映画。パラマウント映画が配給でPG12指定。
監督はフランシス・フォード・コッポラで、原作者のマリオ・プーゾと共同で脚本を執筆した。


概要


マフィアを扱った作品の代名詞として広く知られ、公開時には当時の興行記録を塗り替える大ヒットを記録。アカデミー賞では9部門にノミネートし作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞した他、劇伴がグラミー賞の映画・テレビサウンドトラック部門を受賞する等数々の金字塔を打ち立て、1990年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。
監督のコッポラはこの作品で大きく知名度を上げ、後にゴッドファーザー二部作で手に入れた財を元手に『地獄の黙示録』を撮ることになる。

続編として本作の前日談と後日談を組み合わせた『ゴッドファーザー PART II』が1974年に公開され、こちらもアカデミー賞で作品賞等6部門を受賞するなど高い評価を獲得。1990年には三作目となる『ゴッドファーザー PART III』が公開されたが、前二作と比べると賛否が分かれる内容となっている。
また、本作とPART IIを時系列順に再編集し、未公開シーンを加えた「ゴッドファーザー 1901-1959/特別完全版」も存在する。こちらもまた高い評価を得ているが、上映時間が7時間を超えるため一気見のハードルが高いのが難点。

それまでほとんど知られていなかったマフィアの知名度を大きく上げたと同時に、「マフィア=イタリア系アメリカ人」というステレオタイプを定着させるなど、社会に与えた影響が非常に大きい作品のひとつ。
日本では本作に触発されヤクザ映画の金字塔である『仁義なき戦い』の制作に至ったほか、本来は尊称であった「ドン」を、(カタギを含めた)組織における悪い意味での最高権力者を示す言葉に定着させたのも本作以降のことである。

ニーノ・ロータ作曲のテーマ曲「ゴッドファーザー 愛のテーマ」も大ヒットした。
誰もが知るスタンダードナンバーであるが、実はこの曲は1958年公開のコメディ映画『Fortunella』のテーマ曲のセルフリメイク
コメディ映画らしいアップテンポな曲調であり、初めて聴いたら真逆のイメージに驚かれるかもしれない。
そのため、ロータは1973年のアカデミー作曲賞にノミネートされながら土壇場で候補から降ろされた……
が、続編の『PART II』で同じ「愛のテーマ」を使用したにもかかわらず、作曲賞を受賞している。
イタリアではこの曲を鳴らすことができるミュージックホーンが発売されており、日本では暴走族のホーンとしても知られる。

監督と製作会社との衝突や本物のマフィアからの脅迫等、公開までに様々なトラブルに見舞われたことでも知られており、2022年にはその舞台裏を描くドラマ『ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男』が制作・配信された。

ちなみにタイトルとなっている「ゴッドファーザー」とはキリスト教における洗礼式に立ち会い、契約の証人として代父となる男性のこと。
その後の生涯にわたって第二の親として人生の後見を担う立場であり、それが転じてマフィアのボスの中でも大物を意味するスラングとしても使われる言葉である。
本作中でも洗礼式のシーンがあるが、実際にボスが部下の代父となることで支配を強めることもマフィアではあることらしい。日本のヤクザで言うところの「親子盃」のようなものと考えれば、さしずめ「ゴッドファーザー」は「親分」ということになるだろうか。
2017年には、イタリア・シチリア島のカトリック教会モンレアーレ教区の司祭が、「犯罪歴のあるマフィアの人物に代父となることを禁じる」と発表している。この教区内の町・コルレオーネは出身者にマフィアが多く、本作の「コルレオーネ・ファミリー」の元ネタでもあるという。

あらすじ


1945年、ニューヨーク最大のマフィア「コルレオーネ・ファミリー」を率いる"ゴッドファーザー"ことヴィト・コルレオーネの屋敷では末娘であるコニーの結婚式が盛大に執り行われていた。しかし、めでたい式の最中にもかかわらず、今日もゴッドファーザーに救いを求めて相談にやって来る者は後を絶たない。
そんなある日、麻薬商売を営むソロッツォという男がコルレオーネ・ファミリーに麻薬の取引を持ち掛けてきた。かねてより麻薬を危険視していたヴィトは丁重に話を断るが、後日にヴィトはソロッツォが放った刺客の銃撃に倒れてしまう。
そしてこれを聞いたコルレオーネ家の三男であるマイケルは、家族を守る為に今まで距離を置いてきたマフィアの世界に足を踏み入れることを決意する...。


登場人物


※若干のネタバレを含みますのでご注意下さい。

【コルレオーネ・ファミリー】

ニューヨークに暗躍する五つのマフィア勢力"五大ファミリー"の最大派閥

ヴィト・コルレオーネ

演:マーロン・ブランド

本作の主人公で、コルレオーネ・ファミリーのボス。人呼んで"ドン・コルレオーネ"
イタリアのシチリア島から流れてきた移民であり、一代で大マフィアの組織を築き上げた実力者。
元々の苗字は「アンドリーニ」でコルレオーネは生まれた村の名前だが移民局の職員の勘違いによって現在の姓となった。
シノギを賭博や酒等に限定して麻薬取引を固く禁じているが、これが元で命を狙われることに。
寛大で義理堅く慈悲深い昔気質で、裏社会のみならず堅気の人間からも尊敬を集め、政治や司法にも広く人脈を持っている。
無論、裏組織のボスとして非情な面もあり、必要とあらば流血も厭わない冷酷さを併せ持つ。
独特の掠れてくぐもったような喋り方は当時から現在に至るまでモノマネの対象になっている。
演じたマーロン・ブランドは大物俳優だったがすでに落ち目とみなされていたばかりか、セリフを覚えない、*1気難しくトラブルばかり起こすことで有名であり、
制作会社は起用に難色を示したが、悪評を覆す迫真の演技を披露し大スターの座に返り咲いた。
一方で出演に対して屈辱的な条件*2を強いた制作会社とは遺恨を残し、続編出演に対して高額報酬を吹っ掛けた上に出演をボイコットするなどシリーズとは喧嘩別れに終わってしまった*3
また、本作でアカデミー主演男優賞を獲得したが、受賞を拒否したことでも有名。
+ その理由について
「ハリウッドは西部劇などでインディアンを差別的に描いてきた」というもの。この主張へのダメ押しとして授賞式には代理でインディアンの女性リトルフェザーを出席させたが、会場ではブーイングが巻き起こった上にメディアは彼女への中傷記事を掲載するなど、ブランドの主張を裏付ける授賞式となってしまった。ちなみにアカデミーは2022年にこの授賞式でのリトルフェザーへの非礼と過ちを正式に謝罪している。


マイケル・コルレオーネ

演:アル・パチーノ

もう一人の主人公。
ヴィトの三男で、コルレオーネ一族の男としては線の細い穏やかめな容姿だが、内には熱い闘志を秘めている。
聡明な頭脳の持ち主で父のヴィトからも気に入られていたが、裏社会の家業からは距離を置いて大学に進学し、更には家族の反対を押し切ってアメリカ海兵隊に志願して第二次世界大戦に従軍。復員後は戦場での活躍から英雄のように称えられており、ヴィトからも表社会での活動を期待されていた。
しかし、ヴィトを襲った凶行とそこから始まった一連の抗争をきっかけに家業の道に入り、やがて父をも凌ぐ冷酷な"ドン"に覚醒する。
演者のアル・パチーノは当時の映画界ではほぼ無名の存在だったが、監督のコッポラが周囲の反対を押し切ってマイケル役に大抜擢。
本作を契機として大スターへの階段を登っていくことになる。

サンティーノ・コルレオーネ

演:ジェームズ・カーン

ヴィトの長男でファミリーのNo.2に当たるアンダーボス。愛称は「ソニー」で、本名で呼ぶのはほぼヴィトのみ。
短気克つ粗暴な性格の好色家だが、子供には優しく義侠心も厚い。
ヴィトの実質的な後継者と目されており、マフィアとしての能力も申し分ないが、父と比べて聡明さに欠ける部分を心配されている。
ソロッツォからの麻薬取引の提案にはヴィトと対照的に乗り気な様子をうっかり見せてしまい、ソニーとの直接交渉を企むソロッツォによってヴィトが襲撃されるきっかけを作ってしまう。
ヴィトが襲撃されて以降はソロッツォのバックについているタッタリア・ファミリーとの抗争で陣頭指揮を執り、一定の戦果を収める。
だが、敵に自身の短気な性格を利用されて誘い出され、凄惨に命を奪われてしまう。

フレデリコ・コルレオーネ

演:ジョン・カザール

ヴィトの次男。愛称は「フレド」。劇中でもほぼこの名前で呼ばれる。
穏和で優しくも気が弱く胆力に欠けるというおおよそマフィアには不向きな性格で、父が襲われる際には拳銃を持っていながらも狼狽えて一発の銃弾を撃ち返すこともできなかった。
その後、カジノビジネスを学ぶ名目でラスベガスを牛耳るモー・グリーンの下へ預けられ、彼に手玉にとられる形で自堕落な生活を送ることに。

トム・ヘイゲン

演:ロバート・デュヴァル

ファミリーの相談役(コンシリエーレ)で弁護士。
産まれはドイツ系で、子供の頃に親に捨てられて孤児のホームレスになっていたところをソニーに連れられてコルレオーネ一族に迎え入れられ、実質的にヴィトの養子となる。
実の両親や出自の関係で正式な養子とはなっていないが、ソニーやマイケル等の兄弟と同様に愛情をもって育てられて以来、一族やファミリーに尽くしている。
忠義に厚く、頭が切れる上に有能だが、原作小説ではイタリア系ではなくドイツ系アイルランド人のトムを相談役に起用したことにより、他のマフィアと軋轢を生んだ様子が描かれている。

ピーター・クレメンザ

演:リチャード・カステラーノ

古参の幹部で、ヴィトとは古くからの盟友。
世話好きで面倒見がいい太っちょなおじさんで、マイケルにはパスタの作り方や拳銃の暗殺方法を伝授している。
ヴィトからは「暴力はやりすぎることがない」と評価されており、的確に相手を痛ぶる残酷さと躊躇いのない冷徹さを持つ。
因みに演者のリチャード・カステラーノ氏は「本職のマフィアのボスの甥」であると言われる事があるがこれは彼の死後に妻が主張しだした話であり、彼の兄妹は明確に否定している。

サルバトーレ・"サル"・テシオ

演:エイブ・ヴィゴダ

古参幹部の一人。
クレメンザと同様ヴィトとは古くからの盟友で、「最高の兵隊」と評されるほどヴィトからの信任が厚いファミリーの重鎮。

ルカ・ブラージ

演:レニー・モンタナ

ヴィトに忠誠を誓う大柄な殺し屋。
知恵が足らない部分もあるが仕事に関しては容赦がなく、ファミリー最強の殺し屋と称される。
ヴィトの命令でソロッツォのバックにつくタッタリア・ファミリーへの潜入を試みるも、目論見を見抜いていたタッタリア側から暗殺される。
その後、ルカの死亡を暗示するメッセージとして、彼の防弾チョッキに包まれた魚がソニーの下に送りつけられた。*4
映画ではかなりあっさりと殺されてしまうため印象に残りにくいが、
原作小説ではヴィトですら扱いに苦慮する人間離れした殺し屋として描かれ、心情や経歴などが掘り下げられている。
STAR WARS エピソードⅥ ジェダイの帰還ジャバ・ザ・ハットが絞殺されるシーンは、このルカが殺害されるシーンがモデル。
演じたレニー・モンタナは俳優ではなくプロレスラーであり、大物俳優であるマーロン・ブランドとの共演シーンでは極度の緊張でセリフをトチってしまった。
が、ルカの緊張がドンの偉大さを強調しているとして監督がこのシーンを気に入り、事前にセリフを練習する場面を付け足して本編で採用した。

カルロ・リッツィ

演:ジャンニ・ルッソ

ヴィトの末娘であるコニーの夫だが、軟派な性格のせいでファミリーの中枢から遠ざけられている。
新婚生活中の身でありながら浮気を繰り返し、妻のコニーを暴力で痛め付ける典型的なろくでなし男で、義理の兄であるソニーから鉄拳制裁を受けていた。
後にマイケルがドンの代を取ると右腕として重用され、コニーとの夫婦生活も円満なものとなるが……。

ポーリー・ガットー

演:ジョン・マルティーノ

ヴィトの専属運転手兼護衛役を務める幹部候補。
実はタッタリアと通じており、ヴィトが襲撃される日は仮病を使って不在となっていた。
後に粛清される。

ロッコ・ランポーネ

演:トム・ロスキー

クレメンザに見出だされた構成員で、裏切り者のポーリーを殺害した。
マイケルの代では幹部に出世する。

アルベルト・"アル"・ネリ

演:リチャード・ブライト

殺し屋の一人。
劇中では詳しく明かされないが、元警官でその正義観から過剰暴力を振るい、義父の依頼を受けたヴィトーに助けられたという異色な来歴の持ち主。
現役時代の制服で本当の警察官になりすまして敵ファミリーのドンに接近し、標的を殺害する。

ウィリー・チッチ

演:ジョー・スピネル

クレメンザの部下でボディガード兼殺し屋。

ジェンコ・アッバンダンド

トムの先代の相談役。若き日のヴィトを自分の経営する店で雇った恩人であり、友人。
ヴィトは表向きの肩書である会社の名前を彼から取って、ジェンコ・オリーブオイル輸入会社と名付けている。
通常版では登場しない。

【コルレオーネ一族の女性と子供】

コニー・コルレオーネ・リッツィ

演:タリア・シャイア

ヴィトの末娘。
兄であるソニーの紹介で知り合ったカルロと恋仲になり、劇中冒頭にて盛大に結婚式を挙げる。
しかし、結婚後はファミリーから冷遇気味にされて苛立つ夫に暴力を振るわれ、自身も気性の荒さから彼に激しい口調で詰め寄るなど家庭内の空気は最悪だった。
カルロがマイケルに重用されてからは暴力もなくなって円満な夫婦生活となり、彼との間に一男を授かるが……。
因みに演者はコッポラ監督の妹で、ロッキーのエイドリアン役といったほうが分かりやすいだろう。
なお余談だが、実は若き日のシルベスター・スタローンも本作の出演テストを受けていたりする(結果は不合格で出演は叶わなかったらしいが)。

マイケル・フランシス・リッツィ

演:ソフィア・コッポラ

コニーとカルロの息子。
ラスト付近でマイケルが代父となった洗礼式が行われる。
因みに役を行ったのはコッポラ監督の「娘」である。

ケイ・アダムス・コルレオーネ

演:ダイアン・キートン

マイケルの学生時代以来のガールフレンド。
終盤にマイケルと結ばれるが、マフィアに染まっていく彼の姿を目の当たりにして言い知れぬ不安を抱いていく。

サンドラ・コルレオーネ

演:ジュリー・グレッグ

ソニーの妻。
夫の女癖が悪いので夫婦仲はあまり良くないが、それでも4人の子供をもうけている。

アポロニア・ヴィテッリ・コルレオーネ

演:シモネッタ・ステファネッリ

シチリアの名家の娘。
一目惚れしたマイケルとやや強引な形で結婚するが、その幸せは早々と終わることになる。

カルメラ・コルレオーネ

演:モーガナ・キング

ヴィトーの妻でマイケル達の母親。
仕事には口を出さずに夫を立て、家族に愛情を注ぐ古き良き時代の女性。
演じたモーガナ・キングは本職が女優ではなく歌手であり、劇中で歌唱も披露されている。
なお、親子という設定のアル・パチーノとは10歳ほどしか年齢差がなかったりする。

【タッタリア・ファミリー関係者】

フィリップ・タッタリア

演:ビクター・レンディナ

タッタリア・ファミリーのボス。
客分のソロッツォを介して麻薬取引による莫大な利益を目論んでいたが、ヴィトの不協力で防止されたのをきっかけにコルレオーネ・ファミリーと激しい抗争を展開。結果として互いに息子を失うも、全米のボス達が集まった会議でヴィトに麻薬取引を結果的に認めさせることに成功する。
一見抗争における事実上の勝利者のように見えるが、ヴィトからは度胸のない小者と見なされており、背後に別の黒幕がいることを看破されている。

ブルーノ・タッタリア

演:トニー・ジョルジオ

フィリップの息子で、ファミリーのアンダーボス。
ルカがタッタリアファミリーに潜入を試みる際に少しだけ登場する。
コルレオーネ・ファミリーとの抗争でソニーが放った刺客に暗殺された。

バージル・ソロッツォ

演:アル・レッティエリ

タッタリアの客分となっている麻薬密売業者で、ナイフの名手。
扱うヘロインの材料であるケシがトルコ経由であることから「ターキー(トルコ人の意)」と渾名されている。
ニューヨークで麻薬商売を広めようと政治家や司法に太いコネを持つヴィトを頼ろうとした。
ヴィトには頼みを拒絶されるが息子のソニーの乗り気な振る舞いを見て「ヴィトさえ消えてしまえば話が変わるのではないか」と考えてヴィトに対する襲撃事件を引き起こし、一連の騒動の発端を作る。
その後、マイケルと会談の場を設けるも、そのマイケルによって暗殺された。

マール・マクラスキー警部

演:スターリング・ヘイドン

父を見舞いに来たマイケルの顔を殴りつけて負傷させた警察官。
ソロッツォと癒着している汚職警官であり、ソロッツォとマイケルの会談に同席するが、彼共々マイケルに暗殺された。

実在の人物がモデルで元になったのはジョージ・W・マクラスキー。1900年代のニューヨーク市警の捜査局長であり、逮捕に抵抗するマフィアファミリーの人間を思い切りぶん殴って暴力警官とマフィア側から非難される等、マフィア絡みで色々なエピソードを残したとされる。

【その他の五大ファミリー関係者】

エミリオ・バルジーニ

演:リチャード・コンテ

五大ファミリーの一角で、コルレオーネ・ファミリーに次ぐ勢力を誇るバルジーニ・ファミリーのボス。
ヴィトからは一連の騒動の黒幕と看破されており、トップがマイケルに代わったコルレオーネ・ファミリーの打倒に向けて幹部や関係者の懐柔を進めていく。
余談であるが、彼の"とあるシーン"の撮影には一万五千人の野次馬が集まっていたそうである。

カーメン・クネオ

演:ルディ・ボンド

五大ファミリーの一家であるクネオ・ファミリーのボス。
ヴィトとタッタリアの手打式に出席した。

ビクター・ストラキ

演:ドン・コステロ

五大ファミリーの一角であるストラキ・ファミリーのボス。
ヴィトとタッタリアの手打式に出席した。

ジョセフ・ザルキ

演:ルイス・ガス

デトロイトを牛耳るザルキ・ファミリーのボス。
ヴィトとタッタリアの手打ち式では、五大ファミリーとは外れた立場で折衷案を提示し、その場を平和的に収めた。

モー・グリーン

演:アレックス・ロッコ

ラスベガスを牛耳るカジノビジネスの大物。
コルレオーネ・ファミリーとは以前から親交があり、タッタリアとの抗争ではフレドを預かり保護していた。
しかし、物語終盤では勢力が後退したコルレオーネ・ファミリーを見限っており、露骨に敵対するような態度を見せている。
モデルは「バグジー」の異名を取った実在のギャングであるベンジャミン・シーゲル。

【シチリア島のマフィア】

リオネーレ・トマシーノ

演:コラード・ガイパ

シチリア現地を拠点とするトマシーノ・ファミリーのボス。
ヴィトとは強い友好関係にあり、抗争から高跳びしてきたマイケルを匿った。
脚に障害があるため杖を突いているが、その顛末は次回作で描かれる。

ファブリツィオ

演:アンジェロ・インファンティ

マイケルの護衛役を務める饒舌な青年。
マイケルとは直ぐに打ち解けていたが、実はボスのトマシーノを裏切って敵方と内通しており、マイケルとアポロニアが引き裂かれる原因を作る。
原作小説ではその後アメリカに渡り、ピザ屋を経営していたがマイケルの放った刺客により殺害される。
当初は映画でも同様の最期を迎える予定で撮影もされていたが本編ではカットされてしまい、どうなったか描かれないまま物語からフェードアウトする。このエピソードは特別完全版で復活することとなる。

【その他一般人】

アメリゴ・ボナセーラ

演:サルヴァトーレ・コルシット

冒頭に登場した葬儀屋の男。イタリア系でヴィトとは旧知の仲だが、借りを作ることを恐れて距離を置いていた。
娘を陵辱した上に顎に重傷を負わせた若者達が思いの外軽い処罰で済んだことに腹をたて、旧知のヴィトに殺害による報復を依頼した。
しかし、ヴィトからは今まで距離を置いておきながら都合のいい時だけ頼ろうとする不誠実さとシチリア人が頼まれたことを断れないという娘の結婚式の日に友情ではなく金で殺しをさせようとする態度などを咎められる。
最終的に、ヴィトを「ゴッドファーザー」と呼んで改めて友情を誓うこと、報復は殺害ではなく暴行で留めること、金の支払いとは別の形で借りを返すことに合意させられる。

ジョニー・フォンテーン

演:アル・マルティーノ

ヴィトを代父に持つ若手の人気歌手。
人気復権の為にとある戦争映画の主演になろうとするが、プロデューサーのウォルツが手塩にかけて育てていた女優の卵に手を出して台無しにしたとして干されていた。
どうにか返り咲きたいとヴィトに泣き付くも、あまりの情けなさから「お前はハリウッドで泣き言を学んできたのか!?」と叱られるハメに。
その後何とかヴィトの援助で無事に主演の座を勝ち取り、復権を果たす。
モデルはフランク・シナトラとされ、原作者のプーゾは彼の怒りを買った。

ジャック・ウォルツ

演:ジョン・マーリー

ハリウッドの大物プロデューサー。
手塩にかけて育てていた女優の卵を台無しにしたとしてジョニーを映画の役から干していた。
その恨みは根深く、ヴィトの代理人であるトムからジョニーの主演を要請されても頑なに断っていた。
その結果、大事にしていた愛馬の生首を就寝中のベッドに放り込まれるというキツイお仕置きを受け、泣く泣くジョニーの主演を認めた。
因みにこの馬の生首、ドックフード工場から借りてきた本物の生首である。リハーサルでは作り物の生首を使用していたが、本番では役者に内緒で本物と入れ換えて撮影を行い、演技ではなく本気の絶叫を収めることができた。
映画では気の毒なキャラクターだが、原作と特別完全版ではロリコンの外道でありジョニーをあそこまで目の敵にするのも「自分が手籠めにしていた女優に手を出したから」というこれまたクズすぎる理由である。

ルーシー・マンチーニ

演:ジニー・リネロ

コニーの親友でソニーの愛人。冒頭では結婚式の最中だというのにソニーとのセックスを楽しんでいた。

ナゾリーネ

演:ビト・スコッチ

ヴィトの友人のパン屋。
娘の恋人であるエンツォがシチリアへ送還されないようヴィトーに依頼する。また、結婚式のウェディングケーキを準備した。

エンツォ

演:ガブリエレ・トレ

ナゾリーネのパン屋で働くシチリア出身のケーキ職人。ナゾリーネの娘と恋人関係。
不法移民として強制送還されそうになっていたところをヴィトの手回しで難を逃れ、米国市民権まで手に入れる。
その恩もあってヴィトが襲撃後に搬送された病院にいち早く見舞いに駆けつけ、マイケルと共にタッタリアの追っ手を追い払うのに貢献した。


ソフト化


DVD版:「ゴッドファーザーDVDコレクション」(2001年11月22日発売)以降全てのソフトに収録。
リストア版:コッポラ・リストレーションDVD-BOX(2008年10月3日発売)、Blu-rayに収録。
声優は海外オーディションで選ばれた。




追記・修正は権力の座に立ったものがお願いします。

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最終更新:2025年03月16日 08:05

*1 これは「セリフが覚えられない」、というわけではなく「わざとセリフを覚えないことでその焦りや緊迫感を演技に生かす」という本人の信条によるものだとか。本作においてもカメラに映らない場所にはセリフを書いたカンニングペーパーが大量に貼ってあった模様。

*2 前金無しで興行収入に基づいた分だけ出演料を受け取れるという契約。映画が大ヒットした為、最終的には巨額の報酬を得た。

*3 高額報酬請求はあくまで意趣返しで、インディアンの迫害を描いた映画「ブレイブ」には後述の政治信条もありノーギャラで出演している。

*4 「生魚を遺品か新聞紙で包んで警告すべき相手に送り付ける」というのは現実のマフィアでも用いられる伝統的な脅迫方法の一つであり、生魚は死体を意味し包む物が遺品であるならその持ち主の死を、新聞紙なら「明日の死亡記事に載るのはお前だ」という殺害予告となる。