SCP-2507-JP

登録日:2023/08/08 Tue 21:16:02
更新日:2025/03/08 Sat 20:19:07
所要時間:約 3 分で読めます





SCP-2507-JPとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスArchon、脅威レベルは


少々見慣れないクラス表記なので、なんじゃそりゃ?と思った人もいるだろう。
ということで、まずその部分から簡単に説明する。



オブジェクトクラスについて


まず見慣れないオブジェクトクラスである「Archon」について。
これはざっくり言うと「収容は可能だが、何らかの理由で財団が”意図的に収容していない”」オブジェクトに付与されるクラスである。
そうなっている理由は各々様々だが、共通するのは「収容しないのが最善だ」と判断されたアノマリーだということ。
確保・収容・保護を掲げる財団世界においてかなり変わった奴らである。

次に「脅威レベル」について。これは既存のオブジェクトクラスに追加で付与される補佐的な指標であり、そのオブジェクトの危険度を表す。
の7種類が存在し、右の黒に近づくほど危険が増す。
各色の詳しい説明は本家wikiに譲るが、コイツの脅威レベルはなので脅威レベル的には一番安全といえる。
それどころか脅威レベルのは「安全で、かつ有益なオブジェクト」に与えられるものである。
つまりコイツの性質は安全どころか有益でさえあるのだ。


ここまでをまとめると、SCP-2507-JPのオブジェクトクラスは「コイツの性質有益だし収容しないのが一番だわ」という意味になる。
そんなこんなで特別収容プロトコルも特に無い。

魑魅魍魎跋扈するSCP世界においてコイツが如何に異質か、この記事を見ているアニヲタ諸兄も分かってくれただろうか。
では、肝心の報告書の中身を見ていこう。



概要

SCP-2507-JPは、不特定多数の小さな子供たちの「オバケ」に対するイメージから生まれた夢界実体群(夢の中で活動する存在)の総称である。
なんと世界に2億体前後存在しており、世界中の人々の夢の中にいる。もしかしたらあなたの夢にも……?
こんなに幅広く分布できるのは、コイツらが人の夢から夢へ自由に移動できるからなんだとか。
次に見た目だが、デフォルメされたお化け……要するに日本のハロウィンで見かけるアイツらによく似ている。一例をあげるとこんな感じ。




姿はそれぞれで異なるらしいが、全てのSCP-2507-JPが共通する性質を持っている。
それが「夢の宿主に恐怖を味わわせるために活動している」というもの。

「おいおい安全じゃねーじゃねーか!」と思うかもしれないが、安心してほしい。
何故かって、コイツらが夢の主を怖がらせる方法がジャンプスケアだからだ。

要するに、飛び出して「ばあっ!」ってするだけ。この見た目で。

……やられた直後くらいは確かにビックリするかもしれないが、チープな見た目の印象も相まってガチビビりされることはまずないという。
こんな感じで単独で人を怖がらせるのには無理があるからか、ほとんどのSCP-2507-JPは悪夢実体の行動に便乗して活動している。



活動詳細

悪夢実体とは、悪夢を見せることで人々に精神的ダメージを与える存在の総称であり、人々が見る悪夢の元凶である。
奴らは特殊に生成した夢の世界に人を閉じ込め、悪夢を見せることでその人のSAN値を削る。

一応ただの夢ではあるため、目を覚ませば悪夢から脱出して影響から逃れることはできる。
しかし悪夢実体は、閉じ込めた人が「これは夢だ!」と自覚してその夢から覚めることを防ぐために、リアリティのある悪夢を見せてくるのだ。
迷惑極まりない存在である。


予備知識はここまでにしてSCP-2507-JPの話に戻ろう。
コイツらは悪夢実体を発見すると距離を保ちつつ尾行を行い、奴らが人を悪夢の世界へ攫ったタイミングで自身もその内部に侵入する。
内部では往々にしてリアルな悪夢に閉じ込められた人が奴らに精神をフルボッコにされている。
そして、SCP-2507-JPはその人の恐怖が最高潮に達したタイミングに便乗して……









ジャンプスケアを行う。









……驚かされた人は瞬間的にはビックリするが、リアルな悪夢の中で急にチープなオバケが飛び出したことに徐々に違和感を抱き始めるようになる。
そして最終的に「自分が夢の中にいる」という自覚に達する。
その結果、早く悪夢から覚めようと覚醒を試み、短時間のうちに目を覚ますという。



その効果

……お分かりいただけただろうか。SCP-2507-JPは、知らず知らずのうちに悪夢実体の計画をぶち壊しにしているのである。
事実、2507-JPの一連の活動により悪夢実体による被害*1が約20%ほどに抑制されていると推測されている。
これこそが、このオブジェクトが有益と判断されている所以である。

また、この状況からSCP-2507-JPを収容してしまうと、悪夢実体の計画を台無しにする阻止する存在が減少し被害が拡大してしまう。
そのため、このオブジェクトは前述の通りArchonに指定され収容されていない。
特殊なオブジェクトクラスはそういう理由で付けられているのだった。


ちなみにSCP-2507-JP本人達はビックリされることには喜ぶものの、十分な満足に至ることは極めて稀だという。
というのも、多くの場合脅かし方や驚かされた側の都合もあってかビックリされた後はシカトされてしまうためである。
それもあってか、SCP-2507-JPの活動頻度は常に高い水準を維持している。かわいい。



子供たちが生み出したこのオバケたちは、今日もどこかで我知らず人々を救っているのだ。






SCP-2507-JP

おどかしオバケ






追記・修正は、悪夢の中で変なオバケに出会った人がお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチっと/

最終更新:2025年03月08日 20:19

*1 睡眠に対する恐怖心、集中力低下、高ストレスによる神経衰弱など精神的な影響。