逆襲スパイ Xキャリバー

登録日:2023/09/01 (金) 23:51:50
更新日:2024/07/09 Tue 21:05:02
所要時間:約 6 分で読めます






「絶対」をはね返す、逆襲スパイ参上!




逆襲スパイ Xキャリバーとは、古本ゆうやによる漫画作品。

●目次

【概要】


『月刊コロコロコミック』の2021年10月号から2022年11月号まで連載された。単行本全3巻。
当初は『別冊コロコロコミック』で読み切り作品として掲載され、読者からの好評を受けて同誌で連載をする予定だったが諸事情で中止となった。
連載中止後に月刊本誌でまたもや読み切りを掲載し、それが好評を受けたことで連載が決まったという経緯がある。
なお、作者の古本によってはコロコロコミックでの初の連載作品となった。

作品の内容はコロコロらしく主人公を小学生としているが、ジャンルはスパイアクション。
ヒロインに対するラッキースケベ的なイベントがあったり、男同士でのキスがあったりと低年齢向けのコロコロとしては結構踏み込んだ挑戦的な描写も多い。

連載後も漫画人気アンケート1位を獲得したこともあるが、最終的には掲載誌での他作品との競争に敗れたらしく、無念の打ち切りとなった。
ただし、全く評価されていなかった訳でもなかったようで、古本の次回作であるコミカライズ作品の『豆狸のバケル』の連載開始時には『週刊コロコロコミック』で期間限定の全巻無料公開キャンペーンも実施された。
また、古本は連載終了後は本作の後日談的な日常エピソードを描いた漫画を自身の公式X(旧Twitter)アカウントやpixivFANBOXなどで公開している。

【あらすじ】


小学校6年生の狩庭ケントは、一見すると年頃の男の子らしい無邪気な普通の少年。
ところが彼の正体は日本政府が極秘裏に抱えているスパイ組織「X」に所属し、「キャリバー」を名乗って様々な難題を乗り越えるエージェントだった。
自身と同じ組織に所属していたトップエージェントの父親を目標にするケントは、指導教官のレオンと共に破天荒なスパイとして活動を続けていくことになる。

【主な登場人物】


  • 狩庭ケント
御深津東小学校に通う小学6年生の少年。スパイ組織「X」に所属するC級(後にB級に昇格)スパイ「キャリバー」としての裏の顔を持つ。
普段は金髪の髪型に眼鏡をかけているという容姿だが、スパイとして活動する際には眼鏡を外す代わりに目元にメイクを施すという独特なセンスの顔に変貌する。
表の顔も普段の顔も基本的には大きく変わらずに無邪気な人物であり、「絶対という言葉は逆らいたくなる・ぶち破るためにある」という独自の考えを持つ。
「逆襲スパイ」とも評されるように困難な任務も持ち前の勇気で成功させるという高い素質を持つが、同時に何かしらの大きな損害を出して台無しにする流れが定番である。

  • レオン
スパイ組織「X」の指導教官の男性でS級スパイ。本名は「獅子原瑞希」。左脚が義足になっていることからつえをもって活動している。
破天荒な狩庭ケントの行動に説教したりツッコむという上司兼相棒という関係にあり、ケントの父親の装人とも相棒だった。
ちなみに作者の古本はレオンを義足にすると編集と電話で設定を決めた際に足の小指を自宅の柱にぶつけて全治一か月の怪我を負い、皮肉にもキャラと同じ杖を使って生活することになった。
ケントの実質的な父親として良き保護者をしているが、「X」内では昔と比べると甘くなったことやケントのスパイとしての欠点の原因となっていることを指摘されている。

  • 政道千春
御深津東小学校におけるケントのクラスメートの少女で児童会長。ケントは「カイチョーさん」と呼ぶ。
真面目で心優しいおせっかいな性格故に無邪気なケントと絡むことが多く、周囲からはその様子を痴話喧嘩と揶揄される関係。
ケントの派手な行動からスカートの中を除かれたり、胸を偶然触られるなど性的な意味での被害に合うことも(ただし、ケント側にそういうことをしている意識はない)。
「政道グループ」という大企業の社長令嬢という立場でもあることから、学校外で任務に就くケントと偶然絡む機会もある。
以前自分を救ってくれたキャリバーを王子様と認識して惚れ込んでいるが、容姿からケントとの関連性を疑っており、最終回では薄々正体を察していたと明かしている。

  • 狩庭装人
狩庭ケントの父親。スパイ組織「X」のトップエージェントを務めている。スパイとしてのコードネームは「セイバー」。
レオンとは相棒関係で管理官とも旧知の仲という設定があり、幼少期の息子には刑事と偽っていたが後に軽いノリで正体を明かしている。
人間離れした戦闘力を持っており、特に動体視力が異常で弾丸を撃ち落とせるというレベル。

  • カゲミツ
「X」に所属するA級エージェント。関西弁が特徴的な人物であり、ケントを「ケンちゃん」と呼んで何故か弟と認識している。
腕前は超一流の戦闘力なのだが、千春に嫉妬して彼女を人質にする外道さやケントにいきなり口づけをするなどかなりの変態的な奇行を見せる。
ケントをスパイに向いていないとして辞めさせようとしており、装人についても見下していた。
ちなみにケントに執着していた理由は伏線が張られていたが打ち切りの影響もあってか本編では明確には説明されず、単行本のバックストーリーで本編前の経歴とのその答えが明かされている。

  • 管理官
X級スパイの人物。スパイ組織「X」で管理官であり、黒髪ロングヘアと顔全体をX字に巻いた包帯で巻いた異様な容姿をしている。
オンラインで任務を指示しており、口調は穏やかだが相手を叱る際の威圧感は圧倒的な雰囲気を誇る。
ケントやカゲミツの関係性についてもその答えを知っていた。

  • ヘルガ
「X」に所属するC級エージェント。褐色肌が印象的な人物で、小学生のケントと比べても身体は小さい。
臨時で開かれたスパイ昇級一斉試験でケントと知り合うことになり、以後良きライバルとして関わっていくことになる。
普通の人間ではなく改造を受けたサイボーグであり、エネルギーを用いたアームブラスターなどの技を使える。
海外の紛争中の国家で天涯孤独の孤児として生きていた所を装人に救われ、その恩からXで身体のサイボーグ化の改造を受けて組織に身を捧げた。

  • カタリナ
モンターナ王国の国王夫妻の娘。両親が総理大臣と会談する都合から共に日本に来日した。
近衛兵に変装した暗殺者に命を狙われてから家族以外に対して人間不信になり、ケントに護衛兼カウンセリングの役割が任せられた。
無口な人物だったがケントとの交流の中で徐々に感情表現を外に見せるようになり、最終的にテロリストに救われてからケントに惚れ込む。
帰国後もケントと交流していて再会の可能性も示唆されたが、作品が打ち切りになったのでそんな機会はなかった。

  • パンドーラ
Xの幹部の女性。大人びた雰囲気の容姿でかなりの巨乳。
活動の際に損害を多く出すキャリバーをスパイとして不適切と判断しており、カゲミツを利用してライセンスの剥奪を目論んでいる。
単行本のバックストーリーによると、実はXの支援を受けていた本物の忍者の里の出身であり、レオンが怪我をした際に嫌気がさしていた飛び出した里に戻ってケントの面倒を一時的に見ていた。

  • ヴォルコフ
Xの科学班の男性であり、本作におけるラスボス
正体は日本とXの壊滅を狙ったスパイであり、かつて存在した悪の大国「W国」の直属のエリート科学者だった。
装人の活躍で国家が解体した際に職を失ったことから、狩庭親子に恨みを抱き、身分を偽ってXに潜入してヘルガに洗脳の改造を施した。

【余談】


  • 作者の古本曰く、スパイ組織「X」の幹部の名前は自分が好きなゲームキャラの名前を使っていると公式X(旧Twitter)アカウントで明かしている。




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最終更新:2024年07月09日 21:05