ゲナウ(葬送のフリーレン)

登録日:2023/10/28 Sat 00:00:00
更新日:2024/05/21 Tue 22:36:40
所要時間:約 3 分で読めます





どちらにせよ、戦いが好きな奴なんて碌な人間じゃない


お前は私のようにはなるな




概要

『ゲナウ』とは『葬送のフリーレン』の登場人物。
魔法使い達を束ねる組織「大陸魔法協会」の一級魔法使い。
貴族の様な装いと七三分けにした髪が特徴。表情は鉄仮面めいて基本的に無表情を貫く。

CV:新垣樽助

人物

多くの人の死を見てきたためか、厭世的で皮肉屋な性格。
普段から無表情かつ愛想が良いとは言えないため、初見だととっつきにくい人物に見られることも。
北部出身。

フリーレンのように魔族に対する殺意は人一倍高いものの、それを表立って現すことはしない。

基本、誰に対しても淡白な対応しかせず、相棒として組んだメトーデにも、
ゼーリエから促されるまで握手を拒んだりと最初は冷淡な態度を取っていた。
ただ、これも前任の相棒が戦死したことで必要以上に距離を取ってしまったが故の行動と思われる。
実際、魔族に襲われ滅んだ村の遺体を合理性を減らしてでも頑なに守ろうとするなど、
不器用ながらも義憤、優しさを持ち合わせているのが随所にみられる。
人当たりがいいのも手伝ってか、歩み寄ったシュタルクとはそれなりに打ち解けた。

故郷が滅ぼされた際はフリーレンがあわや魔族と勘違いする殺気が魔力に宿り
本人はそれほどまでに冷静じゃないのを自覚できなかったなど、一面では激情家と言っていいかもしれない。
その憤怒は器用で気遣いもできるメトーデをして気が気でなかったと語るほど。

「戦いは追い詰められるほど生き残ったときの感動は大きい」と言うほど相当な戦闘好きでありつつ、
冒頭の言葉のように自嘲するような発言もいくつかあるように、内心は複雑な様子。
また色んな人の死を見てきた、あるいは見捨ててきたためか、「いずれ報いが来る」などと自罰的な一面も。
魔族との戦いで神経をすり減らしているようでもあり、命乞いを「いくらでもそんな言葉を聞いてきた」と返しつつ、
「頼むから少しは本当のことを喋ってくれ」とこぼす。村が滅んでも「何も感じなくなった」と語るあたり擦れ具合は察するに余りある。

皮肉屋な性格ではあるが、一級魔法使いの試験で(言われた場面は彼の担当ではないが)「協力すれば合格できる易しい試験」と宣う側なだけはあり、
実戦に際しては初対面でお互いの戦い方も知らないシュタルクの攻撃にわずかな隙でも合わせたりと、連携意識はちゃんとある。
……協調性自体はゼーリエ直々に「今の一級魔法使いは協調性がない」と断言されるぐらいには微妙だが。

作中の活躍

本編では一級魔法使い試験にて登場。この時は第一次試験の試験官を務めた。
内容は強固な結界で封鎖された特定の領域内で隕鉄鳥を捕まえ期限まで確保しておくというもの。
一見平和に見えるが、これは適した魔法を持たないなどで捕獲が難しければ他班から奪えば良いという対人戦の要素も孕んでおり、実際死人も出ていた*1
また、期限時点で班に欠員が出ていても失格という条件も他班への攻撃を助長していると言える。
勇者の死後、魔族の跳梁著しい北部で育ったゲナウの求める魔法使い像が如実に現れている試験内容ではあるが、
これは同僚のゼンゼにも咎められていた。まあゼンゼの試験も大概アレなのだが…。

受験者に関しては、デンケンのことは最初から高く評価していた。
協会長であるゼーリエによる結界が破られることは天地がひっくり返ってもありえないと断言し、
それを実行したフリーレンが勇者一行の魔法使いであり聖杖の証を持つことを知ると「最後の大魔法使い」と称した。

その後しばらくは「水鏡の悪魔」について解説する役で出てくる程度で、主立っての出番は無かった。

彼にスポットが当たったのは後の北部高原の討伐依頼にて。
ゼーリエの命で北部の魔族掃討を言い渡され、新入りのメトーデと共に現地に赴き、そこでフリーレンたちと邂逅する。
ここでは彼の人間性がちょこちょこ現れており、「息子がいる」と宣う魔族を倒した後も一応確認を取ったり、遺体を他の魔族に喰われないよう一人残ったり、子供を咄嗟に庇おうとするなど、冷静な態度の裏で割り切れない情緒が随所にみられる。

この回では、シュタルクと共に相棒を殺した仇「神技のレヴォルテ」に挑むこととなるが…。



戦闘能力

人外と謳われる一級魔法使いなだけあって、人間の中では高い戦闘力を誇る。
対魔族との経験や知識も豊富で、どれだけ追い込まれようとも冷静に物事を見れる観察眼も併せ持つ。
殺意の籠った魔力は、フリーレンをして「魔族かと思った」と言わしめるほど。

ジョブこそ魔法使いであるためか、前衛の人間ではないと自覚はしつつも、
敵将軍の剣劇を捌けるほどには接近戦にも長けている。
その関係か肉体的にも頑丈で、わざと肉を切らせたシュタルクよりは傷が少なかったものの、
即死していないのが不思議なダメージを負いながら、戦士である彼よりも早く快復した。

軽く倒せる相手には一般攻撃魔法と思われる魔法を使用しているが、
全力の戦闘では下記の魔法を使った攻防一体の近接~中距離の戦闘を主軸に据えている。

基本魔法

  • 黒金の翼を操る魔法(ディガドナハト)
主力として使っている攻撃魔法。背中から黒い両翼を生やし、それを自在に操るというもの。
いわく“この世ならざる物質”で構成されている翼は非常に頑丈で、
達人でさえ初見では受けきれず即死する矛盾剣の攻撃を弾き、
威力の面でも相当で、硬化させれば将軍の頑強な肉体でさえ両断せしめる。
また、羽を飛ばして遠距離攻撃することも可能。翼なので当然空も飛べる。

魔力の消費量等は明らかになっていないが、
魔法使いが苦手とする接近戦に対応し、防御魔法に有効な物理攻撃を備え、
まさに攻防一体。火力、機動力共に優秀な魔法となっている。


  • 鳥を使役する魔法(仮称)
鳥を飛ばし、その視界を共有する魔法。


このほかにも、魔族を寄せ付けない結界を教会に張ったりと、かなり器用な面も垣間見せる。


余談

名前の由来はドイツ語で「その通り」を意味する『Genau』から。


追記・修正は第一次試験を乗り切った方がお願いします。

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最終更新:2024年05月21日 22:36

*1 後の二次・三次試験は紆余曲折あったとはいえ死人ゼロで済んだが、人死が出ること自体は一級試験では当たり前のことのようだ