シュタルク(葬送のフリーレン)

登録日:2023/10/15 Sun 11:33:09
更新日:2025/04/03 Thu 19:21:34
所要時間:約 4 分で読めます





この村の英雄シュタルクなんだ。

俺が守らなきゃならないんだよ。


出典:葬送のフリーレン、5話『死者の幻影』、2023年9月29日~2024年3月22日まで放送。
「葬送のフリーレン」製作委員会、マッドハウス、
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会。


概要

『シュタルク』とは『葬送のフリーレン』の登場人物。
約80年前に魔王を討伐した勇者一行の戦士アイゼンに育てられた弟子。

CV:小林千晃、清都ありさ(幼少期)

額に大きな傷がある赤髪の少年。勇者ヒンメル没後29年の時点で18歳。フェルンとは同い年だが、こちらの方がやや誕生日が早い。
中央諸国クレ地方の戦士の村出身。おそらく北側諸国の三大騎士・オルデン家は遠縁にあたる。

怖がりでヘタレな性格。強敵を前にした時は大体ビビっており、コミカルな言動が大変多い。
幼い頃には故郷を魔族に襲われ、一人逃げ出してしまい生き延びた過去もある。
しかしその経験があるからこそ、誰かのために強敵に立ち向かう「勇気」も持っており、ヘタレだがやるべき時はやれる男である。
アイゼンも同じような経験をしており、だからこそ自分と同じようになれると見込んで鍛え上げた。

オドオドしがちなのは自己評価の低さも影響していると思われる。
というのも、生まれ故郷では「まだ一度も魔物と戦えていない」ことから実の父に失敗作、稽古をつけるだけ時間の無駄とさえ言われていたほどの扱いを受けていた。
村の誇りと称される優秀な兄だけは、強さの象徴といえる白の外套が汚れるのをいとわず目線を合わせ、丁寧に指導する等親愛を持って接してくれていたものの、
魔族襲来の際そんな兄も見捨てて逃げた結局自分は戦えなかったことが彼の心に影を落としていたのだ。
師匠からは褒められず、家族からも一度もプレゼントなどもらったことがないが、「それも当然かもな」とこぼすほどコンプレックスは根深い。
フリーレン達と出会ってからは紅鏡竜単独討伐に加え、フェルン達に認められ、また過去にも不器用ながら愛されていたことを知り、徐々に自信を持てるようになっている……のかもしれない。

このようにヘタレな面が目立つが、優しく素直な人柄をしており、子どもたちとはよく一緒に遊び、
困っている人を見れば些細な事でも手伝うその姿勢から、行く先々で多くの人に親しまれ、慕われるようになる。
滞在した町や村から出立する際に、シュタルクが交流した住民たちから餞別を渡され、笑顔で見送られるのはいつもの光景。
尤も、子どもたちとすぐ仲良くなれるのは、「雲の形がうんこおっぱいに似ている」なんて事ではしゃぐほどに精神年齢がガキ…もとい幼い影響もあると思われる。

とはいえフリーレン、フェルンという2人の優秀な魔法使いと一緒なので目立ちにくいが、シュタルク本人も地頭は良い。
戦闘中も考えなしに突っ込むのではなく、相手の動きや戦いを良く見てじっくりと戦略を立てるタイプである。
平時も現実的な意見を口にする事も多い。実は彼の意見はアイゼンのそれと同じであることも多く、ある意味では似たもの師弟と言える。

また、彼もまた幼くして故郷を滅ぼされ、そこからはアイゼンに人里離れた場所で育てられたため、年頃の恋愛感情等を学びやすい環境にいたとは言い難く、
村の英雄として滞在していた間も、内心では町の人からの期待やプレッシャーに押しつぶされそうな逃亡寸前ゆえにやはりそんな場合ではなかったため、
乙女心どころか女の子の扱いなど分かるはずもなく、度々フェルンを怒らせたり、言い争いになったりしている。
まあフェルンもフェルンで割とめんどくさい性格をしているため、これに関してはシュタルクだけが悪いとも言えないのだが、
ともあれ、夜更かしをすれば叱られ、夜中にジュースを飲んだことで怒られるなど、完全に尻に敷かれている。お母さんに逆らえない息子の構図
一方で、その人柄自体はフェルンも好意的に見ており、めんどくさい言動を取るのもそれだけシュタルクを親しく思っている表れと言え、
とあるキャラクターに「もう付き合っちゃえよ!」と(本人たちが聞いていないところで)言われるほどには、フェルンとの関係性は近い。

フェルンが『服が透けて見える魔法』でシュタルクを見ての一言「ちっさ」のせいで粗チン疑惑がある。
フェルンの身近な男性であるハイターのがデカかっただけとかであることを祈りたい。


リーゲル峡谷沿いにある村に3年前から住んでいたが、そこにアイゼンから「前衛が必要ならシュタルクを連れて行け」と言われ現れたフリーレンにスカウトされた事で同行する事になる。
シュタルクがフリーレンの旅に同行する目的は「くだらない体験をして、それを土産話としてアイゼンの元へ帰る」事である。
普段無口なアイゼンは「勇者一行のくだらない旅がなにより楽しかった」と幼いシュタルクに語っていた。
なのでシュタルクは年老いたアイゼンの代わりにくだらなくて楽しい旅を経験して、それを伝える事で恩返しをしようと考えているのだ。


過去

戦士の村で幼少期を過ごす。
幼い頃は「まだ一度も魔物と戦えていない」ことから失敗作と見なされ父親からは見限られていた。
フォローするわけではないがこの頃のシュタルクは大人の腰に届くかどうかといった身長の本当に小さい子ども。さすが戦士の村、スパルタである。
一方で村最強の戦士だった兄・シュトルツはシュタルクの才能を見出しており、指導をしたり誕生日にハンバーグを作る等可愛がっていた。
しかし、ある日魔族の襲撃を受け村は全滅、兄がシュタルクを逃がしてくれた。

その後はアイゼンに拾われて修行しながら過ごす。
しかし3年ほど前にアイゼンと喧嘩をしてしまい、その時初めてアイゼンに顔を殴られ、傷跡ができた。
それが原因で「失望された」と思い込み*1、家出をしてリーゲル峡谷沿いにある村に辿り着く。

その時村は紅鏡竜に襲われており、魔物との戦闘経験自体ゼロのシュタルクはビビッて戦う事も出来ず棒立ちになってしまうが、何故か紅鏡竜はその場を去ってしまう。
村の人々は「シュタルクのおかげで助かった」と勘違いしてしまい、村の英雄として讃えられる。

「自分は何もしていない」と言い出せる空気ではなく、かといって紅鏡竜がすぐ傍にいるこの村を見捨てて逃げ出すことも出来ず……。
そうこうしている内に3年が経過した時、彼の前にフリーレン一行が現れた。

フリーレンのスカウトに対して、紅鏡竜を倒した後なら構わないというシュタルク。
ただし「村の英雄」の化けの皮はすぐに剥がれ、フェルンには「こいつは駄目です。他を当たりましょう」とゴミのように扱われたが、シュタルクが来るべき時のために欠かさず修行を積んでいたことを知って見直される。
そして決戦の時、シュタルクに託された役割は30秒の足止め。果敢に立ち向かい、竜に一撃を浴びせて動きを止めるが、肝心の援護は全然来ない。
ブチギレて弾みでフリーレンをクソババァ呼ばわりしてしまったシュタルクだったが、フリーレンの対応も当然のこと。
紅鏡竜はシュタルクの一撃ですでに絶命していた
「竜をも怖れさせるシュタルクがいるおかげで竜が襲ってこなくなった」という「勘違い」は、何ら間違いではなかったのだ。

喧嘩別れをしてしまっていてな。
反射的に体が動いたんだ。可哀想なことをしてしまった。
怖かったんだ。
俺は怖かったんだよ、フリーレン。

こいつはすごいことだ。俺の弟子は――――とんでもない、戦士になる。


戦闘能力


…俺はまだ立っている。


師匠と同じくを扱う戦士。
実家は剣士の家系だったので幼少期は剣を扱っていたが、アイゼンの元で修行した事で斧を扱うようになった。
今はまだ成長途中で、フリーレンの見るところによるとシュタルクを上回る戦士も登場するが、潜在能力はアイゼンも恐怖するほどピカイチ。
幼い頃には“返り血も泥の一つすら付けない戦士の村最強の戦士”と謳われた兄の外套を、集中して気づかないまま泥で汚す(=兄の予想を上回った)才覚の片鱗を見せていた。
武のおじいさんからも「これぞ無の境地。よくぞ武の真髄まで辿り着いた。お主に教えることはもう何もない」と太鼓判を押されている。「だれ?」

地味に、ではあるが村に滞在している間も暇さえあれば筋トレ等の鍛錬を欠かすことなく行っており、
戦士の村にいた幼い頃から修行自体は「毎日あれほど修行している」と厳しい父から言われるほどに積んでいた。
過酷極まる北側諸国の戦闘隊長にも軽いボディチェックで「お前凄くいいな……」と評価される肉体、強さはそうした不断の努力によって培われているのだろう。
いつしか「フリーレンの横に立っているだけ」で相手の腕利きを警戒させる程の強さになっている。

純戦士なため魔力にはてんで疎く、フェルンに「(こんな魔力探知にバチバチに引っかかりまくる魔境で普通の場所とか)本気で言ってるんですか?」と言われたり、
大魔族の強大な魔力を前にして「思ったよりも強くなさそうだな」と外見で見立てるなど、その辺りは魔法使いに任せっきり。
翻って魔力に敏感だからこそのしかかる負担等にはまるでピンとこないのでケロッとしている長所にもなる。
封魔鉱等、魔法が使えない状況でも何も変わらず動ける戦力としても頼もしい。

攻撃力も当初から竜を一撃で屠れるほどだが、特筆すべきは防御力。流石にドワーフである師・アイゼンには及ばないようではあるが、
  • 師の動きを模倣した魔族の斧をわき腹に受けても軽傷
  • 体をズタズタにされても数日で腕立てが出来る
  • 竜に頭をかじられても平気
その異常な耐久力はフェルンをドン引きさせており、竜にかじられても平気だった際には「なんで?」と尋ねられたが、シュタルク自身何故こんなに丈夫かはわからないそうだ。
そして同時にそんなシュタルクに消えない傷を残したアイゼンは衰えてなお凄まじい攻撃力を持っていた事が分かる。シュタルクはシュタルクでせめて気絶しておけよ人として
魔法の目立つこの世界における戦士の基準がブッ飛んでいることを感じさせる師弟である。

ビビリな彼だが、負傷に対してはとてもメンタルが強い
腕を複数刺され血まみれであっても「このくらい戦士なら普通」「なにか変なの?」と答え、
共闘したフェルンの治療が長引くほどの戦闘の前衛担当を経て「今回はズタズタになっただけ」で済ませるなど、だいぶ肝が据わっていると言える。
これは戦闘での負傷も当たり前、日常な戦士の村で生まれたこと、「戦士ってのは最後まで立っていた奴が勝つんだ」という持論を持つアイゼンに鍛えられたことが影響している可能性が濃厚。

一方でアイゼンと比べると状態異常への耐性は低い。
作中では毒蛇に噛まれた際に、治療が間に合わなければ脳が溶けて鼻から流れ出る所だった。
だが毒を受けて意識も朦朧としている中で敵の不意打ちを防ぐ事もあり、段々と根っからの戦士になっていってる。



  • 閃天撃
斧を相手に振り下ろす。
ただそれだけのシンプルな技だが、その威力は修行中の描写を見るに巨大な岩壁をも一刀両断にする。
それまで手数で圧倒されていた断頭台のアウラの配下の1人・リーニエをこの技のたった一撃で葬り、逆転勝利した。
  • 光天斬
斧を相手に向かって振り上げる一撃。
巨体の腕に体を貫通されていようと放つことのできるのは練度の表れだろうか。

余談

名前の由来はドイツ語で「強い」ことを意味する『Stark』。



追記・修正は粗チンの方がお願いします。 ちっさくねーよ!!

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  • おもしれー男
  • 粗チン←※少年漫画の少年キャラです
  • 一応人間
  • ちっさくねーよ
  • いい奴
最終更新:2025年04月03日 19:21
添付ファイル

*1 実際はシュタルクの見せた潜在能力の片鱗に、アイゼンが恐怖を覚え手を出してしまった