登録日:2024/04/01 Mon 10:07:45
更新日:2025/03/24 Mon 23:07:00
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この項目は医療マンガ『スーパードクターK』『
K2』に登場する架空の国の紹介である。
【概要】
圧倒的医療技術を持つドクターK。
彼の基本的な活動国は日本であるが、その噂は海外にも広がっており、都度外国に赴くこともある。
…そしてそこで医療技術無関係、フィジカルで解決する事件に巻き込まれることも多い。
今回はそんなKらが訪れた個性豊かな国々の紹介である。
なおKは
アメリカやロシア、中国などの実在国にも訪れているがここでは割愛する。
【登場した国の数々】
カサール王国
第2巻で登場した、記念すべき初海外。
実在したカ
ザール王国とは無関係。
情勢が不安定な小国で内戦に揺れており、王族ですら修復すらされていない古い建物に住んでいる。
だが軍事にはかなりの金を注ぎ込んでいるらしく、軍隊の装備は一人前。
更に医療施設も最新のものを揃えているが、それは決して人命のことを考えているわけではなく…。
このアンバランスな国にてKAZUYAは
生涯の好敵手と出会うのであった
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飛行機に乗っていたKAZUYAに銃口を突きつけ無理矢理連れてくるなどの粗暴さの裏には妙に説明的であり、また国民が善性を完全に失っていないという特徴がある。
だがKAZUYAを連れてきた理由は兵士たちを強化し敵を圧倒する力を得るためであり、その最後の善性を捨てる間際であった。
勿論ドクターKはそれを断るが、突如現れた新たな医者「 ドクターTETSU」が登場。
兵士たちに痛みを感じないコールドトミーを施し彼らを「吸血部隊」に仕立て上げるも、ほんのわずかに残った「人の心」を持っていたおかげで部隊長が改心。
彼が本当に大切なものを思い出した事を察したKAZUYAはなんと国王にも同じ手術を施し、彼の愚かさを説いた。
国王はその事で改心、内戦は停戦へと向かうことになった。 なおTETSUは何故か投獄された。国のために働いてたってのに…。
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バグラン公国
第7巻に登場。
東欧と中東の中間に位置する人口150万人の小国。位置的にはルーマニアの下の辺り…と架空国にしては詳細な位置情報が判明している。
この国から発せられる「バグラン国際医学賞」は「ノーベル賞」と並び称される程の栄誉あるものである。
戦乱に揺れている地域にしては珍しく君主制を敷いており、国自体もシャボン玉で遊んでいる子供たちの姿が見られるくらいには情勢が安定していたが…。
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そのバグラン国際医学賞に、KAZUYAの恩師柳川が選ばれるところから物語がスタートするが、彼が訪れたときには7歳の国王ブロールは病に瀕しており、その後釜を狙って武闘派のベルレス首相が周りに負けないくらいの軍事をしこうとしていた。
そしてドイツではこの国の不穏な動きを察ししており、そういう情勢下ゆえに件の賞も最近は出ていなかったという。
この国がほしかったのは「国王の死」という大義名分。
ブロール国王は体質的に全身麻酔を受け付けず、更に柳川は先日罠に掛けられて左手にハンデを背負っていた。
つまり柳川は「彼程の医者ですら国王を救えなかった」という説得力の為に呼び出されたのだ。
また国王の主治医チェンバレンもその体質のせいで苦悩の果てにブロールを見捨てる選択を取っていたが…。
だが上記のカサール王国のようにこの国にも僅かな善性が残っており、まだ7歳だというのにブロールには王の威厳が備わっている。
そんな彼を慕ってか軍部の中には国王派も多数おり、国に訪れたKAZUYAに対応した兵士「チェロキー」も「無関係な人たちを巻き込むわけには行かない」と脱出の手筈を整えてくれた。
しかし幼き王を見捨てるわけにはいかない柳川はこれを拒否。
更にKAZUYAの奇策により国王が救われる。
しかしベルレスはそんな国王を強制的に射殺しようとする、彼にはもはや退路は無い。
そう思われた矢先、チェンバレンが国王を庇い死亡…。
…彼が諦めていた理由は国王が治らないためであり、そのブロールが治ったとなればもはやベルレス将軍に従う義理はない。
その生命を貼った説得、そして兵士達の声…更にはブロールの威厳のある命により、ベルレス首相は人の心を取り戻した。
こうしてベルレスは国王の器ではあるもののまだ子供であるブロールを首相として支えるのであった。愛するこの国を守るために…。
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シルバラ
オニ一族ではない
第16巻にて登場した南米の国。
ちなみにこの巻は
KAZUYAとTETSUが軍服を来て吠えているという医学漫画とは思えない表紙が特徴的である。
ベネズエラ、コロンビア、ブラジルの国境あたりに位置する
麻薬大国。
ここを収める如何にも悪役顔の麻薬王アルベルト・シングルトンがもたらす麻薬はアメリカのコカインの80%を賄っている。
その麻薬によりクエイド財団会長の孫も犠牲になった…。
この事でクエイドの副会長ジェフ・エクランドは軍の協力を得て、KAZUYAや朝倉、紛れ込んだTETSU達と共にシングルトンの住まうシルバラの工場を攻略しようとするのだが…。
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しかしそのシングルトンは実は国を守るために苦肉の策としてコカインを製造している良き領主であり、侵入者であるドクターKに対しても真摯な対応をしていた。
…と同時に彼らの一番の取引先はなんとこの攻略を指揮しているジェフ・エクランドであり、その目的は麻薬工場を直接自分の手に収めようとする事であった。
結果的にコカインの工場は爆破されるものの、一命をとりとめたシングルトンは「最初に戻っただけ」と仲間達に述べ、KAZUYA達を見逃した。
彼らも自らの作っているそれがいつか身を滅ぼす事を知っていたのだろう。
そんな彼らにクエイド財団は救いの手として経済支援をする事に決定。今度こそ正しい道を進むこととなった。
KAZUYAの言う通り彼らがコカイン製造に手を染めたのは貧困のためであり、生きることに必死なだけだったのだ。
ちなみに今までは敵同士だったKAZUYAとTETSUが始めて手を組み、また好敵手の過去も少し語られる事となった。
お陰で一部からはKとTETSUのイチャイチャ回だとか言われている。
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マリピア
第18巻に登場。
東南アジアに位置する国。カジノがあるらしい。
悪徳政治家木村曰く「日本からどれほどの支援金を払ってやってる」との事だが反日感情が強く、その夜に襲撃される。
ナイフで刺され金も取られ死の淵に瀕した木村を救ったのは、あの真田武志であった…。
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…も何も状況説明のためだけに登場した国であり、内情が描かれたのもたった数ページ。
このスピード感がKシリーズの魅力と言えるだろう。
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ビクシパール
第19巻に登場。
かつては非常に貧乏な国であり、国民は盗みをしなければ明日すらも生きれない状況であった。
更に警察の質も悪く、窃盗しようとした人間をリンチし半殺しにしてしまうほどの粗暴の悪さ。
挙げ句、子供たちですら平気で盗みをする為に軍事基地に忍び込むも、地雷で果ててしまうという壮絶な国…であったが…。
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「ただ皆食べ物がほしかっただけ…」
それら壮絶な経験をし、父や仲間達と死別した少年「シアドク」は後に大統領となり、その優れた手腕でビクシパールを「東南アジアの宝石」と呼ばれるほどの国に成長させた。
彼の壮絶過ぎる人生は異国日本にて、頑なな少年の心を救うこととなるのだった…。
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ニューセルゲイ共和国
第20巻に登場した、太平洋に位置する島国でありながら折あらば軍事行動をする物騒な国。人口は300万人程。
ブランカ大統領による「ブランカ主義」に支配されたこの国は軍事国家となっている。
国民はそんな軍人を恐れて、眼の前で騒ぎが起こっても見て見ぬふり…。
そんな国にやってきたのはKAZUTAとTETSUであったが…。
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ニューセルゲイの次の目的はアニマルウェポン…イルカや犬、鳥を操って無差別テロを起こすことであった。
そんな国に雇われたのはまたしても真田武志であった。
だが武志は宿敵KAZUYAと弟であるTETSUがやってきた事で、同じ西洋人としてやってきた彼らとの関係を疑われてしまう。
そこでは誤魔化したものの、時を置かずに不用意にもKAZUYAを挑発する為に電話を掛け、更にTETSUが弟である事がニューセルゲイにも判明。
疑われた武志はそのまま射殺されてしまうものの、今際にアニマルウェポンとなった犬に介錯を頼み…核爆弾のスイッチを押した。
そしてこの国の首都は少なくとも(ここ重要)50万人もの死者を出し亡びるのだった…。
今までの国はなんやかんやで救われてきたのだが、この国は余りにも派手な終わり方をしたせいでたまにネタになる。真田家は4人で平均12万5千人殺しているとか。
なおブランカ大統領は姿自体は出てきたが作中では一言も喋らずに爆散した。
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A国
ニューセルゲイ編で話題に出た国。
タンパという地名や「自由の国」という呼ばれ方から明らかにあの大国であるが、ここだけはテロの標的になるためか名前が伏せられている。
ちなみに話題の中にはS国というのも登場している。
レビーク
第23巻に登場。
中東の大国で人口は約2千万人。
レアモスク教という架空の宗教を国教としているが、その教えと予言に忠実過ぎるが故に融通が利かない。
クエイドの中東支部設立の足がかりにしようと朝倉とKAZUYAが訪れるが、実は皇女サラメールが重病に伏しており…。
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KAZUYAはそのサラメールを救う救世主(予言書に書かれたのはマント姿の男で明らかにKの一族である)だと言われ、彼女の治療をすることとなる。
だが今までの外国シリーズと同じようにやっぱり縛りプレイが科せられる事となり、それは纏い物を取らないというもの。
レアモスク教の女性は配偶者以外の者に皮膚を晒すことは禁じられているのである。要するにKが女性であったとしてもアウトだった。
朝倉は「なんとか誤魔化す」と言うが、Kは「郷に入っては郷に従え」という事でその状況で皇女を救おうとするが…。
なおこの回では普段真面目でクールな朝倉が珍しくギャグキャラ化している。
その事とKAZUYAが本気でたじろぐオチも相まって今までの外国シリーズに比べてコミカルな印象が強い国である。
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バラモ共和国
第26巻に登場。
南米にある内乱に揺れる国。
30年以上独裁を続ける大統領モッサン率いる政府軍と、「ティーグレ」率いる反政府ゲリラとの衝突が続いている。
その戦いは最早話し合いどうこうの段階ではなく、互いに「殲滅」「血の粛清」と過激な発言をするほどであったが…。
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反政府ゲリラのリーダー「ティーグレ」。
彼はスパイと見切った刹那瞬時に殺害するほどの冷酷な男であるが、恩は忘れない男である。
その正体は「アンディ・ミヤナガ」…その名字から分かる通り日系三世であり、かつては祖国を救うという思念の元、多少日本語が話せるために日本に留学していた。
だがそこで働いている際に頭を強打する大事故にあいながらも、まだマントをしていないKAZUYAに救われる。
その後も互いに馬があい、祖国の事や日本という国の良し悪しを学ぶ。
そして別れの際に「また何かあったら治してもらおうかな」と別れの挨拶をし、正しい理想を持ってすれば国を救えるという希望を持ってバラモに帰るも、実際はゲリラのリーダーとして幾人もの人間を殺している状態であった。
更に彼は頭に爆弾があり、強い衝撃を再び受けると「頭が割れるように寒くなる」危篤であった。
そんな彼を再び救ったのもKAZUYA。
…彼はティーグレの別れの挨拶を冗談と受け止めず、地球の裏側から治しにやってきたのだ。
「恩を忘れない日本人の血」それはティーグレ…アンディ・ミヤナガにも流れている。
今までは刺客と断じたら即座に処刑していたが、それはモッサンのやっている事と変わらない。そう気づいたティーグレにKAZUYAは「1ヶ月間何もしなくてもいい」という。
…そして1ヶ月後、大統領モッサンは急死する。
KAZUYAは彼の異常に膨らむホクロから既に手遅れだということを察していたのだ。
そして完治したティーグレの熱き声明を持って、この国は新たな道を進むこととなる。
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アスタリオ共和国
第37巻に登場した、南米に位置する自然豊かな国。
ウーリーモンキーが多数生息しており、彼らを動物実験用に捕獲するハンターが生計を立てている。
しかし自然豊かなジャングルというものは人類には解明できてない病原菌も多数あり…。
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猿は未知の病原菌に感染し、凶暴になっていた。
更にその菌は人間すらも殺傷してしまう程であり、この事で実験研究所は大パニックになることとなる。
アスタリオ国はこのエピソードの最初と最後にしか登場しないが、その両方でも猿を捕えるための銃口が響き渡っている…。
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ランビワール
第38巻に登場した東南アジアの小国。
20年間続いていた内戦が、自愛に満ちた軍人カオスァイ中佐の尽力により終了したが、国力を使い果たし多数のけが人も出ている。
特に「キリング・ヒル」と呼ばれる場所では多数の重症人がいる。
更に同じ軍人であるはずのチャマペット長官はそんなカオスァイに自らの立場を脅かされることを恐れている。
また内乱の名残のため、あらゆる場所に地雷が仕掛けられているという、
「停戦=平和」というわけではない事を表す危険な国と言えるだろう。
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しかし戦乱に疲れた兵士達にとって、カオスァイの自愛に満ちた言動は救いであった。
医者志望であった彼は来る日も来る日も怪我人を治し続け、やがて内乱を終わらせた。
そしてその功績のお陰で自分達だけで無く仲間も救い、更に国王から国民栄誉賞を授与されるが…。
だが、カオスァイは本当の英雄を知っており、そんな彼はその英雄のKAZUYAに1つの趣旨返しをすることとなる。
なお前述の通り地雷が埋まっている危険な国であるが、実際にそれを踏んでしまい果てた人間がいる。
それはなんと今回の敵役のチャマペット。
彼は往生際悪くカオスァイの排除を狙おうと一時撤退するものの、そのすぐ後に地雷を踏んで死亡。
そのスピード感あふれる雑な処理方法や、本来なら主人公ら善玉を追い詰めるような悪辣な兵器(前述の通りこの地雷はDoctorKシリーズに置いては唾棄すべき兵器として扱われている)なのにそんな地雷で悪役が死ぬ展開やらは定評がある。
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タバレアス国
第43巻に登場した中米に位置する国。
今までの架空国と違い施設は立派だが、麻薬が国民を貪っている…。
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その麻薬は元々は人々を救うための純粋な薬品であったが、国家の陰謀により麻薬…それも一度吸うと行き着くとこまで行ってしまう「ZZZ(トリプルゼット)」と呼ばれる非常に協力な薬品となっていた。
だがその麻薬を意図せず作り上げてしまったベリアードは、麻薬捜査官のジョーンズの手引もあり無事アメリカに亡命。
そこで証言し罪を償う事となった。将来的にはタバレアスに巣食う麻薬も撲滅されるだろう。
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なおこの国を持って「スーパードクターK」の架空国は最後。
続編のDoctorKでも海外を飛び回るがアメリカ、イタリア、スペイン、ドイツ、南極等の実在する国や大陸ばかりであった。(一応架空の地域はいくつか出てきたが)
R国
K2第25巻にて登場した、久しぶりの架空国。
南米アマゾンに位置する国であり、そこの住民はマラリアに掛かることも多い。
だがさしたる医療技術もない彼らだがそれでもマラリアを恐れている節はなく、その理由が皆が定期的に飲んでいるお茶「ボロロネ」であった。
KAZUYAの親友でもある香田が持ち帰ったそれは実際に日本人にも効果は抜群であったが…。
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マラリアの特効薬として期待されたボロロネだったが、当該植物は絶滅の危機に瀕していた。
その為にR国から直々にFAXが届き、持ち出しを禁じられてしまう。
その事で気落ちする香田であったが、一也の励ましにより地球上にはまだまだ隠された植物…特効薬がある事がわかり、再びプラントハンティングへと出かけていった。
なお動植物の持ち出しの話は比較的デリケートになりやすい事と、マラリアの特効薬はあったら革命的過ぎる為か、物語の最後にはボロロネは架空の植物という注釈が成されている。
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ティガワール王国
K2第37巻から登場。なにげに珍しい架空国の長編である。
一也に渡した子供向けの本が出ているほどであり比較的著名である。
人口1500万人だが特に資源などはなく情勢も安定していなかったが、シンガポールをロールモデルに観光大国となった。
だがそれはかつての国の有り様が影を潜めるほどの急激な変化だったらしい。
放浪中の一也がTETSUに拾われて、ティガワール王家が住まう屋敷に向かうという話の流れなので、この国に訪れるわけではない。
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だが現国王「ギエム」の跡継ぎの命が狙われるという事件が発生。そのときは医師団の措置により事なきを得たが国内は危険ということで日本にやってきている。
しかし王妃ルアンは子宮頸がん合併妊娠という極めて危険な状態の上に「出産の際にはいかなる時も人為的な手を加えてはならない」というしきたりのせいで治療を拒否している。
…そんな状況の中、ドクターTETSUは秘密裏に世継ぎの暗殺を依頼されるのだが…。
今までの架空国とは違って「早急な国の移り変わりに対し今までのしきたりを優先する国民達」という極めて現実的な悪役が登場する。
そんな国家の陰謀を前にTETSUと一也がどう動くかは見ものである。
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追加修正は情勢不安定な架空国にてお願いします。
- 本編見やすいように(初)登場巻数とか記載した方がいいか……? -- 名無しさん (2024-04-01 23:19:13)
- ニューセルゲイは人口300万人と真田が言ってるから6分の1があの回で亡くなったのか -- 名無しさん (2024-04-05 19:41:42)
- ティガワール編はその前の命の番人編と同じく「最新医療を施す事は宗教的に正しいのか?」がテーマで、どうしようもねぇ極悪テロリストだった命の番人の主張も、伝統という形で未だ残っている国もあるとすることで、一也の放浪を締めくくる回になってると思う -- 名無しさん (2024-04-18 18:39:57)
最終更新:2025年03月24日 23:07