登録日:2024/04/15 Mon 19:21:34
更新日:2024/12/27 Fri 20:34:22
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『魅惑のチキルーム(The Enchanted Tiki Room)』とは、ディズニー・テーマパークにあるショーアトラクションである。
概要
ディズニーランド・パーク(アナハイム)、マジック・キングダム、
東京ディズニーランドの3パークに存在する。
ハワイやポリネシアの文化をモチーフにしており、同地域の神様「
チキ」などが関わってくる。
多くのゲストから「
休憩場所」などと言われもするが、実は
オーディオアニマトロニクス(音楽や映像などに合わせてプログラミングされているロボット)を初めて採用した凄いアトラクションである。生前の
ウォルト・ディズニー氏のお気に入りアトラクションの一つだったとも言われる。
古参アトラクションゆえかなり歴史があり、またリニューアルも何度もされてきた。
以下、詳しく紹介しよう。
初代
上述の歌「チキ・チキ・チキルーム」が使用されたバージョン。3パークとも経験済み。プレショー約5~10分+メインショー約20分とかなり長い。
鳥が喋るシーンが非常に多いのも特徴。ショーの目的は「眠ったチキの神様を歌で起こす」こと。
アナハイム版(1963年~)
60年以上現役で上演されている。最大の特徴は一度も大きなリニューアルをせずにこのバージョンで一貫していることである。
なんせ、生前のウォルトも関わっているためか、昔から変わらない姿で上演されている。
スポンサーはDole。
マジック・キングダム版(1971年~1998年・2011年~)
特にアナハイム版とは変化はない。だが一度リニューアルの関係でクローズ経験があるのが特徴(後述)。
スポンサーはアナハイムと同様にDole。
東京版(1983年~1999年)
東京もオープン時、初代verが存在している。東京版はそもそも
アメリカ以外のディズニーパークに唯一存在するチキルームでもあるため、主にショーは
日本語で行われる。
1999年に後述のリニューアルでクローズ。しかしマジック・キングダム版とは違いこのバージョンは、東京のみ復活していない「幻」となった。
スポンサーは新日本証券。
登場人物紹介(日本語版)
ホセ(cv:熊倉一雄)
スペイン生まれの鳥。本バージョンのリーダーでもある。
ピエール(cv:安西正弘)
フランス生まれの青い鳥。物真似が得意。
ジョニー(cv:安原義人)
アメリカ生まれの鳥。なお東京以外ではマイケルという名前。
フリッツ(cv:辻村真人)
ドイツ生まれの鳥。雷が大の苦手。
【その他のキャラクター】
ペリー&モーリア
プレショーに登場する2羽の鳥。
チキ
後半から登場。しかしチキ語で歌うためゲストにはちんぷんかんぷん。
使用楽曲
チキ・チキ・チキルーム
小鳥のように歌おうよ
ハワイアン・ウォー・チャント
ハイ・ホー
"ゲット・ザ・フィーバー"
東京版(1999年~2008年)
半世紀をまたいだ日本独自のチキルーム。初代ではハワイアンな曲が多かったが本バージョンからはホップやジャズが起用され、多くのゲストを楽しませた。
2008年1月27日に後述のリニューアルでクローズ。わずか9年という短すぎる幕を閉じた。ショーの目的は「再び眠ったチキの神様を起こそう」。
スポンサーはリニューアル前から引き続き新日本証券だが、合併により2000年からは新光証券となった。
登場人物紹介
バディ(cv:つのだ☆ひろ)
本バージョンのリーダー。
礼儀正しく、女性に紳士的な一面を持つ。低音ボイスが特徴。
また燕尾服のような羽をしており蝶ネクタイやハンカチも持っているらしい。
スキャッツ(cv:つのだ☆ひろ)
ファンキーでお調子者な青い鳥。金のネックレスや赤いサングラスが特徴。彼女募集中で星占いが日課。
なお、つのだ氏は一人二役である。
ダンノ(cv:高尾直樹)
メインボーカルの鳥。花の首飾りをつけた伊達男。
ショーの主役。一人称は「オレ」と「僕ら」(歌詞より)。
ラーヴァ(cv:今陽子)
セクシーな紅一点の鳥。アクセサリーや白くてふわふわする飾り羽をしている。
スキャッツをたしなめたり、情熱的な歌でチキの神様を起こすことに貢献したりするなど大人の女性として位置付けられている。
なおメスの鳥はこのバージョンが初登場。東京オリジナルである。
【その他の登場人物】
バーズ・オブ・リオ
女性の鳥たち。ショーを華やかに盛り上げるメインコーラスである。終盤にも登場する。
ビーキーボーイズ(cv:いんぐりもんぐり)
プレショーで登場する、「ビッグビーキー・B」と「2カンDJ」の2羽によるオオハシのコンビ。ラップ口調であらすじを語る。
チキ
途中から登場。登場前にすごいいびきが聞こえる。今回からの主な特徴は日本語を喋ることである。
チキ語だけではなく日本語の歌詞を歌うシーンがけっこうある。その後、暴走する。
使用楽曲
チキ・チキ・チキルーム(アレンジver)
イン・ザ・サマータイム
ホット・ホット・ホット
フィーバー
君のようになりたい
スティッチ・プレゼンツ“アロハ・エ・コモ・マイ!”
東京版(2008年~)
東京版はまさかの3度目のリニューアル。イタズラ好きのスティッチがチキルームにやって来る、というストーリー。2008年7月25日にオープンした。
実はやや大規模なリニューアルなのにわずか半年で完了するとかディズニー仕事早すぎだろ。
「アロハ・エ・コモ・マイ」は、ハワイ語で「こんにちは、ようこそ」を意味するほか、ネームドキャラクターたちの名前も全てハワイ語になっているなど、ハワイが舞台の作品が出典であるスティッチが絡むからか、これまでのモチーフだったポリネシアよりハワイを前面に押し出している。
ショーの目的は「チキの神様を起こす」……ではなく「素敵な歌声を披露する」に変更された。また、噴水がスティッチ登場の土台と化した。
スポンサーはリニューアル前から引き続き新光証券だが、合併により2009年からはみずほ証券となった。
登場キャラクター紹介
ハウオリ
バーズ・オブ・パラダイスのリーダー。ハワイ語で「幸せ」を表す。
優しく紳士的な一面もあり、みんなのまとめ役。
マヌ
青い鳥。眼鏡を掛けている。ハワイ語で「鳥」を表す。一人称は「僕」。
臆病だが、伊達男で女の子に優しい一面がある。
本バージョンで、みんなを混乱させた一羽。
ワハヌイ
ハワイ語で「おしゃべりな口」を表す。一人称は「俺」。緑の鳥で名前通り本当におしゃべり。
「ビッグ・カフーナ」を怒らせるような言動をとる。
マヒナ
本バージョンのソロ担当で主役。ピンクの鳥で一人称は「わたし」。ハワイ語で「月」を表す。
優しいお姉さんキャラである。
“ゲット・ザ・フィーバー”のファンからは賛否両論で「ラーヴァを返せ!」とネタにされるのがお約束である。
だが、ラーヴァと比べるとかなりマシになった方。
スティッチ(cv:山寺宏一)
本バージョンの主人公と同時に鳥たちを混乱させた元凶。本当は一緒に歌いたかっただけ。
『リロ・アンド・スティッチ』の主役で本バージョンではチキルーム初の楽器担当。
触角と手を少し隠しており、可愛らしい姿となっている。
【その他の登場人物】
リロ
『リロ・アンド・スティッチ』のもう一人の主役でハワイ在住の女の子。
本編には登場しないが、プレショーに彼女の名前で手配書が貼られている。
レイディーズ
ワハヌイと歌う花のコーラスバンド。
ワハヌイの歌唱中にスティッチにイタズラされる。終盤にも登場する。
ウイング・ワヒネ
マヌがワイキキのビーチで出会った「カワイコちゃん」たち。
しかし青くてちっちゃい奴(スティッチ)によって青い耳をつけられており、歌唱中にもかかわらずショーを後にしてしまう。
チキ
本バージョンではチキ語+
日本語に加え英語で歌うことも。なお、チキ語・
日本語が少なく英語が多い。
また、冒頭から歌うのも最大の特徴。
そして、リーダー格である「ビッグ・カフーナ」が名前だけ登場している。
ユウナ
アニメ『スティッチ!』に登場する
沖縄県在住の日本人の女の子。
オープン当時は同作の放送の関係で出口付近にユウナの手配書が存在していた。
現在はアニメが放送終了したため、手配書は撤去されている。
使用楽曲
ハワイアン・ローラー・コースター・ライド
アロハ・エ・コモ・マイ
タフアフアイ
ワイキキの浜辺で
アロハ・エ・コモ・マイ(2回目)
トリビア
- チキルームはメインショーが初代20分と長かったが、「ゲット・ザ・フィーバー」と「スティッチ」では8分になった。
- オーディオアニマトロニクスは鳥以外に花や柱にも設置されている。
- 東京版チキルームは「"ゲット・ザ・フィーバー"」を最後に、プレショーと「チキ・チキ・チキルーム」が廃止されており、ファンからは復活の意見が多い。
なお、2018年7月から2019年4月まで開催された期間限定のプロジェクションマッピングショー『Celebrate! Tokyo Disneyland』では久々に「チキ・チキ・チキルーム」が使用されている。
- ザ・ドリフターズのいかりや長介氏は、アナハイムのチキルームを観て「素晴らしかった」と自著『だめだこりゃ』にて絶賛している。
- スティッチ版ではスティッチ登場時にスティッチの似顔絵とアロハ・エ・コモ・マイと書かれたブラックライトが消える。これは雷の演出が入るため。
- 元々、チキルームはショー型レストランになる予定だった。
- マジック・キングダム版は1998年から2011年まで「アンダーニューマネージメント」というバージョンが存在する。
このバージョンでは『アラジン』のイアーゴと『ライオン・キング』のザズーが登場するが初代とあまり内容が変わらず、人気も今一つで2011年に起きた火災を機にクローズ。
結果……文字通り、火の中に消えた。
- 東京版はリニューアルをする度にスポンサーが変わっている。「ゲット・ザ・フィーバー」まで新日本証券が、「アロハ・エ・コモ・マイ」まで新光証券が務めていた。
当初は2008年初めの合併でみずほ証券になる予定だったがみずほ側のトラブルにより延期。
その後新光証券は2009年まで当アトラクションを提供しており、その後合併と商号を経てみずほ証券名義となる。
またDoleではないのも東京のみ。
- 2007年に行われた『リロ&スティッチのフリフリ大騒動~Find Stitch!~』の一環で「ゲット・ザ・フィーバー」の看板の上に鳥の真似をしたスティッチが一時期いた。
一年後、まさか乗っ取られるとは誰も思っていないだろうに。
- ショー待機中(元プレショー)の場所に冬になると暖かくなる石の椅子がある。
- チキの神様は顔が違うのが3体くっついておりそれが約10体近くいる。
- 「ゲット・ザ・フィーバー」版と「スティッチ」版はショー終了後に鳥たちの会話を聞くことができる。
- 東京では最長が初代の16年、次にスティッチの15年である。2025年7月になればその記録が塗り替えられる予定である。
追記・修正はチキの神様に思いを馳せながらお願いします…
- ものすごく耳に残るよね -- 名無しさん (2024-04-16 21:58:52)
- にゃんこ大戦争のレジェンドステージ「誘惑のチキンルーム」の元ネタがあったのか -- 名無しさん (2024-04-16 23:33:41)
最終更新:2024年12月27日 20:34