ストラックアウト

登録日:2024/05/28 (火) 03:09:22
更新日:2024/10/22 Tue 20:40:26
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STRUCK OUT


その渾身の一投で
大空に輝く星を掴め
ストラックアウト!


(PS2 「筋肉番付マッスルウォーズ21」より)

ストラックアウトとは、TBSテレビの「筋肉番付」から生まれた的当て競技(ゲーム)である。

本来は野球の三振(strike-out)の過去形(struck-out)を意味する*1が、ここから転じて三振を取る行為を模した的当てゲームの和製英語として知られており、本項ではこれについて解説する。


概要

「筋肉番付」内の「200万円ドリーム企画」として登場。
設置された的の板を全て抜けば勝ちという単純なルールであるが、プロの選手でも苦戦する難易度から番組の人気競技となった。
番組内でも挑戦者のクリアのたびに何度かリニューアルされており、筋肉番付終了後も後継の「体育王国」「黄金筋肉」、局をまたいでフジテレビ「海筋肉王~バイキング~」、そこから時が経っても「炎の体育会TV」に登場している。

ストラックアウトのような的抜き系競技にはこの他にも、野球のトスバッティングで的を狙う『スプレーヒッター』、サッカーのPKをベースにした『キックターゲット』、テニスのサーブの要領で的を狙う『サービスエース』、ゴルフのティーショットで風船を射抜く『バルーンシューター』などが存在する。

また、番組全盛期には各地のゲームセンターに番組からリリースされたアーケード用筐体が設置された他、番組が終了した今でも他社製品によるものがバッティングセンターに設置されたり、レクリエーション用の簡易的な物が購入・レンタルできたり、YouTuberによる「パーフェクトチャレンジ」「100枚版チャレンジ」が行われるなど、最早イライラ棒同様「元ネタの番組を知らない人間でも名前は知っている番組企画」の一つとなっている。

ルール(初代)

┏━┳━┳━┓
┃①┃②┃③┃
┣━╋━╋━┫
┃④┃⑤┃⑥┃
┣━╋━╋━┫
┃⑦┃⑧┃⑨┃
┗━┻━┻━┛

  • ホームベース上にストライクゾーンを9分割した3×3の正方形のパネル9枚が設置されており、それをピッチャーマウンドからの投球で12球(12回の投球)で全て射貫くことを目指す。
  • 野球ボールを投げてノーバウンドでそのパネルに当たればそのパネルを射貫いたこととなる。当たればOKのため、球威が低い場合は当たっても落ちない場合があるが触れていればOK扱い。逆にプロレベルになるとその球威でパネルごと破壊することも度々ある。
  • パネルに当たらない、パネル間の鉄製のフレームに当たる、パネルに当たる前にバウンドしてしまうとミス。
  • パーフェクトのために許されるミスは3回まで(番組では「遊び球」と表現される)であり、4回ミスした時点でチャレンジ終了。そこまでに射貫いた枚数が記録となる。
  • 遊び球を使い切る前に全てのパネルを射貫くことができればパーフェクト達成、完全制覇となる。

バリエーション

2代目

┏━━━━━┓
┃① ② ③┃
┣━┳━┳━┫
┃④┃⑤┃⑥┃
┣━┻━┻━┫
┃⑦ ⑧ ⑨┃
┗━━━━━┛
上段と下段のフレームが一部撤去された。これにより「1番と2番」「8番と9番」のように同時に2枚のパネルを抜く「2枚抜き」が可能となった。2枚抜きに成功すると必要となる球数が1球少なくなるため、遊び球が1球増えることになる。それに伴い終了条件も「残りパネル数>残り球数になった時点」となった。最短で7球でパーフェクト可能。

3代目

┏━━━━━┓
┃① ② ③┃
┃ ┏━┓ ┃
┃④┃⑤┃⑥┃
┃ ┗━┛ ┃
┃⑦ ⑧ ⑨┃
┗━━━━━┛
横に通っていたフレームも一部撤去され、縦の2枚抜きも可能となった。ただし、5番のみはフレームに囲われており、真中中央をストレートで射貫かなければならない。最後の1枚になるとよりプレッシャーが高い。最短5球でパーフェクト可能。
3代目ながら番組でも一番長く使われてたパターンでもあり、これを基にした派生バージョンも多数作られた。

「ストラックアウト2001」では5番が円形で一回り小さくなり、さらにパーフェクト・150万円獲得後、「ダブルアップチャレンジ」として「5番と同じ位置の的を一発で射貫く」に挑戦し、成功すれば賞金が倍になるというシステムが登場。
「ストラックアウト2002」ではプロ野球のストライクゾーン変更を受けて2・4・5・6・8番が一回り大きくなり、9番に円形の一回り小さい的が設置された。
また筋肉番付の後継番組である「体育王国」では、上段に通常より細い1・2・3・4の的が横並びで設置され、代わりに通常の5番に当たるど真ん中がフレームでふさがれている(もちろん当たってもハズレ扱い)という変則バージョンが登場した。

ストラックアウトビンゴ

パネル枚数が16枚(4×4)や25枚(5×5)に増えたバージョン。バージョンによっては4枚抜きも可能。
このルールではノルマ制を採用しており、最初に「8球で5枚」といった数からスタートし、射貫くことができれば新たに「3球追加されて2枚」「2球追加されて1枚」という風に持ち球が増えていく。持ち球を全て使い切ってもノルマをクリアできなければ終了。
賞金はビンゴ形式となっており、1列ビンゴを重ねる度に賞金がアップ。4×4バージョンではパーフェクトで500万円、5×5バージョンでは1000万円に。
しかし、普段投げることのない「地面スレスレの的」や「デッドボールレベルの内角」も求められるなど難易度はそれ以上。

ストラックアウトタートル


※画像は編集者が作成

文字通り逆立ちをした亀の形を模した盤面。1・4・5・8が足、2・3・6・7が胴体、9が頭を模している。
通常に比べ極端な投球が求められる高難度バージョンで、その分賞金も300万円にアップ。
胴体の4枚は2枚抜きが簡単だが、胴体と足の2枚抜きはかなり細い場所を通さなければならない。そして9は完全に孤立しておりここが一番の難所。なお中心に支柱があるので4枚抜きはできない。
映えある最初の挑戦者は「伝説の左腕」こと江夏豊。早々に難関の9番を射抜いたものの、外側に設置された4・5・8に大苦戦し記録は7枚だった。


ストラックアウトクロス

    ┏━┓
    ┃②┃
    ┃ ┃
    ┃⑥┃
┏━━━╋━╋━━━┓
┃① ⑤┃⑨┃⑦ ③┃
┗━━━╋━╋━━━┛
    ┃⑧┃
    ┃ ┃
    ┃④┃
    ┗━┛

十字型の的となっており、ど真ん中が9。1・5、2・6、3・7、4・8で2枚抜きが可能。
まぐれ当たりがよりできないかなりシビアな盤面。

アーケード版

番組での好評を受け、規模の大きめなバッティングセンターやゲームセンターに90年代後半に爆発的に設置が進み、どこに行っても並び待ち状態の人気コーナーであった。
番組でよく使用されていたのは3代目バージョンのレイアウトだが、外れた的の再設置になるべく労力がかからないよう、倒した的が完全には外れずにすぐ直しやすかったり、機械的自動で直せる仕組みを導入されていたりするものがほとんどで、そういった仕組みを導入しやすいフレームの入った初代・2代目が使用されることが多い*2

基本的な遊び方として、

‣1ゲーム200円~300円、ボールは12球。
‣ボールは一定間隔で排出され、次の球が出るまでに投げないと失敗扱い。
‣但し、パネル枚数がどれだけ残っていても12球は投げ切る事が出来る。
‣パネルに一定以上の強さで当たれば1枚パネルが消える。なお、枠は基本的に上記の初代枠なのだが、
稀に2枚抜きが発生した。枠とパネルの間にすき間がある事が理由。
‣終了後、〇枚抜きのレシートが出る事があり、パーフェクトのレシートで何かしら交換できる特典がある所が多かった。
‣KONAMIがTBSから承認を得て作られたエレメカ版は三代目仕様で、実況の他にパネル宣言や二枚抜きも可能。
また、こちらはバッティングセンターと違い4回ミスをしてしまうと終了してしまうが、パーフェクトを取った場合は景品として筋肉番付のタイトルロゴがプリントされたメダルが貰えた。

余談

  • 元々は「筋肉番付」のさらに前身となる特番「スポーツマンNo.1決定戦」の初回、出場選手の凄さをアピールするためのデモンストレーションコーナーとして登場した。
 ・この時のルールは投球前に狙う的の番号を宣言したあと、宣言通りの的を射抜ければ成功、違う番号なら失敗というかなり厳しいもの。
 ・挑戦したのは当時読売ジャイアンツに所属していた宮本和知。数十球も要したものの見事宣言通り打ち抜く事に成功したという。


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最終更新:2024年10月22日 20:40
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*1 もちろん英語圏では三振が発生した直後の審判の宣言などはstrike-outだがスコアに記録されたものを語る時はstruck-outで呼称する。

*2 物理的に的が倒れるのではなく、LED表示を生かしたタイプだと3代目のような縦2枚抜きができるタイプも存在する。