登録販売者

登録日:2024/07/28 (日曜日) 15:49:00
更新日:2025/07/03 Thu 21:41:24
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【概要】

登録販売者とは資格の一つ。ドラッグストアや薬局などで一般用医薬品の販売ができる医薬品販売の専門資格である。
歴史そのものはまだ浅く、2006年の薬事法改正に伴い設立されたもの。元々一般用医薬品を販売するためには薬剤師が必要不可欠だったのだが、薬剤師の資格そのものの取得難易度の高さ、それに伴う人材不足を補うために作られた。
薬剤師と違い試験そのものに受験のために必要なスキルや資格等は特に無く、誰でも受験することが可能。
2009年の運用開始時には、旧薬事法における薬種商販売業が統合される形で廃止されており、旧薬種商販売業資格者も試験合格者とみなされる形で自動的に登録販売者となった。

ただ薬を販売するだけでなく、顧客に必要とされれば各種医薬品の成分・効能・効果や注意点の相談も請け負う必要がある。

一般用医薬品はその副作用やリスクなどから第一類~第三類に分類されており*1、薬剤師が全種類を扱えるのに対し、登録販売者は第二類と第三類を取り扱うことができる。
他の資格で例えるなら危険物取扱者における丙種・乙種のようなものだと思ってくれればいい。しかし……

【評価】

はっきり言って滅茶苦茶有用
そもそも第二類と第三類の医薬品は一般用医薬品のおよそ9割を占めている物であり、それが扱えるというのは非常に大きなメリットとなる。
ドラッグストアや薬局は元より、スーパーマーケットやコンビニでも一部の一般用医薬品が販売されているので、就職にも有利となるだろう。

ただし、試験の合格率は全国で30~50%程度と決して高い方では無い*2
また前述の通り顧客との相談を行うこともあるので、相応のコミュニケーション能力は必須となる。仮にも人の命に関わる物を扱う以上、相応の難易度となるのは必然と言えよう。

【試験の内容】


免責事項

項目内に記載された難易度評価・社会的評価は、あくまで執筆者ないしは追記者の個人的見解によるものです。言われた通り資格取ったのに選考落ちたーなんて言われても責任は取らないよ!

また、実際に資格を取得したいと思った場合、当Wikiを参考にしようとは思わずにネットを切って参考書を買うなり講座を受けるなりすることを激しくおススメするよ!

試験は毎年一回、8~9月の間に各都道府県で行われる。勉強方法は独学でも良いが、資格取得講座を受講した方が効率が良い*3
マークシートを用いた選択問題であり、複数の選択肢の中から正解を選ぶ。しかし意地悪な引っかけ問題も少なからずあり、一筋縄ではいかない。運を天に任せて適当に選ぶのはあくまでも最終手段とし、しっかりと知識を身につけて正解を選ぶように心がけたい。
各章の内容は以下の通り。

  • 第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」
医薬品の基礎知識の他、サリドマイド訴訟やスモン訴訟といった過去の薬害に関して触れる章。
まだ最初ということもあって比較的簡単な物が多く、点数を稼ぐのはそれほど難しくない。
逆に言えばここで苦戦するようでは先が思いやられる

  • 第2章「人体の働きと医薬品」
人体の各種臓器の役割や機能、医薬品がどのような影響をもたらすかについて学ぶ。
どちらかというと小中学生の理科の延長のようなものであり、それらが得意だった人ならさほど苦戦はしないだろう。


  • 第3章「主な医薬品とその作用」
おそらく最大の関門。各種医薬品の成分や働く仕組み、副作用、各種漢方薬といったものについて学ぶ。
誇張抜きで覚えなければならない内容がとにかく多く、ここで躓く人が大多数を占めると言われている。
実際各種資格取得講座でもこの章だけ他と比較してテキストが分厚いことが多く*4、試験における問題数も多い。
ここをどれだけ勉強して、どれだけ得点を稼げるかが大きなポイントとなる。

  • 第4章「薬事関係法規・制度」
主に法律関連、医薬品の取扱&各種販売方法について学ぶ章。
こちらも第3章とは違うベクトルでの難しさがあり、これまでやった理系の勉強がほとんど通用しない。
特に都道府県知事と厚生労働大臣、販売形態の違い、許可・承認・届出など引っかけ問題も多く出題される。

  • 第5章「医薬品の適正使用・安全対策」
一般用医薬品に付属する添付文書に記載されている内容、安全対策や各種救済制度について学ぶ他、各種医薬成分の注意事項についても触れる。
出題される問題の中には第3章からの発展も少なからずあるので、第3章でしっかり勉強をしていれば得点を稼げる。


全部で5章に分かれており、累計で7割以上の点数を取らねばならない他、各章毎に都道府県が定めた基準点に達していなければその時点で不合格となる。
極端な話、4つの章で満点を取ったとしても最後の1つの章が基準点未満だと問答無用でアウトということでもあり、全体的に満遍なく勉強するのが必要となる。


【余談】

比較的新しい資格だからか、もしくは医者関係の中ではさほど目立つものではないからか、創作作品で登場したものは現在のところ確認されていない。
とあるテキストは『秘密結社鷹の爪』とコラボした物があるくらい。
勿論これから出る可能性もゼロではないが。





追記、修正は医薬品について勉強してからお願いします。



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最終更新:2025年07月03日 21:41

*1 実際は要指導医薬品、医薬部外品などより細かく分けられてはいる

*2 これについては誰でも受験可能=その分多くの人が受験しているということでもあり、一概に薬剤師などと比較して難しいというわけではない

*3 企業によっては専門の勉強を行ってくれるところもある

*4 場合によっては複数に分けられていることも