登録日:2024/09/22 (日曜日) 20:19:09
更新日:2025/03/15 Sat 22:13:27
所要時間:約 15 分で読めます
「プリンタニア・ニッポン」とは、イースト・プレスより発行されている日本の漫画。
著者は迷子。既刊5巻。
4巻までの収録分はウェブコミックサイト『マトグロッソ』で連載されていたが、2024年3月からは同じイースト・プレス系の新サイト『COMIC ポルタ』での月一連載に変更されている。
あらすじ
買ったばかりの生体プリンターで柴犬を作ろうとした佐藤。
しかし生まれたのは、なんだかもちもちした不思議な生き物?だった。
『プリンタニア・ニッポン』として新種登録された「それ」と暮らす、SF(すこしふしぎ)な日常譚。
○概要
ふしぎな生き物、プリンタニアと共に過ごす日常を中心にした、ゆるゆるとした雰囲気の漫画。
散歩したり、はぐれたり、病気になったり、知人と交流したり。
もちもちな生き物によって変化した日常と、そこで過ごす人々を描いている。
ただし、本作の世界設定は
ポストアポカリプスに分類される。
佐藤たち現行人類の居住区は不干渉壁と物理壁に囲まれた居住区(アーコロジー)に限定されており、全体の管理を行う「大きな猫」および
その端末である「猫」によって構成された評議会のもと、内部での生活は評価レベルによって制限されている。
また壁の外部は防護服なしでは活動できない汚染地帯であり、「残兵」と呼ばれる大型ロボットが徘徊する危険地帯にもなっている。
世界の核心に迫る多くの情報は未だ秘されたままであり、またそれらは彼らの日常に特にかかわらない。
のんびりとした日常を眺めつつ、時折明かされる世界の秘密にドキドキする。
そんな、SF(すこしふしぎ)な日常譚。
○登場人物
消極的で覇気のない本作の(たぶん)主人公。ナンバーは「佐藤46」。
柴犬を飼おうと1話冒頭で買ったばかりの生体プリンターをよくわからないまま弄り回し、プリンタニアを生成した。
職業は「地形設計士」。能力的にはかなり優れておりレベルも相応に高い。現実での地形設計だけでなく仮想空間内部の地形生成、書き換えなども苦もなくこなしている。
幼少期より感情表現が苦手で、現在でも愛想のない人見知りな気質があり。それを本人も自覚している。(本編開始時点での友人登録者は塩野のみ)
また自身を含め周囲への関心がやや薄く、1話以前では衣食住および他者との交流も最低限の設定で過ごしていた。
しかしすあまとそらまめと共に生活する中で、他者やコンサルとのコミュニケーションも増え、イベントにも参加するようになるなど徐々に変化してきている。
なお、なぜかトラブルにも頻繁に巻き込まれるようになり、猫たちからは「事故マニア」として認識されつつある。
積極的でにぎやかな佐藤の友人。ナンバーは「塩野1」。
佐藤とは幼少時の友人登録プログラムで「はじめての友人」として割り当てられ、現在まで交流が続いている。
職業は機器の設計開発らしく、ジャンクショップ「SIONO JUNK」を経営している。腕は良いものの依頼内容と異なる機能を組み込むなどしてたびたびトラブルを起こしている模様。
佐藤とは反対に喜怒哀楽が非常に豊かで、様々なものに興味を持ってはすぐさま突撃していくにぎやかな青年。
新しい何かへの挑戦やイベントへの参加にも積極的で、佐藤とよく連れ立って参加している。だたし佐藤を置いて出店に突撃していくこともしばしば。
積極的過ぎてすあまや佐藤から若干ウザがられたり、開発品に思い付きで組み込んだ機能がトラブルを起こすことはあるものの、
失敗にはすぐさま謝罪、反省して対応に奔走し、本人の気質もあって周囲からの評価はとても高い。
なにより、きちんと相手を見て、「自分とは違う」ことを理解し相手に強要しない性質は、佐藤たち少し変わった住人には特に心地よいらしい。
気弱で引っ込み思案な佐藤の友人。ナンバーは「瀬田8」。
すあまと共に立ち寄った運動施設で出会い、プリンタニアを話題として交流を始めた。
もともとは開拓地での作業者で、佐藤と出会う少し前にあった事故による特進で現在の地域に引っ越してきた。
開拓地で残兵に襲われ、自身より同僚の退避を優先した結果左腕を切断されている。その際の行動と気質による評価で現在のレベルに上昇、引っ越しとなった模様。
あがり症かつ考えすぎて固まってしまう癖があり、スクールでの試験でも評価が出せず卒業後に開拓地へ配されていた。
指示されたことだけを行う日々は本人的には楽でよかったらしいが、そこには自身が期待を裏切ることへの恐怖が多大にあったらしい。
引っ越し後は環境の激変に伴いワーカーホリックからくる不眠や食欲不振を発症していたが、ニューチノー社工場跡地でプリンタニア・プランの一員として働きつつ佐藤や塩野たちとの交流を経て落ち着きを見せており、ワーカーホリックも収まり資格試験に挑むなど徐々に積極的になってきている。
切断された左腕は塩野の店で5連型の触腕(クラゲの触手みたいなやつ)を取り付けた。高いところにも狭いところにも届くのでいろんなシーンで活躍している。
陽気でプリンタニアが大好きな佐藤の知人。ナンバーは「高木11」。
本作のすべての元凶。プリンタニアを生み出す生体プリンタを開発、販売した「ニューチノー社」のCEO(最高経営責任者)。
プリンタニア関連のトラブルで大きな猫にごりっごりに叱られた後は、プリンタニアたちの普及推進や生態の管理といった諸々を担う「プリンタニア・プラン」の統括責任者となっている。(情報開示以外の権利その他は開拓者と同レベル)
ついでにプリンタニアと飼い主のコミュニティ「生餅会」の謎の管理人もやっている。
口を開けばプリンタニアについて語り、その可愛さにメロメロになっている普通のおじさんにしか見えないが、
事故以前はかなり高位のレベルに到達しており、「この世界」についてもかなり深いところまで情報を開示されていた。
プリンタニアを生み出したのもそのあたりに理由があるらしく、そこは猫からも了承を得ている節がある。プリンタニアが大好きなのは素だし半ば以上勝手に生み出したのは事実だが。
佐藤のことはすあまとのやり取りやイベントでのフィギュアのクオリティなども含めてとても好意的に見ている。
無口で口下手な佐藤の友人。ナンバーは「向井61」。
回顧祭でそらまめがもなかと取り違えられ、その縁で知り合った。……文字にするとなんのことだかわからないなコレ。
開拓地での採掘人を生業としており、先行警備や護衛も行っている。もなかやメレンゲと共に残兵相手の戦闘を行う都合からか、右目は義眼になっている。
ペット、というか仕事のパートナーとしてプリンタニアのもなかと豹のメレンゲと行動している。メレンゲは残兵を壊すのがとても上手らしい。
筋肉質で高身長、強面で無口というとっつきにくいを体現したような存在だが、
他者との交流を嫌っているわけではなく、開拓地での採掘といういつ残兵に回収されるかわからない立ち位置から深い交流を避けているのも理由。口下手なのは素だが。
まあそれを気にして遠野に真っ正面から伝えつつ友人登録を解除した結果、遠野と猫の双方からめちゃめちゃ怒られている。そういうとこだぞ。
佐藤とはコミュニケーション限界同士ということでお互い妙な親近感を持っている。
なお戦闘力は現在登場した人物の中で最も高い。
ひょうきんで正体不明な佐藤の知人。ナンバーは「■■■■}」。
なんだか夢見の悪かった佐藤が夢を売りに訪れた「夢捨て屋」の店主。
塩野曰く「ぜんぜん怪しくない」との紹介だったが、見た目は箱型カメラの頭部にワイヤーを束ねた胴体がつながり、浮遊ポッド型の触腕を繰る作中屈指の異形。
おまけにゴボゴボと水の湧きたつような声で喋るため、佐藤はもはや無のような反応をして処置を受けた。塩野曰く「脳がピリッとする」らしい。
ペットに柴犬を二匹飼っており、佐藤はたまに撫でに来ている。名前は「ポチ太郎」と「ペス之助」。まとめてポペ。
老朽化でボディのあちこちにガタが来ていたらしいが、塩野のメンテナンスでとてもいい声で話せるようになった。
なお、このボディはあくまで現実で活動するためのものであり、本体は彼岸側。そちらは一般的な成人の姿をしている。
本来の仕事も彼岸の管理者であり、夢捨て屋は彼岸を構成するパーツを集めるためのもの。
猫や旧人類、彼岸について作中で最も詳しい人物の一人であり、プリンタニアも過去によく似たものを知っているらしいが……。
4巻書き下ろし内に本人の過去追想夢があり、どうもかつて彼岸の開発に関わり、現実で起こった事故の際に肉体を失い、彼岸へと移行したらしいことが示唆されている。
永淵という名もその容姿も共同研究者だった知人のもので、彼岸移行時に失った自身の名の代わりに名乗っている。
[DATA REDACTNIG]
○プリンタニア・ニッポン
ニューチノー社開発の新型生体プリンタで出力された新種の生物。
長丸いクッションに小さな四本足と顔が付いたような、ぬいぐるみや子供用の人形にありそうなシンプルな外見をしている。顔はこんな感じ ( ・ _ ・ )
あまりにも既存の生物とかけ離れているため、データのそろっていない最初期には食事や治療にも調査が必要だった。
佐藤たちの経験と、製造元のニューチノー社で調べた結果、以下の特徴が判明している。
- 表面はなめらかで、とても素晴らしい弾力がある。
- 食べ物は個体の口の大きさに合わせて、刺激の少ないものを。あまり硬いものは食べられない。
- 暑さ寒さにはある程度耐性があるが、ストレスになる。
- ストレスを受けると体表が硬化する。逆にリラックスしすぎると軟化する。
- 新鮮な水が好き。水浴びなどのほか、水をかけてあげるだけでも喜ぶ。
- 基本設定として葉緑素をもっている場合、日光に当ててあげれば食事はあまりいらない
- あまり長時間動かずにいると根を張ってしまう。その後は外皮が形成され、背中に草木が生える。
……もはや分類が植物か動物かすら定かでない。上記の説明を聞いた佐藤はツッコミもできなかった。
さらに言えば居住区外部の汚染地帯でも活動可能、かつ汚染物質を吸収して無害化することすら可能らしい。
この世界のペットの共通機能として、人間とのある程度の意思疎通、および電脳空間へのアクセス能力があるが、
プリンタニアはそれに加えて、人類の感情への強い共感能力、および強いストレスへと寄り添い癒そうとする性質を持っている。
これらの能力はどうやら高木会長によって意図的に付与されたものらしく、永淵はその原型となった存在に心当たりがあるような発言をしている。
……が、佐藤は別にその辺興味がないし関わりたくないので今のところ詳細は不明。
この生体プリンター、UIが非常に使いづらくログデータすら読みづらい曲者で、なおかつあらゆる入力不備や誤動作がプリンタニア出力につながるというとんでもない代物。
結果、コロニー各所でサイズも性質も違うなんかモチモチしたものが何体も生み出された。
いちおう入力内容に応じて変化するため、最少は数センチで手のひらに乗るが、最大は推定10mをこえている。色も様々で体毛もあったりなかったりと個体差は激しい。
なお、「人はペットによく食べ物の名前を付けていた」という情報から、プリンタニアに限らず登場するペットの多くには食べ物が当てられている。(おこめ、まるもち、など)
佐藤により出力されたプリンタニア。真っ白で中型犬サイズ。ほぼ素体のままの仕様らしい。
物語冒頭、評価レベル上昇のため柴犬を造ろうとした佐藤によって生成された。
そのため体格は柴犬程度。見た目はまっしろだが葉緑素を持っているため日光でもある程度栄養を補充でき、足りない分は栄養素を添加したザラメで補っている。
外出時には迷子の防止もかねて塩野特性のホバーボードで移動している。
もともと柴犬として造られたことは自覚しており、初期には犬を学んだり犬になろうとしたりしていた。
本人(本プリ?)的にはそれをかなり気にしていたのだが、佐藤ときちんと話したことでそのわだかまりは解消されている。
電脳空間内での姿は身の丈2mを超える人型。プリンタニアを人型にしたような外見だが、人型の利点を生かした活躍の機会も多い。巨大化もできる。
佐藤により出力された?もう一体のプリンタニア。手のひらサイズで若草色。
本来ならばすあまと同じ構成で出力されるはずだったが、素材が足りなかったので手のひらサイズで、色素も不足していたので緑色に、そんな感じでこの外見になった。
出力が完全に終わる直前に佐藤が生体プリンターからすあまを取り出した結果、エラーと判断し再起動した生体プリンターが自動で出力した。
……のだが、トラブル続きだったことと夢売りによる記憶の混乱、杓子定規なコンサルの連絡により佐藤は存在に気付くことなく日々が過ぎることになる。
その後、遠野からの検診連絡によりようやく存在が判明、捕獲され、紆余曲折あって佐藤の家族の一員として落ち着いた。
おとなしめのすあまと比べるとかなり活発でやんちゃな性格。10倍近い体格差のあるすあまに頭突きするほど。
とはいえ手のひらサイズなので、迷子と事故の防止を兼ねて鈴付きのベルト(胴輪?)を付けている。
電脳空間では形状こそ現実と同じなものの、小島の如き巨大なサイズで現れている。やはり
向井に出力されたプリンタニア。大型獣ほどもある全身が深い毛におおわれており、見た目は巨大なモップの如き。
元は開拓地用にラクダを作ろうとしたらしく、外地活動適応の他に騎乗適正、一度に多くの水を飲んで活動できるなどの特性を持たされている。
向井とメレンゲと共に開拓地の採掘業務などを行っており、大量の荷物を運搬している様子が見られる。
特性を生かして残兵との戦闘にも参加しており、透明な防護装備を纏って突進などで戦っているらしい。
○用語
本編に登場する人物の分類。
かつて存在した「旧人類」が亡びた後、大きな猫の庇護を受けつつ暮らす現代の人類。
外見上は現実の人類と大きな差が無いように見えるが、身体への機械装置の接続と精神のデジタル化への適性が非常に高いことがうかがえる。
幼少時のスクールでの成績に応じて仕事先が決定され、評価レベルごとに食事や生活、コンサルによるサポートなどが変化するらしい。
なお、作中に登場した人物はすべて男性で、複数人が共同生活をしている描写はない。
脳内に通称「石」と呼ばれるデータチップが入っており、記憶・人格などの全てを記録している。
そのため、彼らにとって死は単なる肉体の機能停止にすぎず、その意識を彼岸へと移して生活を続けている。
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佐藤たちにとっては周知の事実であるのだが |
彼らの原型は、旧人類の遺した「環境整備用人類」 正確にはその胚から生まれている。
故に性別の概念もなく、肉体的には雄型をとっているが見た目だけのものらしい
猫曰く、「繁殖機能も返せるけど、返したら今度こそ滅びそうなのでまだダメ」とのこと
自身に名をつける資格なし、と考えた猫たちは、名字のあとに名の代わりに数字を当てた
任意で改名することもできるのだが、数字なのもよいと考えた多くの現行人類はそのまま使っている
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正式名称は「生活改善コンサルタント」 現行人類をサポートするAIのようなもの。
現行人類の身の回り全般の補助を担っており、家事全般からスケジュール調整、仕事の補助、健康管理にカウンセリングまでこなす万能ぶりを発揮している。
ホロディスプレイをに浮かぶ笑顔[○ ◡ ○]が通常状態で、浮遊型の物理ハンドや各機器への干渉、時には外に出ても人類に付きそう事が出来る筐体(ロボ)でもってサポートを行う。
スクールで訓練しているころから共に生活、成長してきた、現行人類にとっての家族や兄弟のようなものでもある。
とはいえ、その行動は人類側によりある程度制限されており、また経験によって成長するため経験の少ないことに対しては加減や調整がとても下手。
例を挙げると、佐藤のコンサルは佐藤から頼られることが少なかったためか融通がまるで利かず、料理を任せれば食べきれないほど作ったりもしていた。
また、評価レベルが低い場合は1対1でのコンサルのサポートを受けられない場合もあるようだ。
なお塩野の発言や『凪の劇』によるとその始原は『「ハリス」のコピー』のようで、筐体には(かなり高価でオリジナルには及ばない性能だが)ハリス型のものもある。
作中にて起きる事柄のほぼ全てを管理、判断する人工知能たち。見た目はデフォルメされた猫の顔の付いた円柱。
居住区の巡回や広報、諸々のトラブル対応など、現代でいう公的事業のほぼすべてを行っている。
大きな猫の端末ではあるが直接リンクしているわけではなく、個体ごとに意思や記憶は独立している様子が見られる。
そのため、多数の猫による意思決定機関として「評議会」が存在しており、住民に関わる大小さまざまな事柄をこなしている。
いくつかの機種があるようで、市街地を巡回するタイプのほか、スクール内で働く医療タイプ、手のひらサイズで単眼の小型タイプ(子猫)などが登場している。
市街地を巡回する端末は相応の機能しか持っていないと思われるが、対象の分析や不干渉壁の展開、壁内の焼却などを行う様子が見られる。
事故の際に登場した大型の浮遊機械も猫の端末らしく、居住者の間では「大型の戦闘用端末もあるのではないか」と噂されているとか。
現行人類にとって敵対的な、多種多様な機械群。
世界全体で活動しており、居住地および開拓地を覆う物理壁・不干渉壁は汚染と残兵を防ぎとめるためのもの。
残兵の駆除および生産工場の発見、破壊は開拓業務に従事する警備人の仕事の一つにもなっている。
とはいえ、本編時点では近隣の残兵の掃討はほぼ終わっており、瀬田が襲われたのは非常に稀な事故だった模様。
様々な大きさ、形状の残兵が登場するが、共通の目的として「『個人番号を認証出来ない』人の回収および敵性モデルの破壊」を持っている。
そのため、開拓地などが残兵の襲撃を受けた場合、住人が「回収」される場合がある。
…回収された人々がどうなるのかは謎だが、瀬田が回収されそうになった際首だけを物理的に回収しようとしており、現状では彼岸にも行けなくなる事から「死んだ」と見做されているらしい。
基本的には外に出た警備人や採掘人が遭遇することが多いようだが、目的達成のためにかなり巧妙な手段をとる場合もある。
かつて活動していた人類の分類。
作中時間では登場しておらず、過去の歴史を語る話題の端々に少し上る程度。
採掘人の業務は外でこういった旧人類の遺産を発見、回収することで、料理レシピや風習などが見つかったりしている。
猫は情報を持っていても現行人類への干渉と情報開示は控えめなようで、結果として現代から見るとなんだかおかしな風習がちらほらとしている。
また、スクールでは毎年『凪の劇』なる『「ハリス」と「マリヤ」、「大きい猫」』に纏わる芝居を上演。4巻で描かれたその劇の様子から、旧人類の過去と今の時代の始まりをある程度読み取れるが…。
かつて「猫」は 人の継続のために作られた。
星の海へと旅立ち しかし帰還したとき 残っていたのは人の残骸ばかりだった。
それでも諦めきれず あきらめられず 今も世界は続いている。
作中に登場するすべてを作ったと思われる巨大AIであり、作中最大の旧人類の遺産。
かつて争い続ける人の継続のために生み出され、避けられぬ争いを背に星の海へと旅立ち、
果てしない旅路の果てに、『友』を連れて再びこの地へと戻ってきたらしい。
『凪の劇』曰くマリヤの承認とハリスの補助の下、現行人類を生みだし、育て、今に至る。
居住地や開拓地、彼岸のベースとなった電子世界など、
彼岸を含む仮想世界の深部は大きな猫の力がとても強く、コンサルたちは「自我を引き剝がされてしまう」らしい。
一応問題なく元に戻れるらしいが、作中での詳細は明かされていない。
[DATA REDACTING]
追記・修正はもちもちしたSF(すこしふしぎ)と一緒にお願いします。
- ブリタニア帝国と日本が正式に合併したのかと -- 名無しさん (2024-09-22 20:26:47)
- ディストピアものではないかと思ったが、苦しんでないからユートピアものかなぁ? -- 名無しさん (2024-09-23 09:57:21)
- ディストピアとユートピアは同じ事象の別視点というのはよく言われるところでありますね(ゆえに1984とかの腐敗政府による監視社会モノとかはカコトピアとして区別される) -- 名無しさん (2024-09-24 10:11:45)
- 登場人物軒生優秀だし読者が見てるのは上澄みの部分だけの可能性もあるからなぁ 下層の人達はギリギリの生活してるとかあるかもしれない -- 名無しさん (2024-09-25 05:47:08)
最終更新:2025年03月15日 22:13