トッド・ギネス(聖戦士ダンバイン)

登録日:2024/10/16 Wed 07:35:00
更新日:2025/04/03 Thu 11:08:10
所要時間:約10分で読めます





概要

トッド・ギネスは『聖戦士ダンバイン』の登場人物。
アメリカ人のアメリカ空軍・パイロット候補生だったが、異世界バイストン・ウェルに召喚され、「聖戦士」=機動兵器オーラ・バトラーの操縦者に選ばれてしまう。
所謂ライバルキャラの一人だが、ゼラーナ隊との戦闘を通じて乗機を通算で6度撃破されており(ダンバイン、ドラムロ×2、ビアレス×2、ライネック)、これは主要登場人物中最も多い。

本名:トッド・ギネス
性別:男
国籍:アメリカ合衆国
生年:1960年生まれ。
出身地:マサチューセッツ州・ボストン
所属:ルフト家→クの国→アの国
搭乗機:ダンバインドラムロ、ビアレス、ライネック
声優:逢坂秀実(TV版)、堀内賢雄(総集編)、森田順平(サンライズ英雄譚)、井上悟(ぱちんこCR聖戦士ダンバイン)

略歴

前史

元々はアメリカ合衆国空軍パイロット候補生。
後に登場するアレン・ブレディは先輩の現役パイロット。
大学を卒業してアメリカ空軍に入隊、適性試験を合格してパイロット候補生に。
母親との関係も良好…なのだが、何かと引き合いに出すため、人によってはマザコンに見られる。
突然、F-14の訓練中にオーラロードが開き、異世界「バイストン・ウェル」へと召喚されてしまう。

バイストン・ウェルへ

召喚後、「アの国」の地方領主ドレイク・ルフトの館「ラース・ワウ」に、同じく地上より召喚された主人公ショウ・ザマ、トカマク・ロブスキーと共に聖戦士として迎えられ、騎士バーン・バニングス指導の下、オーラ・バトラー「ダンバイン」の操縦者となる。
トッドはコックピットを見たいというセリフも空軍パイロットという職業柄。
航空機とオーラバトラーでは当然別物ではあるが、その来歴ゆえか状況にも操縦にも割とすぐ順応した。
ショウに対しては平然と日本人野郎(ジャップ)呼ばわりしたり、「夢かも」と言うと殴って「これが夢かよ?」と冷やかす等印象は悪いが、
「地平線をみるんだ!そうすれば方位がわかる!」
と空間識失調*1の注意をアドバイスしたりと、彼なりに仲良くする気もあったようだ。
第2話でトッドのダンバインはマーベルの攻撃を受けて、オーラコンバーターの右側を破壊されて墜落。
その後森の中で放棄されていたところをギブン家に回収される。
実利的な性格も持ち合わせており、リムル・ルフトにドレイクの企みを聞かされても、高待遇が約束されるルフト家に。リムルの動機もバイストン・ウェルの為と言いながら、ニー・ギブンを評価しない父親に反発しているだけ。
その後はドラムロに乗り換えて、ルフト家のガラリア・ニャムヒーと迷コンビを組みながら戦うが、ギブン家に投降し、敵対したショウに勝てない日々が続いた。。
「ジャップ! やっぱりお前とはこうなるって関係だったんだな!」
ガラリアのご都合主義な態度には「都合で男と女を使い分けんじゃないよ!」とキレる一幕もあった。

此処で問題になって来るのが直属上司で隊長であるバーン・バニングスである。
彼は手柄になりそうな拠点制圧を自分が担当し、敵の精鋭であるゼラーナ隊の相手をトッドやガラリアに碌な援護も無いまま丸投げし、その挙句、自分の功績を売り込み、トッドやガラリアは「ショウに負けた」事を詰り、「強敵を足止めして、作戦成功までの時間稼ぎをした」功績を揉み消そうとしていた。*2
組織のトップであるドレイクにはバーンの目論見は御見通しであり、トッドやガラリアを見放す事はせず*3、彼等を詰るバーンの行為を叱ったりもしているのだが*4、バーンがトッドのストレス源になっていた事は想像に難くない。
ドレイクがテコ入れでアレン・ブレディ、ジェリル・クチビ、フェイ・チェンカら3人の地上人を召喚した時、空軍時代の先輩パイロット・アレンを目撃。ガラリアに
「人生とは皮肉なものだな、ガラリア。俺にとっちゃ目標になっていたパイロットがいた。ソイツが今度はここに来て、俺の生活を脅かそうとしてるんだよ」
と語り、異世界でデカい面はさせないと、トッドは焦り始める。
ショウが「トッドのはずなのに」と驚く気迫を見せ、トッドはショウを「貴様は機会に恵まれただけだ!」と断言。
第13話でショウに撃墜され死んだかと思われていたが…

再会

やっぱり生きていました
第24話でガロウ・ランのニクス・ティタン*5に助けられ看病されていた。

その後、クの国の国王、ビショット・ハッタに謁見、クの国の「聖戦士」となり、新型オーラバトラー・ビアレスのテストパイロットになる。
強襲に失敗しアレンに押され絶体絶命のショウに「ビランビー聞こえるか?ダンバインは俺がやる!引っ込んでいろ!」
とアレンを押し退け、ショウの危機を救う。
自分が倒す相手だから自分以外が倒しそうなら助けるという正にライバルの鏡。
「貴様のおかげで俺は地獄を見たんだよ!」
とトッドは言うが、この時ニクスからとても献身的な介護を受けていた*6
第27話でエルがトッドを「ショウの友達」と勘違いした時
「ショウは友達さ。俺にとっての良きライバル、命がけの友達なんだ」
ともちろん、これはエルを利用する為の嘘なのだが、その中に彼のショウに対する思いが垣間見られる。
その後、ショウと刃を交えるも勝てずに地上へ上がる。
再戦の度に私怨によって強くなっていく描写により、オーラ力の負の側面をショウ達に知らしめていった。その後、ビショット・ハッタの計らいでドレイクの配下に戻る。

地上へ

ドレイクの配下になると、アメリカの首都・ワシントンを抑え、従わせるという大手柄を建てる。
その後、ドレイクとのやり取りでアメリカの扱い方について聞かれると、
「迂闊な破壊はアメリカ国民を怒らせ、やぶ蛇です。煽ててアメリカの戦力を利用すれば、地上世界もドレイク様のモノ」
と進言する。
根底には親が住むボストンを戦火に巻き込みたくないと言う思惑も。
第44話ではマーベルに「同じアメリカ人同士が、なぜこうも憎しみあわなければいけないの!?」と言われると、
「西部のイモにはわからん事さ! 東部の落ちこぼれのことはな!」
と返すこのやり取り、スパロボでは『F完結編』ではマーベルに説得された際、マーベルの台詞も含めてDVEとなっている。『BX』ではマーベル相手の特殊戦闘台詞として採用。

最終決戦の直前、ショウへの憎しみのオーラ力を爆発させ、ライネックをハイパー化、
「見てな、ママ。俺の力でコイツらを落としてみせるぜ。そうすりゃ、ママも楽が出来るってもんだ」
と親孝行を念頭に置くトッドの想いが。
圧倒的な力によりダンバインを撃破するも、エレ・ハンムとマーベル・フローズンのオーラ力に援護されたショウのオーラ・シュートを受け、「いい夢を見させてもらったぜ…」
ショウ「これが…いい夢でたまるかよ!!」
「ママ……ああああっ!!」
最期まで勝てなかったライバルと母親を思い、命を散らした。
第1話における二人のやり取りの立場を逆にして再現したものであり、バイストン・ウェルへの召喚から始まった、彼の戦いの日々を評してのもの。
序盤から終始一貫してショウやマーベルから敵対しないよう諭され続けたり、戦士としてのこれまでの功績からドレイクから惜別の言葉を贈られ故郷のボストンがウィル・ウィプスの攻撃対象から外されることとなるなど、その存在感は最後まで多くの人間達に意識され続けていた。
ビショットとルーザの密通については黙っていたため「一言も教えてくれなんだ」とドレイクに不満を言われたが。

批評

見た目はチャラそうなアメリカ人だが、一皮剥けば、第1話からバイストン・ウェルを良く観察して順応している様が伺える。
何より、戦火をバイストン・ウェルに留めたいと考える為にトッドは一貫して合理的、効率的で実力主義のルフト家を選び、争いを速やかに終わらせる為に味方して、バイストン・ウェルの統一を手伝っていたに過ぎない。
第44話で
「ショウ・ザマ、きさまがいなければ、戦いは地上にまでは拡大しなかったんだ!」
と名指してショウを批判し、ショウも
「トッド、バイストン・ウェルの戦いが、地上にまであがった意味を考えないのか!」
と反論すると、トッドも
「おふくろに心配をかけただけ無益だったってことさ。バイストン・ウェルで終わらせるだけで良かったんだ!」
と持論を主張。トッドにしてみたら、
「他人に説教するほど年をとったのかよ、ショウ!」
とボヤきたくもなる。
ショウもここまで来て、立場が違うだけで、実は仲間になれたかもしれない人を殺めた事、平和を口にしながら自分の主張が屍の山の上にしか達成出来ない事に気が付く。

能力

上述のようにショウとの対戦成績は散々なものだが、実のところ聖戦士として大きく劣っているわけではない。
作中でもショウ単独では文字通りオーラソードの刃が立たなかった強獣を、成り行きからチャムを同乗させていたトッドは容易く切り裂く場面がある。
二人の決定的な差は、意図せずとは言えフェラリオの軍事利用にあったと言える。


外部作品

原作では死亡してしまうが、かなりの人気キャラな上にスタッフの中にもファンが多くいた影響か、
スーパーロボット大戦シリーズでは殆どの作品で仲間入り可能。多くのフラグが必要なものから無条件で加入するものまで難易度はまちまち。

『EX』が初登場。
この時は敵にすらならず、「こんなところでくたばるのは趣味じゃない」という理由で、マサキの章でエレと共闘。
『第4次(S)』では原作どおり敵として登場し、仲間にもならない。シナリオ「ビヨン・ザ・トッド」でハイパー化する。

『F』でボイス初収録。中の人の捜索に苦労したからか、『F完結編』含めDVEはかなり気合が入っている。
F完結編』で『F』から続く隠し要素を全て成立させれば加入するが、加入させなかった場合は『第4次(S)』と同様に今回もハイパー化する。何気に倒したときの顔グラフィックが別に用意されている。なお、加入させる場合は『F』から始めなければならないことに注意。

『α』ではダンバイン系のルートで戦う機会が多く、数多くの条件を全て成立させると熟練度に応じた機体と共に加入する。今回はハイパー化しない。
ショウ以外でLv9まで伸びる聖戦士と「魂」の両方を持つ唯一の逸材だが、能力は少々控え目で「集中」を習得しないという微妙な一面も。妖精のベルが「集中」を覚えるのでフォローは簡単だが。

『X』では敵陣営時には他作品の憎めない敵キャラ達との交流が多く描かれ、味方になってからも彼らとの交戦セリフがあるなど割と優遇されている。
続く『T』にも参戦。両作品ともにサーバインやヴェルビンといったビルバイン級のABが余るためショウに匹敵する能力を腐らせることもなく、精神コマンドの差によって違った運用感を楽しむことが出来る。

能力的には一部の作品ではエースと呼ぶには物足りない場合もあるが、大抵の作品では格闘、回避が高く、ショウとほぼ互角の能力を持つ。また、僅かだが射撃がショウより高いことが多いため、射撃武器を多くもつビルバインとの相性が良い。
ひらめき、気合、熱血、根性、ド根性などを覚える傾向がある。

敵の時は強敵で、性格が強気や超強気なため、あっという間に分身、ハイパーオーラ斬り解禁という恐ろしい事態を招く。

PSゲーム『聖戦士伝説』ではロウ・カオス双方のルートで味方参入可能。原典のキャラは大半が浮上後参入という中で、浮上前参入という優遇ぶり、かつ能力面も充分。なお持ってくるのはダンバイン、お陰で三機とも手元に揃う。
カオスルートで仲間にしてから寝返ると離反されてしまう。王様が長く城を留守にしたあげく、(シーラ・ラパーナ)連れで帰って来たという状況に不平を漏らすのはもっともな話である(そもそも得のないルート取りというのはさておき)。

余談

上で触れているが、『スパロボF』でのボイス収録に際しては、方針として原則オリキャスを使うとしたが*7、当時すでに逢坂秀実氏が引退していたため中原茂や平松広和の協力を得て半年がかりで逢坂を探し出したらしい*8
とはいえ収録を行ったのはこの時だけで、以降のスパロボではこの時のボイスを流用しており、スパロボ以外の関連作品では代役になっている。



追記、修正はトッドをガラバに乗せた方がお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • アニメ
  • 聖戦士ダンバイン
  • トッド・ギネス
  • ドラムロ
  • ダンバイン
  • 聖戦士
  • ライネック
  • ビアレス
  • 地獄を見た男
  • ライバルキャラ
  • ライバル
  • アメリカ人
  • アメリカ合衆国
  • スーパーロボット大戦
  • サンライズ英雄譚
  • サンライズ
  • サンライズ
  • 逢坂秀実
  • 堀内賢雄
  • 森田順平
  • 井上悟
最終更新:2025年04月03日 11:08

*1 平衡感覚を喪失した状態。

*2 トッドが落とされて逃げ帰って来たとしても、その間に作戦を成功させていれば、トッドが足止めをしていなかったらショウやマーベルに撃墜されていたであろう複数機の損失とトッド程に生存力が高くないであろうそのパイロット達の戦死を防げるわけで、「オーラバトラー1機の損失で、数機分の機体とパイロットの損失が防がれた」と十分に元も取れているし、ある程度は功績を評価されても良い

*3 ドレイクがトッドの死を知った時に「惜しい戦士だった」と評している事から、「強敵の足止めと言う困難な任務に必死で取り組み、時間稼ぎに貢献していた」と理解はされていた模様。

*4 バーンに対してドレイクは結構厳しい評価をしており、「リムルという餌をちらつかせても、この体たらくか。バーンめ…」と失望しているシーンがある。

*5 元々エ・フェラリオのナックル・ビー。地上人(マーベル・フローズン)を召喚した罰としてフェラリオの首領、ジャコバ・アオンにガロウランにされた

*6 トッドもニクスの看護には感謝しており、「功績を立ててニクスに綺麗な家をプレゼントして報恩しよう」と考えていた

*7 スパロボ全体の方針というわけではない。

*8 『スーパーロボット大戦Fを一生楽しむ本』より。捜索には興信所や探偵を使用したとWikipediaやスパロボWikiに長年記載されていたため勘違いしている人が非常に多いが、原文にこのような記述は存在しない。