パンスト太郎

登録日:2024/10/22 Tue 19:24:36
更新日:2025/04/02 Wed 01:01:13
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ぐふっ…

らんま1/2』に登場する謎の男。

CV:古本新之輔

概要

原作漫画18巻から登場した人物。
とある事情から呪泉郷ガイドの詰め所を襲い、過去の呪泉郷利用者名簿を強奪。
名簿を元に各地で呪泉郷利用者を襲撃しては犯行現場にパンストを残すという謎の犯行を重ね、元祖無差別格闘流の創始者・八宝斎を狙って日本の天道道場に出現。
乱馬たちの抵抗虚しく敗北し、八宝斎の引き渡しを交換条件に天道あかねを攫って行った。

乱馬は良牙たちライバルと協力し、あかねを取り戻すために二人の待つ無人島に行くこととなった。*1
この島は地表近くを水脈が通っているため地盤が非常に緩く、ちょっとした衝撃で水が噴き出す一部を除いた変身体質には厳しい環境。
圧倒的に不利な条件で乱馬たちが勝つ方法とは…。

人物

呪泉郷にほど近い、中国のとある村出身の男。
蛇のように鋭い目が特徴の美男子であり、「ぐふっ」という笑い方をする。
態度はキザだが口が悪く、無駄に他人を怒らせる発言をする事が多い上に、事ある毎に後述の変身を行って暴れる事から、友達はいないらしい。
また「女を叩きのめすのは趣味じゃない」という考えを持つ乱馬とは対照的に、女にも一切手加減しない主義である。
普段着は肩を出すタイプの中華風の服を着ているが、何故か女性用下着であるパンストをベルトのようにして腰に巻いている。
その他にも拘束具や脅迫材料として*2パンストを用いており、本名を名乗ろうとしないこともあって乱馬からは「パンスト野郎」と呼ばれるがそう呼ばれることを激しく嫌っている模様。

呪泉郷の呪いを受けており、水を被ると牛の頭、鶴の翼、鰻の尾が生えた毛むくじゃらの巨人に姿を変える。
これは「牛鶴鰻毛人溺泉(ニウホーマンマオレンニーチュアン)」という、2500年前に「牛に跨り、両手に鶴と鰻を持った雪男」が纏めて泉に落ちた伝承があるため。
それ故この泉に落ちた者はそれらの特徴が反映された姿になるという。合体事故にもほどがある。

こうなってしまった原因は八宝斎にあった。
昔、呪泉郷を訪れていた八宝斎は、呪泉郷のガイドと共に近くの村に住む一人の妊婦がうずくまっているのを発見。彼女は産気づいており、今にも子供が産まれそうであったため、その場に居合わせた二人が助産を行うことに。
無事に出産を終えた際、産湯代わりに近くの泉で代用する八宝斎だったが、それが牛鶴鰻毛人溺泉であったため赤子は産まれながらに呪泉郷の呪いを受けたのであった。
始めはこの変身体質の原因に八宝斎が関係しており、それを恨んでいると乱馬たちは思っていたが…?

戦闘能力

前述したとおり水を被ると巨大な怪物の姿に変身。その巨躯から発せられるパワーを活かした肉弾戦が得意。
更に翼があることでメインキャラクターたちにはない飛行能力まで持っており、その力は圧倒的。
他のメインキャラたちが水に濡れると弱体化する(女・子豚・アヒル・猫)こともあり、水を苦としないのも長所。
一応人間の姿でもトレーニングする描写はあり、乱馬と人間態でそれなりに渡り合うシーンもあるのだが流石に分が悪い様子。
そもそも変身した方が強いので会話する時以外人間の姿で戦う理由もなく、本人も変身後の強さは気に入っている。
これほどの戦闘力はあるものの、八宝斎には敵わないようで、八宝大火輪で黒焦げにされたりしている。
SFC版『爆烈乱闘篇』では別キャラ扱いで人間形態でも戦うことができる。しかも人間形態の方が強い


本名&来歴

紆余曲折を経て乱馬はパンスト野郎に勝利。
そして彼の口から本当の名前が語られる。

※ネタバレ注意!





…まぁこの項目名からして既にネタバレなのだが、彼の本名はパンスト太郎。
もう一度言う。「パンスト太郎」が、彼の「本名」である。

実は上記の回想には続きがあった。
無事に出産を終えて落ち着きを取り戻した母親から、八宝斎はとあるお願いをされる。
彼女の村では「産湯に浸からせた者が子供の名前を決める」というしきたりがあり、八宝斎に子供の名前をつけて欲しいというのだった。
突然のお願いをされ、八宝斎はどんな名前を付けてあげるべきか三日三晩悩み続けた。
そして四日目の朝、皆に愛されるようにと心をこめた名が遂に命名される。

「この子の名前はパンスト太郎じゃ」

パンスト太郎誕生の瞬間である*3

当然ながら本人としては物心つく前につけられたこの恥ずかしい名前を心の底から嫌っており、後に女の子と年相応の青春を過ごしたくても本名を名乗れないのは苦痛だったことを語る。
更に厄介なことに村のしきたりには「改名の権利は名付け親にしかない」というのもあったため、自分で好きに変えることすら許されなかった。シャンプー「中国の村の掟、絶対ね」
今になって八宝斎に会いに来たのも、改名してもらうためであった。
乱「今度からはちゃんと名前で呼んでやるぜ、パンスト太郎」
パ「その名で呼ぶなっ」

この本名と境遇にはそれまで敵対していた乱馬たちも一同憐れむこととなり、八宝斎をどこか遠くの外国に捨ててくることを条件に協力して改名をさせる手伝いをすることにするが、あの手この手で改名させようとするも悉く失敗し、ようやく改名する許可を得たと思ったら後述のひどい名前ばかり提案していく。
最終的に力づくで自分で好きな名前を名乗っていいことになり、昔から考えていた新たな名を名乗ることに。
その名は…。

かっこいい太郎

こうしてパンスト太郎改め、かっこいい太郎は気を失った八宝斎を連れて中国に帰っていき、一連の騒動は終結した。
ちなみにこの名前を聞いた時は全員が呆気にとられ、あかね「ちょっとバカみたいだけど…」シャンプー「百年ほどセンスが古いな」良牙「こんな名前付けられたら…俺なら一生山に籠っちまうぜ」*4という評価を、心の中で下した。

「やっぱりパンスト太郎じゃ」
…と思ったら日本海上空で目覚めた八宝斎が改名の許可を撤回。
ショックで放心したパンスト太郎は八宝斎を海に落としたことに気付かずそのまま中国に帰っていった。(アニメでは運ばれながら八宝斎が改名候補をいくつか出すものの、やはりどれもロクなものがなかった。)
なお八宝斎はしれっと帰ってきた。

その後も八宝斎に改名を求めて何度か騒動を起こすが、未だに上手くいっていない。*5
なお、再会時には改名を撤回されたことを知らない筈の乱馬たちから再び「パンスト太郎」と呼ばれていた。八宝斎から聞いたのだろうか?
また再登場時は「章魚溺泉(シャンユイニーチュアン)」に追加で浸かったことで背中からタコの触腕が生えた他、指先から墨を発射する能力まで得るなどますます怪物っぽくなっている。

因みに名前を嫌っている割には様々なことにパンストを使用していたり、偽名を使ったりしないなど変に律儀なところのある男である。
意図的に偽名を名乗るのもNGなのかもしれない。まあ偽名を名乗っても「かっこいい太郎」じゃどのみちモテなかっただったろうが…。

関連キャラクター

  • 八宝斎
名付け親であり、全ての元凶。
改名自体は認めようとするも、相変わらず変な名前ばかり付けようとした*6ためパンスト太郎が自分で名前を決めることに。
だが結局パンスト太郎に戻された。
再登場時は水に浸かると善人になる「善男溺泉(シャンナンニーチュアン)」の水を持ってきて八宝斎を善人にすることで改めて改名してもらおうとしたが、誤って「双生児溺泉(ショアンションニーチュアン)(双子になる)」の水を持ってきてしまう。お湯かけて戻すときどっちにかければいいんだ…仮にどちらか片方にかければ大丈夫だとして、もう片方が離れていた場合どっち側に引き寄せられるのだろうか…
しかも本人は取り違えていることに気付いておらず、ただでさえ厄介な八宝斎が二人になってしまっては大変なことになってしまうため、阻止するために乱馬が奔走することに。

日本で出会った若き武闘家。
水を被ると女になることを揶揄って「オカマ野郎」と呼んでは怒らせている。
ただしお互い実力は認めているので、共通の敵が現れた際は共闘することも。
乱「力を貸してやるぜパンスト太郎」
パ「頼むぜオカマ野郎」
乱パ「「その名で呼ぶなっ」」

  • 天道早雲
元々何かと壊されやすい天道家なのだが、パンスト太郎が現れると被害が拡大するため修繕費で涙を流している。

  • ルージュ(蕗珠)
地元の竹林でトレーニングしていたところ、ダンベルに何かが飛んできて確認しに行ったパンスト太郎と、温泉に浸かっていたため一糸纏わぬ姿で邂逅した美人の女性。
故意ではなかったとはいえ結果的に覗き行為をした無抵抗のパンスト太郎をボコボコにした挙句、彼女の「力の源」を奪ったとして付け狙われることに。
心当たりが無くて悩んだパンスト太郎は、友達がいないので遠路はるばる乱馬のところに相談に来たのであった。
一見おしとやかで口調も丁寧だが、パンスト太郎のことを「ゲスなおかた」「ゲス野郎」と呼ぶなど口が悪い。

呪泉郷の「阿修羅溺泉(アシウルオニーチュアン)」で溺れた過去があり、水を被ると三面六臂の怪人・阿修羅に変身する。
インドの荒神だけあって変身後は口調が荒っぽくなり、しかも「空を飛べる」、「炎や雷を放つ」、「気を纏わせた謎の実体弾を放つ」、「常時膨大な熱を纏っている」と多彩な能力を持っており、戦闘能力はシリーズ最強クラス。不意を突いた形とはいえ、パンスト太郎でも勝てないあの八宝斎を撃破している。
欠点は自身が纏う熱量で雨や池の水が瞬時に湯になってしまうため変身状態が解除されやすいこと。しかし戻ると雨が普通に水になるので阿修羅になるのを繰り返すことに…。
パンスト太郎の「変身時のパワー&飛行能力」も同じく空を飛べる阿修羅相手にはアドバンテージが働かず、多彩な遠距離攻撃まで備わっているためパンスト太郎変身態でも苦戦必至の超難敵。しかもこれでも「力の源」を失って全力を出していない状態。
やがて力の源を発見したパンスト太郎は、これを自分に使って強くなろうと企み、すぐには返さずに彼女から使い方を聞き出そうとしてルージュと戦う事になり、乱馬もそれに巻き込まれてしまう。

PSソフト『バトルルネッサンス』ではボスキャラとして登場(ただしパンスト太郎は登場しない)。

シャンプー
猫の姿で捕獲し、パンストをグルグル巻きにして拘束。そのままの状態でお湯をかけたために裸にパンストをビキニのように纏っただけという姿を晒す羽目になった。実にまずい。もっとやれ。「パンスト巻きの侮辱、許せないね」
ところでこれ、敗北扱いにならないのだろうか?仮に敗北扱いだったとして女傑族の掟とか大丈夫なのだろうか?

余談

作中で唯一、二種類の呪泉郷の泉に浸かった人物。
しかも能力が上書きされるわけではなく二つの能力を同時に使用可能になるなど、かなりのイレギュラーである。*7
これについては「牛鶴鰻毛人溺泉と章魚溺泉の水を混ぜて被った」、「元々複数の動物が混ざった牛鶴鰻毛人溺泉の特性」「体の一部を漬けただけだからセーフ*8」と色々な説があるが、はっきりとされていない。

SFCソフト『爆烈乱闘篇』ではタコの足を手に入れる前の姿で、ストーリーモードのボスキャラとして登場し、変身前・変身後共に、最初はストーリーモードでは使用できないが(VSモードでは最初から使用可能)、一度他のキャラでストーリーモードをクリアするか、タイトル画面で特定のコマンドを入力すると使用できるようになる。
彼のストーリーモードでは、八宝斎がラスボスとなる。

なお、連載当時はまだDQNネームという言葉は無かったのだが、1990年代ごろから珍奇な名前が流行しだしたことを背景にこの言葉が生まれ、悪い意味で時代がパンスト太郎に追いついたと言われた。


子どもの名付けは、計画的にしましょう。


追記・修正は頭にパンストを被ってからお願いします。

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最終更新:2025年04月02日 01:01

*1 なおシャンプーとムースは当然協力する気はさらさらなく、どさくさに紛れて思い人の恋敵を亡き者にする腹積もりであった。

*2 あかねの頭にパンストを被せて変顔をさせるという脅迫。

*3 ちなみに第2候補はパンティー一郎。周囲の反応は「そっちよりは語呂もいいのでマシ」

*4 乱馬、ムース、八宝菜からの評価は不明

*5 なおアニメ化されたのは初回の時のみで、その後の騒動はアニメ化されていない。

*6 「パンスト太郎がその名前を理由に女子生徒からパンストを奪うようになった」という芝居で改名を迫ったため、八宝斎は「さるまた三郎」など自分に「不要な」物の名前をつけようとした。

*7 もし上書きされないなら、乱馬が男溺泉に浸かったところで元に戻らず両性具有になるだけである。

*8 双生児溺泉の水が八宝斎にかかった際、たんこぶにだけかかったことでたんこぶだけが二つになっており八宝斎は双子化しなかった。