登録日:2024/11/11 Mon 11:29:50
更新日:2024/12/11 Wed 14:12:59
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“スーパーヒーロー”は、
実在するか?
それは、始めてはならない
“禁断の研究・・・”
【GLASS】
『ミスター・ガラス(原題:GLASS)』は、2019年1月18日に公開された米国のSF・サスペンス・ミステリー・ダークヒーロー映画。
M・ナイト・シャマラン監督作品。
主演はジェームズ・マカヴォイ、ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン。
【概要】
製作として『パラノーマル・アクティビティ』シリーズで知られるジェイソン・ブラムが加わっている。
前作『
スプリット』が、エピローグにて『
アンブレイカブル』の16年越しのまさかの続編という事実が明かされたことを受けて制作された“アンブレイカブル三部作”の完結編である。
メイン製作と北米地域での配給は前作と同じくユニバーサル・ピクチャーズだが、前作を経て明確にシリーズ化とする都合もあってか、世界配給と製作協力を『アンブレイカブル』の配給元であったブエナ・ビスタの名称を復活させてディズニーが行っている。
その都合から、日本での配給も前作とは違い、系列のウォルト・ディズニー・ジャパンの担当となった。
【物語】
“群れ”が外の世界に解き放たれてから数年━━。
“群れ”は獲物を求めて連続誘拐殺人事件を続けていた。
現在も、少し前に誘拐されたチアリーダー達の行方が心配されている所。
日々の自警活動の傍ら“群れ”の行方を追い続けていたのは“監視者”デヴィッド・ダン。
━━19年前の列車脱線事故から無傷で生還したのをきっかけとして、己が超人であることを知った男。
今では個人でホームセキュリティのショップを経営しながら、
成長した息子のジョセフと共に陰ながら人助けを続けてきたデヴィッドの存在は一部の人々にとっては“実在するスーパーヒーローの都市伝説”として行方を追われるまでになっていた。
━━ファンサイトを運営するヒーローマニアと、サイトに群がるユーザーは勿論のこと……警察にも。
最近のヒーロー活動の増加から、警察が警戒を強めているというジョセフの忠告を聞き流して巡回に出たデヴィッドは、その中で“群れ”の一人であるヘドウィグと接触。
浮かんできたヴィジョンに基づくジョセフのデータ検索により、誘拐場所が廃工場だと特定して早速に潜入する。
チアリーダー達を縛めから解放したタイミングで帰ってきた“ビースト”と激突するデヴィッドだが、両者の力は拮抗しており、周囲を破壊しながら二人の超人は外へ。
……が、このタイミングで駆けつけたDr.エリーの率いる警官隊に囲まれる二人。
“群れ”がビーストから人格交代して無力化したのを見て、立ち去ろうとしたデヴィッドだったがDr.エリーから名前を呼ばれたことで素性がバレていると判断し投降━━揃って、重度精神異常犯罪者の収監施設を兼ねたレイヴンヒル記念病院送りとなってしまう。
そこは、奇しくも15年前にデヴィッドの通報により捕らえられた“ミスター・ガラス”ことイライジャが収監され続けている病院でもあった。
デヴィッドには高圧水流噴射器。
“群れ”には、強制的な人格交代をさせる効果を持つストロボフラッシュ。
━━超人的な能力を持つ彼等を、彼等の“特性”を利用して脱走できない状況にしておきながら新たなる主治医とまでなったエリーは、彼等の能力が辛い過去に起因する彼等自身の願望が生み出した妄想に過ぎないとして、彼等が超人であることを自ら疑い、否定することを目的とした“治療”を進めていく。
捕らえられた“超人達”の肉親であるジョセフとイライジャの母、そして、1年前に“群れ”に捕らえられて共に捕まっていたクラスメイトを失いながらも、その経験をきっかけとして己と向き合い、
辛い現実に立ち向かう勇気を得たことから、本当の“群れ”の本体であるケビンに恋するようになっていたケイシーと“超人”である彼等を愛し、その存在を信じる彼等もエリーの方針に反発。
それぞれに、何とかして“超人達”を解放してくれるように立ち回ろうとするが、彼等をも警戒していたエリーに阻まれて上手くいかない……しかし、何とか策を練ろうとする中でジョセフは“ある事実”を探し当てる。
そして、エリーの治療が進む中でも、初めから其の邪悪な目的を看破しており、尚且つブレることなく“超人”の存在を確信しているイライジャは陰ながら行動を開始。
━━それは、自分達を認めようとしない傲慢で狡猾な旧人類への一世一代の大仕掛けの始まりであった。
【主要登場人物】
※以下はネタバレ含む。
演:ジェームズ・マカヴォイ/吹替:内田夕夜
母親に虐待されていた少年ケビン・ウェンデル・クラムの心を守る為に誕生した“人格”達の総称。
ケビンの内面世界に生まれながら、各々が各々の年齢・人格の形成に見合う能力と知識を得ていた。
そして、その事実から一部の人格が人間の限界を越えた能力を持つ“ビースト”を現実世界にも目覚めさせることに挑戦━━遂には成功させた。
その後は“ビースト”の顕現を見たことで普通の社会に溶け込むことを目指していた常識的な人格達も“ビースト”の力を認めて団結するようになっていき、本来の人格のケビンを眠らせて“群れ”として活動を開始した。
- ビースト(The Beast)
“群れ”の中でも最大・最強の存在。
人知を超えた能力を持つ超人であり、彼の顕在化が“群れ”自体の誕生と結成の理由となった。
外の世界に解き放たれた後に“群れ”が犯行を積み重ねているのも、更に“ビースト”に力を付けさせる為の儀式である。(儀式自体の効果は不明だが、世界を畏怖させるという目的の為に犯行を重ねているという側面もある。)
その戦闘能力は本気になったデヴィッドとも同等で、殆ど凹凸のない垂直の壁を登ったりショットガンの散弾に耐えたりと、部分的にはデヴィッドより優っている部分もあると思われる程だが、他の人格と同じく強烈なフラッシュやストロボを当てられると強制的に人格を交代させられてしまうという弱点がある。
また、普段は眠ってもらっているとはいえ、他の人格と同様に元々がケビンを守る為に生まれた存在であるためか、ケビンが表に出ている場合には他の人格ともどもに無理にはイニシアチブを取りにいかないというのも、事情を知る者達には弱点として利用されてしまった部分であった。
- パトリシア(Patricia)
女性人格。イギリス出身で料理好き。
前作にて“ビースト”を目覚めさせた功績から、現在では“群れ”を主導する立場に。
相変わらず理知的ではあるが、少しも恐れもせずに“ビースト”の儀式=連続誘拐・監禁・殺人を計画・遂行するなど、冷酷な一面が強くなっている。
- デニス(Dennis)
男性人格。潔癖症。
前作でパトリシアと共に“ビースト”を目覚めさせたが、現在は他にも優秀な人格がパトリシアに協力するようになった結果、存在感が再び薄れると共に、私怨も混じっているのか過激化していくパトリシアへの疑念を抱くようになっている。
- ヘドウィグ(Hedwig)
男性人格。9歳の少年。前作にて“ビースト”を目覚めさせるのに大いに貢献したこともあってか、もはや一般の社会生活に馴染む必要がなくなった“群れ”からは存在を隠されることもなく主人格の一人として頻繁に外に出されている。
“ビースト”のことを子供らしい純粋さで自分(達)のヒーロー━━何なら、自分が変身した後の姿として捉えている。
迂闊に外に出たことからデヴィッドに存在を察知されてしまう失態を冒した一方で、相変わらず年齢の割には洞察力に優れており、ケイシーがケビンに好意を持っていることも見抜いた。
前作から数年を経て音楽の趣味が広がりダンスを趣味にするようになっている。
- バリー(Barry)
男性人格。オシャレ好きの服飾デザイナー。
元々は人格達の統率役で、誰が表に出るのかを決める“照明”のスイッチを握っていたのだが、それをヘドウィグに盗まれるようになったことが前作の事件に繋がった。
“最も常識人の筈━━だったのだが、“ビースト”の存在を認めた後はパトリシアの協力者となり、“群れ”としても社会生活に溶け込むことを放棄している。
- ヘンリッチ(Heinrich)
男性人格。自閉症傾向にある。
- ジェイド(Jade)
女性人格。ティーンエイジャー。
- イアン(Ian)/メアリー・レイノルド(Mary Reynolds)
双子の兄妹。アイルランド系。
- B.T
男性人格。“ビースト”信者。でシンボルへの造詣が深い。
- プリチャード(Mr. Pritchard)
男性人格。50〜80年代の日本映画の研究者。
- フェリダ(Felida)
女性人格。スペイン語を喋る。
- ポリー(Polly)
女性人格。パトリシアに媚びている。
- ケビン・ウェンデル・クラム(Kevin Wendell Crumb)
演:ジェームズ・マカヴォイ/吹替:内田夕夜
“群れ”を内に秘める男性。
幼少期より母親の度を過ぎた躾により多重人格の傾向が生じ始めていた。
━━そして、それに悩んだ父親が19年前に治療の相談の為にあの電車(イーストレイル117)に乗ってしまったことで死亡。
……それによって、不安定となった母親からの更なる虐待に曝されたことで、最終的に24もの分裂した人格を持つことになってしまった。
演:アニャ・テイラー=ジョイ/吹替:志田有彩
前作にて、パトリシアとデニスにイレギュラーで誘拐された後に何とか生き延びることが出来た少女。
前作での体験を経て自分で生きる道を切り拓く勇気を得たらしく、幼少期より自分に性的虐待を加え、今や唯一の肉親・保護者となっていた叔父を告発して逮捕させたようで、現在は養護施設で多くの子供達と共に暮らしている模様。
……前作の事件にて一部の人格と心を通わせていたが、特に本来の人格であるケビンとは互いに心に抱える傷が似ていたためか僅かな邂逅ながら魂が通じ合うレベルで強い印象を残しており、
“群れ”が捕らえられた際には自分達に酷いことをした犯人が捕まったと教えられたにもかかわらず、収監されている“群れ”へと面会にやって来てしまった程。
そして、再会したヘドウィグから「ケビンに恋をしている」と指摘されることに。
実際、そう指摘された後はケイシー自身もケビンへの恋心を認め、彼を救う為に行動していたのだが……。
演:ブルース・ウィリス/吹替:磯部勉
前々作にて発生した、19年前の
131人が即死したイーストレイル117線の大規模脱線事故から
唯一人だけ無傷で生き残った男。
大学時代には凄まじいパワーでアメフトの花形選手として活躍していたが、卒業を前にした、とある事件で大怪我を負いプロになる道を諦めた━━と、自分でも思い込んでいた。
実際には、本来の使命が個人としての幸せを求めることを由としなかったということなのか、実際にはその事故でも全くの無傷であり、しかも普通の人間ならば脱出不可能な状況から後に妻となるオードリーをも助け出して脱してみせた“超人”であった。
自分と正反対の者を探し求めていたイライジャとの出会いと別れを経て、遂に天に遣わされた本来の使命とも呼ぶべき、地上の苦しみに応えて人々を助ける役目に従事してきた。
流石に、活動期間の長さから“都市伝説のヒーロー”として有名となっておりファンサイトまでもが存在している。
デヴィッド「つま先男ってのには二度と触れるな」
そうして、先に病に倒れた妻のオードリーを偲びつつも息子と共に陰ながらヒーロー活動を続けてきたが、イライジャ以来となる自分以外の“超人”である“ビースト”との戦いの中で遂に捕らえられてしまうことになる。
無敵の肉体を誇るが、相変わらず水が弱点。(顔が触れると抵抗なく飲み込んでしまい、直ぐに窒息してしまう。)
また、触れた相手の思考や過去の行動が読める能力を持ち、それを利用して悪人を探し出すことが可能。
その能力の延長線なのか、世の中の苦難を訴える“声”を受信してしまう特性もありストレスの原因となっていたが、自警活動を初めてからは苦しめられなくなっている。
このことから、絶対に悪に傾くことのない存在として生まれ落ちたのが解り、自由意志で悪を選び取ったイライジャや“群れ”よりも縛られた存在とも言える。
演:スペンサー・トリート・クラーク/吹替:福山潤
前々作以来の登場となるデヴィッドの息子で、中の人も同じ。
“超人”である父の能力は遺伝していないものの、その代わりとしてコンピュータースキルを身に着けて出来得る限りの自警活動のサポートを行うという相棒ポジになっている。
相変わらずスーパーヒーローには憧れがあるようで、コミックや映画に使えそうな“名言”をノートに書き留めておくという趣味がある模様。
実は、ケイシーとは大学の同級生で、接点は無かったもののデヴィッドや“群れ”が捕らえられたことをきっかけにイライジャの母も含めて関わりが出来ることに。
演:サミュエル・L・ジャクソン/吹替:手塚秀彰
本作の真の主役。
先天性の骨形成不全症による、何者よりも脆い肉体を持つのに反して、何者よりも優れた天才的な頭脳を持つ愉快犯として、既に数百人を超える人々を殺害してきたコミック研究家。
19年前に自らが起こしたイーストレイル117線の事故から生き延びたデヴィッドを、自分が長年に渡り追い求めてきた現実世界のスーパーヒーローとして、拒絶されつつも根気よく導き友情を築いた━━かに思われたが、最初で最後の握手によりデヴィッドに何をしてきたのかを見抜かれ、そのまま告発により逮捕された。
……そして、精神鑑定の後に今作にてデヴィッドと“群れ”も移送された精神医療施設にて収監されてきた。
入ってきた当時に、施設の電力設備をハッキングする等の悪戯をしたことから強い薬物の投与によりまともな会話が出来ない状態にされている━━かに見えるが、実際にはとっくの昔に戒めからは脱しており自ら施設に閉じこもって大人しくしていただけの話だった。
そして、因縁のあるデヴィッドとデヴィッドに匹敵し得る力を持つ“ビースト”が揃ったことから、再び自らの考えが正しかったことを証明するべく行動を開始する。
尚、生涯を賭けてデヴィッドを見つけ出したイライジャだが、その中で自身も“超人”だと自覚するに至ったのか、パトリシアに名前を聞かれた際には“ミスター・ガラス”だと答え、知性派ヴィランと肉体派ヴィランの同盟と愉しそうに語っている。
演:シャーレイン・ウッダード/吹替:一柳みる
歴史に残る大罪人となっても、変わらずにイライジャを愛し続けているイライジャの母。
イライジャが生きるための希望を持てるようにコミックを買い与えてきた。
演:サラ・ポールソン/吹替:園崎未恵
精神科医。
精神的に問題のある重犯罪者のカウンセリングを専門としているのか警察にも顔が利くようで、デヴィッドと“群れ”の戦いの現場を抑えて彼等を捕らえた際にも指揮を執っていた。
収監した後のデヴィッドと“群れ”━━更には、イライジャの主治医とまでなり、彼等の“超人”としての能力が過去の辛い記憶に起因する妄想に過ぎないとしてカウンセリングを進めていくが……。
当然と言えば当然だが、今作の黒幕にして真のメインヴィランとも呼ぶべき人物。
実は、一万年もの人類史の中で度々に出現する傾向を見せてきた“超人”の存在を警戒・監視し、愚民達が“地上に降りた身近な神”たる彼等に触れることで大規模な革命が起きないようにコントロールしてきた“秘密結社”の一員であり、メンバーは手首にクローバーの刺青をしている。
最後にデヴィッドに心を読ませた際の独白によれば、デヴィッド一人ならば(特に目立とうともしていなかったので)放っておいていたが、それと対決し得る“群れ”が現れたことで対応を迫られて送り込まれた、とのこと。
手腕は確かで“群れ”の一部や━━デヴィッドにさえ、ある程度は“超人”の存在を疑わせることに成功していたもののイライジャには通じず、本当の狙いも見抜かれていた。
終盤、イライジャが無気力を装っているだけなのに気付いて強制的に意識を奪う措置を行うも、実際には此れ迄にバレないように行動できていたイライジャが動きを察知されたこと自体が罠であった。
その後、イライジャは看守を殺して約束通りに“群れ”も解放。
デヴィッドにも「“群れ”と共に新たに落成された、街で一番大きなオーサカタワーの除幕式に乗り込み自分達の存在を知らしめる」とのメッセージが届けられる。
※以下、終盤までの展開のネタバレ。
そして、偶然にもケイシー、ジョセフ、ミセス・プライスがエリーに呼ばれていたタイミングでイライジャと“群れ”は次々と人間離れした殺人と破壊を繰り広げながら、敢えて遠回りの地下から地上へ━━そして、外へ。
そして、イライジャのメッセージを受け取ったデヴィッドも高圧水流が取り除かれたことから鋼鉄の扉を破壊して彼等を止めるために外へと飛び出す。
続々と警官隊も到着するが、圧倒的な力で暴れる“ビースト”は勿論、警官隊をも守ろうとするデヴィッドのことも止めることが出来ない。
やすやすと鉄を捻じ曲げ、自動車をひっくり返すなど人間業とは思えない戦いを繰り広げつつも決着の付かない二体の“超人”だったが、
イライジャがデヴィッドの弱点である水の存在を“ビースト”に伝えて給水塔を示す。
……が、ここで父の危機に飛び込んできたジョセフがイーストレイル117線の事故はミスター・ガラスにより引き起こされたという事実を“ビースト”に叫ぶ。
つまり、それはイライジャこそがケビンの父親の仇であり人格が分裂する程の虐待の元凶を生んだ可能性があるということ。
「まだ早い」と零したイライジャ……ミスター・ガラスだったが、シナリオの展開を早めて、自ら“ビースト”に向かって「そうだ、私が“群れ”を生み出したんだ」と語る。
“ビースト”も何者よりも優れた自分という存在を生み出すことになったと認めつつも、ケビンを守るために生まれたと宣言し、ミスター・ガラスの誰よりも脆い肉体を破壊する。
そこに、止めに入るデヴィッド。
その姿に流石は正義の存在だと笑いつつも倒れるミスター・ガラス。
そして、ミスター・ガラス…イライジャは「スペシャルエディションの展開は知っていたんでしょう?」との母親の問いに「いや、これはオリジナルでヒーロー誕生の物語だ」と伝える。
そして、再開された“ビースト”とデヴィッドの戦いだが、アドバイス通りに給水塔にデヴィッドをたたき込む。
やはり溺れてしまい、窮地に陥るデヴィッドだったが給水塔自体を破壊して大量の水と共に外へ。
今のうちに攻撃を加えようとする“ビースト”の手首を掴み、これ以上は暴れるのを止めようとするケイシーは必死にケビンに語りかける。
ケイシーを無理に振り解くことを躊躇った“ビースト”は……遂にケビンを表に。
「…ケイシー?」
数年ぶりの再会となったが、一瞬で全てを悟ったケビンにケイシーは“ビースト”が目的を果たせなかったということと、ケビンに“照明”を奪ってと訴える。
そして、ケビンに戻った今の状況を狙って━━警官のライフルが腹部に命中した。
その警官の手首にはクローバーの刺青が。
ケビンと“群れ”は、次々と入れ替わりながら自分“達”を愛してくれたケイシーの前で逝く。
一方、水からの脱出で一時的に力を失ったデヴィッドの体をある警官が引きずり、水たまりに顔面を取り付ける。
再び窒息し、ますます逃げる力を失っていくデヴィッドにDr.エリスが近づき……手を握らせる。
自分達の目的を読ませ、去っていくエリス。
そして、ジョセフのみが父の安全の確保を訴えていたのを無視されて、殺害される。
そして、ケビンとデヴィッドに続き、イライジャの最期も看取るエリー。
オーサカタワーの開幕式は滞りなく終わったとのニュースが流れている。
……混乱は終わった。
Dr.エリーは“超人”達の戦いを目撃した職員や関係者に「あれは薬物による一時的な興奮状態」と説明して箝口令を敷き、監視カメラに残されていた“超人”達の異常な能力を示す記録映像の全てを消去させる。
あるレストランにて、様々な年齢、人種、職業の人々が集まって楽しそうに食事や会話をしていた。
一見すると彼等には何の関わりもないように見えたが、エリーが現れると空気は一変する。
「……彼等は本物でした」
しかし、危機は取り除かれたとのエリーの発言に安堵する秘密結社の面々。
エリーもまた街を離れようとしていたが、ケイシーやジョセフとの会話が引っかかっていたのかコミックショップに。
そこに、あるコミックオタクの会話が聞こえてくる。
━━「頭良すぎ。だからこそチームの黒幕だ。関係者の目を別方向に反らし、いつだって隠されている」
その言葉に、何かに気づいたように病院に戻るエリー。
記録映像を消したことを確認させるが……消去されるも何も、それ以前に
リアルタイムの映像が“監視者”のファンサイトに直通で流されていたことが判明する。
既に計画は完了していた……それを手助けしたのが自分の設置させた数百のカメラであると知り、打ちひしがれて絶叫するエリー。
そして、その映像は“超人”達の愛する者達━━息子、母親、魂の恋人……彼等にイライジャからのメッセージと記録映像が届けられる。
ケイシー、ジョセフ、ミセス・プライスは3人で集まり、その時を待っていた。
ネット上にアップロードされた“超人”達の姿、その存在に気づいた人々が彼方此方で足を止め、驚きの声を挙げ始めた。
【余談】
- 前作『スプリット』が『アンブレイカブル』の続編だと明かされたことで期待されていた待望の完結編ではあったものの、せっかくのシャマラン版アベンジャーズを期待する声を裏切る結末となったことには落胆と批判が寄せられた。
尚、それならばと世界観を引き継いだ更なる続編を望む声も出ているが、現状では否定的な解答が為されている。
追記修正は真実を知らしめてからお願い致します。
- ぶっちゃけ、最後にデヴィッドだけでも生還させてたら批判は相当に減ってたと思う。 -- 名無しさん (2024-11-11 11:36:37)
- ↑結局イライジャの一人勝ちだよね。 -- 名無しさん (2024-11-11 11:39:33)
- 賛否両論なのか・・・。すげぇ好きな映画だったんだけどな -- 名無しさん (2024-11-11 12:27:01)
- 現代社会じゃ最後の映像がネットに流れても「なんだCGか」で終わると思う -- 名無しさん (2024-11-11 15:43:10)
- シャマランとしては超人の存在が世間に知られたから主人公サイドの勝利、と言いたいんだろうけどね… -- 名無しさん (2024-11-11 18:49:31)
- テーマは1作目から一貫して「自分と他者の本質(ワンダー)を信じられるか?」なんで、そこについてはむしろ綺麗にオチがついたなと思った -- 名無しさん (2024-11-22 19:32:47)
最終更新:2024年12月11日 14:12