アルシュベルド

登録日:2025/03/11 Tue 18:19:39
更新日:2025/04/26 Sat 21:06:10
所要時間:約 12 分で読めます




本項目はモンスターハンターワイルズのストーリーの重大なネタバレを含みます。
閲覧の際はご注意ください。







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孤独な影の白い夢
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アルシュベルド(Arkveld)とは、『モンスターハンター』シリーズのモンスターの一種。
初登場は『モンスターハンターワイルズ』(MHWilds)。


 種族:絶滅種/造竜種→飛竜種
 別名:鎖刃竜/護鎖刃竜
危険度:★3

●目次

◆概要

MHWildsのパッケージを飾るメインモンスター。純白の体毛や鱗、甲殻を纏った美しくもどこか無機質で不気味な印象を持つ飛竜。
頭部は上部から下向きに湾曲しながら生える2本の角を備え、目は小さいうえに甲殻の隙間に隠れて確認し辛い構造をしておりまるで西洋の鎧の兜のようである。それもあって全体的な印象は「純白の騎士」
骨格は所謂ティガ骨格と呼ばれる前足と翼が一体になったものだが、姿勢や足の形状、飛行能力等の特徴はセルレギオスにも近い。
翼には名前の通り鎖状の器官である鎖刃が2対計4本伸びており、これを自在に伸縮させ叩き付けたり広範囲を凪払ったり時には触手のように巧みに操って戦闘を行う。
鎖「刃」という名の通り鋭い刃のような甲殻が連なって構成されており、伸ばすだけでなく筋肉の収縮により固めた状態でまるで剣のように突き刺す事も出来る等、その様は単純な「鎖」以上に蛇腹剣のようである。
体毛に覆われて見辛いが、翼のほとんどが鎖刃で出来ており一見飛行に向いていなさそうに見えるが、飛竜らしく全く問題なく飛行可能。
むしろ飛行能力は飛竜の中でも非常に高いほうで遠距離へのエリア移動の際はリオレウス並にスムーズに地上から飛び立つ姿が見られる。モンハンにはよくある事

また鎖刃には「エネルギー吸収能力」が備わっており、他のモンスターに絡み付けて属性エネルギーを奪取しそれを膨大な量の龍属性エネルギーに変換して戦闘時に炸裂させる生態も持つ。

その属性吸収能力を含めた戦闘力は凄まじく、禁足地の各フィールドに存在する「頂点捕食者」達をほぼ一方的に打ちのめしてしまう程。現状、情報が少ないので断言は出来ないが「古龍級生物ではないか?」とも考察されている。
実際ゲーム内で多数のモンスターと縄張り争いを繰り広げるが、ほとんどアルシュベルドが相手を一方的に打ちのめしてエネルギーを吸収するという完勝を収めている。

エネルギー吸収能力によるものか、それとも龍属性エネルギーの作用*1なのか不明だが、環境適応能力も高く寒冷地や灼熱の溶岩地帯でも問題なく活動可能で、現状ワイルズの各フィールド全てに飛来する姿を見せる。

本来であれば太古の昔に絶滅し文献にのみ名を残す絶滅種のはずであるが、禁足地にて特徴の似た飛竜の姿が目撃され、「白の孤影」と呼ばれたそれを探して禁足地各所を巡るのが本作のストーリーである。

◆物語

本編開始数年前、主要人物である守人の少年・ナタの故郷を襲撃し多数の死者を出した。
本編で顔を出すのは緋の森でウズ・トゥナを退けた直後。前述した鎖をウズ・トゥナの巨体に巻き付けた後、エネルギーを吸われて絶命したそれを放置して何処かへ飛び去った。
隔ての砂原でも同じようにレ・ダウも襲撃している光景を目撃するが、レ・ダウからもエネルギーを吸収するとやはり飛び去ってしまい、暫く行方を眩ませることに。

そしてナタの故郷である竜都シルドに辿り着いた一行は、ナタの育ての親であるタシンと邂逅。
彼の口から白の孤影についての詳細が語られる。
白の孤影の正体は、やはり現代では絶滅したアルシュベルドであると。
そしてそれはこの土地を守るために作られた護竜(ガーディアン)の一体であると。

アルシュベルドが守人の先祖によって作られた人工生命体という事実を聞いて動揺するハンターたち一行。特にアルシュベルドに故郷を追われ、激しい憎しみを抱いていたナタは、憎悪と先祖が犯した罪の間で迷いが生じる。
その後もアルシュベルドを追う中で、彼が本来なら必要ないはずの獲物を喰らっている場面を目撃。
どうやらエネルギー吸収能力のおかげで竜乳に頼らずともある程度での外の世界でも活動が可能な事に気付いたようで、失われた本能を取り戻すべく外界に出て他のモンスターの情報を吸収していくうちに先祖返りを果たし、人の手によって奪われていた生物としての本能や捕食能力を取り戻しつつあった模様。
だがその取り戻した捕食本能と護竜として竜乳を求める本能の両方の板挟みになった結果、過剰なエネルギーを溜め込んでしまいアルシュベルド本人も力を制御できなくなっており、不必要な大量殺戮を行う暴走状態に陥ってしまう。
この状態のアルシュベルドを放置しては人々に、ましてやこの禁足地の生態系にとっても非常に危険と判断され、ハンターの手によって討伐されることとなった。

◆戦闘

巨大な体躯と翼の鎖刃を用いた攻撃を多用する。
特に鎖刃攻撃は薙ぐ、払う、叩きつける、地面に突き刺しエネルギーを流し込んで爆発、巻き付けて拘束と非常にバリエーション豊か。伸縮自在な鎖刃の攻撃範囲は非常に広くかなり遠くまで届くためガンナーでも油断禁物。
それでいてその場からふわりとジャンプしたかと思い切りや鎖刃を伸ばして地面に引っかけ急制動して死角に回り込むなど俊敏性も高く、更に一発一発のダメージも非常に高いというパワーとスピードまで兼ね備えた難敵であるが、一方で鎖刃を「振り回す」というモーションの関係上全体的に大振りな攻撃が多く隙も出来やすい為理不尽感は薄い。
ブレス等の遠距離攻撃も無くほとんどの攻撃が近接攻撃な為相殺や鍔迫り合いも狙いやすい。
ある程度ダメージを与えると鎖刃に龍属性エネルギーを纏わせた強化形態へ移行し、更に攻撃が激化する。

鎖刃は強力な攻撃手段であると同時に弱点部位でもあり、ダメージを蓄積させるとダウンするため隙があれば積極的に狙っていきたい。
特に大技の後は鎖刃の根元に弱点が露出するため弱点集中攻撃を叩き込むチャンス。

総じて鎖刃による苛烈なかつ広範囲な攻撃が驚異的な一方、攻撃後の隙も多く近年では珍しいターンファイトをしてくれるうえ肉質もそこそこ柔らかく、本作の新システムである鍔迫り合いや相殺との相性も良い、と戦っていて楽しい・現状古龍がいないのも相まって戦い甲斐のある「良モンス」という評価を得ている。この評価に加え前述のように何処にでも現れる性質上、他の高ランクモンスターよりも出現率が非常に高く歴戦個体も発生しやすい為、エンドコンテンツを回すハンター達からは乱獲対象になっている。せっかく繋いだ命が…


弱点属性はなく全ての属性が一律で通るが、どうやら通常時の属性肉質が相当渋く設定されているらしく属性攻撃での単純なダメージはほとんど見込めないと思って良い。
なので基本的に持ち込む武器は物理面を重視したい。

後の検証によりどうやら「鎖刃に傷が付いてるor大技の後に弱点が露出している時」のみてきめんに属性が通る仕様な模様。
ただそれを込みでも狙える場面が限られるうえ物理肉質が柔らかめなのも相まってやはり属性武器を担ぐのは効率が悪いとされる。

ただモンスター図鑑によれば属性ダメージを蓄積させると鎖刃ダウンを引き起こしやすくなるらしく属性攻撃が全くの無意味という訳ではない。マルチならアリかもしれない。
これを狙う場合龍属性やられを引き起こす行動が多いためウチケシの実を持っておきたい。

また「属性」は通らないが「状態異常」は普通に通るので麻痺や眠り、毒、爆破等の武器を担いでも良いだろう。こちらも龍属性やられで消えるので対策しておきたい。

◆武具

武器防具共に護鎖刃竜(護竜)をモチーフにしたものと鎖刃竜(飛竜)をイメージしたものの2種が存在する。

武器は護鎖刃竜の場合、高い攻撃力と龍属性が付くが、斬れ味があまり良くないのとマイナス会心つきなのが玉に瑕。
同じ龍武器で比較対象となる鎖刃竜武器の壁が厚く少々立場は悪め。武器スキルが鎖刃竜武器より劣っているのもネック。
例外はガンランスで、発売直後では唯一の拡散砲撃+砲撃レベルやや強いにより砲撃型ガンランスとして人気が高い。
鎖刃竜の場合は順当な龍属性武器になる。こちらは攻撃力斬れ味共に高水準で龍属性も付くことから多くの武器種で優秀な一本となっている。
最終強化系の名前は円卓の騎士から取られている。

防具は護鎖刃竜シリーズ・シュバルカシリーズが作成可能。
護鎖刃竜シリーズにつく新スキルの「鎖刃刺激」は傷をつけやすくなる&無属性の追加ダメージというもので発売直後は壊れスキルかと騒がれたが、研究が進むにつれ最大レベルでも確定発動でないこと、一部武器種の攻撃(ガンランスの砲撃など)では発動しないといった仕様から評価は落ちつつある。
護鎖刃竜シリーズスキルの「護鎖刃竜の命脈」は傷口破壊時に体力が回復する。
属性耐性は全体的に低く、特に龍属性耐性は一部位-4、一式で-20とかなり低くなる点に注意。本体の属性肉質はガチガチなのに…

シュバルカシリーズは属性吸収、属性変換、弱点特攻、回復速度などのスキルを習得する。
弱点特攻を乗せつつスロットも多い胴・腰が人気。
こちらのシリーズスキルは、攻撃を継続すると体力回復効果を得られる「鎖刃竜の飢餓」。
護鎖刃竜ほどではないとはいえこちらも龍耐性が低い点は注意。

ビジュアル面ではいずれも一点の曇りもない、眩しいばかりの純白となっている。焚き火料理で汚さないように。
なお、この白色は色彩設定で丸ごと変更可能。

対抗馬となるのは同じ龍属性のゴア装備か。真っ白のこちらに対してあちらは真っ黒という点でも対照的である。

◆余談

  • 由来
名前の由来は恐らく「アルベド」。
ラテン語で「白」を意味しており、真っ白なこのモンスターにふさわしい名前と言える。
また、錬金術の極致たる賢者の石を作る「マグヌム・オプス(大いなる業)」においても「アルベド」は重要なファクターとされる。
こちらは「浄化」や「結晶化」を意味しており、黒く腐敗した「ニグレド」を抜け純粋な赤たる「ルベド」へと変じていく過程を指している。
造られた白い命が結晶の卵を生み出し、新たな生命体へと覚醒していくアルシュベルドの生き様にどこか近いものを感じるだろう。

またもっと直接的なモチーフは「亡霊」だろうと思われる。
その白くどこか無機質で不気味さも感じさせる姿と「過去に絶滅した思われた生物が現代に突如目撃され当てもなく彷徨っている」という設定はまさしく「亡霊」であるし、何より本種に付けられた異名「白の孤影」は、英語ロケールでは“The White Wraith(ザ・ホワイトレイス)”で直訳すると「白い亡霊」となる。

  • ナタとアルシュベルド
本作におけるアルシュベルドの「薄暗い地下での長年にわたる使命を逃れ、外の世界で多くのものを学び成長した」という行動は、過程こそ異なるがナタに通ずる点が多い。
アルシュベルドを憎んでいたナタが考えを改め共存の道を探そうとしたのも、そこにシンパシーを感じたのかもしれない。

  • 繫殖力と再絶滅の危機?
数奇な運命を経て現代に蘇ったアルシュベルドであるが、ゲームシステムの都合もあるとはいえほんの数日程度の短時間に大量繁殖し過ぎな上、元々好戦的な種とはいえ「歴戦の個体」まで現れている点はよくツッコまれる。
更にゲーム発売直後のエンドコンテンツである歴戦個体は現状アルシュベルドのみ最高の☆8となっているため前述のように、報酬目当てで各地で乱獲されている憂き目にあっている
だがそれでも根絶する気配はない。凄まじい繫殖力である*4

しかし、それではまた別の疑問も産まれる。
これだけ戦闘能力が高く、単為生殖で繫殖力も高いアルシュベルドが何故外の世界では絶滅してしまったのか?

繁殖力に関しては恐らくそれこそ「ゲーム的な都合」の可能性が高いが*5、それを抜きにしても「アルシュベルドは何故絶滅したか?」という疑問に対して具体的な答えは今のところ一切明示されておらず「過去に絶滅した」という結末だけが語られるのみである。

この答えが明かされる時は来るのだろうか?

  • オープンβテスト
オープンβテストにおいては2025年2月開催の第2回で「【高難度】縛鎖のアルシュベルド」として狩猟クエストが配信された。
移動頻度の高さ*6、食事での体力増強込でも二発喰らえばまずキャンプ送りになる高火力、生半可な攻めでは捕獲ラインにすら届かないタフネスを兼ね備えたアルシュベルドを、たった20分という制限時間の中で狩猟する必要がある腕試しクエスト*7となっており、テスト期間中は多くのハンターが返り討ちにあった*8

  • 種族について
ゲーム内でしれっと「飛竜である」と判明する本種であるが、実は発売前に発表された当初は「絶滅種である」とだけ明かされており具体的な種族は全くの不明だった。
前述のように全体的なフォルムはティガ骨格の飛竜に見えるものの鎖刃で出来たその翼は絶妙に翼に見えない形状をしており「長い前肢にギミックが付いた牙竜種や牙獣種」にも見え、羽毛のような白い毛を持つ特徴から「実は鳥竜種なのでは?」なんて声もあった。
更には「新骨格の古龍だ!!」「そのまま絶滅種という新種族なのでは?」という若干荒唐無稽な説まで出ており種族特定の考察はやや混沌としていた。まさか「造竜種」というイレギュラーから飛竜種に変貌するとは…
オープンβテストの環境が上位環境だったのは間違いない話だが、環境サマリーで確認するとおもいっきり「飛竜」と書いてあったりするので、
もしかしてオープンβテストは上位のストーリーもクリア後の世界線だったのでは…


追記・修正は自身を縛る鎖を解き放ってからお願いします。

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最終更新:2025年04月26日 21:06

*1 公式で触れられた訳ではないが、ゲーム内龍属性やられの効果やイビルジョーやバルファルク等の怒り時の属性肉質を見るに、龍属性エネルギーには属性を遮断する効果があると思われる。

*2 竜乳でエネルギー補給をする時も、口から飲まないで竜乳が湧き出ている水溜まりで皮膚から吸収している。

*3 一応選定はされているらしく、戦闘能力・縄張り意識・獲物への執着心等々が強いモンスターが選ばれている模様。

*4 ただし、下位ストーリー中で討伐した護竜の方のアルシュベルドとは、救難信号以外で再戦する手段は現状存在していない。

*5 過去作でも、本来数が少なく大量狩猟出来ないはずの古龍や希少種等を設定を無視して乱獲出来るなんて事は日常茶飯事である。

*6 製品版では修正されたが、このときのオープンβテストにおいては製品版の開発にリソースを割くため未反映であった。

*7 クリアした際に、アルマからそのことを称賛される専用台詞が用意されていた。

*8 公式の発表によると、計算方法は不明だが第2回におけるクリア率は11%だったとのこと。