登録日:2025/03/13 Thu 17:02:46
更新日:2025/04/05 Sat 16:47:12
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01系は、帝都高速度交通営団(現:
東京メトロ)が導入した車両である。
本項では、熊本電鉄に譲渡された01形電車についても解説する。
概要
1980年代初頭の
銀座線は、開業から50年以上経過し、特に車両では昭和30年代中盤に増備された2000形という比較的新しい車両がいるにはいたが、中間車には
戦前生まれの車両を筆頭に雑多な形式が多数在籍するカオスな状況で、利用客からは「古臭い電車が走り回る地下鉄」というイメージを持たれていた。
これらの置き換えと、それに伴う銀座線のイメージアップを目的に開発された。
従来と異なる新機軸を多数導入した、俗にいう「0X系列」「0シリーズ」と呼ばれる形式番号が0から始まる車両の第1弾で、以降営団各線に導入される新形式の基礎となり、1980年代後半までは営団地下鉄のフラッグシップとしてポスターなどにも積極的に起用された。
1983年に試作車1編成が登場し、本来は1984年秋ごろの営業運転開始を予定していたが、昼間の試運転を見た乗客から問い合わせが殺到。そこで急遽予定を前倒しし同年大晦日の終夜運転から営業運転を開始したという経緯がある。
1985年鉄道友の会ローレル賞受賞。
車両解説
6000系から続くアルミ合金製だが、従来と異なり大型押出形材や中空形材を採用し、品質向上とコスト削減を図った。
全体的に直角的なデザインとなっており、この形式から前面の非常用貫通扉にも窓が設置された。
車体は無塗装で、ラインカラーのオレンジとアクセントの黒白帯を下部に纏う。側面の行先表示器はない。
当初は運転台後部に当時の銀座線18駅をモチーフにした星で「G」を囲むシンボルマークの導入も検討されていた。
走行装置は第36編成まで電機子と界磁双方のチョッパ制御を行う高周波分巻チョッパ制御を採用、37・38編成のみVVVFインバータ制御を採用した。
内装はベージュ系でまとめられ、乗降部上にはマップ式の車内案内表示とドアチャイム、そして車外スピーカーも設置された。
ポイント通過や駅到着時における車内灯の減光も最低限に抑えられ、瞬間停電対応の非常灯も省略された。
これだけ新機軸を採用しているのに、当時の営団地下鉄の方針から冷房無しで登場している。これは銀座線のトンネル断面が小さく車両の冷房化が困難とされたこと、当時は駅とトンネルに冷房を設置し冷気を車内へと取り入れる方針をとっていたためである。
グループ別解説
1983年製造。川崎重工製。
試作的要素が強いため内装も試験が行われ、車内案内表示器も複数のタイプが設置されていた(1997年の溜池山王駅開業に合わせて量産車と共通の仕様に交換)。
また、チョッパ制御装置も編成中に異なるメーカーの個体が配置されていたのも特徴。
また、車高も量産車に比べて20mm高い。
量産車とは異なり、製造当初はテールランプおよび車側灯がLEDではなく白熱電球を使用していた。
1984年~1987年に製造された量産車。このグループは川崎重工、日本車輌、東急車輛、近畿車輛の4メーカーが製造。
量産先行車の試験結果を受けて作られた、最初の量産車グループ。
ここまでが非冷房で、2次車の登場に合わせて冷房が設置された。
このグループまでは暖房装置も省略されていた。渋谷駅付近以外地下を走る銀座線は車内温度が低下しにくいと考えられたためで、冷房と異なり廃車まで暖房は設置されなかった。
1990~1991年製造。このグループ以降、製造メーカーが日本車輌に統一された。
このグループから冷房が搭載され、座席もバケットシートを採用。
1992年製造。チョッパ車最終グループ。
このグループより行先・運行番号表示がLED式となり、車いすスペースが設置され非常通報装置を警報式から乗務員との通話が可能なものに変更された。
5次車は1993年に旧型車置き換え、6次車は1997年に溜池山王駅開業による必要編成増に伴い登場。
上述したVVVF車のグループで、補助電源もSIV(静止型インバータ)に変更。
第38編成には転落防止幌の設置が行われている。
2007年に第38編成でPMSM(永久磁石同期型電動機)の試験が行われた。
熊本電鉄01形
2015年に5000形(元東急初代5000系)置き換えのために2編成導入された。
元35・36編成の先頭車が種車で、
○川崎重工業製台車「efWING」への換装
○パンタグラフの設置
○01-100の制御電動車化
○ワンマン運転用のミラーおよびドアステップの設置
が行われた。
ラインカラーやドアステッカーなどはメトロ時代のものをそのまま流用しており、両編成ともくまモンのラッピングが実施されている。なお、35編成は2017年のくまモンラッピングとともに、東京メトロ1000系を模したラッピングに変更されている。
引退
長らく銀座線の顔としておなじみだったが、車体が狭小すぎてワンマン運転やホームドアに対応する機器類が設置できないことから1000系への置き換えが決定。
2017年3月に全車引退となった。
保存車は以下の通り。
記念すべきトップナンバーで。1・2・6号車の3両編成に短縮され中野検車区に動態保存。
1号車のカットモデルが地下鉄博物館に保存されている。
6号車が東京大学柏キャンパス生産技術研究所千葉実験場に保存されている。
このほか、溜池山王駅に第26編成の部品を流用したサントリーの
自動販売機が設置されている。
関連作品
2007年11月に銀座線初代車両の1000形とともにセットになる形で販売開始。翌月には単品販売が行われ、さらには2012年の後継の1000系登場直後に発売されたセットで、2007年の地下鉄80周年時代のラッピング仕様も発売。
モデルになった編成番号は1000形とセットの商品は第38編成、単品は第14編成、1000系とセットの商品は当時ラッピング当該だった第17編成。
2002年7月に発売。第37編成がモデル。
上述のポケトレインの販促アニメ。2003年ごろ放送だったため「えいだんちかてつ ぎんざせんさん」名義。
生真面目なサラリーマン気質の男性であるが、第22話ではたがいに走る路線に嫌気がさしていたE3系つばさと、走行路線を交換していた側面も。
劇中に登場したわけではないが、2015年12月に実施された、μ’s各メンバーを極力メンバーカラーとそろう各路線に振り分けた広告ジャック編成で、第37編成が主人公の
高坂穂乃果担当となった。なお、当該編成は翌月に廃車された。
上述の「ダッシュ」の01系を玩具と同じ37編成をモデルと解釈すれば、アニメ出演当該編成がまた別のアニメと関係ができたことになる。
追記・修正は唯一のシルバーボディーの銀座線に思いをはせながらお願いします。
- この車両の部品の一部が、溜池山王の改札外にある自販機に使われてる。 -- 名無しさん (2025-03-13 17:42:21)
- ゼロシリーズの高周波分巻チョッパの発車時のあの独特の音が好きで「地下鉄の音」というイメージだった -- 名無しさん (2025-03-13 17:53:18)
- 勝手に末文を替えた以外にも、wikipediaからの剽窃に近い追記を行っていませんか? -- blackboshi3700 (2025-03-15 18:44:24)
- 35編成の1000系準拠仕様の削除などを中心に編集しました。 -- blackboshi3700 (2025-03-18 10:34:31)
- 0シリーズって公式名称ですかね?「お上りさん判別装置」の揶揄含め、百科事典的サイトでの体裁を考えたうえでこの記述を考えていただきたいです。 -- blackboshi3700 (2025-03-26 14:29:18)
最終更新:2025年04月05日 16:47