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赤べこ

登録日:2025/11/27 Thu 21:44:14
更新日:2026/04/16 Thu 19:42:04
所要時間:約 6 分で読めます




赤べことは、福島県会津地方に伝わる郷土民芸品である。

概要


ビビットな赤色で染められたの形をした張り子の玩具。
べこというのは東北弁で「牛」を意味する言葉なので、名前の通りの存在である。

特徴として、首が振り子のように揺れ動く構造になっている。
これは頭と胴体を別のパーツで作って組み合わせることで実現しており、首が適度な揺れにするには緻密な計算がなされている。

かつては和紙を丁寧に重ねる熟練の職人技によってしか作ることが出来なかったが、現在量産されているものは真空成形法という型を用いた大量生産法で作られている。
最近では3Dプリンターでも作れるらしい。

どんなもの?


もとは子供がいる家庭の飾り物、かつ厄除けのお守りとして作られたものである。

古くから赤色には魔除けの力があると信じられており、赤べこは家内安全・無病息災・疫病退散を司っている。

また、赤べこには黒と白の斑点のような模様が描かれている。
これはかつて日本で流行った天然痘を現しており「子供の病の身代わりになるように」「治った跡のように仕立ててゲン担ぎをするために」という願いが込められている。

これらのことから、特に子どもの誕生祝いや成長祝い、見舞いの品として用いられることが多かったそうである。

赤べこの伝説


赤べこ発祥の地は、福島県の会津地方にある柳津村(現在の柳津町)。
ここには赤べこに関する伝説が言い伝えられている。

時は江戸時代。
会津地方を襲った大地震*1により、柳津村は多くの建物が倒壊する大被害を受けた。
柳津村には人々の拠り所である虚空藏堂(こくうぞうどう)という虚空蔵菩薩様を本尊とするお堂があったが、これもまた地震の被害で倒壊。
柳津村の人々はこれを再建しようとしたが、本堂を再建するための木材を運ぶのが大変で、運搬に従事していた黒毛の牛も、そして人々も、すっかり疲れ果ててしまった。

すると、仏様のお導きか、どこからともなく赤毛の牛が現れて、黒毛の牛を助けてくれた。
そして、虚空藏堂は無事再建され、人々は赤毛の牛に感謝したという。

人々はこれにあやかって赤い牛を模した赤べこを作り、「忍耐強く壮健であれ」という願いを込めたのだそうな。

現代における赤べこ


赤べこは会津地方のシンボル的な存在であり、お土産品としての需要が常に高い。

歴史ある工芸品としての価値を持つ高級な赤べこもいれば、可愛らしく手軽なお土産として買われていく赤べこなど様々。
お土産屋さんで買えるものは手のりサイズのものが多い。いちばん安いものだとガシャポンから買える赤べこまである。

鳥居のような塗りの丁寧な赤とのほほんとした顔が「和風なフォルム」らしく、ジャパニズムあふれるオブジェとして外国人観光客にも人気があるという。

赤べこをモチーフにしたグッズも多数。
赤べこのぬいぐるみやストラップなどはもちろん、赤べこがプリントされたコインケースなどの生活雑貨なども会津若松各地で発売されている。湯呑みなどのように和の生活雑貨とも相性が良い。
お土産品としてはもちろん、郷土愛あふれる会津民も普段使いに活用しているそうな。

珍しいところでは会津若松の株式会社、ワシオ商会が手掛けた「赤べこバリケード」なんてものもある。本来は工事現場などで使う建設土木資材だが、グッズとして欲しいという購入理由で1台だけの購入が相次ぐ珍現象*2がニュースで話題になったこともある。

会津限定キーホルダーなどキャラクターもののお土産では、赤べこの着ぐるみを着ていたりするものもたくさんある。

また、同じく会津特産の喜多方ラーメンの宣伝キャラクターを担っているなど、会津を日本に広める広告塔として全国各地で活躍している赤べこたちもいる。

……と、このように、赤べこの活躍を挙げていけばキリがない。
赤べことは、地方の守り神としても、商業の広告塔としても、まさに会津の宝ともいうべき存在なのだ。


赤べこのキャラクター


やはり会津や福島の宣伝を担うキャラクターたちが多い。

  • 若べこ・松べこ
会津若松駅の改札内で通行人を見守る2体の赤べこ。
会津若松駅には他にも、玄関口に本物の牛くらい大きい赤べこもいる。若べこ松べこよりこっちのほうが昔からいる。
他にも会津の観光地の様々な場所に赤べこがいるので、会津赤べこ巡りをしてみるのも面白い。

  • あかべぇ
会津若松市町村協議会のゆるキャラ。
記号のようにデフォルメされた赤べこ。かわいい。

いわば会津の公式マスコットキャラクター。
会津を観光すれば、観光案内パンフレットに描かれている姿やグッズ展開を目にすることができるだろう
宣伝キャラクターとして路線バスや鉄道に描かれていたこともある。
イラストでは四足歩行をしているが、着ぐるみで登場する時は二足歩行する。

  • ベコ太郎
こちらは福島県総合情報誌『ふくしままっぷ』のナビゲーター。こちらはあかべぇと比べてちょっとユーモラスな顔をしたゆるキャラ。
会津のみならず福島全域の魅力を紹介するのが仕事で、適切な目的の上で申請すれば誰でもキャラクターを利用できる。

  • 紅井べこ
赤べこをモチーフにしたバーチャルユーチューバ―。
2009年のうし年生まれの16歳。誕生日は赤べこの日である11月3日。
プロデューサーは会津若松市観光大使にして赤べこ評論家であるシンガー・ソングライターの鈴木ミチさん。

  • VEKO兄
福島県会津若松市にあるアカベコランドという展示系観光施設のキャラクター。
見た目がめちゃくちゃファンキーだが、会津地方の伝承や文化に詳しく、赤べこの事をいろいろ教えてくれる。

ちなみにこの項目で述べた「赤べこの伝説」では江戸時代の地震の際の出来事という説を述べたが、これは平安時代に虚空藏堂を建設した時の話であるという説もあり、VEKO兄はこちらの説を有力としているらしい。

  • 厄払い怪獣アカベコン
桃太郎電鉄シリーズ」に登場する名産怪獣の一体で、福島県に出没する。
福島県にある会津若松駅周辺に社長がいる、かつ他の社長の誰か(・・・・・・・)が損害系カードを持っていると確率で出現。
その時点で全員が持っている損害系カードを全て除去する。
アカベコンは出現後も半年ほど会津若松駅に居座り、その間は誰かが損害系カードを手に入れるたびにすぐに除去してくれる。
キングボンビーにやられて損害系カードを大量に持たされてしまった場合でも出現さえすれば全部一気に消してくれるので、首が回らなくなったら誰かが会津若松駅付近を通ってアカベコンが出てくるのを祈ろう。

注意点として、アカベコンがいる間は会津若松駅を通行することが出来ない。
東北地方を東西に横断するルートは限られているので非常に厄介な障害物になる。
会津若松が目的地の場合でもかまわず居座り続けるので、そうなると目的地に到着することすら出来ない。


その他、赤べこに関連するもの


  • 牛鍋屋『赤べこ』
漫画「るろうに剣心」で剣心や薫が懇意にしている店。
当時では珍しい牛鍋(=洋食)を提供している人気店。
ただ、店長の娘である妙は京言葉を使い、店内にも特に赤べこ要素は見当たらない。
また妙の実家が京の『白べこ』であることも明かされている。
そのため、会津地方や赤べこそのものとは特に関係なく、単に名前だけ借りている模様。
牛を食する店の名としては、ちょっと不謹慎かも…。


余談


  • 赤くなくても良い!?
最近のお土産としての赤べこであることにあまりこだわらず、桜柄空色などいろいろな色や柄のものが存在している。
なんなら牛であることにすらこだわらない商品もある(詳しくは「神獣ベコ」で検索)。
赤でも牛でもないなら最早なんなのか分からないが、赤べこモチーフであれば、それらも全て赤べこの仲間ということで良いらしい。なんとも懐が広い話である。


民芸店で赤べこ8号サイズを購入した皆さん、追記・修正をよろしくお願いします。

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最終更新:2026年04月16日 19:42

*1 1611年の会津慶長地震のことと思われる

*2 この手のバリケードは間に鉄パイプを通して複数台をつなげることで立てるものなので、1台だけでは使えない