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アマリリア王国(ファイティング・ファンタジー世界)

登録日:2026/02/21 Sat 10:40:13
更新日:2026/08/16 Sun 15:07:16
所要時間:約 30 分で読めます




アマリリア王国とは、ゲームブック(以下GB)及びTRPGシリーズ『ファイティング・ファンタジー』(以下FF)に登場する架空のファンタジー世界である。

GB『火吹山の魔法使いの伝説』、パズルGB『魂の宝箱と12の呪文』、小説『THE ZAGOR CHRONICLES』4部作、アナログゲーム雑誌『GMウォーロック』に掲載された日本オリジナルのアドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版対応ソロアドベンチャー『アマリリアの支配者』の舞台となっている。
FFシリーズの殆どのファンタジー作品で舞台となっている世界「タイタン」とは別世界だが、タイタンの住人がアマリリア王国に介入したり、アマリリア王国の冒険者達がタイタンに次元転移して冒険したりと、タイタンとアマリリア王国が並行世界として存在する事が描写されている。
また『THE ZAGOR CHRONICLES』では、タイタンとアマリリア王国では時間の流れが激しく歪んでいるとされ、第3巻『Skullcrag』でタイタンで数日間を過ごした冒険者達が、アマリリア王国に帰還した際には65年が経過している。

ここでは、未訳作品のタイトルは英語表記とする。
このシリーズは、同じ名称や肩書でも翻訳者によって異なる表記が多いため、言葉によっては複数の呼び方を記載したり、原語版での表記を参考に、漢字表記にカタカタのルビを振る等して記載する(例:「大釜」と「コールドロン」→大釜(コールドロン))。



【概要】


『魂の宝箱と12の呪文』に掲載されている地図には方位記号が描かれていないが、『THE ZAGOR CHRONICLES』に掲載されている地図では右を北として方位記号が描かれているため、ここでの説明もそれに準ずるものとする。

アマリリア王国は、1つの大陸とその周辺に存在する複数の島から成り立っている。
大陸は大きく3つの地域に分かれており、北部の「グランディア」はドワーフが、中部の「バラバング」はケンタウロスが、南部の「パナッサ」は人間が主に生活している。
大陸の北には、東西に連なる「アイスキャップ列島」が存在し、その最西端の島「コールドロン」には、アマリリアの守りの要となる、大魔術師(グランドウィザード)サラザール率いる12人の大魔術師で構成された「大魔術師評議会」が住む街「サンクチュアリ」がある。
大陸の島北東には、アマリリアを統治する王の城「アージェント城」が建てられている「タワー島」が存在する。
アマリリアの周囲の海は、巨大な炎の壁「炎の長城」で取り囲まれている。これは、邪悪な(ボーン)デーモンがアマリリアを狙っている事を知った大魔術師評議会が、デーモンの軍勢からアマリリアを守るために張り巡らせたものである。

アマリリアには人間、ドワーフケンタウロスに加え、エルフ巨人(ジャイアント)オークゴブリン、トロールも存在し、一般的なファンタジー作品同様、オーク、ゴブリン、トロールは邪悪な種族である。アマリリアのエルフは、外見的にはタイタン世界のエルフに似ているが、肌の色が異なり、タイタン世界の(ウッド)エルフは青白く、砂漠(デザート)エルフは淡い茶色、(ダーク)エルフは漆黒の肌をしているのに対し、アマリリアの森エルフは褐色(銅色と記載される事も)、砂漠エルフは黒檀色、闇エルフは青黒い肌をしている。またエルフとドワーフは善の種族同士でありながら、あまり仲が良くない*1。また、「小人(ピクシー)」という言葉も使用されるが、これは種族名としてではなく、エルフへの蔑称として使用される。

アマリリアでは、太陽神ソラン、戦士に関係すると思われる神ジルレンといった、タイタン世界とは異なる神々が崇拝されており、ドワーフの創造主は世界の鍛冶師とも呼ばれる神デュラダン、エルフの創造主はフェラレンであるとされている。

アマリリアでは黄金は全く採掘できず、一部の錬金術師だけが黄金を作り出せるが、それを行うと永遠に魔法の力を失ってしまう。また銅も金と同じくらい貴重とされている。

アマリリア国王が次期国王に王位を譲る際には、王座に対する忠誠心を呼び起こす力の象徴として作られた魔法の剣「ブラクサスの剣」で自害する「剣の儀式」を行うとされている。だが『THE ZAGOR CHRONICLES』でイリアン王の戴冠式が行われた際には、「今ではまず適切とは言えないだろう」と評されている事から、この儀式は廃止されていると思われる*2


【歴史、及び作品毎の出来事】


200年前、アマリリアは3つの地域それぞれが他の地域も支配しようと躍起になって大戦(グレートウォー)をしていたが、10年後に人間の王ソーガーがパナッサを勝利に導き、アマリリアを統一した。

戦争の間、大魔術師評議会はオークやゾンビ等の闇の生物達が結集して力を付けている事、深淵(アビス)の世界から骨デーモンがアマリリアを侵略しようとしている事を知り、まずは下級の侵入者達を防ぐために炎の長城を張り巡らせた。続いて、デーモンを吸い込んで別世界へと追放する「魂の宝箱」の作成に取り掛かり、その過程でサラザールを除く11人の大魔術師が全て死亡した。

父ソーガーから王位を継いだブラクサス王は、王家が国王の交代の度に魔法の宝物(アルカナ)を収集する事を決定し、父から受け継いだ「王たちの冠」*3と「ブラクサスの剣」をその1番目と2番目とした。また「大魔術師評議会の12人の大魔術師は永遠にアマリリアを守る不死身の存在」と信じられていたため、宝物は安全に保管するためにサンクチュアリに運び込まれる事となった*4。そして200年の間に12の王がアマリリアを統治し、12の宝物が集められた。その間、サラザールはサンクチュアリで魂の宝箱を守り続けた。

そしてついに骨デーモンが炎の長城を突破してサンクチュアリに現れ、サラザールを殺害してしまう。
骨デーモンはオークやゾンビの軍勢を率いてアマリリアを襲撃、クラール王の率いる軍隊がそれに立ち向かうも、クラールがデーモンに心を支配されて操り人形にされた事をきっかけに、クラール軍は敗北してしまう。
勝利したデーモン軍は、それから1ヶ月の間に国中を蹂躙して王国を荒廃させてしまう。だが王妃はサンクチュアリへと逃れ、生き残った者達は反乱軍を結成して反撃を行い、死闘の末に魂の宝箱が発動し、デーモンはアマリリアから深淵へと追放された。
これらの戦いは、後に「デーモン戦争」と呼ばれるようになる。

デーモン戦争の終結後、王族はサンクチュアリを拠点として、デーモン軍の残党の撃破と王国の復興を進めていた。だが異世界タイタンから来た邪悪な魔法使い(ウォーロック)オルドラン・ザゴールがアージェント城を占拠し、アマリリア征服を企んで力を蓄え始めた事から、英雄達がアージェント城に潜入し、ザゴールに立ち向かう事となった。


『魂の宝箱と12の呪文』から5年後が『火吹山の魔法使いの伝説』とされ(『アマリリアの支配者』は『火吹山の魔法使いの伝説』の前日譚)、『THE ZAGOR CHRONICLES』4部作のうち、第1巻『Firestorm』は『魂の宝箱と12の呪文』に、第2巻『Darkthrone』は『火吹山の魔法使いの伝説』に相当する物語とされているが、『THE ZAGOR CHRONICLES』と他作品との間には、王妃の名前(『魂の宝箱と12の呪文』ではハンニバリア、『THE ZAGOR CHRONICLES』ではハンナラ)を始めとして、設定や時間軸等に多くの相違点が見られる。

魂の宝箱と12の呪文

魂の宝箱が輝いた事でデーモンの襲来を知ったサラザールは、最悪の事態に備えて、宝箱を開ける呪文を12つに分割して12の王家の宝物に隠し、それらをアマリリア中にばら撒いて隠した。そして部屋に戻ると、そこにはデーモンが待ち構えており、サラザールは宝箱を手にする前に殺害されてしまう。彼は自身の原子を再構成するも、影の世界に閉じ込められてしまい、宝箱はデーモンに奪われてしまった。
デーモン軍がアマリリア軍を倒して世界を蹂躙する中で、王妃と王子タリス、その妹ターシャ、生まれたばかりの第2王子はサンクチュアリに逃れた。一方、反乱軍を率いる人間の勇士アンバー、ケンタウロスのブール、ドワーフのブロック、巨人ジャールの4人は、真の見者(シーア)のただ一人の生き残りとされる月の姉妹アスタレスに出会い、彼女の予知能力により、来るべき戦いの事を(そして4人が戦死する事実も)知り、それを人々に知らせて反乱軍を集結させる。
そしてデーモン軍との最終決戦で反乱軍が追い詰められる中で、アスタレスが命と引き換えに火の玉と化してデーモンから魂の宝箱を取り返し、それは影の世界からどうにか手を伸ばしたサラザールを介して、12の王家の宝物を集めた英雄(つまり読者)の手に渡り、彼が宝箱を開ける呪文を唱えた事により、デーモンは追放された。

火吹山の魔法使いの伝説

デーモン戦争終結から5年後、大人ほどの身長にまで成長した少年王イリアンはサンクチュアリを新たな王宮とし、デーモン軍の残党の殲滅を進めていた。そんな時、イリアン王のもとに、異世界タイタンの老魔術師(ウィザード)ゲレス・ヤズトロモから警告が届いた。魂の宝箱の呪文に欠陥があり、魔法生物をアマリリアから追放する力が発動した際に共鳴が発生し、タイタンの魔法生物であるオルドラン・ザゴールがアマリリアに呼び込まれてしまったという。
かつてタイタンで2度倒されたザゴールの魂は、アマリリアに引きずり込まれた際に骨デーモンと融合してザゴール・デーモンと化し、宝箱が持ち込まれたアージェント城を占領、邪悪な怪物を引き寄せて力を蓄えている。彼を滅ぼすには、彼を倒した後、城の地下で燃える「ハートファイア」で肉体を焼き尽くさなければならない。
イリアンは城に密偵を送り、警告が事実だという事を知ると、蛮人(バーバリアン)アンバー*5、戦士ブラクサス*6、ドワーフのスタッブル、魔術師サラザール*7の4人のうちの1人(読者が選んだ英雄)にザゴールの打倒を命じる。

アマリリアの支配者

アマリリアに呼び込まれたザゴールの魂が主人公であり、アージェント城で骨デーモンと融合してザゴール・デーモンと化すまでの話である。


THE ZAGOR CHRONICLES

上記の作品と明確に異なる場所は太字で表記する。

Firestorm

11人の大魔術師の犠牲をもってしても魂の宝箱は完成せず、大魔術師サラザールは弟子の魔術師サラザール*8と共に完成させようとするも、それが叶わぬまま骨デーモンに殺害され、弟子も骨デーモンの部下のデーモンリングに殺害されてしまう
蛮人アンバー、戦士ブラクサス、ドワーフのスタッブル、魔術師サラザールの妹ジャラリアル。それぞれ違う目的を持った4人の冒険者は、デーモン軍とクラール軍の決戦の中で集結し、共にデーモン軍と戦う事になる。
サンクチュアリを目指す4人は、タリス王子とその妹を失いつつも、デーモン軍から逃れていた出産間近の王妃と王宮騎士団らと合流する。
彼らはサンクチュアリに入り、そこで反撃の準備を整え、ジャラリアルは兄の使命を継ぎ、蛮人アンバーに宿っていた大いなる部族の守護精霊(グレートトーテムスピリット)の力を借りる事で、魂の宝箱を完成させる。
そして4人は16人の王宮騎士団と共に*9デーモン軍との最終決戦に赴き、ジャラリアルが魂の宝箱の呪文を発動、デーモンを彼の故郷である深淵へと追放して、役目を終えた宝箱を粉砕した

Darkthrone

王歴202年、デーモン戦争終結からまだ1年も経っていない頃、王妃は未だにオークに占領されているアージェント城を奪還するため、パナッサの複数の都市に援軍を求める使者を送り、ジャラリアルら4人に城への潜入調査を命じた。
4人が城に向かう前に、都市への使者と行動を共にしていた時、「ホワイトボーン砂漠」に住む老賢者(セージ)シェキネスに協力する砂漠エルフ達によってジャラリアルが誘拐されてしまう。
魔法の知識に貪欲なシェキネスはジャラリアルと情報を提供し合う交渉を行い、その末にジャラリアルは、骨デーモンが深淵に追放された際に次元間の扉がわずかに開き、そこから別世界の存在がアマリリアに入って来て*10、アージェント城を占領して力を蓄えているという事実をシェキネスから聞き出してから、仲間達のもとへと返してもらう。
4人は若い盗賊フェルスパーを連れてアージェント城に潜入し、城を支配する魔法使いザゴールと怪物達に立ち向かう。

Skullcrag

ザゴールが倒された後、アージェント城は奪還され、1歳になったばかりのイリアン王の戴冠式が行われた。だがその前日に、ドラゴンによる城の襲撃が発生していた。
ザゴールは城のハートファイアで肉体を焼き尽くされたものの、その魂はハートファイアのそばで次元の狭間に閉じ込められており、それが城に怪物を呼び寄せていた。
ザゴールの魂は深淵と繋がっており、その繋がりを立ち切らなければ滅びずにいずれ復活してしまう。
ジャラリアルら4人は老賢者シェキネスの協力で次元を超え、ザゴールが生まれた世界であるタイタンへ行き、そこで老魔術師ヤズトロモの協力を得て*11、彼が手配したエルフのギルフェインとドワーフのカガンドと共に、深淵との繋がりの在り処であるザゴールの生誕地を探し始める。

Demonlord

ザゴールの深淵との繋がりを断ち切って、アマリリア王国に戻ってきたジャラリアルら4人だったが、彼らがタイタンで数日を過ごしていた間に、アマリリアでは65年が経過しており、イリアン王の孫娘シャバラが女王を務めていた。
その間にザゴールは復活し、不死身ではなくなったものの、長い年月の間に得た強大な力でアージェント城を破壊し、オークと亡者(アンデッド)達を送り込んで多くの街を陥落させ、海を汚染し、「最果て連山」に「氷の城塞」を建設し、そこから世界に冬を広げていた。
4人はザゴールと最後の決着を付けるべく、エルフのダールバーと共にザゴールを倒す力を求めて常冬のアマリリアの旅を続け、やがて氷の城塞を目指していく。


【地名】


炎の長城(グレートファイアウォール)

アマリリア王国周辺の海を取り囲む、巨大な炎の壁。骨デーモンがアマリリアを侵略しようとしている事を知った大魔術師評議会が、下級の侵入者達を防ぐために張り巡らせたものである。大魔術師達が互いに何百キロも離れた地点から、それぞれが両手を伸ばして火球(ファイアボール)の呪文を左右に放ち、火球が融けて繋がって完成した。だが骨デーモンを防ぐには至らずに突破されてしまう。
『火吹山の魔法使いの伝説』では、イリアン王に仕える魔術師達が持てる力の全てを注いでこれを維持しているらしい。
『THE ZAGOR CHRONICLES』では、デーモン戦争の際に炎の長城そのものも解除されたとされている。

●アイスキャップ列島

アマリリア王国の大陸の北に、東西に連なる極寒の列島。

大釜(コールドロン)

アイスキャップ列島の最西端の島。炎の長城の炎によって溶かされた氷から発生する蒸気が名の由来である。

  • サンクチュアリ
コールドロンに建設されている街。大魔術師評議会の拠点となる塔が存在する。デーモン軍に追われていた王妃とその家族はこの塔に逃げ込み、それ以降はここを拠点として活動している。
『魂の宝箱と12の呪文』では、塔へ渡る橋には見えない障壁があり、これは特定の呪文によって「見張りの窓」の目が1時間開いている間のみ解除される仕組みになっており、溶岩のクローン人間の群れに追われていたハンニバリア王妃らが橋を渡った後、障壁が復活するまでの間、勇士アンバーが命と引き換えにクローン人間達を足止めしている。
『THE ZAGOR CHRONICLES』では、島自体が魔法の障壁で守られており、大魔術師達が炎の長城を構築する前に製作した「虹の橋」の、全ての色が障壁の一部を繁栄しているとされる。この障壁は骨デーモンはおろか、65年後の世界のザゴールにすらも破られていない。また骨デーモンが追放された後、主人だった大魔術師のいない塔は女魔術師ジャラリアルが女主人(ミストレス)となり、彼女が仲間と共にタイタンを旅していた65年間には、彼女の弟子の女エルフであるダールバー・アーナクトゥリエルが二代目女主人となっている。

氷歯湾(アイストゥースベイ)

アイスキャップ列島頭部と、南の大陸との間に位置する湾。暖流のゼフィルス海流*12が流れている。周辺には複数の漁村が存在する。


●タワー島

大陸の東北東の海に存在する島。アマリリア統治の拠点であるアージェント城が建てられている。城の周囲には村が存在したが、城が骨デーモンの軍勢に占領された際に滅ぼされた。65年後の世界では不毛の地と化している。

アージェント城

タワー島の北東端に建てられている、アマリリア王族の城。治癒と慈悲と思いやりの女神シャンダラの礼拝堂が存在し、老司祭(プリースト)モラルネや複数の王宮の巫女(プリエテス)らが崇拝している。城の地下には巨大な裂け目が存在し、そこからは、大魔術師達が炎の長城を張り巡らせた時の中心となったとされる、巨大な魔法エネルギーの源となる炎「ハートファイア」が噴き出している。また、錬金術師が生み出した「黄金の池」も存在する。骨デーモンの軍勢に占領され、首領スールーの率いるオーク達の酒宴の場及びドラゴンの養殖場として利用されてしまう。
『火吹山の魔法使いの伝説』では、デーモン戦争終結から5年後に、骨デーモンと融合したザゴールに占領されている。
『THE ZAGOR CHRONICLES』では、骨デーモンの追放から1年もしないうちに、デーモンと入れ替わりにアマリリアに現れたザゴールに占領されており、ザゴールが倒されてから奪還され、1歳になったばかりのイリアン王の戴冠式が行われた。だがザゴールは肉体をハートファイアに焼き尽くされても、魂はハートファイアのそばで次元の狭間に閉じ込められており、それが城にドラゴンや大海蛇(シーサーペント)といった怪物を次々と呼び寄せてしまう。
65年後の世界では、復活したザゴールが発生させた地震によって既に破壊されていた。


●グランディア

アマリリア王国北部の地域。200年前にはドワーフが支配しており、パナッサがバラバングを支配してから1年も経たないうちに、この地域も支配された事で大戦は終結した。
全体的に荒野が多く、住人の多くはドワーフだが、西部の山岳地帯には人間の蛮族が生息している他、北部には白い肌の(アイス)トロールや体の頑丈なウルグゼン族の(フロスト)オークが生息しており、デーモン戦争の際にはこれらのオークとトロールが同盟を結んでグランディアの侵略を開始している。

フリント

グランディア北西部、アイストゥース湾岸に位置する、ドワーフの首都。骨デーモンの軍勢によって陥落させられた。
65年後の世界でもオークに支配されていたが、ザゴールが完全に倒された後に解放された。

ゲルド川

グランディア南部、南のバラバングとの境界線の役割を果たす川。南東部のグリンティング丘陵付近の山から西へと蛇行し、西の海に流れ込む。

ペントラス

フリントの南、ゲルド川源流の北河岸に位置する街。大魔術師の一人が作ったと言われる水車や水道橋が存在する。

バルダマンド

ペントラスの西、ゲルド川の北河岸に位置する街。ドワーフの都市では2番目に素晴らしいとされており、巨大な「創造主の塔」が存在し、公道の石には「世界の創造主の足跡」が刻まれているとされる。デーモン戦争ではクラール軍に徴兵の援軍を派遣しており、旅の途中だった蛮人アンバーとドワーフのスタッブルは、ここを訪れた際に強引に非正規軍に徴兵されている。

ストーンウォーク

ドワーフが採掘した地下道。バルダマンドの南からフリント付近まで通じている。洞窟が複雑に絡み合っており、ドワーフだけがそこを歩けて道案内ができ、人間やオークでは何日も果てしなく歩いてもどこにも行けないとされている。また特殊な中空の石が設置されており、それは何度か叩くと同じ音が何度も繰り返される仕組みで、それを利用して暗号を残していく事も可能。

  • ドゥマガンド
ストーンウォーク内のやや北西側に存在する、ドワーフの砦。1万人のオークに包囲されても1年は持ちこたえられると言われていたが、骨デーモンの軍勢にわずか数日で占領され、ドワーフ達は鉱山で働く奴隷にされた。

グリンティング丘陵

グランディア西部に広がる丘陵地帯。獰猛な森林狼が生息している他、奥地にはゴブリンが住み着いている。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「銀の矢」は、80年前にこの丘陵で大鷲が撃墜されるのを見たドワーフの老農夫が、鷲の死体から回収し、フリントの長老に調べてもらって、狙いを外さない矢だと判明した事から、王家に献上された物であり、この撃墜事件は混沌が徐々にこの地に力を広げつつあるという兆候の1つだった。

  • アイアンホールド
グリンティング丘陵北東部、フリントの南西に位置する、ドワーフの居住地。ドワーフのスタッブルの故郷であり、グラグドゥル族長に統治されている。南南東の居住地ニルドレンズ・ピークとは「鉄公道」で繋がっている。
ここの一族は、千年前のトロール戦争のために作られたとされる魔法の斧を、何世紀も前に盗まれており、それがバラバングの犯罪都市カバールで売買された事実が発覚したため、スタッブルはこの斧を買い戻すために族長からカバールへ派遣される事になり、それが旅のきっかけとなった。クラール軍の敗北後に骨デーモンの軍勢によって陥落させられた可能性が高く、そのためにスタッブルは斧を買い戻した後も故郷に帰っていない。
65年後の世界でもオークに支配されていたが、ザゴールが完全に倒された後に解放された。

  • ニルドレンズ・ピーク
グリンティング丘陵中部、アイアンホールドの南南東、フリントの南南西に位置する、ドワーフの居住地。南東のペントラスとは小道で繋がっている。ドワーフの強いエールである「ニルドレンの古き財産(オールドペキュリア)」が醸造されている。
ドワーフのスタッブルはアイアンホールドからここへ向かう途中で、20人近いウルグゼン族の霜オークに襲撃されたところを蛮人アンバーに助けられ、仲間となった。

  • グルナール族の遺跡
グリンティング丘陵中部、ニルドレンズ・ピークとペントラスの間の地下に存在する、古代ドワーフ族であるグルナール族の遺跡。付近の石塚に入口が存在する。まだ盗掘されていない黄金が眠っているが、ドラゴンの親戚である、口から酸を吐く四つ足の巨大爬虫類である岩地龍(ロックウォーム)が何世紀も前から住み着いている。とあるケンタウロスの族長の息子ベラブルは、成人の試練として、親戚達を連れてこの怪物を退治する事を命じられる。

氷崖連峰(アイススパーレンジ)

グランディアの西端、グリンティング丘陵の北東に位置する、極寒の山脈。「氷固連峰(アイスホールドレンジ)」とも呼ばれる。蛮人が複数の部族に分かれて住んでおり、力強くて命を重んじる黒き熊(ブラックベア)族、身軽さに長ける赤き狼(レッドウルフ)族、野蛮で残忍なハンガーラー族が存在し、肩に一族を表す刺青を入れている(黒き熊族なら黒い熊、赤き狼族なら赤い狼、ハンガーラー族なら獰猛な捕食者*13)。いずれも誇り高く独立心が強いため、外部の者達と同盟を組もうとしない。部族の呪術師(シャーマン)は、その部族にちなんだ大いなる部族の守護精霊(グレートトーテムスピリット)を宿す事が可能だが、稀に他の部族の守護精霊が宿ってしまう事があり、そうなると本人がその守護精霊を受け入れなければ守護精霊の力を制御できなくなる上に、受け入れると刺青がその守護精霊を表す焼印に変化し、自分の部族にも、自分に宿った守護精霊の部族にも受け入れられなくなる。かつてはそのような子供が取り替え子(チェンジリング)として海に投げ込まれていた時代もあったらしい。ちなみに外部の者達は、氷崖連峰の蛮人と聞くと多くの者がハンガーラー族を連想し、他の部族と区別が付けられない者が多い。
蛮人アンバーとその妹グンドリンは黒き熊族の出身で、兄は戦士、妹は風を歌う吟遊詩人だったが、彼らの血筋には呪術師の才能があり、兄の方が魔力が強かった結果、アンバーは赤き狼の守護精霊に選ばれて人狼(ワーウルフ)に変身する能力を身に着けてしまい、それを治すために一人で旅に出た。
デーモン戦争ではグランディアにある多くの都市が骨デーモンの軍勢によって陥落させられる中で、蛮族はオークや山巨人(マウンテンジャイアント)の軍勢を相手にしても征服されずに抵抗を続け、骨デーモンが追放された後に、残党と戦うためにドワーフ達が同盟を申し出ても受け付けなかった。
65年後の世界ではハンガーラー族がザゴールと同盟を結んでいる。ハンガーラー族を除く蛮族は、ザゴール軍と戦うために団結し、その中にはグンドリンの孫娘で、氷霊(アイススピリット)に選ばれて部族を追われた呪術師ヘナーも含まれている。ザゴールが完全に倒されてからは、団結した蛮族はフリントやアイアンホールドの解放に貢献した。

  • ディシヴィン
氷崖連峰の北西部の海岸に位置する、古き蛮族の港街。65年後の世界ではオークの軍勢相手に善戦しつつも、陥落した。

最果て連山(ファーピークス)

グランディアの南西端、グリンティング丘陵の西に位置する、極寒の山脈。色白で冷気の雲を吐く痩せた蛮人である「氷霊の踊り手(ダンサーオブザアイススピリット)」の一族や氷トロールが生息している。

  • 氷の城塞
ジャラリアルら4人の冒険者がタイタンに旅立っている間に、ザゴールが最果て連山の奥に20年かけて建設した城砦。青と黒の氷のギザギザでねじくれた塔や、歪んだ尖塔が数多く存在し、ザゴールはその奥にある黒い円天井屋根の宮殿に住んでいる。ザゴールはここから世界中に冬を広めている。

フローズン砂漠(ウェイストゥス)

グランディア東部に広がる砂漠。ほぼ永久凍土に覆われた極寒の地である。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「クリスタルの鍵」は、ここへ派遣された探検隊が、そこで氷の碑を発見し、その窪みの中から回収した物である。
『THE ZAGOR CHRONICLES』では、ここには魔法の障壁が張られており、邪悪で獰猛な霜巨人(フロストジャイアント)が閉じ込められていたとされているが、骨デーモンによって解放されたのか、霜巨人達はデーモンやザゴールの軍勢に参加している。また氷トロールも生息している。

トロール連山(ピークス)

グランディアの最東端に位置する山脈。トロールが生息していると思われる。

トロールベイン

トロール連山の南の麓に位置する街または村。詳細は不明だが、65年後の世界では廃墟と化している。


●バラバング

アマリリア王国中部の地域。200年前にはケンタウロスが支配していた。東と南西の森には、それぞれオークとエルフが生息している。

ブラッド湾

バラバングの東、グランディアの南東に広がる、大きな湾。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「勇気の護符」は、ケンタウロスの老騎士アイアンフーフがここの沿岸を駆けている時に、海に流れていた瓶の中から発見し、護符の装着者及び周囲の者に勇気を与える性質が争いの元にならないようにと、王に献上した物である。

  • クラブ島
ブラッド湾東部に位置する小島。カニのような形状をしている。栄養価の高い根菜ガルヴァが収穫される。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「召喚のほら貝」は、この島の村の少年が、島の岩場で傷付いた雄の人魚を助け、それから数ヶ月後にお礼として人魚から贈られた物である。

カバール

バラバング北東部、ブラッド湾岸に位置する、何世紀にも渡って盗賊に支配されてきたとされる犯罪都市。専制君主レインドレッヒ伯爵に統治されている。大学が存在し、アマリリア中の裕福な家庭が、この大学に子供を送って学ばせているという。治癒と慈悲と思いやりの女神シャンダラの寺院「シャンダラの家」が存在し、女治療師(ヒーラー)アランマが住んでいる他、盗賊に崇拝される神ヴォルターンの寺院も存在する。盗賊フェルスパーの故郷であり、彼はここでデーモン戦争絡みの事件に巻き込まれてジャラリアルら4人と関わった後、南の犯罪都市アズールに移住し、骨デーモンが追放された後に、アージェント城に向かう4人と合流する事になる。北西のペントラスとは「骨公道(ボーンロード)」で繋がっている。
『火吹山の魔法使いの伝説』では、デーモン戦争時にアージェント城で斬首刑にされた人物の一人としてレインドレッヒ伯爵が確認されており、彼やこの街もデーモン戦争に参戦していたと思われるが、『THE ZAGOR CHRONICLES』では、デーモン戦争には参戦しなかったとされている。

カバール平原

『火吹山の魔法使いの伝説』に名前のみ登場。カバール周辺の平原と思われる。ここに住む人々は、ゆったりとした茶色と黄褐色のローブや青いチュニックを着て褐色の縁無し帽を着用する者が多く、また値段交渉が大好きな商人と胡散臭い住人で有名とされる。

ランカーン

カバールの北東、ゲルド川南河岸に位置する街。カバールとは「王冠公道(クラウンロード)」で繋がっている。骨デーモンの軍勢によって陥落させられた。
65年後の世界でも廃墟と化している。

王冠の塔

ランカーンのやや南東に位置する、大理石の壮麗な塔。アマリリア国王は年に一度、魔法の宝物の1つ「王たちの冠」をここに持ち出して、冠の持つ癒しの力を人々の癒しと救済のために使用している。蛮人アンバーは当初、人狼に変化する体を治すために、ここを目指していた。骨デーモンの軍勢によって破壊され、塔のあった場所はオークの呪術師による生贄の儀式の場とされてしまう。

バーナロン

ランカーンの東、ゲルド川河口の南河岸に位置する街。1匹のドラゴンの襲撃を受けて何百人もの人々を殺され、旧市街を荒廃させられたらしい。

クローマウス

バラバング西部、カバールの南、ブラッド湾岸に位置する街。カバールや南東の街メリオドンとは公道で繋がっている。骨デーモンの軍勢が猛威を振るっていた頃、この街では来るべき審判と破滅を語る司祭によって一部の町民達が暴徒化しかけていた。この司祭は王の領土のどこでも非合法とされる死の神ナルズルの司祭と思われ、彼らは骨デーモンやザゴールの僕として活動している。

メリオドン

バラバング中部、クローマウスの南東に位置する街。ハーダウェイン男爵に統治されている。デーモン戦争ではクラール軍に徴兵の援軍を派遣しており、旅の途中だった戦士ブラクサスと女魔術師ジャラリアルも、進む方向が同じだったことから同行している。

パルンハスター

バラバング南部、メリオドンの南に位置する街。北のメリオドンや南の街アンドリアンとは公道で繋がっている他、アンドリアンとはやや西に迂回して西のエルフ森の端を通る旧街道が通っており、メリオドンへは東の丘陵地帯を迂回する低公道も通っている。デーモン戦争ではクラール軍に歩兵と徴兵の援軍を派遣した。

風吹平原(ウィンドプレーン)

バラバング中部に広がる平原。見渡す限り草が続く平地である。主にケンタウロスの遊牧民(ノーマッド)が暮らしている。クラール軍がデーモン軍に敗走した際、別々に行動していたブラクサスとジャラリアル、スタッブルとアンバーの二組の冒険者達は、ここに逃げ込んだ敗走兵を追ってきたドラゴンと戦った事がきっかけで出会う事となった。

カグザール(ウッズ)

バラバング東部、風吹平原の東に位置する森。緑がかった茶色い肌のオークが生息している。
65年後の世界では、ここのオーク達が風吹平原のケンタウロス達を奴隷にしていた。

エルフ森

バラバング南西部、クローマウスの南、メリオドンやパルンハスターの西に広がる、暗く不気味な森。奥にはエルフの神ラシャファレルを崇拝するエルフの集落があり、彼らは基本的に人間が森に入る事を認めていない。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「白トネリコの弓」は、クラール王がこの森のエルフに依頼して作ってもらった物である。
『THE ZAGOR CHRONICLES』では、エルフ達は森の精神体(スピリット)と一体化した古代エルフ「永遠なる者(エターナル)」に仕える盲目の老女予言者インティレナと複数の長老達を指導者としている。エルフ達は諸事情により森の端を通る旧街道を利用したブラクサスとジャラリアルに出会い、骨デーモンの襲来を知らされると、エターナルに命じられて半数はサマースターズ諸島へと移民していき、残りは森に残ってデーモン戦争に参加した。戦争終結後、森に残ったエルフの女魔術師ダールバー・アーナクトゥリエルはジャラリアルの弟子となった。
65年後の世界では枯れ木しか残っておらず、「死の森(デッド・フォレスト)」と呼ばれている。

  • エメラルド森
クラール王から白トネリコの弓の作製を依頼されたエルフ達が、その材料となる白トネリコの木を探した森。エルフ達はその木の大きな枝を全部切り落とし、その中で一番良い枝から弓を作った後、その弓のあまりの威力から、他の誰にも同じ弓が作れないように残りの枝を全て燃やした。具体的な場所は不明だが、エルフ森の一部と思われる。

ファロ湖

風吹平原の南、カグザール森の南西に位置する湖。欺瞞と野望が覇権を争った古代の戦場の死体が湖底に大量に積み上げられており、死の神ナルズルの司祭達はこれらの死体から強力な亡者である湖屍人(レイクワイト)を生み出せる。これは骨デーモンやザゴールからも戦力として利用されている。

ジングル川

バラバングと南のパナッサの境界の役割を果たしている川。エルフ森南部から蛇行しながら東へと流れて行き、途中でファロ湖に流れ込む短い分流を作った後、東の海へと流れ込む。上流の川沿いにある岩だらけの池には、南のブラックストーン丘陵からの捕食者である岩ウナギが潜んでいる。

テリーヌ

ファロ湖の南、テリーヌ川のファロ湖に流れ込む分流の西河岸に位置する街。骨デーモンの軍勢によって陥落させられた。65年後の世界でも廃墟と化している。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「黄金の聖杯」は、ファロ湖岸の小さな街に住む錬金術師が、魔力を失う事と引き換えに真鍮を黄金に変え、それを聖杯に加工した上でドルイド僧が解毒の魔法をかけて作り出した物だが、この街がテリーヌであるかどうかは不明。また『THE ZAGOR CHRONICLES』では、ファロ湖の付与魔術師にして錬金術師ケスターの子孫が骨デーモンの手下に殺されたとされているが、前述の錬金術師と同一人物かどうかは不明。

ウォーム湿原

ジングル川下流の北河岸、カグザール森の南に広がる湿原。締め付け大蛇のジェラザム蛇が生息しており、食用として狩猟される事もある。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「魔術の書」は、この湿原を旅していた冒険者一行が発見したものの、古代文字で書かれていて読めなかったため、酒場にいた学者に売りつけ、そこから王に献上された物である。
65年後の世界では、ファロ湖から押し寄せたレイクワイトによってこの湿原周辺が荒廃させられた。

ツインズ島

バラバングの南東、ジングル川の河口付近に南北に並んで位置する小島。この地域には一握りの漁師しか住んだ事がなく、痩せて岩だらけの土壌はいかなる農業にも適していない。
『魂の宝箱と12の呪文』に掲載されている地図では、どちらの島にも、顔のような彫刻が施された岩が存在するが、『THE ZAGOR CHRONICLES』にはそのような描写は無い。


●パナッサ

アマリリア王国南部の地域。200年前の戦争でバラバングとグランディアに勝利した、人間が統治する地域である。デーモン戦争の主戦場となった地域でもある。鉄を主食とし、背中と脚が鉄板で覆われた鋼鉄豚(アイアンホッグ)が生息している。


ブラックストーン丘陵

パナッサ北東部、ジングル川の南河岸に広がる丘陵。デーモン戦争でクラール軍が敗北した場所である。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「タイタンの旗印」は、この丘陵にある巨人の洞窟の1つで発見された物であり、はるか昔に滅びた巨人タイタン族の物とされている。

  • ルビー(ディープ)
ブラックストーン丘陵南西部に位置する谷。デーモン戦争ではここから山岳民や鉱夫が行進してクラール軍と合流した。クラール軍敗北後にオークに占領された。

  • ブラックシャドウ谷
ブラックストーン丘陵中部に位置する谷。『魂の宝箱と12の呪文』では反乱軍の集合場所となった。
『THE ZAGOR CHRONICLES』では「大いなる邪悪の地」と呼ばれている。

  • ウェイリング峠
ブラックストーン丘陵南部から東部にかけて続く峠。南側はぺリル平原に、東側はモランデンの街に通じている。『魂の宝箱と12の呪文』では反乱軍がここを進んでいき、ぺリル平原でデーモン軍と衝突する。

ウナギ湾

パナッサ北東部、ブラックストーン丘陵の東に広がる穏やかな湾。

モランデン

ウェイリング峠の東端、ウナギ湾に隣接する港街。サルメン男爵に統治されている。男爵の高祖父は、200年前の大戦でドワーフ達を打ち破るのに重要な役割を果たしている。デーモン戦争ではクラール軍に精鋭長弓兵の援軍を派遣した。骨デーモンの軍勢によって陥落させられた。

インピレーン

ブラックストーン丘陵の北東、ジングル川の河口の南河岸付近に位置する港街。65年後の世界ではオークに占領されている。

ランドハスト

ブラックストーン丘陵の南西、ルビー谷の西に位置する街。東のウェイリング峠、北の街アンドリアン、南東の街ハレランとは小道で繋がっている。

アンドリアン

パナッサ北部、エルフ森とブラックストーン丘陵の間、ジングル川上流の南河岸に位置する街。パナッサの平原の都市の殆どと同様に城壁が存在せず、西と北に続く公道の周囲に荒れ果てた建物が広がっている。治安は悪く、殆どの人が兄弟を金貨2枚で奴隷として売るとされている。骨デーモンがアマリリアに襲来した時点で、この街には死の神ナルズルの司祭(プリースト)が潜伏しており、運命の女神イシュレンの司祭が骨デーモン襲来を人々に警告していた際には、彼を狂人扱いして拉致、殺害していた。

傷跡空き地(スカーグレイズ)

パナッサ北西部、エルフ森の西隣に位置する古戦場。ゾンビが出没する。

燃えさしの森(エンバーウッズ)

パナッサ北西部、スカーグレイズの西15マイル先に位置する森。琥珀が多く見つかる事から、魔術師が魔法の媒体として集めに来る事がある。通常は危険な場所ではないが、骨デーモンがアマリリアに襲来した影響で、スカーグレイズにいるはずのゾンビが出没するようになった。戦士ブラクサスはここで3匹のゾンビの群れに襲われたところを女魔術師ジャラリアルに助けられ、仲間となった。

イリニアル

パナッサ北西部、燃えさしの森の南西に位置する街。西の街ダルポート、東北島のアンドリアン、南の街インチャサイン、南東のランドハストとは公道で繋がっている。

陥没海岸(ドロウンマージン)

ブラッド湾の南西、パナッサ北西部に突き出た半島の領域。この地域の男爵達は王家に忠実で、デーモン戦争の際にも援軍を派遣し、ザゴールがアージェント城で倒された後も、軍を派遣して城の奪還に貢献した。
65年後の世界ではザゴール軍に包囲され、一部の街を滅ぼされつつも持ちこたえた。

  • ウィスカー湾
陥没海岸の半島の南に位置する、小さな湾。

  • ダルポート
イリニアルの西、陥没海岸南東部、ウィスカー湾岸に位置する港街。公正なウィリファー男爵に統治されている自由な街であり、戦士ブラクサスの故郷である。ブラクサスの父ソーガンは第八代国王ブラクサス四世の息子だったが、ブラクサス四世は先代の若王クランデンを毒殺した疑いをかけられ、古い血統の従兄弟であるトルムグレン一世に王位を譲って姿を隠し、息子をダルポートの善良な住人に預けたのであり*14、ブラクサスは一族の汚名返上のためにクラール王に仕えようと旅に出たのである。
65年後の世界では過去には存在しなかった城壁が築かれていたが、既に廃墟と化しており、ザゴールが完全に倒された後に埋め立てられて作物が植えられた。

  • シラポート
ダルポートの北、燃えさしの森の北西、ブラッド湾岸に位置する街。65年後の世界でも残っており、ザゴールが完全に倒された後に、戦士ブラクサスの遠い親戚バラクサスを指導者として、陥没海岸の街に同盟を結ばせている。

  • ハイポート
ダルポートの西、ウィスカー湾岸に位置する街。

  • イパレンド
シラポートの西、ダルポートの北西5リーグ未満に位置する街。孤児の世話をするベルトリー*15の寺院が存在する。女魔術師ジャラリアルの故郷であるが、彼女が魔術師になったのは街を離れた後である。

  • スワンズホーム
陥没海岸北西端、イパレンドの西に位置する港街。

ホーク島

スワンズホームの北、ブラッド湾の入口付近のやや南側に位置する小島。鷹の頭部のような形状をしている。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「叡智の兜」は、かつてここの洞窟に住んでいた、有史以来最も賢いと言われた120歳近い老人が、鉄板を折って作った兜(日本の折り紙の兜と同じ形状である)に魔法で自分の叡智を移して作った物であり、転移完了後に老人は死亡し、それから2ヶ月後、兜から立ち上る一条の緑色の光が通りすがりの漁船に発見されて王に献上された。

アシュレーン

モランデンの南東、ウナギ湾岸に位置する港街。デーモン戦争ではクラール軍に援軍を派遣し、ザゴールがアージェント城で倒された後も、軍を派遣して城の奪還に貢献した。

サランポート

アシュレーンの南に位置する港街。65年後の世界ではアシャベス男爵夫人に統治されている。

ドリーム島

サランポートの東の海に位置する小島。

キングスマルダン

アシュレーンの南西、サランポートの西北西に位置する街。アシュレーン、サランポート、南西の犯罪都市アズール、北西の街ハレランとは公道で繋がっている。

ハレラン

モランデンの南西、アシュレーンの西、キングスマルダンの北西に位置する街。

ウォッチメント城

ハレランの西に位置する城。クラール王の顧問である白髪の老騎士ランセフ卿の故郷は、この城の周辺の土地である。

ぺリル平原

パナッサ中部、ブラックストーン丘陵の南に位置する不毛の平原。デーモン戦争の最終決戦の戦場となった。

  • 奈落の穴
ぺリル平原中部に位置する、直径1リーグを越える底無しの巨大な穴。『魂の宝箱と12の呪文』では、反乱軍はこの穴の縁まで追い詰められるも、アスタレスの命を引き換えにした特攻によって逆転する事となった。5年後の『火吹山の魔法使いの伝説』でも、まだ煙を噴き上げて泡立っているらしい。
『THE ZAGOR CHRONICLES』では、この穴には数千年前に地上を支配していた妖術王(ソーサラーキング)達が生み出した魔法の宝珠が眠っており、空のサーリン星が蛇座のティロウ星と重なる時にその魔力が引き出されるとされており、骨デーモンはその魔力を手に入れて、サンクチュアリの魔法の障壁を破ろうと企んでいた。

サーペント海

アマリリア王国の南に広がる海。

アズール

パナッサ南東部、キングスマルダンの南南東に位置する港街にして、治安の悪い犯罪都市。完全武装の戦士が600人待機している、3世紀前に魔術師に建てられたとされる5つの城砦を持ち、角と翼の生えた馬の怪物セルリンを駆る空中騎兵も配備されているという、鉄壁の防衛を誇る。独裁者テズミッシュ男爵に統治されており、彼は王の命令に従わない完璧な理由を作る事を得意としていて、アージェント城奪還の際にも援軍の要請に従わなかった。また男爵の誕生日になると、街を挙げて火筒を打ち上げて祝う風習がある。
65年後の世界でも健在であり、テズミッシュ男爵の孫が統治しており、厳しい通行証制度が敷かれている。またこの街の周辺には、まだ自由な土地が残っていた。この時代では、ザゴール軍がまだ破壊も征服もしていない土地には、ナルズルの司祭である「灰色の(グレイ)兄弟」が先見者や預言者を装った密偵や暗殺者として送り込まれており、アズールも密かに彼らと取引している。

アズール湾

アズールの南に面した湾。

ホワイトボーン砂漠

ぺリル平原の南、アズールの西に広がる砂漠。ラザジャッカル等の捕食動物が生息している他、砂漠エルフのニエ・シェリッキや、砂漠(デザート)オークの遊牧民であるクルクルが住み着いており、クルクルは砂漠の北側の縁を通る公道「絹の道(シルクロード)」の通行者を度々襲撃している。毛むくじゃらで気難しい生物ドロナマンが荷役動物として利用されており、アズール等の付近の街で取引されている。砂漠の地下には、数千年前に地上を支配していたサルカン帝国の古代遺跡が存在する。
アマリリアの魔法の宝物の1つである「きらめきの盾」は、100年前に香料商人プリースの隊商(キャラバン)がアズールを目指してこの砂漠を横断していた際、砂に埋もれていたのを発見した物である。
65年後の世界では、ザゴールの配下に下ったクルクル達が、死の神ナルズルの司祭の力を借りる事で、角の生えた獰猛な獣ミリミリンを使役して猛威を振るっており、ニエ・シェリッキ達が地下遺跡に逃げ込んでいる。だがザゴールが完全に倒されてからは、クルクルは東へと撤退した。

  • サルカン帝国
数千年前にホワイトボーン砂漠に存在していた、邪悪な妖術王達の帝国。かつて骨デーモンは妖術王の1人によって深淵から召喚され、隷属させられた末に逃亡した事があり、アマリリアを滅ぼそうとしたのはその時の復讐のためである。またザゴールは三千年前、何らかの理由でタイタンからアマリリアに来て、妖術王達に仕えていた。彼はやがて反乱を起こし、妖術王達を倒したが、自身もタイタンに追放され、その時の戦いで帝国に黒い炎が降り注いで帝国を崩壊させた。
砂漠の地底には帝国の遺跡に加え、黒い炎が眠っている奈落がいくつか存在し、熟練した魔術師ならその力を引き出せるという。また地下遺跡にはサルカンの死霊(レイス)がさまよっており、地下に迷い込んだ者達に憑依して周囲の者に危害を加える事がある。

  • 砂漠エルフの地下遺跡
ホワイトボーン砂漠のどこかに幻影で隠されている、二千年前の砂漠エルフの妖術王が埋葬された地下遺跡。かつて妖術王に仕えていた人型種族の老賢者シェキネスの住処として利用されており、ニエ・シェリッキ達が利害の一致で彼に協力している。
65年後の世界ではナルズルの司祭とクルクルによって略奪され、シェキネスは別の遺跡を新たな住処として晩年を過ごしている。

  • シェベネスの地下墳墓
サルカン帝国唯一の妖術女王にして、生命と生者を研究し、その力を邪悪な者に対して使用する術者(マジシャン)である白の死霊術師(ネクロマンサー)シェベネスの地下墳墓。ホワイトボーン砂漠のどこかに存在し、墓の奥に到達した者は2500年前に死亡したシェベネスの霊と対話する事ができるが、墓の内部は強力な罠と怪物で満たされている。

インチャサイン

奈落の穴の西、ランドハストの南西に位置する街。アズールや南西のサンクランストとはシルクロードで繋がっている。

サンクランスト

アズールのはるか西、ホワイトボーン砂漠を超えた先、インチャサインの南西に位置する街。65年後の世界ではクルクルに陥落させられた。

リージェント

サンクランストの西の海岸に位置する街。65年後の世界では廃墟と化している。

リザード島

ホワイトボーン砂漠の西、リージェントの南の海に位置する小島。クラール王の故郷である。
65年後の世界では不毛の地と化している。

  • エバーキープ
リザード島北東部に位置する街。クラール王の居城が存在し、アマリリア初代国王の勅命により、現国王とその長男は、事故や暗殺による両者の死亡を防ぐために、最低30リーグ離れた場所に住む必要があり、デーモン戦争開始時に王妃とその家族が避難している。クラール軍の敗北後、ゾンビ達の襲撃を受けた事から、王妃達はサンクチュアリへ避難する事になった。65年後の世界では廃墟と化している。

水没地域

陥没海岸の南、リージェントの北西の海に位置する、現在では水没している複数の島。太古の昔、サルカン帝国が滅亡した際に水没した地域である。
65年後の世界ではザゴールによって浮上させられ、その過程で疫病を媒介するゾンビや、巨人ほどの大きさの水棲グールが海岸に押し寄せるようになった。ザゴールが完全に倒されると元の海へと沈んだ。

  • 星の島
水没地域のどこかに存在する島。夜になると自動的に光を灯す魔法の灯台が建てられている事からその名が付いた。白の死霊術師シェベネスが、ザゴールの反乱を予想して、彼を倒すために作り出した魔法の品物が隠されており*16、ザゴールが水没地域を浮上させたのは、これを探し出すためである。


●炎の長城付近または外


ファイア沼

ツインズ島の東、炎の長城付近の、未知の島にある沼。半女神に近い存在であり、真の見者のただ一人の生き残りとされる月の姉妹アスタレスが住んでおり、彼女は予知の泉に幻影を映し出す能力を持つ。
『魂の宝箱と12の呪文』では反乱軍の4人の指導者がこの沼を訪れ、来るべき戦いと自身らの死の運命を見せられている。そしてアスタレスは、最終決戦で命と引き換えに骨デーモンから魂の宝箱を取り返した。
『THE ZAGOR CHRONICLES』では、この沼の見つけ方を知っているのはほんの一握りの魔術師と司祭だけとされている。また予知を見せてもらった者は代償として20歳近く歳を取ってしまう事から、奇妙で非常に危険な領域と言われている。作中でここを訪れたのは、骨デーモン襲来時の宮廷魔術師レムスタールと、デーモンとの最終決戦前の、王宮に仕える霊感と芸術の神ハマナドの巫女(プリエテス)フィレンナの2人だけであり、2人共年老いた姿で戻ってきている。65年後の世界ではアスタレスは未登場だが*17、彼女を訪ねる事が提案される場面があるため、生存していると思われる。

サマースターズ諸島

骨デーモンに突破された炎の長城の残骸の向こうにあるとされる島。デーモンの襲来を知ったエルフ森のエルフ達の半数が、森の精神体を宿した古代エルフのエターナルに命じられて、ここに移住した。


●所在不明


ソランライズ

65年後の世界のどこかにある地名。ザゴールが完全に倒された後、シラポートのバラクサスが周辺地域の復興状況を知らせに来ている。


【余談】

『THE ZAGOR CHRONICLES』では、アマリリア王国とタイタンでは、人間は共通の言語を使用しており、ドワーフもよく似たドワーフ語を使用しているとされている。また、アマリリアには上記の通り、独裁者テズミッシュ男爵に統治されている犯罪都市「アズール」が存在するが、タイタンには独裁者「アズール」卿に統治されている犯罪都市ポート・ブラックサンドが存在する。
これらについて、「数千年前にタイタンを捨てたザゴールが、アマリリアに何かをもたらしたのではないか」と推測される場面が存在する。
ただし、この小説では、ザゴールがタイタンで数千年前に生まれたという設定になっており、『火吹山の魔法使い』等の他作品で語られている設定とは矛盾が見られる。


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最終更新:2026年08月16日 15:07

*1 そのためアマリリアのドワーフのスタッブルは、タイタンを冒険していた時、タイタンのダークウッドの森では、エルフとドワーフが大部分において調和して共存していると聞かされても、すぐには信じられずにいた

*2 それ以前に儀式を行おうにも、前王クラールは既に死亡していたのだが

*3 『ソーサリー』4部作に登場する同名の冠とは全くの別物である

*4 当時は大魔術師のうち11人が死亡している事実は全く知られていなかった

*5 前述の反乱軍の勇士アンバーとは別人

*6 ブラクサス王の子孫

*7 大魔術師サラザールとは別人

*8 師匠への敬意のために同じ名前を名乗っているという設定

*9 『魂の宝箱と12の呪文』に登場した4人の反乱軍の指導者は登場しない

*10 ザゴールは骨デーモンと入れ替わりにアマリリアに入っただけであり、デーモンと融合していない

*11 ヤズトロモはイリアン王に警告を送っておらず、4人と初めて話をするのも、4人がタイタンに来てからである。ただし、シェキネスとは直接会ってはいないが1、2回、話をした事はあるらしい

*12 『火吹山の魔法使いの伝説』ではゼフィルス「川」と訳されている

*13 詳細不明

*14 後に真犯人は犯罪都市アズールの独裁者テズミッシュ男爵に仕える暗殺者だった事、四世が退位したのは60過ぎた自分が王位にしがみつく事で恨みや反乱によって王国が荒廃すると判断したためである事、その後は王冠の塔で大魔術師サラザールに仕え、78歳で若王クランデンと同じ手口で暗殺された事が発覚したが、暗殺の証拠は残っていない

*15 何の神かは不明

*16 当時にそれを使ってザゴールを倒さなかったのは、彼が強力になり過ぎていたためと、シェベネスに嫉妬していた他の妖術王達が、彼女がザゴールに対抗する事を認めなかったためである

*17 前述のレムスタールとフィレンナの例でも、「彼らがアスタレスを訪ねて老いと引き換えに予知してもらった」という事実が語られるのみで、アスタレスが登場する場面自体は存在しない