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リメンバー・ミー(ピクサー映画)

登録日:2026/05/03 Sun 12:41:25
更新日:2026/08/18 Tue 23:38:50
所要時間:約 12 分で読めます





『トイ・ストーリー3』のスタッフが贈る、家族の絆の物語。


それは、時を越えて——
家族をつなぐ、奇跡の歌。






『リメンバー・ミー(原題:COCO)』とは、2017年に製作されたアメリカのCGアニメ映画。
ディズニー/ピクサー・アニメーション・スタジオ製作の第19作目の長編映画である。
監督は『トイ・ストーリー3』のリー・アンクリッチ。
北米では2017年11月22日に、日本では2018年3月16日に公開された。
同時上映は短編映画『アナと雪の女王 家族の思い出』。



概要

本作は、ピクサーとしては初のメキシコが舞台の作品である。
題材となったのは、メキシコの伝統行事である、年に一度先祖の魂が現世に帰ってくるという「死者の日」
そんな死者の日に、ひょんなことから禁忌を犯した少年が、あの世との境目を越え、死者達が暮らす「死者の国」に迷い込み、一夜限りの冒険をするという物語。
メキシコの文化を徹底的にリサーチし、細かいディテールを以て創り上げた死者の国の幻想的なビジュアルは圧巻の一言。
死者達の、骸骨をモチーフとしつつもキュートなデザインもまた、ピクサーならではの独創的なものとなっている。
ちなみにスタッフ曰く、骸骨を題材にすることは初期段階から決まっていたため、そのガイコツを親しみやすく見せるデザインの考案にものすごく苦労させられたとのこと。

そして本作のテーマとして挙げられるのは、メキシコの伝統文化である「音楽」「家族」
音楽を愛し、音楽家を夢見る少年が、家族の昔の確執を理由に音楽を禁じられ、家族に疎外感を抱く中で、死者の国で先祖と再会し、やがて自分を理解してくれる本当の家族を見つけようとする。
その果てに、彼は家族の間に隠されていた愛を見つけ、それを歌を通して伝えようと試みるのだ。
そのため、音楽描写にも入念に力が入っており、特に主人公のミゲル役には、北米版、日本版両方で歌唱力を審査された子役が選出され、歌の力に圧倒されること間違いなし。

一方で、家族をテーマにした映画では絆の強さを押し出すのが一般的だが、本作では前半では押しつけがましく抑圧的な家族の描写を濃くするなど、家族の負の面も描いているのが特徴。
その反面、機能不全に陥った家族が、「歌」で繋がる縁によって再生していくのもまた見どころである。

2017年のアニメ関連の映画賞では本作は大絶賛され、第44回アニー賞の長編アニメーション賞、第75回ゴールデングローブ賞の長編アニメーション映画賞、そして第90回アカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞するなど、数々の栄冠を勝ち取った。

2029年に続編の公開が予定されている。



ストーリー

メキシコの町、サンタ・セシリアの靴屋の一族に生まれた少年・ミゲルは音楽家になる夢があった。
だが、彼の一族は高祖父が有名音楽家になるために家族を捨てたことを理由に、音楽を禁じていた。
それでも音楽家の夢を諦めきれないミゲルは、死者の日に行われる音楽コンテストに出場することを家族に訴えるが、頑迷に反対された挙句自作のギターまで壊され、怒って家を飛び出してしまう。
楽器を手に入れるために、ミゲルは高祖父と思っている有名ミュージシャンのデラクルスの墓場に忍び込み、彼のギターをかき鳴らすが、それにより不思議な現象が起こる。
体が「この世」から消え、「あの世」の人々が見えるようになったのだ。
困惑するミゲルは、ちょうど現世に来ていた先祖達の魂に導かれ、「死者の国」へと入り込む。
そこで高祖母のイメルダと対面し、「許し」の儀式を経て現世に帰らせられそうになるが、デラクルスにどうしても会いたい彼はその場から逃げ出し、一人の青年と知り合う。
その青年、ヘクターは現世に行こうとしたが、現世では誰も写真を飾ってもらえず足止めを食っていた。
「デラクルスと知り合いだ」と言うヘクターを頼りにしたミゲルは、彼に協力してデラクルスに会えるよう取り引きをする。
しかし、ミゲルに残された猶予は一晩しか無い。
果たして、ミゲルは現世に帰れるのか?そして、彼が遂に見つけた「本当の家族」とは?





登場人物


(CVは北米版/日本語版)

  • ミゲル・リヴェラ
CV:アンソニー・ゴンザレス/石橋陽彩
メキシコの田舎町、サンタ・セシリアに住む12歳の少年。
実家は靴屋で、高祖母の代から家族経営で続けており、見習いとして靴磨きの仕事をしつつも、自分も将来、店を継ぐことが約束されている。
しかし、本当は音楽家になることを夢見ており、特に地元出身の有名音楽家であるエルネスト・デラクルスの大ファン。
自宅にあった写真の切れ端とデラクルスの墓標に飾ってあったギターの柄が一致することから、家族を捨てたという高祖父がデラクルスではないかと思うようになり、「チャンスを掴む」ためにも音楽コンテストに出ることで家族と口論になった末に家出してしまう。
その後、デラクルスの墓場に忍び込んで彼のギターを鳴らしたことを機に、死者と同じ存在となり、死者の国に迷い込むこととなる。
一度はイメルダら先祖達の保護を受けたが、高祖父のデラクルスに会い、音楽の才能を認めてもらうことを望むあまり逃げ出し、偶然知り合ったヘクターと利害が一致し、彼のコネを使ってデラクルスに会う約束をする。
その過程で死者の国の音楽コンテストに出場し、ヘクターの指南で見事な演奏を披露して人気者になるが、「家族は他にいない」とヘクターについた嘘がバレて喧嘩になり、自力でデラクルスの屋敷に潜り込むことに。
屋敷で演奏を披露し、遂にデラクルスに玄孫と認めてもらうが……。


  • ヘクター
CV:ガエル・ガルシア=ベルナル/藤木直人
死者の国のスラム街で暮らす、家族のいない孤独な青年。享年21歳。
一見気楽で軽薄そうに振る舞い、周囲に迷惑をかけているが、本当は優しく仁義に篤い性格。
死因はチョリソーによる食中毒死だったようで、周囲からは「喉に詰まらせた」とネタにされていた。
現世では死者の日に写真を飾ってもらうことがないため、現世に出ることも出来ずに死者の国で燻り続けており、違法な手段で出国しようとしては管理官に止められていた。
事情聴取中に口走った「デラクルスと知り合い」という言い分を偶然耳にしたミゲルにデラクルスと会わせてくれるよう頼まれ、彼に「現世に帰ったら自分の写真を飾れ」という条件で承諾し、協力関係となる。
かつては音楽家だったが、死後、心が擦れて以来音楽が嫌いになっていたらしい。
しかし、音楽を愛するミゲルと行動を共にするうちにかつての音楽家としての志が蘇り、彼に演奏の方法を伝授し、コンテストで喝采を浴びるほど上達させ、ミゲルにも好感を持つ。
デラクルスとはかつて無名時代、音楽ユニットを組んでいたのは本当で、彼に演奏も教えていたようだが……?


  • イメルダ・リヴェラ
CV:アランナ・ウバック/松雪泰子
ミゲルの高祖母で、リヴェラ一族の靴屋の創業者。享年72歳。
生前も死後も顔立ちの整った美人で非常に家族思いだが、地の性格は頑固で苛烈そのもの。
かつては「夫」の奏でる音楽を愛していたが、有名になるために家を飛び出していったきり帰ってこなかった彼に失望し、女手一つで靴屋を創業して家族を養った。
その反面、音楽に強い嫌悪を抱き、一族に音楽を禁止させる掟を築いた。
子孫であるミゲルとの対面を喜ぶものの、やはり音楽の道に進もうとする彼を良く思っておらず、「音楽はしない」ことを条件に現世に帰らせようとしていた。
逃走したミゲルを追い回し、なんとしても彼を家族の元に返そうとする。


  • エルネスト・デラクルス
CV:ベンジャミン・ブラット/橋本さとし
メキシコで超有名なミュージシャン。享年46歳。
ギター、作曲、演技と、多様な才能を持ち、サンタ・セシリア一の有名人として持て囃されていた。
人気が絶頂の時代、コンサート中にセットの釣鐘の下敷きになる事故で死亡し、以来死者の国に住んでいる。
死者の国でもスターとして活躍しており、豪邸で連日パーティー三昧している。
ミゲルがずっと憧れ続けていた存在であり、ココが持っていた破られた遺影に映っていたギターから、彼こそが高祖父と思い、死者の国に入り込んでからは彼に会うことを目標にしていた。
そして、邸宅に忍び込み思い切って名乗り出たミゲルに驚くが、彼を歓迎し、子孫として可愛がる。
「チャンスを掴め」という名言を残しており、ミゲルはことあるごとにこれを自分に言い聞かせては己を鼓舞している。


  • ママ・ココ
CV:アナ・オフェリア・ムグィア/大方斐紗子
ミゲルの曾祖母で、イメルダの娘。現在99歳。
「ママ・ココ」とは「ココおかあちゃん」という意味の愛称で、本名は「ソコロ・リヴェラ」。
ミゲルの夢に唯一反対しないため、ミゲルが一番懐いている家族。
現代となっては、ミゲルの高祖父を知る唯一の人物だが、今やすっかりおばあちゃんとなっており、認知症を患い、家族のことも忘れかけていた。
うわ言のように「パパ」と呟くこともあり、今でも父のことを愛し続けているようだが……。


  • エレナ・リヴェラ
CV:レネ・ヴィクター/磯辺万沙子
ミゲルの祖母で、ココの次女。
リヴェラ家の実質的な家長であり、母をはじめとする家族を大切にする一方で、イメルダの教え通り、厳しい同調圧力で家族に音楽を禁じている。
特にミゲルを殊更可愛がっているが、音楽に入れ込む彼には過剰なまでに叱責し、そのせいで薄っすらと嫌われている。
死者の日の音楽コンテストに出場しようとするミゲルを詰問した挙句にお手製ギターを壊し、ぶっちゃけ保護者としてかなり問題のある行動を取り、彼に家出されてしまう。


  • エンリケ・リヴェラ
CV:ジェイミー・カミル/横山だいすけ
  • ルイサ・リヴェラ
CV:ソフィア・エスピノーサ/恒松あゆみ
ミゲルの両親。
エレナの言いつけを守り、息子が音楽家を志すことに反対し、靴屋として本腰を入れるよう諭す。
ただし、エレナがミゲルのギターを壊した際は、流石にやり過ぎだと思って止めようとしたが、間に合わなかった。
ルイサは現在妊娠中。翌年に出産し、生まれた娘(ミゲルの実妹)にはソコロと名付けられた。作中に妊婦が登場するのは『ラマになった王様』以来かもしれない。


  • ロシータ・リヴェラ
CV:セレーネ・ルナ/雨蘭咲木子

  • ヴィクトリア・リヴェラ
CV:ダイアナ・オルテリ/冠野智美

  • フリオ・リヴェラ
CV:アルフォンソ・アラウ/多田野曜平

  • オスカル・リヴェラ
  • フェリペ・リヴェラ
CV:ハーバード・シゲウンザ/佐々木睦(二役)
死者の国で暮らす、ミゲルの家族達。
小柄な老人が曾祖父のフリオ(享年80歳)、ふくよかな体格の女性がフリオの妹のロシータ(享年62歳)、眼鏡をかけた細身の女性が大伯母のヴィクトリア(享年58歳)、双子の男性がイメルダの弟のオスカルとフェリペ(享年72歳)。
それぞれミゲルを愛しているのは本当だが、やはりイメルダに気を遣って、音楽の道には反対した。
だが、夫のために動く決意をしたイメルダに協力して、家族一丸となる。


  • フリーダ・カーロ
CV:ナタリア・コルドバ・バックリー/渡辺直美
実在したメキシコの有名アーティスト。
死者の国でも斬新な芸術を生み出し続けており、ミゲルの芸術センスを評価する。
なぜかヘクターによく変装の相手にされるらしい。一応知り合い同士ではある模様。


  • チチャロン
CV:エドワード・ジェームズ・オルモス/宝亀克寿
ヘクターと同じスラム街の仲間。
写真を飾ってくれる家族が現世にいなくなったため、悲観して一日中酔い潰れている。
ヘクターに車やミニ冷蔵庫、テーブルナプキンや投げ縄、自分の大腿骨など色々貸していたが、どれも返してもらっていない。
ミゲル用にヘクターからギターの貸し出しを頼まれ、思い出の歌を歌ってもらうという条件で承諾するが、直後に自分を覚えている存在が現世から消え、消滅してしまった。


  • ダンテ
ミゲルと仲がいい野良犬。犬種はメキシカン・ヘアレスドッグ。
お供え物のチキンを食べたことで「死者」と化したミゲルを知覚でき、死者の国へも行き来する。
フリーダはアレブリヘの一種ではないかと推測するが……?


  • ペピータ
リヴェラ家に仕えるアレブリヘ。
巨大な翼の生えたジャガーのような姿をしている。


用語集


  • 死者の日
メキシコの伝統行事であり、年に一度死者があの世から帰ってくるため、その出迎えをする日。日本で言う「お盆」のようなものである。
死者の国では、死者が現世に帰ることができる唯一の日であるというルールがある。
しかし、そのためには現世の人間が死者を「覚えており」、「写真を飾られる」ことがなければ現世に帰ることが出来ず、無理矢理行こうとしてもマリーゴールドの橋を渡れずに沈んでしまう。



  • 死者の国
死んだ人間が行き着き、第二の生を暮らす世界。
住民は皆、骸骨に目玉があるような姿になっており、体の各パーツは付け替え可能となっているらしい。
現世同様の営みで溢れているが、生前の知名度に準じて生活水準にも大きな差があるようだ。
お供え物を盗んだ生者はこの世界に迷い込み、夜明けまでに脱出できないとそのまま死者の世界の住人となってしまう。現世に戻るにはその生者と血縁関係にある死者の誰かが「許し」を与えながらマリーゴールドの花びらに触れさせる必要がある。
このとき死者は条件付きでの「許し」を与えることもでき、この場合現世に戻っても条件を破るとまた死者の国へ逆戻りとなる。
また、現世の人間から完全に忘れ去られてしまった場合、死者の国においても「寿命」となって消滅してしまう。これを作中では「二度目の死」と呼ばれており、消滅したその先のことは誰にもわからないらしい。
ここでいう「現世の人間から完全に忘れ去られる」とは「現世の人間から生前の姿を完全に忘れ去られる」という意味であり、死者の国に迷い込んだ生者がその死者のことを覚えていてもカウントはされない。

近年は写真技術の発展等から「入って来る死者の数>完全に忘れ去られて二度目の死を迎える死者の数」となっており、人口過密状態になってしまっている。
市街地が建物に建物が積み重なったような複雑怪奇な構造になっているのもその為とのこと。


  • マリーゴールドの花びら
死者の日において、死者の道として撒かれるもの。
死者の国においては生者にとって重要なアイテムとなり、現世に「許し」を与えることで現世に送り返すために必要となる。


  • リメンバー・ミー
エルネスト・デラクルスの代表曲。
女性に向けたラブソングとして有名である。


  • アレブリヘ
死者の国に住む精霊で、あの世へ旅立つ魂の道案内をするという存在。
普段は蛍光色に発光した動物のような姿をしており、あらゆる動物に姿を変えることができる。



余談

  • 「死者の日」を題材としたアニメ映画としては、他に2014年製作の『ブック・オブ・ライフ ~マイロの数奇な冒険~』がある。こちらもキャラクターデザイン等が本作と似通っていることでも有名。また、20世紀フォックス製作のため、ディズニーの配信サービスDisney+で本作と併せて視聴可能となっている。




追記・修正は「荒らさない」ことを条件に許しを得てからお願いします。

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最終更新:2026年08月18日 23:38