登録日:2026/06/04 Thu 02:04:30
更新日:2026/06/12 Fri 21:26:49
所要時間:約 4 分で読めます
【概要】
『ティッシュ箱くじ引き』とは、『週刊ヤングマガジン』で連載されていた福本伸行原作のギャンブル漫画『
賭博黙示録カイジ』にて登場したギャンブルで、主人公である
カイジが『
帝愛グループ』のトップに君臨する会長『
兵藤和尊』を倒すべく考案した。
本シリーズに登場するギャンブルは基本帝愛側が用意したものがほとんどであるが、このギャンブルに関してはカイジ側が用意した珍しいものとなっている。
【ルール】
中のティッシュを全部抜いた空のティッシュ箱に、ペーパータオルを細かく切って作った大量のくじを入れる。入れるくじは何も書かれていないはずれのくじを5~60枚と〇印が書かれた当たりくじを1枚。
そしてお互いが交互にくじを1枚ずつ引いていき、先に当たりくじを引いた方が勝ちというもの。
ここまで聞くと完全なる運否天賦の勝負なのだが、カイジは初っ端で当たりくじを引くと宣言する。
それには彼なりの秘策があるようだが……
【劇中での動向】
スターサイドホテルで開かれた過酷なギャンブル『人間競馬』と『電流鉄骨渡り』を勝ち抜いたカイジは、その後『Eカード』で自身の耳を切断するという捨て身の策で見事帝愛最高幹部の『
利根川幸雄』を倒し、自身の取り分1000万円と電流鉄骨渡りで『
石田光司』の取り分1000万円、そこにボーナス10万円の合計2010万円という大金を獲得することに成功。
一方、失態を犯した利根川が兵藤の怒りを買い焼き土下座をさせられ、そのおぞましい様子を目撃したカイジは真の黒幕は兵藤であって彼を倒さなければ石田たちの仇を取ったことにはならないと考える。
だがカイジは既に満身創痍、そして仲間たちの説得もあって一度は諦めて帰ろうとするも耳の応急処置で使用したティッシュ箱の側面が開けられること、そして、のり付けされてない隙間があり、内側にものをはさむことが出来ることに気づきティッシュ箱くじ引きを考え付く。
そう、カイジの秘策は事前にティッシュ箱の側面に当たりくじを仕込んで自分のターンになったら側面から当たりくじを持ってくるというもの。
これまでのギャンブルで帝愛側が散々イカサマをしていたように、今度はカイジの方からイカサマを行い勝つというわけである。
そして、カイジは仲間たちと協力して下準備をする…
- まず、トイレの中にある全てのティッシュ箱にイカサマ当たりくじを仕込み、仲間のうち1人をトイレ内に残し、黒服がティッシュ箱を持って行った隙をついて残りのティッシュ箱の当たりくじを破棄する。
- あたりを引いた際にティッシュ箱に残るもう1枚の当たりくじについては、わざと書き損じた当たりくじを数枚床に撒いておき、当たりくじを引いた瞬間ティッシュ箱を振り回して中のくじを床に全部ばらまいて誤魔化す。
- 兵藤に勝負を挑む際にいきなりティッシュ箱くじ引きを提案するのは不自然のため考えるふりをし、さらにティッシュ箱を持ってきた際に未開封の状態で兵藤に問題がないかチェックさせて疑念を抱かせないようにする。
そして、カイジは兵藤にティッシュ箱くじ引きを提案する。すると兵藤はコチラが提示する3つの条件を満たせば勝負を受けると提案してきた。
・兵藤の条件
①.イカサマを防止するため団子は禁止。また、箱に手を入れる際にはイカサマを行っていないか、互いに手のひらをチェックする。
②.くじを引く順番は兵藤が先攻でカイジが後攻。
③.掛け金は1億円。カイジが勝てば兵藤はカイジに1億円を支払う、一方兵藤が勝てばカイジの持ち金2000万円は没収の上で差額の8000万円分はカイジの左手の指4本を指ギロチンによって切断し清算する。
また、これ以外に当たりくじは2人で一緒にティッシュ箱の中に入れる。
カイジは兵藤の条件を受け入れいざ決戦。
1回目、兵藤ははずれ。これで自身の勝利と喜ぶカイジだったが……
なんと側面に仕込んだはずの当たりくじがなくなっていた…!
流石に冷静さを失い動揺するカイジ。運否天賦の勝負になってしまったが、当たりを引けばどのみち助かるとカイジは神に祈りながらくじを引く………
結局カイジもはずれ。
そして、兵藤は「実は一回目で当たりくじを引くことが出来、引きたくなくても当たりを引いてしまう」と豪語する。
そして兵藤の2度目、「引くな」、「外せ」などとまるで負け犬や底辺が言いそうな言葉を心の中で叫ぶカイジ
だがそんな彼の願いは届かず、兵藤は本当に当たりを引き当ててしまった…
この瞬間を持ってカイジの敗北が決定し、せっかく手に入れた2000万円は没収され、さらに左手の指を4本も失うという悲惨な結果となってしまった……
終了後、ティッシュ箱をいくら探してもカイジの仕込んだくじが見つからなかったが、よくみると箱の隅に丸めた紙があり、それを開くと当たりのマークがついていた。
実は大方の予想通り、兵藤は最初からカイジの策に気づいておりこちらも策を打っていたのだ。
自分のターンでカイジが仕込んだ当たりくじを丸めて破棄しており、それゆえカイジは仕込んだくじを引けなかった。仮に探し当てても団子禁止のルールにより失格扱いだっただろう。
だが、兵藤が引いたのはその仕込みではなく本物の当たりくじ。それでは兵藤が当たりを引けた説明がつかない。
そこでカイジは、勝利後にプレゼントと称して渡された当たりくじを触って確認したことで、その種に気づいた。
それは、本物の当たりくじに折り目という目印を付けたこと。
確かに団子は禁止と言ったが、「全く折り目をつけないというわけにはいかないだろうが」と細かく念押ししており、この折り目はせいぜいその範疇。
そして、当たりの投入はカイジと共にくじの端をそれぞれが摘まんで箱に入れ、指を離す……という流れだったが、実は兵藤はカイジより後に指を離しており、その時に折り目をつけていたのだ。
こうして、完膚なきまでに叩きのめされたカイジ…
その場に兵藤はいないが、彼の嘲笑がカイジの脳裏に響いていた……
そして、病院へ向かう車の中で後悔するカイジ。それを聞いて仲間たちもやはりやめておけばよかったんだと同情する。
だが、カイジの後悔はやめておけばよかった…というわけではなく勝てた勝負だったということ…
兵藤がつけた折り目の目印は、カイジも触れてみればわかるようなものだった。
そして、兵藤は自ら申し出た先攻の一発目でそれを引いて問答無用の勝利を得ることができたのに、わざわざ外してみせている。
おそらくカイジの策を破壊して狼狽える様を見るためであろうが、その譲られたターンでカイジは兵藤側の策を看破し、それを逆用して勝つことが可能な勝負だったのだ。
カイジは向こうから与えられた勝利をみすみす逃してしまったのだ。これまでの困難を通じて甘さを捨てたつもりでいたのに。
こうして、カイジはいつか兵藤とのリベンジを誓い、病院へと向かうのだった……
この「兵藤側の仕掛けたイカサマは実はカイジも活用できた」という点はカイジに相当大きな印象を与えたようで、後に『
賭博堕天録カイジ』で兵藤の息子・兵藤和也との会話でこの一件を回想し「生業としている金融業はともかく、真剣勝負ではフェア」と兵藤について語るシーンがある。
和也との対決当初は、カイジは和也にも同様の性質を見出だしていたのだが……
【ゲームでは】
コチラでは1億円でも指でもなく、単にカイジのもとの借金385万の免除の権利を賭ける。
というのも、ここまでの経緯が大きく変わっており…
- 遠藤の紹介でエスポワールにて限定ジャンケンを挑み勝利するも、利根川から「真の勝者は勝ち続けなければいけない」という雑すぎる理由で借金免除を断られる
- その後、人間競馬と電流鉄骨渡りを挑むも原作同様ギブアップを要請したためまた借金免除はなしに
- そして、Eカードでは利根川の他に何故か黒服や遠藤とも対戦し、勝利後原作同様利根川が焼き土下座をさせられる
- 黒幕が兵藤であると悟ったカイジは利根川に勝利した権利で石田の家族の借金を免除させ、自分の借金免除をかけて兵藤に勝負を挑む
という流れになっている。
そして、肝心のティッシュ箱くじ引きのゲーム内容はというと……
タッチペンで大量のはずれくじをどかしていき、逆境値がなくなるまでに当たりくじを見つける
という、最早くじでもなんでもないただのヌルゲーになってしまっている。
なお、ただ当たりくじを引けばいいというわけではなく、逆境値が一定数以上の状態で当たりくじを引かなければ真のエンディングを見ることはできない。
逆境値が一定数未満だった場合は兵藤は「面白くない」と一蹴し、名乗りもせずに帰ってしまう。そしてエピローグの後、何故か限定ジャンケンからやり直しとなる。
一方で、逆境値を一定数以上残して当たりくじを引けば、兵藤は潔く負けを認め、きちんと名乗っている。
しかもこちらの兵藤は約束をきちんと守るばかりか、(本心かどうかは不明だが)王である自分に勝利したカイジを称えたりするなどやたらいい人になってしまっている。
ちなみにカイジがどうなったかというと……
兵藤に勝利したことで借金が免除となり晴れて自由の身となったカイジ。そこに遠藤が現れ、石田の家族も自由の身となり平穏に暮らしているということを聞かされる。
それを聞いて安心するカイジに、遠藤はエスポワールの特別招待券を渡す。
カイジは今回の戦いでマイナスが0になっただけで何も得ていないことに気づき、これからも戦い続けることを石田や佐原に誓うのだった……
耳や指も失っていないうえ、借金もチャラになっているため原作と比べると一応ハッピーエンドと言えなくもないが……
追記・修正は当たりくじを引き当てた人にお願いします。
- >まったく懲りない とはいえ、カイジの言うことはあまり間違ってはいない。1回見逃されたこと、制限時間はないのだから丸まった自分の当たりくじを探すことはできたこと、丁寧にくじを指先で調べれば違和感のある折り目くじは探し出せたこと。「勝つためにできることはあったのに神頼みに逃げた」という教訓は得た。 -- 名無しさん (2026-06-04 05:25:03)
- カイジが策に気付いて1度目に当たりを引いた場合に兵藤が負けを認めてお金を支払ったのかどうかが地味に気になる、案外勝負には公平っていうのもあくまでカイジからみた兵藤の印象だし…まぁ兵藤からしたら1億なんてはした金だろうから余興代として払うか…あるいは「このクジには折り目が付いている」とか「(箱の中を検めて)丸まったクジが入っている」みたいなまたしてもルールを利用して負けを回避するか…どっちもありそう兵藤なら -- 名無しさん (2026-06-04 06:02:33)
- ↑現在のカイジシリーズと黙示録ってなんか作風が明らかに違っている(黙示録時代はまだ「銀と金」の作風が強い)から、当時の兵藤ならカイジに王の資格を見出だして素直に負けを認めそうな気がする。現在の兵藤なら平気で反故するような気がするが -- 名無しさん (2026-06-04 06:15:44)
- 兵藤の「団子は禁止と言ったが、折り目をつけるのは禁止とは言っていない」ってのは若干語弊がない?団子って丸めるの禁止って意味じゃなくて「明らかに何処かに隠してたような状態のものは認めない」って話だった。直後に「まるっきりまっさらとはいかんだろうが…」って言ってるし、入れる時や引く時に偶然付いてしまう程度のシワや折り目はセーフって話だと思う。そしてあの折り目はその範疇 -- 名無しさん (2026-06-04 14:23:40)
- 会長は本物の当たりくじをどうやって見つけたんだ…? -- 名無しさん (2026-06-04 15:30:17)
- ↑カイジが仕込んだほうを言っているなら、カイジは運否天賦じゃなくて勝算があるから勝負を挑んでくるという洞察。折ったほうのことを言っているなら盲牌みたいに指で折り目を探って判断した -- 名無しさん (2026-06-04 15:52:03)
- そうじゃなくて、折り目を付ける前の話。説明だとカイジの仕込みを排してから折り目付けたようになってるからどうやって見つけたのかなって思って -- 名無しさん (2026-06-04 16:28:15)
- ↑実際は折り目をつけるのが先。当たりの投入は二人が互いに当たりくじの端をつまんでそのまま手を箱に突っ込み、それぞれが指を離すって内容だけど、兵藤は少し遅れて指を離していて折り目はそのとき付けた。カイジの仕込みの破棄は先攻1ターン目の時 -- 名無しさん (2026-06-04 16:32:15)
- 会長がどうやってカイジの仕込みを発見したか、って話なら上である通り会長はカイジが何かイカサマを仕込んだ上で勝負に来てると見抜いてる。その上でじゃあどこにイカサマを仕掛けるかってなると箱の底か横くらいにしかできない。会長が交渉で先手は取ってるからその時に底と横を探って無事カイジの仕込みを発見。みたいな流れ -- 名無しさん (2026-06-04 16:36:34)
- 万が一カイジの仕込みを見つけられなくても初手で折り目のついたクジを引いて勝てばいいし、仮にカイジが丸められて破棄されたクジに気づいても団子状態だから無効を主張できるしで、地味ながら周到なんだよなぁ。 -- 名無しさん (2026-06-04 18:17:02)
- 兵藤は沼編で「公平である必要はないが、少なくとも公平に見せる必要はある」って言ってるし、カイジはこれまた沼のラストで万策尽きた時、見苦しかろうが何だろうが引き分けにしようと提案してる。話数は少ないけど作中の世界観に影響を与えてる勝負なのかもしれん。 -- 名無しさん (2026-06-04 18:29:01)
- カイジの敗因は会長に対する憎悪から神頼みに逃げ、私怨からすべてを放棄。底辺の負け犬になったカイジは負けるべくして負けた。 -- 名無しさん (2026-06-04 18:35:56)
- 上でも話題にしてるけど『銀と金』で「相手がイカサマしているんだから無効」みたいにしてどっちに転んでもいいようにしたやり方があったけど、会長もやろうと思えばそうできたんだろうか -- 名無しさん (2026-06-04 20:13:52)
- 勝負が終わった後の帰りの車でモブが王の策って言う割にはなんかショボいっすね→いやカイジの提案から数分の間でカイジの仕掛けを看破からのカウンターまで仕込めるのは尋常じゃない(実際カイジは対策を打たれないようにくじを作り終えるギリギリまで勝負内容を伏せていたのに完敗)ってくだり好きだったのにアニメでカットされたのは残念だったな -- 名無しさん (2026-06-04 21:19:09)
- どうでもいいけどティッシュ箱の横が開くことが殆どの人は知らないみたいな扱いされてたのにビックリした。福本先生はいつもティッシュ箱をどうやって捨ててたんだ -- 名無しさん (2026-06-04 21:53:55)
- ↑開くのを知らないじゃなくて箱の外側から紙を入れる隙間があってしかもそこでしっかり引っ掛かるのが盲点だった。ちなみに控え室に備え付けられてたもう一種類のティッシュはきっちり密閉されて仕掛けを仕込めなかったけど置き場が遠いから選ばれないだろうと大分強行突破で勝負に行ってる -- 名無しさん (2026-06-04 22:13:36)
- これを実体験できるブラウザゲームを覚えている人いるかな? -- 名無しさん (2026-06-04 22:27:50)
- ↑自分でくじの総枚数を決めてCPU兵藤相手にやるやつだよね。本編のイカサマ仕込みはできないし兵藤も普通に引いて相手してくれるがくじを丸めて潰すことは可能で、当たりを潰してしまうと不備のあるゲームを強制したとしてプレイヤーの負けになるやつ -- 名無しさん (2026-06-05 09:07:39)
- たしか金田一少年にもこんなくじがあったな。こっちは肝試しの順番(標的を最後にしないと犯人が殺しにくい)なのでイカサマへの警戒がなく、犯人が「元々最後のくじは欠番で犯人が引くときに入れた」というもの。 -- 名無しさん (2026-06-05 23:36:36)
- 仲間達の言うとおり利根川戦で辞めておけば借金も完済できたし指を切られることもなかったし石田さんの息子も地下に落とされることもなかったんだよなぁ… -- 名無しさん (2026-06-12 21:26:49)
最終更新:2026年06月12日 21:26