登録日:2026/08/03 Mon 00:03:39
更新日:2026/08/09 Sun 09:57:53
所要時間:約 7 分で読めます
前提
本題に入る前に、この記事を楽しむために必要な事前知識について示す。
SCP財団のサイトメンバー並みの知識はあるよ!って人は読み飛ばしてOKである。
まず、SCP財団世界には、
スシブレードという競技が存在する。
スシブレードとは、「3、2、1、へいらっしゃい」の掛け声で互いにスシを射出、
スシをコマのように回転させ、それをぶつけ合い、最後まで回り続けていた方が勝利というもの。
まあ、要するに、スシを使ってベイブレードみたいなことをやるわけである。
詳細は
SCP-1134-JPの項目も参照。
さて、スシブレードには、基本的に日本の伝統的なスシネタが用いられる。
しかし、要注意団体「
闇寿司」は、ハンバーグなどの伝統的でないスシや、ラーメンなどのスシではない食品、果ては食品ですらないものをスシと言い張り、スシブレードに用いるのである。
このように、闇寿司は、「邪道」と見なされるようなスシを回すのだ。
(そもそも邪道とは何か、邪道ならば悪なのか……という方面を掘り下げた記事もあるのだが、ここではあまり関係ないので省略。)
そして闇寿司は、闇寿司独自のフォーマットで、「邪道」なスシについて記している。
これが「
闇寿司ファイル」であり、闇寿司の主な
GoIフォーマットなのだ。
知らない人にとっては「?????」って感じだろうが、一旦飲み込んでいただきたい。
概要
さて、"弱みの握り"とは、ネタに人間の"弱み"の記憶を使用した握り寿司のことである。
早速食品でないものをネタにしてきやがったが、闇寿司的には、握れるか回せるならスシだという。確かに「弱みを握る」っていうけど……
ちなみに、ここでの"弱み"とは、"「人に知られたくない」と認識している記憶"ならばよいそうだ。
弱みの握りには形而下のもの(現実世界のシャリと握ったもの)と形而上のもの(概念上のもの)とが存在し、形而下のものはスシブレードとして射出できる。
スシブレード運用
それぞれの最大値を10としたとき、
- 攻撃力 6
- 防御力 6
- 機動力 6
- 持久力 9
- 重量 2
- 操作性 1
に相当する。
弱みの握りは、人間の記憶を用いているためか、回し手に記憶の混乱などの影響が出る。
これを避けるため、特別な技能が必要だという。
また、実質的な重量がシャリの重さのみであるため、重量負けしやすい。
一方で、特に持久力に優れ、その他の能力も平均以上だ。
よって、使いこなすことが出来れば並みの寿司相手には安定した勝率を誇る強力な寿司となるようだ。
また、弱みの握りにはいくつかの型が存在する。
メジャーなのは、羞恥心を含む過去の行いの記憶をネタに使った"黒歴史型"。
攻撃力に特化しており、継続して相手に高火力の攻撃を叩き込むことが可能だ。
他にも、防御力を重視した"コンプレックス型"や、機動力を活かし相手の攻撃を避け続けられる"過去の悪事型"などが存在する。
それぞれ、コンプレックスと過去の悪事を握ったものなのだろう。
そして、弱みの握りでブレーダーに直接攻撃した場合についても記されている。
なんで直接攻撃っていう選択肢があるんだよ
直接攻撃した場合の結果だが、その対象はブレーダーの精神そのものとなるため、使用する記憶によって効果に個人差が存在する。
中でも、黒歴史型は汎用性に優れることで有名であり、重宝される……らしい。
他の活用法
なんと、弱みの握りは、握る際にネタとなる記憶を得ることが可能である。
その上、人の記憶を使用した弱みの握りを摂食すると、使われた記憶の獲得も可能。
これを活かして、情報収集および情報交換に役立てられるのだ。
エピソード
さて、ここからは、この闇寿司ファイルを書いた本人である、二城 景が体験したエピソードが記される。
12月の中頃、雪の降る夜に、ある人物が二城の店を訪れた。
(闇のスシブレーダーには、自分の店を持っている者も少なくない)
私(二城)「へいらっしゃい。ってお客さん、雪まみれじゃないですか。寒かったでしょう。今温かいのを用意するんで」
安達「へっ、雪なんて気にもならねぇな。おまえをこの寿司でぶっ潰せることを考えたらよぉ!」
私「……!その声は………安達か?!今までどこで何してたんだ……いや、今更何をしに来た?!」
安達「何しに、か。俺はこの七年、お前に勝つ為に修行をしていたのさ。ある寿司を完璧に操れるようになるためにな。そしてお前を叩きのめす為の準備が終わった。だからここに来た」
私「……そういうことだったのか。……なら、こっちも全力で迎え撃たなきゃな。スシ・フィールド、展開!」
安達「自力でフィールドを展開した……お前もこの七年で成長したという訳か……ハハハ!そうでなくちゃなぁ!ただ単に昔のお前に勝つだけじゃあ面白くねぇもんなぁ!さぁ、構えな!」
両者「3、2、1、へいらっしゃい!!」
なんと、宿敵が七年ぶりに訪れ、復讐しに勝負を仕掛けてきた!
ちなみに「スシ・フィールド」についてだが、恐らくここでは、文脈より、上位のスシブレーダーのみが展開できるという「次元間スシ・フィールド」のことだと思われる。
次元間スシ・フィールドでは、スシの中に存在する世界を、空間を歪めて現実に持ってきている。
スシブレードとはそういうものなので、一旦飲み込んでいただきたい。
さて、両者ともに使った寿司は弱みの握りであった。
二城の回すスシは"黒歴史型"であり、攻撃力は高いはず。
しかし相手の安達のスシは"コンプレックス型"であり、防御力が高い。
どれほど攻撃を与えても弱らず、それどころか、二城のスシのほうが弱っていく。
いくらなんでも強すぎる。
二城は、「これはただのコ型(コンプレックス型)ではないな」と悩む。
この様子が見れたことが余程嬉しかったのか、対戦相手の安達は、自身のスシの秘密を喋り出した。
このスシに使われていたのは、二城の「白ブリーフしか履けない体質というコンプレックス」だったのだ。
なんと、二城は、「白ブリーフしか履けない体質」だったのだ!
このとき二城ははひどく動揺したという。
自分のことで一番知られたくないことを、一番知られたくない奴に知られていた上に、それを寿司にされていたのだから、当然である。
二城はこのコンプレックスをかなり気にしているのだ。そりゃ勝てないわけである。
さて、このままでは安達の寿司の防御を破ることは出来ない。
策を考えている間にも攻撃は弾かれ、回転は徐々に衰えていく。
どうする二城!?
……ここで、二城は、あることを思いつく。
この試みが成功するかは全くの賭けであったというが、ここでやらねば負けるだけ。
彼は覚悟を決め、彼自信の寿司を信じ、彼自身のスシを握ったときの記憶を思い出し、ある言葉を唱えた――
安達「おいどうしたぁ二城!勝負を諦めて瞑想でもしてんの──」
私「創造は破壊と共に有り、」
安達「は?」
私「破壊は創造と共に有る」
安達「……おい、ちょっと待て、それは……あっ?!」
私「故に、人類に審判の時が来た」
安達「待て、やめろ!なんでお前があのノートことを!」
私「悪しき文明を浄化する"輪廻の者"ダルトプトの名において命ずる!」
安達「オイマジでやめろそんなことしたらお前ただじゃ──」
私「構うか!お前に負けなければそれで良い!その身に清浄の焔を宿し…」
安達「構うかじゃなく──」
「焼き払え!」
「浄火殲滅」!!!
……そう、二城が握っていたのは、安達の黒歴史――黒歴史ノートだったのだ。
そして二城は、スシに使用された記憶の一部を必殺技として出力することに成功したらしい。
スシの記憶が現実に作用するという原理は謎だが、彼はそれをやってのけたのである。
この必殺技により、二城は安達に勝利した。
ちなみに「ダルトプトの焔」により、二城の店は全焼したという。
このスシ、本当に焼き払う力を持っていたようだ。
そして、安達の行方は分かっていない。
だが、二城曰く、「あいつはこんな事で死ぬ奴じゃない」とのこと。
長い間互いに戦ってきた間柄が垣間見える。
店のみならず、色々失った物は多いが、このことがきっかけで、二城は寿司に必殺技という新たな戦術を見出したのだった。
そして現在、二城は、新たな必殺技の研究・開発を行っている。
この寿司が必殺技を放った原理について、オカルト的なものだったのか、それとも寿司が持つ力だったのかは未解明だ。
しかし研究が進めば、寿司は新たな力を手に入れることになるだろう……という一文でファイルは締められている。
ちなみに、「関連項目」として、必殺技に活用された安達の黒歴史ノート・"ヴァギュラポス神話"を再現したものへのリンクがある(作中人物のみがアクセス可能っぽい)
これには"輪廻の者ダルトプト"について記述されているらしい。
「私の記憶を頼りに再現した」とあるが、そういえば弱みの握りって記憶も集められるんだったなあ……
……しかし、闇寿司ファイルに、「白ブリーフしか履けないコンプレックス」と†浄火殲滅†について載せられてしまったのがかわいそうである。
二城本人はまだしも、安達は特に……
追記・修正は白ブリーフを履いて「浄火殲滅!!」と叫んでからお願いします。
- その握られた弱みを開き直って自虐ネタに昇華した人には効果はあるのだろうか? -- 名無しさん (2026-08-04 16:55:42)
- ↑その場合は効果がないどころか掟破りの必殺返しになる -- 名無しさん (2026-08-04 17:24:23)
- 正直SCPの醍醐味はこういう野生の文豪が出てくるところ -- 名無しさん (2026-08-05 14:05:07)
- No.016を連想してしまったがアッチの方が後か。組み合わせると強い、のかな -- 名無しさん (2026-08-09 09:57:53)
最終更新:2026年08月09日 09:57