石北本線

登録日:2013/03/02 (土) 16:07:21
更新日:2024/12/14 Sat 21:27:55
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石北本線(せきほくほんせん)とは、新旭川から北見駅を経由して網走駅までを結ぶJR北海道の鉄道路線(地方交通線)である。

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概要

北見・網走を目指して建設された複数の路線が繋ぎ合わされて完成した路線で、路線名は領令国名の石狩と北見の名が取られている。
普通・快速列車が旭川駅まで、特急列車は札幌駅まで乗り入れている。
後述する常紋トンネルなど、日本の鉄道では屈指の怪談エピソードの多い路線である。

運行形態

大きく「旭川~上川間」・「上川・白滝~遠軽間」・「遠軽~網走間」の3つに分類される。

  • 特急オホーツク
札幌~網走間で運行。
元々は特急は全てこれで統一されていたが、車両不足から2往復が旭川止まりの特急「大雪」に変更された。観光シーズン時にはこれに臨時列車が運行される場合がある。
  • 特急「大雪」
旭川~網走間で運行。
前述の理由から「オホーツク」を系統分離したもので、旭川駅で特急「ライラック」列車に接続するダイヤを取る。
利用客の低迷から不定期列車化しており、2025年3月改正で特別快速への格下げが決定した。
  • 特別快速「きたみ」
旭川~北見間で運行する特急の補完列車で1往復運航。
大都市圏以外では数少ない特別快速の冠を付けた列車である。
2025年3月改正で快速に格下げ予定だが、同時に網走まで延長が決定している(北見~網走間は普通)。
また、2017年から2020年まででは毎週金・日曜日の夜に旭川発北見行きの臨時快速が運行されており、快速にもかかわらず特別快速よりも停車駅が少ないのが特徴だった。

車両

  • キハ283系
特急「オホーツク」「大雪」で使用。
石勝線「おおぞら」の運用終了から約1年間のブランクを経て、2023年3月18日から運用開始。
グリーン車は全て廃車になってしまったため、普通車のみの編成となっている。
また、従来「FURICO283」とロゴが描かれていた個所には沿線の名所をイラスト化したステッカーが貼られている。

  • H100形
JR東日本のGV-E400系と共通設計の電気式気動車で、既存の気動車を置き換えるために2021年3月改正より導入。
2024年3月改正から特急以外の全列車がこの車両に統一された。
前述した特別快速に使用するため、今後座席の増設工事が実施される予定。

  • キハ40形
普通列車で使用されていた。定期運用は2024年3月で終了したが、観光列車に改造された車両が乗り入れることがある。

  • キハ183系
特急「オホーツク」「大雪」で使用。基本編成は4両で半室グリーン車に改造されたタイプが使用される。
2023年3月18日に定期運用を終了。引退前には1986年当時の旧塗装をリバイバルした先頭車が登場し話題となった。

  • キハ54形500番台
特別快速「きたみ」と普通列車で使用されていた。
宗谷本線の急行用として転換クロスシートを装備した車両もあった。

  • キハ150形
キハ54形と共通運用で、特別快速「きたみ」と普通列車で使用されていた。


駅解説

  • 旭川
函館本線富良野線宗谷本線乗り換え。
道央地区を代表するターミナル駅で、日本最北の有人高架駅らしい。

  • 新旭川
線路名称上での起点駅。でも無人駅。
周囲は市街地でヤマダ電機もあるのに…。

  • 南永山
1面1線の無人駅だが駅舎があり、市街地の中なので利用客も有人駅並み。
近くに旭川ラーメンが食べられるフードテーマパークあり。

  • 東旭川
ここも市街地にあり、利用者も多め。

  • 桜岡
上野ファーム最寄駅。

  • 当麻
当麻町の代表駅で特別快速が停車する。かつては特急も停車していた。
無人駅だが国鉄時代の割と大きめな駅舎が残っている。
駅内に店が入っており、年間約5万本を売上げるトマトジュースが売っている。
世界一不幸なツンツン頭の少年と同じ名前とはいえ、彼とは何の関係もない。
当駅発着の旭川方面との列車がある。

  • 伊香牛駅
一部の列車は当駅で旭川方面に折り返す。

  • 愛別
愛別町の代表駅で特快は止まらないが利用客は比較的多く、駅舎も有人駅時代の建物が残る。

  • 中愛別
近くにセコマあり。

  • 愛山
普通列車が一部通過。
ぱっと見、駅舎が無いように見えるが道路を挟んで反対側にある。

  • 安足間
「あんたろま」と読む。

  • 上川
上川町の代表駅で全列車停車の直営駅。層雲峡温泉への玄関口。
当初は「石狩留辺志部」なんていう長い駅名になる予定だった。
普通列車はこの駅を境に運転系統が分かれ、以東の本数はグッと減る。
当駅~白滝間は廃駅が相次いだことにより在来線で一番駅間距離が長くなり(37.3km)、交換待ちする普通列車では1時間近くかけて走破する。

  • 白滝
特急が4本止まるが、前述の臨時快速は通過していた。
駅舎はかなり立派で駅前もそこそこ栄えてる。
白滝と名前が付く駅で唯一、牛山氏の全国秘境駅ランキングに入ってない。良いのやら悪いのやら。
もっとも、そのお陰で2016年3月以降も白滝駅シリーズで唯一の存続を果たしたのだから、やはり良かったといえよう。
当駅~丸瀬布間の旧白滝駅・下白滝駅が廃止されたことで駅間距離が19.7kmとかなり長くなった。

  • 丸瀬布
2本を除く特急の停車駅。

  • 瀬戸瀬
廃止候補の一つ。

  • 遠軽
遠軽町の代表駅で石北線内で数少ない直営駅。キヨスクもあったが2015年に閉店した。
1989年までは名寄本線が接続していた。
駅構造の関係で、全列車停車し旭川方面と北見方面を直通する列車は必ずスイッチバックを行う。

  • 安国
駅舎はログハウス風。
近くに安国神社がある。セコマもあるので便利。

  • 生田原
特急停車駅だが臨時快速は通過。
この駅と金華信号場間にあるのが、かの有名な常紋トンネルである。
かなり危険な心霊スポットと知られており、鉄道員が実際に霊を目撃したりしている。
だが、逆に言えばそれ程危険な心霊スポットでありながら、合法的且つ安全(?)に行ける心霊スポットでもある。
因みに一時期鉄道ファン(所謂撮り鉄)が多く訪れ、常紋信号場という仮乗降場が存在する。鉄道写真ならぬ心霊写真が撮れそうだ。
生田原~西留辺蘂間の金華駅が信号場に降格となったため、駅間距離が18.5kmと長めになっている。

  • 西留辺蘂
ここから北見市内。
1面1線の無人駅だが、金華駅廃止後は当駅始発/終着の普通列車が設定されている(金華信号場まで回送して折り返し)。

  • 留辺蘂
温根湯温泉の玄関口として栄え、全列車が停車。

  • 相内
「あいうち」ではなく「あいのない」と読む。カップルが行ったら破局する駅?

  • 東相内
この辺りから北見の市街地に入っていく。

  • 西北見
地元名産の玉ねぎを模したかのような独特の駅舎が特徴。

  • 北見
北見市の中心で全ての特急が停車。玉ねぎのシーズンになると貨物列車も発着する。
かつては北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(元々は国鉄地北線)が接続していた。

  • 柏陽
無人高架駅としては日本最北端かつ最東端に位置する駅(有人は旭川駅。)。

  • 愛し野
北海道北見商業高校やショッピングモールが近くにある。

  • 端野
特急は止まらないが、きたみ市商工会の物産センターが併設された割と立派な駅舎を持つ。
駅名の名の通り、北見の市街地の端のほうに位置する。

  • 緋牛内
近くにローソンあり。

  • 美幌
美幌町唯一の駅かつ特急停車駅。国鉄時代は相生線と接続していた。
その相生線の廃線により1番のりばがなくなった為、現在は2番のりばと3番のりばしかない。

  • 西女満別
牛山氏の全国秘境駅ランキング56位。普通列車が一部通過。
一応、女満別空港の最寄駅だが2kmほど離れている為、網走や北見からバスを使うのが一般的。

  • 女満別
大空町の代表駅で全列車停車。

  • 呼人
ここから網走市内。
網走湖の東側に位置し、周辺には温泉がある。

  • 網走
釧網本線乗り換え。
複数の鉄道線が乗り入れる乗換駅としては、日本最北端の駅。
国鉄時代には湧網線とも接続していたが、国鉄再建法により廃線となった。

◎かつてあった主な駅

  • 北日ノ出
北日ノ出と書かれた看板がついた掘っ立て小屋の待合室が特徴的な駅。当然無人駅。
普通列車が一部通過していた。
周辺には工業団地以外何にもないが、旭川どころか北海道有数の観光名所である旭山動物園の最寄駅だった。
しかし徒歩30分な上、そこへの公共交通機関や送迎バスもなく、アクセス駅としては機能していなかった。

  • 将軍山
普通列車が一部(ry。
待合室にはソファーや車からとってきたと思われるシートが置かれており、快適に列車を待てたかも。

  • 東雲
「しののめ」と見せかけて「とううん」と読む駅。

  • 奥白滝
かつての「白滝シリーズ」の先陣。
2001年に廃止となって信号場に格下げされた。
廃止されるまでは、ここから5連続で「白滝」の名の付く駅が続いていた。

  • 上白滝
「白滝シリーズ」の2駅目。
上川からこの駅まで1時間8分かかる。
一区間の所要時間としては、日本で最も長くかかる伝説の無人駅だった。
来る列車は 早朝(遠軽方面)夕方(旭川方面)の上下1本ずつのみで、日本一ダイヤが少ない駅でもあった
一度降りたら次の電車はなんと10時間後なので、隣の白滝駅には歩いて行った方が早い。
廃駅前は牛山氏の全国秘境駅ランキング28位だった。

  • 旧白滝
かつて日本で2駅しか存在しない「旧」がつく駅だった。廃駅前は牛山氏の全国秘境駅ランキング21位でもあった。
廃駅となる1年ほど前から、「ここで唯一の乗降客」として当時通学に使用していた高校生が全国的に有名となった。
なお、ダイヤはその高校生の登校と下校の時間のみ上下1本ずつ。そして唯一の利用者であったその高校生の卒業とともに廃駅となる。

  • 下白滝
廃駅前は牛山氏の全国秘境駅ランキング20位で石北本線中トップを誇っていた。
なんと秘境駅順位と駅順が一致する稀有な駅。それも日本トップであった…。
いかにこの路線及び北海道が秘境駅の宝庫がご理解いただけると思う。

  • 生野
牛山氏の全国秘境駅ランキング28位。普通列車が一部通過していた。

  • 金華
駅周辺でが出没する駅で、常紋トンネル工事殉職者追悼碑がある。


心霊スポットか秘境駅に興味がある人は追記・修正宜しくお願いします。

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最終更新:2024年12月14日 21:27
添付ファイル

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/kiha/kiha183.jpg 日時:2016/01/03