秘境駅

登録日:2012/02/29(水) 08:20:20
更新日:2025/02/01 Sat 12:06:11
所要時間:約 9 分で読めます




電車に乗り
都市から離れ
橋を渡り
トンネルを抜けると
そこには…
よく分らない駅があった…

概要

秘境駅とは周りに
  • 集落無し
  • 家無し
  • 道路無し
  • 住民無し
  • と言うか人影無し
  • それよりも列車が止まる気配無し
の様な状態の駅の事である。実は造語なのだが2001年辺りから一般的になる位定着している。
名付け親は牛山隆信氏。
彼が記した「秘境駅へ行こう!」のヒットにより一躍鉄オタを始め一般旅行者層にもその名が広まった。

「何で此処に駅があるの?」と思う駅があれば大体秘境駅で合ってる。
主に田舎の山奥・海岸沿いに秘境駅は多い。


【秘境駅に有るもの】

  • プラットホーム
  • 駅名標
  • 時刻表
……一応「駅」なので鉄道に関係ある物は大体ある。
だが駅舎や待合室があるとは限らない

待合室も国鉄時代末期に余った貨車を改造した待合室とか家庭用物置なんてこともある。

  • 自然
大体周りに何も無い。あっても道路に繋がる道か鉄道と関係ある物位。

意外に思われるかもしれないが、少なくともNTTドコモに関してはすべての駅のプラットホーム及び駅舎では
電波が拾えるので携帯電話で各種情報を得るのには困らない。
これは秘境駅の宝庫・飯田線や営業開始当時「猿しか乗らない」と国会で揶揄された山田線、北海道の各路線でも例外はない。*1


【秘境駅に無いもの】

  • 概要冒頭に挙げたもの
人も家も場所によっては道すら無い。何も無いから秘境。

  • 止まる列車
その駅に必ず各駅停車や普通列車が止まるとは限らない。降りる際は時刻表を前もって確認しておこう。
冗談でなく1日1本しか停車しない場合だって、ごく当たり前。

【何故秘境に?】

  • 仮の駅
  • 臨時の駅
鉄道が建設時代のまだ全線開通していない時に作った簡素な駅。場所が悪い所に設置されそのまま残ったタイプ。

  • 元々何かあった
林鉄が通ってた事があったり、工場や採掘場があって利用されていたが、閉鎖され利用する人が居なくなったタイプ。

  • 集落の消滅
元々集落があり、その集落の為の駅だったが過疎化により消滅。秘境になったタイプ。

  • 集落まで遠過ぎる
集落の場所へ鉄道の路線が通せず、近隣に駅が作れなかったタイプ。

  • 利用されてるけど珍し過ぎた
登山者や地元に利用されてるが立地が特殊過ぎたタイプ(利用はされてるが人数は限りなく少ない)。

  • 運行上の都合で作った
そもそも最初から人や貨物の乗降目的でなく、列車運行の都合のために作ったタイプ。
蒸気機関車の水の補給施設や列車交換設備、山間部の急斜面を列車が昇るのためのスイッチバック施設として設けられたものなど。


【地元以外誰が利用するの?】

  • 秘境駅愛好家
鉄道マニアグループの一つ。降り鉄や駅鉄の亜種。
撮り鉄や乗り鉄と違い規模は小さい。同じグループ内の廃鉄マニアや駅鉄も来る事もある。

秘境駅の近くにはが多くあるため探しにやって来る。
だが駅からだと時間に制限があるため多くは秘境駅からではなく秘境駅に近い道路から来る。

  • 観光客
テレビや雑誌で紹介される珍しい秘境駅なら観光客が来る事がある。
だが真の秘境駅は観光気分で来る所では無い



帰れなくなりますよ?

次は~
秘境駅~秘境駅~

主な秘境駅

秘境駅愛好家の聖地。多分「秘境駅」と聞いて最初に思い浮かぶ駅。キング・オブ・秘境駅
長大トンネルの間のほんの僅かな隙間にある駅で三面の険しい崖と海に囲まれている為、ほぼ列車以外で行く手段が無い。
元々は室蘭本線が単線時代に列車交換のための信号所として作られ、後に駅に昇格した。
実は一人の男性が住んでた事があった(故人)。
2016年に一度廃駅になりかけるが2019年現在も存続中。

牛山氏の全国秘境駅ランキング3位。
元々谷にあった集落の為の駅だがダムにより孤立。
駅側に残った数件の家の為の駅になった。
(徒歩数十分先の)崩壊した吊橋や廃道化した歩道、廃墟の様な待合室が特徴。
一応利用者います。
昔、皇太子様ご成婚時にプチブームになった事があり、今もその痕跡が残る。
秘境過ぎて道路の整備が追いついておらず、駅周辺への唯一の交通手段であり、郵便配達員も列車を利用していた。

昔は行川アイランド最寄駅で賑わっていたが、閉園後はただの「駅」を通り越した秘境駅に。何故か待合室が建てなおされた。
行川アイランド跡地は鹿の一種である「キョン(動物)」が出る為、とても危険。ただの駅には興味ない方の御用達の駅である
もはや逝川アイランド駅。
千葉県の出している乗降客数統計情報が「***」になっているため、2021年現在1日平均は1桁~0人と推測されている。
一応簡易改札機でSuicaには対応している。

牛山氏の全国秘境駅ランキング27位。
前後がダム湖に挟まれた絶壁上の駅。
実は橋の上を歩けるので何処にも行けない事は無い。
大井川鐵道井川線の駅はここに限らず大半がどれもかなりの秘境駅であるが、特に二つ先の尾盛駅は本当に何処にも行けず小幌駅とは一二を争う秘境駅。

牛山氏の全国秘境駅ランキング4位。1日の乗客平均2人、四国唯一のTOP10にして名実ともに四国を代表する秘境駅。
小幌駅同様三面の険しい崖と山に囲まれている為ほぼ列車以外で行く手段が無い。
ここの駅のスタンプが何者かによって持ち去られ、青森県で発見される事件が起きた。
詳しくは土讃線坪尻駅の項目及び津軽線の項目参照。

  • 糠南、雄信内、安牛、南幌延、上幌延(宗谷本線)
牛山氏の全国の秘境駅ランキング200位において約1割に当たる23駅の秘境駅を線内にもっていた秘境駅の宝庫、宗谷本線。
がその中でも特に凄いのがこの5駅連続秘境駅という秘境区間である。
因みに2020年度のランキングでは最初の糠南駅は9位と宗谷本線内トップを筆頭に52位、31位、43位、44位と全駅60位圏内にランクインしていた。
因みに宗谷本線はこれ以外にもの21位の豊清水(2021年に信号場に降格)、22位の北星(2021年廃駅)、23位の下沼など魅力的な秘境駅に溢れていた。
しかし、2016年にJR北海道が利用客1人以下の駅の廃駅を順次計画していると発表し、上記5駅の内、安牛と上幌延が2021年に廃駅となり、雄信内も2025年春での廃駅が内定するなどかつての秘境駅群は歴史の彼方に消えつつある。

芸備線木次線の分岐駅だが、恐らく日本で一番寂れている分岐駅。
やたら豪雨や豪雪で不通になる為、到達難易度はかなり高目。
最盛期は200名近くの駅員が勤務し大いに賑わっていたというのは有名な話で、今でも1日1度だけ、14時頃に3方向の列車が集う時間帯には乗り換えに訪れたマニアやそうした人々を相手にした観光協会のスタッフなどで賑やかになる。

牛山氏の全国秘境駅ランキング19位。
中国地方トップの秘境駅。やって来る列車一日3往復だけ、駅前に家が1軒、暫く歩くと漸く10軒あるぐらいの寂れた駅。
夏や冬に何も持たずにいくのは(駅寝をするのには)かなり自殺行為なので、十分な準備を行った上で行ってほしい。

伯備線内にありながら伯備線の全ての列車が停車しない
つまり伯備線に乗ったら永久に着かない駅であり、この駅に降りるには芸備線に乗車せねばならず、事実上の芸備線の駅と化している。
日本全国の鉄道で唯一自路線内には存在しない駅、即ち飛び地駅である。

牛山氏の全国秘境駅ランキング17位。
九州にある秘境駅の中で最も順位が高い。
日本で唯一、ループ線の中にスイッチバックを併せ持つ第一級の鉄道遺産駅でもある。
というか、蒸気機関車時代に信号所と給水所として誰もいない山の中に作られた為、誰もいないのは当たり前なのだが。

下り線ホームが地下70m先、トンネルの中にあると言うモグラ駅。上りは地上。
下り線ホームから駅舎への移動はひたすら階段を登ることになる。
停まる電車は少ないが、時期によっては谷川岳への登山客で賑わったりする。
最近地下ホームが改修された。

儲かりそうな縁起のいい名前をしているが、1日の平均利用者数0人の脅威の駅。
何故か自転車置き場がある。

断崖絶壁にある駅。
狭い山道のみがアクセス手段で、商店や民家は一切無い。

終点で特急も止まり、有人駅で駅舎も豪華だが降りる人はほぼ皆無でみんな高野山行きのケーブルカーに流れる。
豪華な駅舎と反比例するように入口はやたらショボく、そのことからもこの駅の状況がうかがえるだろう。
途中下車が可能だが、当然付近に商店などは無く、駅名の由来でもある極楽橋以外に見るべき所は無い。

  • 紀伊神谷駅(南海高野線)
終点の1つ手前。極楽橋に負けず劣らずの秘境っぷりで、駅前は森の中を突っ切る細い道路しかない。次の紀伊細川でも麓に集落があるのに。
この駅の恐ろしい所は、列車が1時間に1・2本ある上に、そのうち一部が快速急行なため都会の難波駅から乗り換えなしで行けるとこだろう。

ほくほく線自体、有人駅は少ない。そして、越後の山間部を貫く性質上、トンネルは多い。
この駅はそんな、特急はくたか号が高速で駆け抜けていた赤倉トンネルの中にある。
……故になんと、ここはホームに滞在できる時間が限られており、
普通列車が発着する時以外は立入禁止(発車後ある程度経つと、ほくほく線の指令室から注意アナウンスが入る)。
これは高速でトンネルに突っ込んで駆け抜けるはくたか号の影響でホームに台風レベルの風圧が発生し、吹っ飛ばされる危険性があったから
なお、待合室が改札付近にあり、頑丈な自動ドアで仕切られている。
しかし、2016年に何故かこの駅と隣のしんざ駅の間で人身事故が発生した…トンネルの中に何故人がいたのだろう?*2

近鉄屈指の秘境駅。
コンクリ打ちっ放しの駅舎が不気味。
ただし駅前に国道があるためちょっと雰囲気が削がれるか…
列車数が少ないため、快速急行が止まっていたがついに見捨てられた。

  • 霞ヶ丘駅(近鉄生駒鋼索線)
ケーブルカーの秘境駅。山中に敷設されることの多いケーブルカーにあっても、駅周辺には何かしら観光地や施設があるものだが、この駅は違う。
そもそも設置の経緯からして、隣の梅屋敷駅に停車する際に対向列車を停めるために造られたというもの。つまり梅屋敷駅のついでに設置された駅で、しかもケーブルカーの特性上駅の位置が決まってしまっていたため、秘境駅にならざるを得なかったという可哀想な駅。設備も最小限で、駅舎はおろかホームの屋根すら無い。
駅前を通っているのは未舗装の登山道で、踏切を渡って進むとハイキングコースに出る。なお反対側にも登山道が続いているが、崩落箇所があり危険。

○かつてあった秘境駅


  • 張碓駅(函館本線)
札幌小樽間を結ぶ札幌都市圏の通勤線のド真ん中の、海に面した断崖のそばに存在した秘境駅。
元々は鰊の積み出しや砕石の運搬用に開設された駅で、集落へのアクセスもほぼ無かったうえに鰊の不漁や採石場の廃止で通年乗降者が激減。
それでも1990年代までは張碓海水浴場の最寄り駅として夏季限定で営業していたが、海水浴場が遊泳禁止となった事から1998年より通年運休。
その後は止まる列車も無くなったが、たびたび秘境駅マニア共が私有地経由(もちろん無断侵入)でこの駅を訪れていた。
しかしもともと構内に跨線橋が無く乗降客は線路をまたいで渡るデンジャラス構造で、営業当時から事故が多発していたこの駅。
保安面の危険や前述の私有地の無断侵入問題から探訪者の存在を無視できなくなり、2006年3月に正式廃止。休止以降放置されていた駅舎も解体された。
現在は海側の防波堤に駅名を表記した黄色いペンキの跡が、唯一駅のあった痕跡として残っている。

上川~白滝間約40kmの間に唯一存在した駅。
来る列車は早朝(遠軽方面)夕方(旭川方面)の1本のみという素敵仕様。
列車だけで行くとなると超絶な難易度であった。
ちなみにちょっと前に携帯ゲームのCMで使われた。
上白滝駅→白滝駅→旧白滝駅→下白滝駅と、4駅「白滝」の名を冠した駅名が続くため4駅合わせて「白滝シリーズ」と言われた。
旧白滝駅と下白滝駅もかなりの秘境、というか三駅の駅前は上白滝が一番マシだったりする。
白滝駅は無人駅だがこのあたりでは栄えておりそこそこ便もいい。このあたりではだが
牛山氏の全国秘境駅ランキングでも下白滝、旧白滝が22位、23位と駅順と順位が連続する秘境駅としては日本トップだった…。
上白滝も僅差で26位につける(白滝駅はランク外)という秘境中の秘境区間であった。
しかし、2016年のダイヤ改正により白滝駅を除いて全て廃駅となった。
なお、以前は奥白滝駅が存在しており5駅連続だった。現在奥白滝、下白滝は信号場となっている。

かつて同名の遊園地「プレイピア白浜」の目の前の駅として1986年に鳴り物入りで営業開始したが、同園が90年代に入り寂れた影響で利用者が激減。
95年に全列車通過駅となり、事実上の休止状態として放置されていたが震災の翌年である2012年まで一応駅としては登録されていた。

田舎に存在した高架駅。高架と言っても地上20mの高さ。エレベーターは勿論無い。トイレは地上にあった。
三江線自体が2018年に廃線になるのに伴い廃駅になった。

  • 菊水山駅(神戸電鉄有馬線)
六甲山地の山中にあった駅。ハイキングや近くの下水処理場への通勤で使われていたが、周囲に人家はほとんど無かった。列車本数自体は多い区間だが、普通列車でさえほとんどが通過していた。
2005年に休止となり停車列車が無くなり、そのまま放置されていたが、13年後の2018年に廃止された。ただしベンチや駅名標が撤去された程度で、現在もプラットホームがほぼそのまま残っている。

  • 安牛駅、豊清水駅、北星駅、上幌延駅(宗谷本線)
上記参照。

Q.え?東京23区?
A.はい、東京23区です。江東区です。豊洲です。
大都会に残された近代秘境駅。築地移転で話題になった土地だが暗礁に乗り上げた為広大な空き地状態であった。
驚くべきことに利用者も年間の1日平均が20人弱(都内で一番少ない。青梅線もビックリ)という、ここ本当に東京23区か?という駅だった。
2018年10月に長年のスッタモンダの末やっと卸売市場の豊洲移転が完了した事で、秘境駅からは脱するという秘境駅史上、類稀なる運命を辿った駅。


前日の疲れからか私は居眠りをしてしまった。


あれ、降りるのはどこの駅だったか?




ふと気がつくと…そこは……



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最終更新:2025年02月01日 12:06

*1 都心の地下鉄などで一部電波状況が悪いところは存在するが不通エリアはない

*2 しんざ駅の六日町側は赤倉トンネルの坑口であり、トンネル自体も2つ隣の魚沼丘陵駅まで続く。