スイッチバック(鉄道)

登録日:2018/05/19 (土) 19:50:26
更新日:2025/03/27 Thu 17:12:01
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あ…ありのまま
今起こった事を話すぜ!

『前に進んでいたはずの列車が
いつのまにか後ろ向きに進んでいた』

な…何を言っているのかわからねーと思うが
おれも何が起きたのかわからなかった…



スイッチバックとは道路や鉄道の線路が険しい斜面を登る時にジグザグに敷かれた物。一般的には鉄道で使われることが多いが、道路でも使われることがある。

概要

スイッチバックは原則険しい山地を登っていくために建設されることが多いが、都市部や平地でも路線の成り立ちの関係で方向転換を必要とするスイッチバック駅が建設されることがある。

かつての主力だった蒸気機関車は勾配に弱く、山岳路線には必ずと言っていいほどスイッチバックを行う駅や信号場が設けられていた。しかしディーゼル車の普及や電化の進展により、勾配に強い車両が増えるとスイッチバックは急速に廃れていった。

☆形態

  • 通過不可能形
すべての列車が停車し、進行方向の転換を必要とするタイプ。イメージとしてはZの字状に勾配を登っていくもの。その駅に停車しない優等列車も停車する必要があるため、速達性や列車本数の設定の限界が小さい。
JR西日本木次線の出雲坂根駅やJR九州肥薩線の大畑駅・真幸駅、立山砂防工事専用軌道のスイッチバックもこれに当てはまる。

  • 通過可能形
勾配のある本線から線路を分岐させ、水平もしくは緩い勾配になった引込線の部分に駅を設置するタイプ。駅に用のない列車は本線をそのまま通過できるため、本数の多い路線では好まれた。
現在は勾配に強い電車・気動車の普及などにより、プラットホームを勾配上に移設することが可能になったため、残存例は少ない。
JR東日本篠ノ井線の姨捨駅・桑ノ原信号場、えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン二本木駅、JR四国土讃線坪尻駅・新改駅などが当てはまる。既に廃止されたものの、現在山形新幹線が通過している奥羽本線板谷峠にもスイッチバック駅があった。

  • 折返し形
単に列車が折り返すだけの構造。通過不可能形同様すべての列車が停車して折返し作業を行う必要がある。
箱根登山鉄道線の出山信号場・大平台駅・上大平台信号場、西武池袋線飯能駅などが当てはまる。
支線と本線の分岐駅の構造上、進行方向の転換を伴う駅もこれに当てはまる。

  • 終着駅形
スイッチバックの形態でもかなりレアなタイプで、路線の終着駅に到著する前に一旦折り返し線に突っ込み、そこからバックして駅に入るというもの。
現存するのは貨物専用鉄道の岩手開発鉄道岩手石橋駅だけ。
2006年8月までは、長野電鉄長野線湯田中駅もこの構造だった*1

  • 道路のスイッチバック
要するにU字型に折り返して山を登る道路である。小回りがきかない車はリバースギアに入れて坂を上り下りする。

☆主なスイッチバック駅

駅名 出雲坂根
所属路線 木次線
形態 通過不可能形
島根県仁多郡奥出雲町にあるスイッチバック駅。八川駅から上り勾配を登ってきた列車は出雲坂根駅に停車。ここで一度向きを変え、折り返し線に向かって進行。折り返し線でもう一度向きを変えて三井野原駅に向かう。
トロッコ列車奥出雲おろち号はディーゼル機関車が客車を引っ張る形態だが、このスイッチバックでは機関車の連結位置を変えることが出来ないため、客車に運転台を設置して機関車を遠隔で運転できるようにしてある。

駅名 立野
所属路線 豊肥本線
形態 通過不可能形
熊本県阿蘇郡南阿蘇村にあるスイッチバック駅。瀬田駅から勾配を登ってきた列車は駅に停車。ここで一度向きを変え、折返し線に向かって進行。折り返し線でもう一度向きを変えて赤水駅に向かう。
以前運行されていたSLあそBOYは、スイッチバック区間では機関車が客車を推して走る推進運転を行っていた。
第三セクターの南阿蘇鉄道は豊肥本線の延長線上に伸びており、瀬田方向から南阿蘇鉄道に直通する列車はスイッチバックなしに進行できる。

駅名 大畑
所属路線 肥薩線
形態 通過不可能形
読みは「おこば」。地味に難読駅名。
かつての鹿児島本線の成れの果て。人吉駅から勾配を登ってきた列車は駅に停車。ここで一度向きを変え、折返し線に向かって進行。折り返し線でもう一度向きを変えて真幸駅に向かった。大畑-真幸間は斜面に沿って円を描くように線路を敷くループ線で標高を稼いでおり、日本で唯一ループ線とスイッチバックを併せ持った駅となっている。
鹿児島本線だった頃は重量貨物列車も多数この駅を通過しており、D51の場合だと人吉から大畑までの間に石炭を1トン、水は1分間に250リッターを消費した。この場所に駅が作られたのは,
蒸気機関車の補給ポイントとしての役割を持たせたためだった。
隣の真幸駅もスイッチバック駅で、大畑駅と同じ通過不可能形。

駅名 姨捨
所属路線 篠ノ井線
形態 通過形
長野県千曲市にあるスイッチバック駅。
勾配上にある篠ノ井線の本線から引き込み線が分岐しており、停車列車は下り列車は駅へ直接進入して客扱い。客扱い後向きを反転して折返し線に入り、ここで向きを変えて再び本線に戻る。上り列車はこの逆。通過列車(主に名古屋からのJR東海・特急ワイドビューしなの)は駅のある引込線に入らず、そのまま本線を通過していく。
この駅のホームからの眺めは、肥薩線矢岳駅と並んで日本三大車窓の一つに数えられるほどの美しい眺め*2であり、日本夜景遺産にも選ばれている。
クルーズ列車トランスイート四季島もこの駅に立ち寄る。

駅名 初狩
所属路線 中央本線
形態 通過形
旅客列車はスイッチバックを行わない駅。
かつては上の姨捨駅同様、本線から分岐した引き込み線にホームを設置してここで客扱いを行っていたが、現在旅客列車は本線上に設置されたホームで客扱いを行う。
旅客列車はスイッチバックを行わないのに今も設備が残されているのは、この駅に今も貨物列車が発着するから。貨物列車と言ってもJR東日本の保守用資材輸送列車で、編成両数も短いことから広い構内は持て余し気味となっている。

駅名 坪尻・新改
所属路線 土讃線
形態 通過形
どちらも四国山地の勾配途中にある駅。
姨捨駅同様、本線から分岐した引き込み線にあるホームで客扱いを行うが、両駅共にホームが1面1線しかないため、普通列車同士の行き違いの場合は片方の列車が通過となる。
坪尻駅はホームが本線に沿っている構造で、停車列車の横を高速で通過列車が駆け抜けていく。
対して新改駅はホームが本線から離れたところにあるため、通過列車からホームが見づらい。

駅名 鐘釣
所属路線 黒部峡谷鉄道線
形態 通過形
元々猫の額ほどしか無い狭い平地に無理矢理駅を作ったため、列車の編成両数が伸びるに連れてホームが足りなくなってしまい、衝突防止用の安全側線にまでホームを伸ばした。
結果、停車時には安全側線へ突っ込んで停車。客扱い終了後、一旦バックしてポイントを本線側に切り替えて発車するというスイッチバックが生まれた。
トロッコ列車の編成両数が長い時にスイッチバックを行う。

駅名 遠軽
所属路線 石北本線
形態 折返し形
平地に設けられたスイッチバック駅。すべての列車がこの駅で停車し、折返しを行う。
かつては名寄本線が延びており、石北本線からの列車はスイッチバック無しで運行できた。

駅名 十和田南
所属路線 花輪線
形態 折返し形
遠軽駅同様、平地に設けられたスイッチバック駅。計画では小坂まで路線を伸ばす予定であり、そのために花輪線がスイッチバック構造となった。

駅名 大曲
所属路線 秋田新幹線
形態 折返し形
田沢湖線が秋田方向に向かって分岐するため、秋田新幹線の列車はスイッチバックを行う。この関係上、秋田駅を発車する時点で座席は逆向きにセットされる。
電車でGO!シリーズでこの駅の車止めに列車を激突させた人は多いだろう。
何気に新幹線で唯一、定期列車がスイッチバックする駅でもある*3

駅名
所属路線 東武野田線
形態 折返し形
大宮方面と船橋方面を直通する列車は、この駅でスイッチバックを行う。

駅名 飯能
所属路線 西武池袋線
形態 折返し形
池袋方面と吾野・西武秩父方面を直通する列車(主に特急ちちぶ)がスイッチバックする。
かつて運行されていた貨物列車もこの駅でスイッチバックしており、機関車の付替えの手間をなくすために連絡線を設ける計画が立てられたが、貨物列車の廃止で計画は事実上宙ぶらりんになっている。

駅名 藤沢
所属路線 小田急江ノ島線
形態 折返し形
新宿・相模大野方面と片瀬江ノ島方面を直通する列車がスイッチバックする。
建設当時は用地買収の手間が少ない西側ルートを通す予定だったが、そのルートのまま江ノ島方面へ延伸すると江ノ電と並行することになるため、それを避けるためにスイッチバックとなった。

駅名 出山(信)・大平台・上大平台(信)
所属路線 箱根登山鉄道線
形態 折返し形
この3箇所のスイッチバック停車場は山中に設けられている。登山電車の勾配は通常の鉄道の限界に近い勾配で敷設されているため、標高を稼ぐためにスイッチバックが設けられた。
ここを通過する時は3回進行方向が反転するため、事前知識なしで乗っていると混乱することも。

駅名 富士山
所属路線 富士急行大月線・河口湖線
形態 折返し形
元々は大月線の終点駅である富士吉田駅として開業し、河口湖線開業と同時にスイッチバック構造となった。
これは富士急行の前身である都留馬車鉄道が、御殿場方面へ線路が伸びていた名残である。
現在は全列車がスイッチバックを行って、両路線の直通運転を行っている。

駅名 一畑口
所属路線 一畑電車北松江線
形態 折返し形
電鉄出雲市方面と松江しんじ湖温泉方面が分岐し、全列車が停車し折返しを行う。
かつては分岐しない反対側は一畑駅へと繋がっていたが、廃止となったため現在の形態になった。

路線名 ダージリン・ヒマラヤ鉄道
所在国 インド
インドのダージリン地方を走る登山鉄道。
建設されたのはイギリスの植民地だった1879年で、建設にかかる期間を短くするためにトンネルを一切掘らず、6箇所のスイッチバック、ループ線を併用して乗り切った。
鉄道ファンからはトイ・トレインと呼ばれる。
これと似たような環境の路線が日本にもあった。草軽電気鉄道である。

かつて存在したスイッチバック

駅名 北宇智
所属路線 和歌山線
形態 通過形
廃止年月 2007年3月
20パーミルの勾配の中にある駅。昔は蒸気機関車が主流だったため、平地を設けてそこに引き込み線を設置していた。蒸気機関車引退後電車が主流になってもしばらくそのままだったが、ATS切り替え忘れ事故が多発したためスイッチバックが廃止。待避も廃されて1面1線の棒線駅になった。


☆一部の列車がスイッチバックする駅

駅名 京急蒲田
対象列車 横浜方面と羽田空港直通列車
空港線京急線の横浜方向に向かって分岐するため。
快特と普通は朝と夜の数本のみで、ほとんどが急行。特急は空港線直通の全列車が対象。
かつては駅の構内配線の関係で、横浜方面と羽田空港を結ぶ列車は本線上で折り返していた。

駅名 小牛田
対象路線 石巻線・陸羽東線普通の一部列車
石巻線陸羽東線どちらも東北本線盛岡方向に向かって分岐するため。
2024年4月現在では朝の石巻発古川行き1本のみだが、過去には陸羽東線から石巻線女川駅まで直通する列車も多数あった。
なお、配線の関係で東北本線の線路との平面交差が生じる。

駅名 会津若松
対象路線 磐越西線快速・普通(どちらも一部列車)
磐越西線が郡山方向と新津方向に向かって分岐するため。
朝と夜の時間帯に、郡山~喜多方間を直通する一部の快速と普通がスイッチバックを行う。
なお、どちらの方面からも只見線へは直進できる構造となっている。

駅名 沼津
対象列車 東海道線・御殿場線普通の一部列車
御殿場線東海道線の熱海方向に向かって分岐するため。
朝夕時間帯の御殿場発普通三島行、夜に1本だけある三島発普通御殿場行がスイッチバックを行う。

駅名 富士
対象列車 特急「ふじかわ」
身延線東海道本線の静岡方向に向かって分岐するため。
かつて身延線は東京方向に向かって分岐していたが、富士宮にある日蓮正宗大石寺へ参詣する某宗教団体の団体列車が東京方面から多数設定されるようになり、団体列車のスイッチバックを無くすために路線を付け替えた結果、静岡からの直通列車がスイッチバックするようになった。
東海道線内は所要時間が短いため、静岡発車時点で座席の向きが身延線内で前を向くようにセットされている。

駅名 岐阜
対象列車 名古屋発着の特急「ひだ」
高山線が東海道線の名古屋方向に向かって分岐するため。
名古屋発着の特急「ひだは、この駅で全列車がスイッチバックする。更に5・16号は大阪発着の25・36号と分割・併合作業も行う。
ふじかわ同様、東海道線内の所要時間が短いため、名古屋発車時点で座席の向きが高山線内で前を向くようにセットされている。

駅名 米原
対象列車 特急「しらさぎ」
北陸線が東海道線の名古屋方向に向かって分岐するため。
名古屋発車時点で座席の向きは東海道線内でも前を向くようにセットされているため、米原到着前には座席の回転を呼びかけるアナウンスが流れる。

駅名 綾部
対象列車 特急「まいづる」
舞鶴線嵯峨野山陰線の京都方向に向かって分岐するため。一部列車は特急「きのさき」「はしだて」との分割・併合作業も行う。
綾部と東舞鶴の間は所要時間も短いため、東舞鶴発列車は座席が逆向きにセットされている。

駅名 宮津
対象列車 特急「はしだて」・「たんごリレー」
京都丹後鉄道宮福線と宮豊線が福知山・豊岡方向に向かって分岐するため。
かつては特急「タンゴエクスプローラー」、「タンゴディスカバリ―」、「文殊」も同駅でスイッチバックを行っていた。
この他、宮福線と宮津線(現宮豊線)宮津~天橋立間電化前は、西舞鶴駅や豊岡駅でもスイッチバックを行う列車が多数あった*4

駅名 JR高田
対象列車 桜井方面発着の普通和歌山行
万葉まほろば線和歌山線の和歌山方向に向かって分岐するため。

駅名 姫路
対象列車 特急「はまかぜ」
播但線山陽本線の大阪方向に向かって分岐するため。

駅名 上郡
対象列車 特急「スーパーいなば」
智頭急行線山陽線の岡山方向に向かって分岐するため。
なお、スーパーいなばが走る岡山~鳥取間はスイッチバックのない津山線因美線経由の方が距離は短いが、最高速度と線形の関係で山陽本線・智頭急行線経由の現ルートの方が所要時間がかなり短い。

駅名 小倉
対象列車 特急「ソニック」・「にちりんシーガイア」
日豊線鹿児島線の博多方向に向かって分岐するため。
鹿児島線内での所要時間もそこそこ長いため、小倉到着前には座席の回転を呼びかけるアナウンスが流れる。

駅名 早岐
対象列車 特急「みどり」全列車・佐世保線普通の一部列車
佐世保線が肥前山口方向と佐世保方向に向かって分岐するため。
これは元々、肥前山口~早岐間と大村線全区間が長崎本線の一部で、早岐~佐世保間だけが佐世保線という名称の支線扱いだったためである。
長崎線の現ルート開通と同時に、肥前山口~早岐間も佐世保線に編入された。
特急「みどり」はスイッチバックだけでなく、特急「ハウステンボス」との分割・併合作業も行う。

駅名 春日部
対象列車 特急「アーバンパークライナー」3号
特急「アーバンパークライナー」のうち、浅草駅から野田市駅に向かう列車が春日部駅でスイッチバックを行う。
なお、対象列車は大宮行も連結しており、春日部駅では編成の分割作業も行う*5

駅名 下今市
対象列車 快速AIZUマウントエクスプレス・普通(どちらも一部列車)
東武鬼怒川線日光線の東武日光方向に分岐するため。
快速「AIZUマウントエクスプレス」は東武だけでなく野岩鉄道会津鬼怒川線会津鉄道会津線JR東日本只見線磐越西線(一部列車)と、最大4社6路線を走行する列車でもある。

駅名 犬山
対象列車 ミュースカイ含む平日朝の一部上り列車
広見線(新可児方面)が犬山線の名古屋方向に分岐するため。
2024年までは主に中部国際空港~新可児間の準急が終日にわたって運転されていたほか、2021年までは下りのミュースカイも夕間帯に設定があった。

駅名 近鉄奈良
対象列車 特急あをによしの大阪難波発着列車
京都線京都駅と奈良線大阪難波駅を、近鉄奈良駅を経由して結ぶ特急として2022年4月より営業運転を開始。
このうち上下各1~は、路線の合流駅である大和西大寺ではなく路線の終点の近鉄奈良駅でスイッチバックを行う。
なお、大和西大寺〜近鉄奈良間は重複区間となるが、大阪難波⇄近鉄奈良の区間を走行中は通過し、京都⇄近鉄奈良の区間は停車するという変則的な停車パターンを持つ。

駅名 川西能勢口
対象列車 特急日生エクスプレス
能勢電鉄妙見線が阪急電鉄宝塚本線の梅田方向に分岐するため。
2社の路線をスイッチバックで跨ぐという珍しい駅。

駅名 十三
対象列車 高速神戸発または宝塚発の臨時特急嵐山行
阪急神戸本線・京都本線が梅田方向に向かって分岐するため。
十三駅に停車した後神宝線間にある引き上げ線を利用してスイッチバックし、再び十三駅に停車し客扱いを行うため十三駅には二度停車している。
このルートは過去には大阪万博のための臨時列車なども利用しているが、宝塚発着の列車は全て今津線・神戸本線を経由するため宝塚本線からスイッチバックのために引き上げ線に入ることはない。

駅名 川跡
対象列車 電鉄出雲市発普通出雲大社前行
一畑電車大社線が北松江線電鉄出雲市方向に分岐するため。
電鉄出雲市発の下り2本のみ川跡駅でスイッチバックを行う。
なお、北松江線松江しんじ湖温泉方面と大社線を直通する列車は直進できるため、スイッチバックを行わない。


かつて存在したスイッチバック

駅名 札幌
対象列車 L特急「スーパーカムイ」/快速エアポート
廃止年月 2016年3月
函館線の札幌と旭川を結ぶ特急「スーパーカムイ」のうち、札幌駅でスイッチバックを行い千歳線に乗り入れ快速エアポートとして新千歳空港駅へ乗り入れていた。
だが、ただでさえ混む快速エアポートに特急型車両、しかも1両少ない5両編成かつ2ドアだったため、混雑が凄まじいことになっていた。
ちなみに札幌~白石間は重複区間となるが、白石駅と間にある苗穂駅には停車をしない。
なお、旭川と新千歳空港を直接結ぶ特急はライラック*6が最初で、2002年に札幌~旭川間のみを走っていた特急スーパーホワイトアローと入れ替わり、2007年10月に789系1000番台導入に合わせてスーパーカムイに変更となった。

駅名 青森
対象列車 特急「スーパー白鳥」・「白鳥」
廃止年月 2016年3月
東北新幹線盛岡~八戸間延伸開業時から北海道新幹線開業前まで、津軽海峡線直通列車(東北新幹線全線開業後は全列車)が青森駅でスイッチバックを行っていた。
前身である特急「はつかり」の一部列車や、北海道と本州を結ぶ寝台特急*7も同様の運用となっていた。

駅名 高幡不動
対象列車 新宿発急行多摩動物公園行
廃止年月 2021年3月
京王線から動物園線への直通列車が該当。
過去には特定月の休日を「シーズンダイヤ」と称して新宿発急行高尾山口・多摩動物公園行(その逆を含む。高幡不動駅で増解結を行う。)を運行していた。

駅名 新可児
対象列車 急行御嵩行(犬山から普通)
廃止年月 2018年3月
2008年6月まで。のりかえ改札設置により消滅。
犬山と新可児の2駅でスイッチバックをしていた。つまり、始発駅出発時点と御嵩到着時点で列車の向きは同じであった。

駅名 伊勢中川
対象列車 名張発急行近鉄名古屋行
廃止年月 2018年3月
名古屋線大阪線大阪上本町と同方向に向かうため。
名古屋と大阪を結ぶ名阪特急は短絡線を通るため、伊勢中川は経由しない。
該当列車は早朝の一本のみであった。
また逆に、伊勢中川で行き先と運番を変更して大阪線へ直通する急行伊勢中川行が2020年3月まで存在していた。

駅名 宇多津・高松
対象列車 特急「うずしお」
廃止年月 2025年3月
宇多津駅では瀬戸大橋線予讃線の高松方向に向かって分岐、高松駅では高徳線予讃線の宇多津方向に向かって分岐するため。
岡山発着のうずしおは宇多津と高松で2回方向転換し、更に宇多津では高知方面からの特急「南風」との分割・併合作業も行うという、非常に珍しい運行形態を取っていた。
2025年3月15日のダイヤ改正により岡山発着のうずしおが無くなったため、スイッチバックと併結は過去のものに。

なお、高松発着の快速マリンライナーおよびサンライズ瀬戸は宇多津駅には停車せず、駅の手前にある連絡線を通過するため、スイッチバックしない。

☆時刻表上は直通列車がないけどスイッチバック構造になっている駅

  • 知立
碧南と豊田市・猿投を結ぶ三河線が、この駅でスイッチバックする構造になっている。時刻表上は直通列車はないものとされているが、猿投から来た列車が折り返し碧南行になることやその逆になる事が多い。名鉄では広見線の新可児駅もスイッチバック構造となっているが、同じように時刻表上直通する列車はない。
  • 塩尻
かつてはJR貨物の塩尻機関区のあるあたりが塩尻駅であり、東京から名古屋まで中央本線を走破する列車、東京と松本を結ぶ列車はスルー運転が可能だった。しかし、時代の流れで名古屋と松本を往来する列車が増えると塩尻でスイッチバックが必要となり、現在の位置に移転。同時に中央本線を走破する列車はこの駅でスイッチバックする形態となった。現在はスイッチバックを行う定期列車はなく、臨時列車のみとなっている。
なお、貨物列車については塩尻駅を経由しないでスルーできる連絡線を通るため、スイッチバックしない。
  • 大垣
三重県から岐阜県を直接結ぶ養老鉄道養老線が、この駅でスイッチバックする構造になっている。
  • 伊万里
有田駅と佐世保駅を結ぶ松浦鉄道西九州線が、この駅でスイッチバックする構造になっている。
現在は直通運転を行っておらず、運転系統も有田~伊万里間と伊万里~佐世保間で分離されている。
ちなみに松浦鉄道は元国鉄→JR九州松浦線で、かつては同駅で接続する筑肥線との直通運転も行っていた。
しかし、2002年3月に新駅舎が完成したと同時に駅舎が別々になり、両路線の線路は分断されてしまった。


追記・修正はスイッチバックして逆向きに走りながらお願いします。

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最終更新:2025年03月27日 17:12

*1 ただしスイッチバックを必要としたのは3両編成の列車だけだった

*2 三大車窓と言いながら、ここでは矢岳・姨捨の2箇所しか記載していないのは、三大車窓に数えられた根室本線狩勝峠の区間が経路変更により廃止になっているから。

*3 臨時列車を含めると、東北・上越新幹線を直通する列車が大宮駅でスイッチバックを行う。

*4 中でも特急「あさしお」の一部は綾部、西舞鶴、豊岡で合計3回スイッチバックを行っていた。

*5 大宮方面は直進できるため、スイッチバックを行わない。

*6 当時は781系4両編成。

*7 「北斗星」・「カシオペア」・「トワイライトエクスプレス」の全列車、「日本海」の一部列車。