クローバーフィールド/HAKAISHA

登録日:2012/09/06(木) 01:06:50
更新日:2024/11/06 Wed 01:07:33
所要時間:約 5 分で読めます






その時、何が起こったのか?







「クローバーフィールド事件」に関する調査ファイル

この記事は2008年5月22日にアメリカ合衆国にて発生した「クローバーフィールド事件」の記録映像『#USGX-8810-B467』に関する報告である。

この映像はかつて『セントラルパークN.Y.』と呼ばれた場所U-447地区にて発見されたハンディカメラに収められていた。
映像の内容から推察して、いち市民の持ち物と思われる。
撮影時間は午後6時43分から午前6時42分、そのうちの85分間。

映像の修復は容易く、複数の目撃情報の中でもきわめて有力な情報源として重宝されている。




≪映像内容≫

カメラの持ち主らしき青年・ロブとその恋人・ベスの幸せな一時の後、5月22日の映像となった。
ロブの兄・ジェイソンが弟のロブのために送別会を開くらしく、そのビデオレターと送別会の様子を撮影しているらしい。
主役・ロブの登場により賑わいを見せるパーティー会場。
やがて仲が険悪になったらしいベスとの痴話喧嘩の様子が映され、
パーティーも宴もたけなわになった頃、突然の地震とニューヨーク市街の爆発により一転、パニックになる。
ロブらが通りに出ると、彼らの目の前には自由の女神の首が放り投げられ、
全ての原因である「あれ」が目の前でビルを崩す様がカメラに映し出されていた…。




≪事件関係者≫

○ロブ・ホーキンス
カメラの所有者。
海洋開発企業『タグルアト社』に務めており、日本本社に副社長として栄転することになっていた。
恋人・ベスとの関係は既に冷え切っており、挨拶もないまま別れるつもりだったが、
「あれ」の襲来により彼女を助けようと行動を起こす。

○ベス・マッキンタイア
ロブの恋人。ミッドタウンの高層ビルに住んでいる。
数か月前の喧嘩以来、ロブとの関係は悪化し、現在は新しい恋人を作っていた。
しかし、事件に巻き込まれ自宅で建物の崩壊により身動きが取れなくなってしまう。

○ハッド
ロブの友人の一人。
ジェイソンの頼みで送別会の撮影を担当し、その後の事件でも身の回りの様子をありのままに撮影し続けた。
リアルな、かつ貴重な記録映像を残せたのは彼の貢献の賜物と言えよう。

○ジェイソン・ホーキンス
ロブの兄。
弟のことを大事に思っており、面倒見がいい。

○リリー
ジェイソンの恋人の黒人女性。
ロブのことを実の弟のように思っているしっかり者。

○マリーナ
リリーの親友で、ハッドの想い人。
送別会にはリリーに誘われて来ただけで乗り気ではなく、ベスを助けに行ったのも巻き添えを食らってのもの。
地下鉄で小型生物に襲われ、凄惨な末路を迎える。





≪怪獣≫

名称不明。映像内の関係者は「あれ」と呼ぶ。
事件後は「クローバー」、「HAKAISHA」などといった俗称が付けられている。
より浮上してきたと思われ、旧ニューヨークを壊滅に追い込んだ。
体長は推定100m以上で、高層ビルを倒壊させるだけの力は優に持つ。
戦車や戦闘機といった通常の現代兵器は通用しない。
白みのかかった灰色の体表に細長い手足、黒目のみの丸い眼孔に巨大な牙の生えた口を持つ。
頭部には気袋のような器官があり、両生類と爬虫類、哺乳類の合いの子のような外見。
人間を喰う描写があり、肉食と思われる。

◯寄生生物
怪獣の背中にくっついていたと思しき蜘蛛に似た小型生物。
非情に獰猛で、怪獣から剥がれ落ちると人間を襲う。
これに噛まれた人間は数時間が経つと顔から出血を発し、体内で爆発が起こり死亡する。
怪獣との共生関係は不明。




≪事件の鍵≫

○タグルアト社
戦後急発展を遂げてきた日本の海洋開発企業。
主に石油採掘を行っているが、宇宙開発に重工業、果てには飲食サービスにも手を伸ばしている。
2007年12月27日に北大西洋の石油掘削基地が謎の爆発事故を起こし、不信感を集める。
CEOは吉田ガヌ氏。


○SLUSHO!
タグルアト社が立ち上げた清涼飲料水ブランド。
自社の特製食材「海底の蜜」を使っている。
J.J.エイブラムス制作のドラマにも登場している。

○ティド・ウェーブ
環境保護圧力団体。タグルアトに反発し、反対工作を行っている。
石油掘削基地爆破もこの団体によるものだと、タグルアトは主張している。






この映像に関する情報は以上である。
しかし、本映像資料をはじめとして複数の資料をもってしても「クローバーフィールド事件」の真相を掴むにはあまりに謎が多い。
何が起こったのかを知るのは政府関係者のごくわずかである。
引き続き調査が求められるが、現時点での資料は乏しく、新たな手掛かりが必要となる。
この記事を見た皆様も、是非真相を探求してほしい。



「クローバーフィールド事件」に関する新情報を知る方、追記・修正お願いします。













   *   *
 *   + うそです
   n ∧_∧ n
 + (ヨ(*´∀`)E)
   Y   Y *



……という設定の上で製作されたハリウッドの怪獣映画。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のように市民が持つ手持ちカメラの映像から撮影され、
「市民の視点から怪獣による街の破壊を見るとどうなるか」ということをコンセプトに製作された。
監督はマット・リーヴス、製作は後にSWのシークエルに携わるJ.J.エイブラムス。

『ブレア』や『ノロイ』と同じ手法(いわゆるモキュメンタリー)で撮られた本作だが、あくまでジャンルは怪獣映画。
「ニューヨークが未知の巨大生物に襲われたって!?」「これは本当にあったことに違いない!」などと信じてしまう天然な観客は皆無だろう。
そこで本作が採用したのは、意味深なガジェットを用いた巧みな宣伝戦略とリアリティの向上。
話題性を得るためにネット上にバラ撒かれた偽の企業HPやニュース映像は多くのネット住民の関心を引き付け、このWikiに生息しているような考察大好きヲタ達を虜にした。

終始一般市民の視点という斬新な撮影方法に加え、「911」を彷彿させる*1リアル寄りの作風、一般的には失敗作の烙印を押された『ハリウッド版ゴジラ』の反動もあって、日米の怪獣映画ファンから高い評価を得た。
本作の登場が『パシフィック・リム』や新ハリウッド版『ゴジラ』の後押しとなったとも言われている。

また、本作は日本の『ゴジラ』にインスパイアされており、
等、ゴジラシリーズへのオマージュと受け取れる要素が散見される。
さらにいえば劇中で怪獣に破壊されたブルックリン橋は、あのエメゴジが倒された場所でもある。

公開当時にはコミカライズとして『クローバーフィールド/KISHIN』が発表されていた。
こちらは日本が舞台で怪獣のバックグラウンドに独自の解釈が当てられたオリジナル漫画である。

続編として2016年に『10クローバーフィールド・レーン』、2018年にNetflixオリジナル作品『クローバーフィールド・パラドックス』が公開された。
しかし、これらの作品では「クローバーフィールド」という言葉にそれぞれ異なる意味を持っており、一見関連性はほとんどない。しかし、「モンスターが登場する」「タグルアト社が絡んでいる」ことは共通しており、総じて『クローバーフィールド・ユニバース』としてシリーズ化が計画されている。
(実はプロデューサーのJ.J.エイブラムスが全く異なる映画企画に『クローバーフィールド』のタイトル名を冠しただけという説もある。)




追記・修正お願いしま……





DOCUMENT #USGX-8810-B467
DIGITAL SD CARD
MULTIPLE SIGHTINGS OF CASE DESIGNATE
“CLOVERFIELD”

ARTICLE RETRIEVE AT INCIDENT SITE “AT WIKI”
AREA FORMERLY KNOWN AS “ANIWOTA WIKI ”




















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It's still alive.



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  • 2008年
最終更新:2024年11月06日 01:07

*1 ただしエイブラムス氏曰く「ニューヨークが舞台だからどうしても同時多発テロを連想してしまうけれど、あの事件は今作のテーマとは関係がない」とのこと。

*2 作曲者マイケル・ジアッチーノ氏もゴジラの大ファンとのこと。