ある日から、ペットであるイヌやネコが不審な死を遂げるようになる。
これは新種の感染症とされ、人類は犬猫達を救おうと奮闘するが惨敗、地球上から犬猫は完全消滅した――。
やがてウイルスは突然変異を起こし、ヒトへの感染をはじめた。
感染者は獣化(女性はネコミミ、男性はイヌミミ)が始まり、理性が消失、死を迎える。
人間はそれを【人種的独自性及び才知覚消失症候群】『DOTES(Deaden of Originalty and Talent for Earthling Syndrome)』と呼んだ。
このDOTESのワクチン研究をしていたウイルス研究者ノーマ・クレイン、アリス・クレイン、浅生博士(ウミ&ナミの父)、
伊勢谷優作(ジャック)らは被験者の脳を移植し培養すればワクチンを精製できるという事実を突き止めた。
しかし、こうしている間にも、彼女らには死の足音が迫っていた……。
あらすじで『イヌミミとネコミミが当たり前に存在する世界』と書いていながら、トゥルーではその矛盾にメスを入れるという異端な行為に出る。
このルートでは、平和だった世界観が崩れ去り、救いようのない現実がプレイヤーに突き付けられるのだ。
- ウミ→DOTES最終段階の暴走症状に陥り、フェイを殺そうとするが、駆け付けたノーマの葛藤の末にハンティングライフルで射殺。母の幻覚を見ながら逝った。
- ナミ→比較的症状が軽かったため、アリスにより隔離施設に搬送。後に、このゲーム唯一の生存者となった。
- フェイ→DOTES用抗体適応者だったため、抗体摘出(=死)に志願。ジャックに「ありがとう」という言葉を残し、手術後に死亡した。
- ノーマ→ジャック達にDOTESと世界の真実を語った後、この時のために製作していた"クスリ"を託し、逝去。
- 優作(ジャック)→ノーマの"クスリ"を服用したことで、自身が「伊勢谷優作」本人である記憶を完全に思い出す。
そして、フェイ同様に適応者だったため、被験者に志願。アリスに希望を託し死亡。
- アリス→エンディングで全員の希望と死を胸に、必ずDOTESを殲滅させると誓う。
しかし、アフターストーリーである「WHAT A WONDERFUL WORLD」にて、
アリス達の研究成果と、適応者である優作の子を孕んだことで症状の改善が見られたナミを奪い治療法を独占しようとする国際保健機関から追われる身となる。
逃避行の中で襲撃からナミをかばい、崖から転落。
半死半生の状態のまま機関員を返り討ちにするが、ついに力尽きる。
そして、ナミが連れて行かれそうになった時、奇跡は起きた。
機関員達を無数のDOTESによって獣化した感染者達が襲ったのだ。
そして、患者達はナミとアリスにも近づいた。
アリスはナミを守れなかった事に絶望しかけた。
しかし、彼らはまるで子を護るメスの群れの様にナミを守っていた。
アリスはナミを救ってくれた神に感謝しながらそっと息を引き取る。
最後はナミのことを見守りつつ、天国から来たノーマ、フェイ、優作に手を取られ逝った。
「キミは最後に涙を流したね?」
「うん……」
「キミはこの世界を美しいと思ってくれた。いとおしいと思ってくれた――」
「ならば……迷うことはないんだ」
「それは……優作が守りたいと言った世界だから」
『ありがとう』
優作はそう言ってわたしを大きく抱きしめた。
「ううん……」
それだけで光が満ちた。
ここはなんてすばらしい世界だろう。