ツバル

登録日:2010/10/09(土) 01:42:11
更新日:2025/07/19 Sat 05:39:56
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皆さんは、『日本沈没』という映画をご存知だろうか。
SMAPの草彅剛(あるいは藤岡弘、)が主演したこの映画(村野武範や小栗旬のドラマ、悪名高いアニメ版もあるけどね)はあくまでSF。
現実には日本が沈没する事はありえない。




が。




実は現在進行形で沈没している国が有るのだ。
それが本項で紹介する国・ツバルである。

○概要と沈下について


面積僅か26㎢、人口は何と9800人。1978年にイギリスから独立したものの、大きなトラブルも無く平和な国であった。
しかし2000年頃から、この国はとある問題に悩まされる。




島が次々に沈んで行ったのだ。




島と言っても元々は珊瑚礁、海岸から侵食されて行くのではなく地面の中から水が染み出して来る。
国内の木々は倒れ、井戸は使い物にならない。ツバルの人々は一日に何度も水浸しになってしまうのだ。
では、何故このような事が起こったのか? 以下に様々な説を挙げる。

(1)地球温暖化説
地球の温暖化により海面の水位が上がり、島々に影響が出た説。ツバル政府が述べているものだが、水面の上昇は年間で0.9mmから5.7mmと決して大きくはない。
地球全体における水面のおおよその年間平均上昇率は3mmであり、最大値の1/2程度の差があるが、
これは温暖化よりも太平洋に10年規模で起きる振動 (PDO) の影響ではないかと考えられている。
また近年では地球温暖化そのものを疑問視する説もある。

(2)市街地の人口増加説
1972年以降首都フナフティの人口は増加しており、湿地である低地にも人が住むようになった結果ではないかと言う説。
これらの場所では元々春と秋に大きな満潮が起こっており、最大60cmもの浸水が起こる事もある。
しかしながら、浸水はフィジー等他の島でも起こっている為ハッキリとは断定できない。

(3)地盤沈下説
アメリカ等が唱えている説。
(1)で挙げられたPDOにより地盤が沈下しているというもの。地盤の調査は開始してからは日が浅いものの、やはり数mm単位の上下動しか観測されていない。
この他にも「滑走路を建設した際に掘り起こした土砂から水が染み出している」「生活廃水により砂を作り出している有孔虫が激減している」等の説がある。
まあ長々と書いたが、平たくまとめれば、




よくわからん



という事である。


〇ツバルの産業


広大な領海を生かした漁業とナウル共和国への出稼ぎ、切手や記念コインの発行、日本や台湾からのODA、
そして「.tv」というインターネットドメインが主な収入源である。
中でもドメインの収入はかなり大きく、最貧国だった同国を国連に加盟させる程の影響を与えた。
その他、国内のエネルギーを太陽光発電などのクリーンなものにする、淡水化装置を買うなど、国内の改革も急がれている。
なお、地球温暖化説を支持しているツバル政府はアメリカやオーストラリアに賠償を求めたが、一蹴されている。
また、オーストラリアとニュージーランドに世界初の環境難民を申請したが、オーストラリアには拒否されたものの、2023年に抽選で毎年280人を移民として受け入れる事を決定。*1。2025年の第一回抽選会には国民の半数にあたる5100人が申し込みを行った。当然このペースで移住が続けば国家としての存亡が危うくなる。
もっとも、住民の中には「神様はノアの洪水の際に『もう人類を洗い流す事はしない』と言ったんだから大丈夫ですよ」と言い張り国を離れない人もいるのだが…。


ちなみにキリスト教国だが、何故かバチカンとは国交がない*2

日本も近年この国を訪問することが多くなり、2006年には小池環境大臣が、翌2007年には石原都知事が、更に2008年には鴨下環境大臣がツバルに行っている。



ツバルが水没する前に追記・修正お願いします。

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最終更新:2025年07月19日 05:39

*1 ニュージーランドは労働難民としての入国を許可

*2 とは言ってもツバル内のキリスト教コミュニティとバチカンとは交流があり、ツバルもバチカンも国家としてはとてつもなく小規模なのでお互いにその状態で何か問題があるというわけではない。