音精 ラフルル

登録日:2021/06/04 Fri 13:05:57
更新日:2024/02/19 Mon 23:09:00
所要時間:約 10 分で読めます





「未来から来る、だからミラクル」

*1



音精 ラフルル》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DMX-23 「奥義伝授!! デッキLv.マックスパック」で登場したエンジェル・ドラゴン/革命軍/ドレミ団。


解説

音精 ラフルル P 光/水文明 (5)
クリーチャー:エンジェル・ドラゴン/革命軍/ドレミ団 5000
革命チェンジ:光または水のクリーチャー(自分の光または水のクリーチャーが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのターン、相手は呪文を唱えられない。

見ての通り、種族そのものは非常に弱く、エンジェル・ドラゴンは「エンジェル・コマンド」ではないため
エンジェル・コマンドサポートやコマンドサポートを受けられない。
出しても味方の封印を外せない。
革命軍もサポートと呼べるサポートに欠ける。
ドレミ団はサポートとかいう概念はないし……。
一応、ドラゴンではあるのでドラゴンサポート自体は受けられる。

しかし、このカードはその効果そのものが強いために活躍できたカードである。
同じ革命ファイナルで登場し、効果そのものは凡庸であったが種族ひとつで大暴れした《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》とは異なる方向で大暴れしたのである。
そしてその能力で、《蒼き団長 ドギラゴン剣》《時の法皇 ミラダンテXII》《D2G ゴッドファーザー》《ヘブンズ・フォース》《ベイB ジャック》《プラチナ・ワルスラS》といった
右も左もパワーカードだらけだった革命ファイナル期を生き抜いてきた猛者でもある。


真価

まず、このクリーチャーは場に出した時、相手の呪文を完封する。
基本的にこいつを出すときは自分のターンであるはずだが、そのターンに相手は逆転のS・トリガーを半分ほど封殺されるわけである。

それだけでも詰めには強いのだが、革命チェンジの特性上、それを「事実上ノーコスト」でできてしまう。
つまり序盤の2マナの光や水のウィニーをこいつに変換して、開幕から相手を苦しめることが出来る。
手札に2枚あれば、毎ターン革命チェンジを繰り返すことで相手は呪文トリガーをすべて腐らされることになる。
フェアリー・ライフ》や《ヘブンズ・フォース》でもなければ、呪文トリガーは手札からキャストするのは重い。
よって、手札でそれらのカードは実質ないのと同義である。

とは言えど、弱点だってある。
そもそも《閃光の守護者ホーリー》《凶殺皇 デス・ハンズ》《罠の超人》をはじめとしたクリーチャートリガーは封殺できない。
《Dの牢閣 メメント守神宮》のようなフィールドトリガーだって無理である。クロスギアトリガーは使われないので考慮の必要はない。
ニンジャ・ストライクやS・バックだって防げない。
デュエマは基本的にクリーチャーがないと勝てないゲームであり、そして年々クリーチャーの質は上がっているため、
そちらの踏み倒しに対処できないことは大きな問題点となる。

だがその点をカバーしてくれる優秀な相棒が当時存在していた。

単騎連射(ショートショット) マグナム P 火文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジ 3000
自分のターン中に、相手のクリーチャーがバトルゾーンに出る時、そのクリーチャーはバトルゾーンのかわりに持ち主の墓地に置かれる。

そう、《単騎連射 マグナム》である。
こちらは『自分のターンにクリーチャーを着地させない』ため、ST獣もニンジャ・ストライクもS・バックも防ぐものの、
逆に『クリーチャーしか防ぐことができない』という弱点を持ち、
故に登場当時クリーチャートリガーを同様の効果を有する呪文に置き換えるだけの影響力を有していた。

この2体が合わさることで、
『単騎マグナムで防げない呪文→ラフルルでおk』『ラフルルで防げないクリーチャー→単騎マグナムでおk』という
あまりに酷い詰めが作れる。
やっていることが《呪紋の化身(カース・トーテム)》や《無双凶皇ガラムタ》である。
しかも、単騎マグナムはたった3コスト、ラフルルは上述の通り実質ノーコストであるため、「フィニッシャー」としては余りに軽い。

また、種族も弱いとは言え、一応「白くて青いコスト5ドラゴン」であるため、《時の法皇 ミラダンテXII》に革命チェンジ可能。
ミラダンテXIIでもコスト7以下のクリーチャーは封殺できるうえ、
ミラダンテXIIにチェンジ→横のウィニーを回収したラフルルにチェンジ、とすることでやっぱり相手は何もできなくなる。
加えて「コスト6以下の多色クリーチャー」なので、《蒼き団長 ドギラゴン剣》でも出せる。
効果が革命チェンジに依存していないせいで(これはミラダンテXIIのファイナル革命を阻害しないようにするためのデザインであるはずなのだが)、
あろうことかドギラゴン剣のファイナル革命で出しても問題なく効果が発揮されてしまうのである。
ミラダンテXII「やっぱりドギ剣って壊れてますよね」
ドギラゴン剣「お前にだけは壊れてるとか言われたくないんだが」

なお、理論上はミラダンテXIIのデッキは白いため、単騎マグナムを出せる《ヘブンズ・フォース》を入れることが出来るし
ドギラゴン剣は上述の通り自身の効果でラフルルを出せるので、
事実上は赤か白があれば単騎マグナムとラフルルを揃えることが出来る。
流石にそんなデッキは流行らなかったが(当時の多色化の影響もあり、普通に多色にしたほうが明らかに楽なので)、
赤いか白ければ『単騎ラフルル』がどこからでも揃うというのは明らかに歪んだ環境であった。

ということで「革命チェンジの条件が緩すぎる」「自身もさらなる革命チェンジの布石になる」
「しかも革命チェンジで回収すれば使い回せる」「でもって肝心の効果は革命チェンジに依存していないくせに普通に強い」
という4点で多くのプレイヤーを苦しめた。
ついでに同じ革命チェンジ条件なのにただの準バニラである《タイム2 ファソラ》の立場が怪しくなった。

因みに情報公開から登場当初にかけては「呪文ロックが自分のターン限定」という事に難色を示すプレイヤーが結構多く意外にも評価が低かった1枚。
その認識が間違いだった事に皆が気付くのは上記の通り。


殿堂入り、そしてプレミアム殿堂への道

登場以降、光か水のウィニーがいればとりあえず入れられるという汎用性の異常な高さと、
それに見合わぬ凶悪なロック性能故に多くのビートダウンやワンショットデッキに引っ張りだこであった。
具体的に言えば【5cバスター】や【赤白レッドゾーン】【赤青レッドゾーン】、各種ミラダンテデッキなどである。
《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》で攻撃制限を受けるにもかかわらず、ドルマゲドン入りの【モルト NEXT】にすら入るなど、
そのカードパワーの凄まじさを改めて見せつける格好となった。
相棒として活躍していた《単騎連射 マグナム》とともに、「単騎ラフルル」と称された上、
こいつらと似たようなことを出来るカードは「実質単騎ラフルル」と呼ばれるなど、概念としてすら通用するようになった。
(例えば、《悪魔神 バロム・クエイク》&《偽りの悪魔神王 デス・マリッジ》の組み合わせは『クソデカ単騎ラフルル』)

しかし、公式の商業的な理由から《蒼き団長 ドギラゴン剣》をできるだけ延命させるため*2
そのフィニッシャーとして活躍していた《音精 ラフルル》と《単騎連射 マグナム》はとばっちりで殿堂入りすることになる。
とはいえ、《ヘブンズ・フォース》の身代わりになった《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》や、
同じくドギラゴン剣の身代わりになった《「絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート」》や《「プラチナ・ワルスラS」》、《「勝利のアパッチ・ウララー」》に比べれば、
こちらは正直カードパワーが高すぎるのでプレイヤーからは「仕方がない」と評されてはいたが。

そしてそれからは引いたもん勝ちになりながらも生き残っていたものの、
超天篇で《BAKUOOON・ミッツァイル》が登場すると、【シータミッツァイル】のデッキの掘削力の高さから
ほぼ確実に『単騎ラフルル』が揃えられた事と、更に《マリゴルドIII》の登場でまたまたドギラゴン剣時代のように踏み倒し候補になったこともあり、
最終的にはプレミアム殿堂になってしまった。
これによって《単騎連射 マグナム》は相棒を喪い完全に弱体化してしまった。

ラフルル自体の効果は単体でも殿堂入り間違いなしとは評されてはいたものの、
《ベイB ジャック》に比較すると殿堂入りやプレミアム殿堂には他のカードとの相互作用が挙げられ、
単体のカードパワーのみで規制になった《ヘブンズ・フォース》や《ベイB ジャック》に比べると、
当時の商業的な都合という側面も垣間見える。
特に「殿堂入り間違いなし」とされていた2大革命チェンジ龍、《蒼き団長 ドギラゴン剣》《時の法皇 ミラダンテXII》を差し置いて殿堂入りしたことは言及を避けられない。


派生カード


多くの呪文を封じてきた力が、今、反転する。

音響の精霊ルルフーラ VR 光/水文明 (5)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 5000
ブロッカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、または相手の呪文の効果または能力によってこのカードを手札から捨てた時、カードを2枚引く。
自分は、光の呪文を唱えられなくする能力を無視する。

ラフルルが反転した姿。自分の呪文ロックを解除するうえ、cipまたはハンデス時にドロー出来る能力を持つ。
呪文メタの多い環境下でも、《ヘブンズ・ゲート》などをキャストできるようになるのは見逃せない。
登場時からその【ヘブンズ・ゲート】にて活躍をしている。

見た目はエンジェル・コマンド・ドラゴンなのだが、ドラゴンを持たない。
この点も、ドラゴンだったがゆえにミラダンテXIIとタッグを組んでいたラフルルとは対照的。


信じてました、あなたは奇跡を起こして必ず帰ってきてくれると。

音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ SR 光/水文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン/ドレミ団/革命軍 7000
革命チェンジ:光または水のドラゴン
W・ブレイカー
このクリーチャーが出たとき、次の相手のターンの終わりまで、相手は呪文を唱えられない。
「未来から来る、だからミラクル」 光/水文明 (6)
呪文
カードを3枚引く。その後、コスト5以下の呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。

いや帰って来んな

2021年10月23日発売「デュエキングMAX」にて、ラフルルのリメイクカードが登場。

クリーチャー面はチェンジ対象をドラゴンに絞り、コストを7にしてドギラゴン剣や閃で出せないように調整しつつ、呪文ロック効果を次の相手ターン終了まで延長させたラフルル。*3
無論《ドラゴンズ・サイン》や《ナウ・オア・ネバー》で出せるしチェンジ対象にコスト制限はないので割と融通はきく。また、《「祝え!この物語の終幕を!」》で出せばそのまま閃にチェンジ可能。

呪文面は無条件の強制3ドロー+5以下呪文踏み倒し(しかも文明縛り無し)。ドラゴンズ・サインも対象に入る。

あのラフルルがなんかパワーアップして、しかもツインパクトになって帰って来てしまった。


このカードの発表と同時に界隈は大荒れ。初動の価格は5000円を超えるほどに高騰した。

が、リメイク前と比べて重くなったことや単体では呪文しか止められないこと、当時は存在しなかったG・ストライクという強力な防御手段が新たに登場したことなどから環境を破壊するほどの大暴れは出来ておらず、価格は初動の半分以下にまで落ち着いている。呪文メタをに耐性を持つ【青魔道具】が環境に多いことや呪文メタとしては《アルカディアス・モモキング》や《覚醒連結 XXDDZ》などの強力な競合が存在することも大きいか。

とは言え強力なカードであることも間違い無く、4投されることこそ少ないものの各種ドラゴンデッキや【白青赤鬼羅.Star】などでしっかりと活躍している。

総じて運営の調整が光る良カードと言える。


余談

  • 《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》については後にゴッド・オブ・アビス1弾「伝説の邪神」で擬人化した
    それも太ももムチムチで巨乳な美女にアレンジされている。イラストレーターは同じく太ももムチムチで巨乳なアイラ系統のカードやオウギンガVV-8などで有名なlack氏。尚イラストの構図は他の金トレジャーと違ってオリジナルのものほぼそのままとなっている。よって、呪文側にはもちろんミラダンテⅫも居るが、こちらは口元しか映ってない。
    ミラダンテが羨ましすぎるだろ…お前はドキンダムとくっついてろ

  • ラフルル・ラブからはミラダンテを慕う者としてセットで扱われているが、本来の相方はイラストでも対に描かれている《大音卿 カラフルベル》である。
    にもかかわらずカードの性能で大きく引き離され、挙げ句相方ポジションすら上司に取って代わられる様には哀愁を感じずにいられない…。



追記・修正はミラダンテに想いを寄せながらお願いします。

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最終更新:2024年02月19日 23:09
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*1 画像出典:Twitter イラストレーターゆーこー/yuukoo009氏 @yuukoo009 2016年7月10日投稿 https://twitter.com/yuukoo009/status/751985143103889409?s=20&t=e8O1iqXN6Qs8PbMS2lCHRg ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids

*2 新章DM当時、主人公の変化などから新弾のカードの売上がふるわなかったこともあり、そんななかで人気があり魅力的なヒーローカードを規制することはデュエル・マスターズ離れを引き起こしかねないというのがあった。

*3 その後の裁定変更にて、相手のターンに出てしまえばそのターンしか機能しなくなった。「次の『相手のターンの終わり』まで」と解釈される。