ある日のガスペリ家本邸。普段は忙しいリリアーナであったが、別に今日は外に出る用事もなく、家の中で急いでやるべきこともないので、特に意味もなくメリーザに絡みながら友人宛の手紙を書いていた。
因みに主が忙しくなくても従者は忙しい時があるのが常だが、別にメリーザは主の側に控えるのが仕事であるし、雑談ならむしろ好きなだけリリアーナをおちょくれるので歓迎だった。
そんな中、ふとリリアーナが思い出したかのように呟く。
因みに主が忙しくなくても従者は忙しい時があるのが常だが、別にメリーザは主の側に控えるのが仕事であるし、雑談ならむしろ好きなだけリリアーナをおちょくれるので歓迎だった。
そんな中、ふとリリアーナが思い出したかのように呟く。
「……そういえば、貴女達の婿も見つけないと不味いのよね。ジュリエッタだってそろそろ見合いくらいは……」
「おや。そのような話、何度も立ち消えになっていたような……またでしょうか」
「その『また』よ。まあ私は正直独身でも良いのだけれど、貴女達はそうはいかないでしょうし……」
「おや。そのような話、何度も立ち消えになっていたような……またでしょうか」
「その『また』よ。まあ私は正直独身でも良いのだけれど、貴女達はそうはいかないでしょうし……」
そもそも貴女達、自由恋愛を許しているのに恋愛のれの時とも縁がないでしょ。とその後に続くのだが。
実際、リリアーナからすれば(個人的感情はともかく)いつ現場から離れて貰っても問題ないとしていたのであるから出た言葉なのだが。
実際、リリアーナからすれば(個人的感情はともかく)いつ現場から離れて貰っても問題ないとしていたのであるから出た言葉なのだが。
「ならば、私もお嬢様が結婚するまで、家庭を持つようなことは……」
「……私、そこまでの忠誠は求めてないのだけれど」
「ですが、私はそこまでの忠誠を持ち合わせています」
「では、それなら『私の命令』なら結婚するのかしら」
「擬装結婚でしたら喜んで」
「あのねぇ……」
「……私、そこまでの忠誠は求めてないのだけれど」
「ですが、私はそこまでの忠誠を持ち合わせています」
「では、それなら『私の命令』なら結婚するのかしら」
「擬装結婚でしたら喜んで」
「あのねぇ……」
とは言う主従だが、別にリリアーナ側は擬装結婚だの命令による強制的な婚姻だのは望んでおらず、メリーザ側も見合い等が成立したとしても相手を傷つけない断り文句を無数に脳に留めているのだが。
「でも、カロリーナとジュリエッタに良い人をつけてあげたいじゃない」
「それについては理解しますが、お嬢様のみでそのような人物を集められるのか、という話になってくるのでは。
それにジュリエッタの体型からして一般受けはしにくいのでしょうし……」
「まあ実際小柄、顔も幼げ、天空人と色々揃ってるものね」
「それについては理解しますが、お嬢様のみでそのような人物を集められるのか、という話になってくるのでは。
それにジュリエッタの体型からして一般受けはしにくいのでしょうし……」
「まあ実際小柄、顔も幼げ、天空人と色々揃ってるものね」
尚、主人と姉はこう言ってるが妹ないし部下の感情は割と無視している。尤も、幸せの選択肢は多いに越したことはないので、別にリリアーナ達が間違っているというわけではないだろうが……