五十嵐 茉莉 - ストグラFV まとめ@非公式wiki

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名前	四葉　茉莉(よつば　まつり) (旧姓：五十嵐)
出身地	日本
誕生日	2019年2月21日 (6歳)
転入日	2024年10月22日 (1年10日)
住所	8130番地
職業	元ギャング【Old Joker】
	喫茶【クローバー】
	ドーナツ屋【オールドーナツ】
性別	女の子
身長	111cm
体重	18.9kg
髪の色	白髪ショートヘア
瞳の色	碧眼
プレイヤー	りさぱん
告知等	X(旧Twitter)
配信場所	Twitch

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兄を探しに一人でこの街に来た五歳の女の子
しかし引っ越して二日目で見つかった。

 過去情報

• 田舎に暮らしていたが、ボディガードがいたり、家庭教師が家にきて勉強していたりといいとこ育ちの様子。銃も血も多少見慣れている。
• 両親は日本にいるらしいが4歳の時に家出した。

 外見

• 普通の幼い女の子。日本人らしくない外見ではあるが純粋な日本人。
• 地毛だと遠目で自分だとわかるほど目立つため白髪のウィッグを被っていたが、ある事がきっかけでウィッグと同じ長さに髪を切りそろえ白に染めた。

 性格

• 身内に対してはクソガキ
• 元気いっぱいで好奇心旺盛
• 楽しいことが大好きでいつも笑っている
• 誰に対しても明るく人懐っこい

...

• 本来の五十嵐茉莉は人間不信。といっても家庭環境の問題からきているもの。どちらかというと最近は他人の中に踏み込み今の関係が崩れることを恐れて一定の距離を保っている。そして自分を隠しがちだからこそ踏み込まれ暴かれるのを怖がっている。
• 変なところで意地を張ったり、天邪鬼な事を言ってしまう時があるのが以前の悩み。暫く眠っていた間に色々と吹っ切れた様子。

 技能

• 運転は練習しているが平均以下
• 銃の扱いに関して得意だと自信をもてるようになった。追いつきたい背中達にようやく手が届いた。負けない。
• ちなみに本番にめっぽう弱く緊張で手が震えるため正直にいえばポンコツ。
• ファームは鉱山以外であれば基本出来る。だが気分屋のため一人でやることは少ない。

 嗜好

• みんな飲んでるからと背伸びをしてお酒を飲むことがある。ちなみに味は好きじゃない。
• ギャンブルが大好きだがオールインばかりするため累計－?億。行かないように自重していたが、最近はギャンブル離れ成功している。

 その他

• 兄はこや　ブライアン。街に来るまでのことを覚えていないらしく、茉莉は思い出さないほうがいいと現状にすこし安堵している。いつか兄の義両親にはお話ししなければならないと思っていたが、知らない方がいい事もあると話すことをやめた。
• 第二回いちご狩りのキルリーダー。賞金二億とカステラを獲得。賞金はペヨーテカスタムに充て、ずっとほしかった車二台とも手に入れることができた。
• 1/19にクラスポDを退職。その後雨濡翔、四葉、神楽坂怜桜の3人の推薦でOldJokerへ。トントン拍子で事が進み本人は驚いている。
• 3/8にOldJokerの解散を知り、困惑と共に今後どうするか決めかねている。一先ずは犯罪から足を洗うつもり。
• 04/08に四葉の養子となった。

人間関係

こや　ブライアン

こや　ブライアン

• 茉莉が探していた兄その人。しかし街に来るまでの記憶がない様子。茉莉にとって唯一の家族。だけど…
• Roarに会いに行くといつも抱っこしてくれたり、ブレスレットをくれたりと、とてもやさしいお兄様。もらったバイクは大事すぎて全然乗れていない様子。
• お兄様強火担。全肯定。…だが、それらすべては本当に愛情からくるものなのか一時期わからなくなっていたが、改めてかけがえのない血のつながった兄なんだと再認識した。

四葉

四葉

• ぱぱ(2025/04/08に養子となった)
• OldJokerに入るキッカケ…どころでは済まないレベルで恩がある人物。
• 茉莉が知る中で誰よりもいい性格をしている。怒らせたくはない人物No.1。
• クローバーに通っていた時からツボ。面白いお兄さん。色々気遣ってくれていたり優しい人。偶然にも誕生日が一緒。
• 色々ぶっ飛んでる人ではあるが、何でも出来る彼を先輩としても父としても尊敬している。
• 永遠さんと一緒に四葉さんの家で居候寝泊まりしていたが、きっともう3人で眠ることはない。
• 本人の前は恥ずかしくてパパと呼べない…が、色んな人の後押しで次会った時はパパと呼ぼうと思っている。

Oscar Skone

Oscar Skone

• 過保護な友人。過保護すぎて茉莉が嫌な思いをしたときや何かあったときは一番手が出るのが早い。その過保護さに頭を抱えている。悪い人ではない。
• 彼の周りの人が次々と黒堕ちしているのを見て色々を気にかけている。→と思っていたら免許剥奪からの無職で笑いが止まらなくなってしまった。
• ホースバットで倒した後は必ずその上に座る。私に勝てるなんて百年早いですよ＾＾

remilia lotus

remilia lotus

• おそらくお互い悪ガキだと思ってる、悪ガキトリオの一人。おそらく一番茉莉のバイク事故に巻き込まれている人物。
• とある変装を一緒に作った事から、その格好で出歩く時はいつも送り迎えをしてくれる。服がぐちゃぐちゃになったことを機にその変装を消した。
• 旅をするからと街を離れ、会えないのをさみしく思っている。

苺谷 ユウリ

苺谷 ユウリ

• 街に来たばかりの茉莉に街案内をしてくれたチュートリアルお兄さん。お金が無くて困っている時に彼の営むFragariaで体験させてくれ、飲食店の楽しさを知る機会をくれた。
• よく面倒を見てくれることから近所のお兄さんのような人だと茉莉は思っている。
• スライディング等でよくカマチョしてる。
• ディーラーやメカニックをやめた時と聞いた時はウキウキが止まらなかった。最近半グレになったと知り応援したいと思っている。

雨濡 翔

雨濡 翔

• 大切な友達の1人であり仲間、家族。空野めると3人でデスマウンテンに登ったことがある。因みに彼の初ダウンは茉莉のバイク。
• お気に入りのチルスポットを教えてあげたり、友人として色んな話を聞いたり、街の中でも特に仲のいい人物。
• 偶然にも誕生日が一緒。一番にお祝いすると茉莉は意気込んでいたらjokerの皆に一緒に祝ってもらった。
• スマホの着信音を作って貰って以来ずっと使っている。
• 色々と応援している。

空野 める

空野 める

• 大切な友達の1人。雨濡翔と3人でデスマウンテンに登ったことがある。ダウンした茉莉の代わりにハクチョウで無傷で下山した。
• レギオンで見かけると真っ直ぐに声をかけたり彼女の職場まで遊びに行く程大好き。
• 旦那さんの前ではツンデレなんだなぁと微笑ましく見守っている。
• 最近沢山起きてくれてるのが嬉しい。
• しれっと自分の話をして困惑させては反応を見て楽しんでた。でも私は私でめるさんはめるさん、最高の友達！
• 救急隊に合格した彼女を見て少し感慨深い気持ちになっている。病院に定期的にカマチョしにいこうと計画中。

神楽坂怜桜

神楽坂怜桜

• 初対面はサバゲー。
• 喫茶店クローバーで仲良くなった友達で仲間、家族。OldJokerに入る決心とキッカケを作ってくれた恩人でもある。あの日言われた言葉はずっと茉莉の胸の中にある。
• お互いをクソガキだと言い合ったり煽りあったりすることが多いが、彼の腕を純粋に尊敬している。
• 色々気遣ってくれたり優しい人。
• また会える日を楽しみにしていた…が、思いもよらぬ形で再会した。でもそんな形は望んでなかった。
• 未だに彼との別れを引きずっている。
• 正式な再会を果たし、欠けたものはあるもののまたクソガキだと言い合える日々が帰ってきた事が嬉しくてたまらない。

橙木永遠

橙木永遠

• 四葉さんの家でお世話になっていた年が近い男の子。
• 警察になりたいと運転や撃ち合いの練習をしている姿を見て微笑ましい気持ちと共に応援している。デイリーと称してほぼ毎日サバゲーで撃ち合いの練習に付き合っていたが、あっという間に追い越されてしまった。
• 自分より一つ年上ではあるが、弟ができたと思って可愛がっている。
• 彼の出自や秘密を知ってもなお、かわいがっている。けど絶対にサバゲーで負けたくない。
• きっともう会えない。けど、可愛い弟には変わりない。

いも ぽて子

• 四葉さんが芋掘りで掘り当てたお芋の妖精さん。
• 数ヶ月前に1度一緒に遊んだ仲だったが、最近沢山起きてくるようになりふたたび遊ぶように。
• まこも みっちぇるそんと3人お揃いの服を作って下乳三姉妹を名乗っている。
• 油模様のシャツなのかマヨネーズ模様のシャツなのか分からないが、とりあえずダサいシャツを色んな人に着せて回っている。茉莉はしっかり巻き込まれた。
• 今後の成長が楽しみ。

まこも みっちぇるそん

まこも みっちぇるそん

• 彼女と雨濡 翔が一緒に行動するようになってから話す機会が増えた。
• ぺしょりやすい人、すごい努力家、と人伝に聞いていたが、茉莉からみるまこもは面白くて優しいお姉ちゃん。
• よく膝の上に座らせてもらってる。人前だろうが堂々とイチャつく。ちなみに翔さんをおちょくってたら面白いものが聞けて内心茉莉は味をしめてる。
• いもぽて子と3人お揃いの服を作って下乳三姉妹を名乗っている。

印象表

2025/07/03

印象	2025/07/03
【好敵手】	神楽坂怜桜、雨濡翔
【好印象】	Liberty、苺谷ユウリ、空野める、赤霧 まりあ、いも ぽて子、まこも みっちぇるそん、仲良くしてくれる人達
【対立】	心無き
【胸熱】	てぇてぇ、苺谷ユウリ
【最推し】	もきゃ こや ブライアン、ネズミさん
【かわいい】	橙木 永遠
【覚醒期待】	苺谷ユウリ、雨濡翔、いもぽて子
【苦手】	サメ
【信頼】	Oscar Skone、remilia lotus、雨濡翔 、空野める、四葉、神楽坂怜桜
【不安】	親しい人たちとの別れ
【厄介】	退屈、緊張
【家族】	Old Joker、ぱぱ、おにいさま
【？？】

随時更新中…

ネタバレ注意

五十嵐茉莉とは、五十嵐財閥の一人娘の名。そして、とある研究員の助手の名でもある。

五十嵐家について

五十嵐茉莉は恵まれた環境に生まれた。それは本人も自覚の上、そして多くの人に愛されていた。裕福な家系、教育熱心ではあるもののとてもやさしい両親。そんな3人の家族を支える多くの使用人。田舎のある大きなお屋敷で、茉莉は生まれ育った。
もともと五十嵐夫妻は東京にあるお屋敷に住んでいたが、奥方様が身ごもったことをきっかけに一時的に田舎へ。旦那様は忙しそうに家を空けることも多かったが、奥方様は静かなその地で、元気な娘を出産したそう。

空　白　の　1　年　を　空　け　て

世に出回っている五十嵐家の跡継ぎは五十嵐茉莉ただ一人。しかし、約1年ほど謎の空白の期間があった。本来茉莉が生まれていたとしたら、きっと彼女は今年8歳だっただろう。しかし彼女は今年で6歳。それを不思議に思う人はいたものの、気が付けば何を言わなくなっていた。

それもそのはず。
なぜなら五十嵐茉莉は第一子ではなく、第二子だから。
五十嵐茉莉の前に、五十嵐耕太という息子がいたのだ。だがそれは公にはされず、五十嵐家はその事実を隠そうとした。妹である茉莉にさえ。

茉莉が兄の存在を知ったのはたまたまだった。たまたま眠れない夜に、お母様に眠れるまでそばにいてほしくて、広い屋敷の中を歩いていた。お父様の書斎までたどり着くと大好きな両親の声。茉莉は二人と一緒に眠れるかもしれない、とうれしく思ったがその時に聞こえた会話が、茉莉の未来を変えたのだ。
「あの出来損ないはまだ生きているのか」
「茉莉が産まれたのは奇跡だ。男児がもう一人増えていたらと思うと…」
「茉莉は五十嵐家の跡継ぎとして立派に育っているな。あとはあの邪魔な愚息をどう処理するか…」
「いつまでも生かしておくわけにもいかない」

ただの好奇心だった。自分に兄がいると知った茉莉は、使用人の中でも特に優しく、親切な人にこっそりと聞いた。
「あのね、〇〇。わたくしにおにいさまがいるってほんとう？あえるかしら…？」
その使用人を驚いていたものの、旦那様たちには秘密だといいこっそり兄の居場所、名前、なぜ閉じ込められているのか…すべてを茉莉へ教えてくれた。それはきっと、耕太様にとって唯一の家族になれるから。心優しいお嬢様ならば、きっと寄り添い耕太様の支えになれるから。

実際に、茉莉は兄の居場所を知ってからこっそりと何度も様子を見に行っていた。隙間からみる実兄の姿。自分よりも小さく、細く、今にも死んでしまうのではないかと不安になる体系。そして目を引く母親譲りの茉莉と同じ髪色。茉莉とは違う金色の瞳。あまりにも儚い兄の姿と、同じ子供なのにこんなにも違う境遇をつくった両親に対する不信感。茉莉が兄を強く想うようになったのは、その時からだった。

同じ子供。血のつながった兄妹。しかし、愛されて育てられている妹と、不要だと閉じ込められている兄。
当主が跡継ぎに娘を選んだ理由は、茉莉はついぞ知ることはなかったが、兄に対する嫌悪感だけは、確かなものだった。

茉莉は言う。自分が幸せだった分、自分が兄を幸せにしなければならない。いつかここ(小屋)から連れ出し、一生をかけて寄り添ってあげるのだと。それがたまたま娘として生まれ、跡継ぎとして愛された茉莉の、両親に対する対抗心と不信感、嫌悪感…兄に対する使命感が導いた茉莉の強い想いだ。

兄の存在を知って数か月後、小屋の中には誰もいなくなっていた。
死んでしまったのではないかと取り乱した茉莉に、心優しいあの使用人が教えた。
兄はこの使用人の手を借りて、ここから逃げ出したのだと。

茉莉は一カ月もしないうちに、兄を追いかけるように家を飛び出した。自分の身の危険を顧みず、ただひたすら、兄をまもってあげなければという思いを胸に。

白衣の秘密、せんせいと茉莉

家を飛び出した茉莉に待ち構えていたのは孤独と飢え、そして両親からの捜索。幼い茉莉には1人で生きていくには不可能な環境で、どうにか見つからず過ごしていた日。初めての飢餓にフラフラな茉莉に手を差し伸べた男性がいた。

白衣を着た男性。それこそが茉莉に大きな影響を与えた「せんせい」と呼ばれる人物。
白衣の男は茉莉を連れ、大きな施設へ連れ帰った。聞けばたまたま出張で来ていたようで、その施設は茉莉の住む屋敷から車で数時間走らせた場所にあった。

それから白衣の男と茉莉は大きな研究施設で共に暮らすように。
なんでも、兄を探していること、両親の元から逃げ出したことを話せば、施設で匿い兄を探す手伝いをしてくれると、提案されたのだ。
初めは無条件だったがそこまで甘える訳にはいかないと茉莉の方からなにかできることは無いかと問うた。真面目な茉莉の様子に、渋々ながらも白衣の男は研究を手伝うことを条件にし、それから茉莉はその男性のことを「せんせい」と慕い始めた。

主に茉莉の仕事は実験用マウス等の経過観察、そしてこの施設に暮らす被検体の人達の観察。そして、時々茉莉自身も新薬の治験役になることだった。

朝、せんせいに起こされ共に朝食を摂る。せんせいはいつもトーストを食べ、茉莉は同じものを食べたがった。
種類のあるジャムも、付け合せのベーコンエッグも、飲み物だって全部一緒がいいと笑った。
茉莉が過ごしていた暮らしとはかけ離れた生活。
せんせいがラボや研究室に籠っている間、茉莉は沢山のケージに囲まれて過ごす。様子のおかしい個体がいればすぐに知らせ、時には外に出られない被験体の人達のメンケアをすることだってあった。
茉莉はせんせいの厚意によりいつでも外へ出かけられたが、他の被験者達はそうもいかなかった。せんせいの研究を茉莉は当時教えてもらえなかったが、外には絶対に漏らしてはいけないといつも言われていた。茉莉自身、外に出れば両親の追手に見つかる可能性があったためほとんど出ようとしなかったが、せんせいが言うなら言わない、そう心に誓っていた。茉莉にとって、せんせいとはそれ程大きい存在だった。

先生の作った薬品は基本的に注射薬だが、稀に飲み薬を使うこともあった。施設で暮らすうちに茉莉はせんせいの助手という肩書きを手に入れ、薬品を被験者に打つ作業を手分けしてやれるくらいには成長した。医療や人体に詳しいかと聞かれればＮＯだが、注射だけは茉莉にも出来た。というより、退屈そうな茉莉にせんせいが教えこみ、お手伝いの時間を増やした。
茉莉の注射は意外と上手く痛くない上、沢山話しかけては笑顔を浮かべることから被験者達の中でも人気があり好評であった。

両親に見つかりたくない、そう言って外に出ようとしない茉莉をせんせいはよく買い物に行く時に連れ出した。
「茉莉は女の子だから、おしゃれしないと勿体ないよ。」
「ほしいものがあるなら言うんだよ。大体のものなら買ってあげられるし。ほら、茉莉の好きなぬいぐるみだって」
「もっと甘えていいのに…君はまだ4歳なんだから。我儘だって言っていいんだよ。」
「きっと君のお兄さんを見つけてあげる。ご両親からも、守ってあげるよ。…そういう約束だったろう？」
そういってただ拾ってきた訳ありの幼子を、実の子でもないのにせんせいは愛情を注いで、大切にしてくれた。

そうして月日が経ち、茉莉は5歳になり、外に出ても馴染めるように話し方も矯正した頃。いつもと変わらない研究所での日々、でも、ある時せんせいが言ったのだ。

「お兄さんらしき子供の目撃情報が手に入ったよ。」

せんせいから渡された一枚の監視カメラの写真。大きなコンテナと、そこに入ろうとする茉莉と同じ髪色をした男の子の写真。
それは、茉莉とせんせいの、研究所での生活が終わる合図だった。

茉莉は分かっていた、いつかこの日が来ることを。
生きているという事実への嬉しい気持ちと、安心。そして、この場所を離れることへの寂しさが、茉莉の中で渦巻いた。

その写真は数ヶ月前に撮られたもので、コンテナはロスサントス行きのものだったことから、茉莉はロスサントスへ探しに行くことを決意した。それ以上の情報は得られなかった故に、まだロスサントスという街にいるかも分からない。それでも、少しでも可能性があるのであれば茉莉は躊躇わなかった。

そんな茉莉に、せんせいは初期資金と、五十嵐家だとバレないための偽造身分証を用意してくれた。
資金に関しては元々お金があったこと。そして偽造身分証はこの研究を隠すためにも様々なツテがあるのだそう。
最初は渋ったものの、自分の力ではたどり着けないことを分かっていた茉莉は、その分懸命に研究の手伝いをした。それがここまで世話をしてくれせんせいへのせめてもの恩返しだった。

「…せんせぇ、きょうは、いっしょにねてもいい？」
出発の日に近づけば近づくほど、茉莉はせんせいの傍に居たがった。邪魔しないからと言って普段は入らなかったせんせいの研究室にだって椅子に座って静かに横顔を眺めていたり、普段は別々の部屋で寝ていたのに一緒のベッドで寝るようになったり。お出かけだって、率先して行こうとした。
少しでもせんせいとの思い出が欲しくて、離れたくなくて。

「せんせいも一緒に…」
「……ごめんね」
もし、一緒にこの街に来られたら。せんせいと一緒に、来ることが出来ていたら。手紙越しじゃなく、直接その声を聞くことが出来たら…また、あの大きな手で手を握ってくれたら。
そう思わない日はない。

10月某日、いよいよ茉莉が日本から離れる日。茉莉は真っ白な、私物のひとつも無い自室のベッドの上で、綺麗にたたまれた白衣を眺めていた。それは、茉莉がせんせいの手伝いをしているうちにもらった子供サイズの白衣の1つ。

「茉莉」
部屋の扉が開いて、いつもの声が名前を呼ぶ。
「あ、せんせい。もう出発の時間ですか？」
「いや、ここを出る前に話しておかないとと思って。…私の研究の話」
少し罰バツが悪そうなせんせいの姿に、茉莉は甘えるようにお膝の上に座りたいです、と笑った。いつだってこの人には笑っていてほしい、大切な恩人に、そんな顔させたくない。

小さな茉莉の頭を撫でながらせんせいは言った。
この研究所でずっと、不死について研究していたこと。ずっと昔に、大切な人を失ったこと。自分のように苦しみ、悲しむ人を増やしたくないこと。そして、何も知らさずに研究に付き合わせてしまったことへの謝罪。

不死の体。それを手に入れれば、大切な人とずっと一緒に居られる。確かに、そう思えば素敵だと、茉莉は思う。だけれど、命というものは終わりがあるからこそ、その一瞬一瞬が美しく、尊く、大切にできるのだと、茉莉はそう思った。
それに、もし不死の体を手に入れたとして…その肝心な大切な人がそれを望まず、自然のまま居なくなったら。きっとその人を追いかけることも、空の向こうで会うことも叶わない。むしろ取り残される恐怖が永遠に付きまとうのではないか。それが茉莉の考えだった。

だけど
「…せんせいの考えの全部に賛成は出来ませんが、全部に反対もできません。だから、向こうに行っても、せんせいのお手伝いをさせてください。…不死の体になりたいわけではないですど、せんせいのその夢が早く叶うように、あの日拾ってくれて、ここまでお傍に置いてくれた恩返しを、させてください」

せんせいと茉莉は約束した。
手紙を必ず送ること。頻度は問わないが、できるだけ便りが欲しいこと。
秘密裏に、治験済の薬を送り、それを接種すること。そして何か異変があればすぐに報告すること。
そしてお互い、幸せになること。

茉莉はできる限り毎日、手紙を書く。
『やっとこの街に来れました。
沢山の人が優しく話しかけてくれて、沢山の人がいろんなものをくれて。ここはとてもいい街です、きっとこれから毎日楽しいことが待ってるんだと思うと、ワクワクしてなかなか寝つけません。

一日目、まだお兄様は見つかりませんでした。』

それが、この街に来て私が初めて書いたせんせいへの手紙。

執筆中

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