1804年ディメンション間時空鋲設立(理:werlficelili'a leace'd febeny fon cintera'd 1804)とは、第八代目ユエスレオネ連邦首相
アレス・ラネーメ・リパコールによって行われた時空鋲(ディメンション間での時空の流れを繋ぎ止めるシステム)の投錨が成されたことを指す。
悠里世界側では
初めて個人による人工時空鋲の投錨に成功した事案であり、大宇宙側ではファルトクノア共和国ラヴィル政権の弱化が始まることになる事案であった。
概要
大宇宙と
悠里世界は、
ウェールフープでのみ行き来をすることの出来る
ウェルフィセル(異世界)である。
ウェールフープで行き来することが出来る世界の間では、少なからず時空の流れのズレが生じ、浦島現象のようなことが起こりうる。このような現象は
ユエスレオネ連邦の
デュイン獲得の過程などでも厳密にはそのようなズレが観測されていたが、普通に生活する上では問題がなかった上にウェールフープによる世界間転移を繰り返すたびにズレは学術的にも無視できるレベルになっていった。学会的にはこのような異世界間の時空流のズレは、ウェールフープ転移を世界間で繰り返すことで収束していくというのが共通認識であり、ウェールフープ学的には
剪断防止作用などの非電磁的相互作用が根本的に時空に影響を及ぼしているのではないかと考えられていた。
しかし、大宇宙と邂逅し、
ファルトクノア共和国が成立すると大きな時空の歪みによって本国であるユエスレオネ連邦は悩まされることになった。
悠里世界側であるユエスレオネ連邦でリパコール政権が樹立されると、リパコール首相は横暴をし続けるファルトクノア共和国に対して不快感を抑えられず、それまで技術的に立証されていなかった時空鋲の投錨へと独自に研究を進めることになった。
この際に進められた研究と機械と実践に関しては、情報公開が行われているがユエスレオネ連邦の最高学府である
ユエスレオネ中央大学のウェールフープ学者たちには「意味不明」の一言で付されるようなものであり、何故投錨が成功したのかは未だ基礎研究段階にも満たない状況になっている。
ウェールフープ学的検証
シンテーア歴18XX年から開始されたユエスレオネ中央大学附属ウェールフープ研究所による時空鋲調査では、まず時空流のズレが発生する基礎研究から検討が行われた。
この時点で仮説とされているのは、時空のズレが起きるのは非物理的な
剪断保護作用の影響なのではないかと考えられている。剪断保護作用とは、ウェールフープがウェールフープ方向である
s軸方向に対して電磁的相互作用等が適用されない状態から、物体を保護しているとするウェールフープの特性作用である。時間を
基本相互作用可能な
ボソン粒子の個数と定義する場合、そのうち電磁相互作用に基づいて定義されるフォトン時間はウェールフープによる剪断保護作用の影響を受けている。しかし、この場合、ウェールフープによってs軸方向を移動する際にフォトン時間以外の基礎相互作用時間は保護を受けず、重力や作用の差異に基づくズレ(
非電磁相互作用時間脱落)が生じる。このズレが大宇宙世界と悠里世界のみで拡大したのは、デュインやハタ王国は重力状況がほぼ一定なのに対して、悠里世界から大宇宙世界のある場所への転移を想定した場合、多様な重力状況や作用状況があり、場所ごとの時間脱落の差が開いたためであった(ファルトクノア共和国宙軍の艦船のウェールフープ武装がこれを助長しているという説もある)。
これに対して、時空鋲はウェールフープによって一定重力状況・作用状況を移動元・移動先ディメンション内で高度に再現することによって、時間脱落を出来るだけ抑制していると考えられている。しかし、ディメンションを越えてウェールフープをする場合、無論先に述べた基礎相互作用の幾つかが保護を受けないために、重力状況・作用状況を統一するために用いられるウェールフープも時間脱落の影響を少なからず受けているはずである。アレス・ラネーメ・リパコールがこれに対してどのように対応しているのかは不明だが、
ケートニアーとしての感覚と膨大な知識に基づいた職人的調整である可能性が非常に高いとされる。時間脱落の影響を低減させる同期的ウェールフープ開発を目指すウェールフープ学者たちに対して、この事実は頭を悩ませることになった。
最終更新:2022年10月26日 03:55