弘前大学医学部試験問題(再現)

2007年実施(2008年度入学者選抜用)

一次


★一次・基礎自然科学(時間ちょうど良いくらい)
物理以下二問のみ
問I
(図が示されていているが、言葉で書くと)重力と逆向きに磁束密度Bの磁場がある。
ここに長方形のコイルを、一つの軸を磁場に垂直に(水平面内に)固定して垂らす。
固定した軸と平行な電線を質量m、長さlとし、それらの間をつなぐ電線の長さをrとし、
質量を無視できるものとする。このコイルに電流Iを流して、力がつりあい、静止した
ときの角度を求めるとともにその向きを図示せよ。重力加速度はgとせよ。

問II
高さ0に固定された電荷+Q1、高さhに電荷+Q2で重さmの質点がある。運動を
鉛直方向に拘束し、後者の質点を自由落下させたとき、その速度が0となる高さを求めよ。
ただし、重力加速度をg、空気の誘電率をε0とせよ。

化学いっぱい問題があって、一部しか覚えてない。普通に全問解答出来る程度。
  • マルトース(C12H22O11)100gを加水分解し、完全燃焼させたときに発生する二酸化炭素(水?)の質量は?
  • N2+3H2⇔2NH3か何かの平衡反応の化学量論的計算。

生物
問I(遺伝学) カイコ(油蚕)のod油 遺伝子に関する伴性遺伝の計算問題。
(※蚕は性染色体がXYではなくWZだという前提は与えられていない)
(1) 野生型♀とod油 ♂の交配によるF1において、表現型は野生型:od油が1:1で見られた。
♂♀それぞれについて野生型:od油の表現型の比を求めよ。
(2) F1同士の交配によりF2世代における♂、♀それぞれについて表現型の比を求めよ。

問II(生態系) 一次遷移・二次遷移の多肢選択式問題(陽樹・陰樹・一次遷移・二次遷移)

問III(細胞生物学) 植物細胞の細胞内小器官を分画する。
(核、ミトコンドリア、リボソーム、葉緑体、ミクロソーム、細胞質)の多肢選択式問題


★一次・英語(時間きつい・問Iは結構手ごたえあり)
問I
長文読解、英文和訳、和文英訳
問II
教科書の肺サーファクタントの説明文。文法あるいは文脈を読み、多肢選択式穴埋め。
問III

★小論文(30分近くあまる)
医療不信ということが世の中で言われている。良い医師となり患者との信頼を築くために
あなたが大事だと考えることを3つ挙げ、論じなさい。
(1000字くらいだったか。原稿用紙と下書き用紙あり)

二次

★二次・生命科学
問I
神経の電気生理学的問題。刺激・記録のスキームが図で与えられている
(1) 遅い軸策と速い軸策の混在する軸策側に電気刺激を与えたときに、どのような信号が記録されるか。
(2) 遅い軸策と速い軸策の混在する軸策束に電気刺激を与えたときに、刺激地点からの
距離・時間ごとのグラフを与え、それぞれの伝導速度を計算。
問II
  • 水素結合を説明せよ
  • GC含量やNa+濃度がDNAプライマーのTmを左右するのはなぜか説明せよ
語句説明(3-4行程度と指定あり)
RNAi、アスベスト、メタボリックシンドローム、MRI、ワクチン、ATP合成酵素、
ユビキチン(嗅覚受容体って出たっけ?書いた記憶が無い)

問III
  • 0.1N塩酸および0.1N水酸化ナトリウムを蒸留水で1000倍希釈したときのpHをそれぞれ求めよ。
  • 細胞内・細胞外でpH緩衝能を示す物質の平衡反応を書け。
  • 肺や腎は血中CO2濃度を左右する。例えば過換気状態ではO2の吸収とCO2の排出が
過剰に促進する。このときアルカローシスが起きる理由を化学的に説明せよ。

問IV
葉のある面積あたりの光量と二酸化炭素の収支が数字で表形式で与えられており、
光飽和点、光補償点を求めたり、単位面積あたりの光合成速度を求めたり、
別の面積である光量の元で12時間、暗所で12時間たった後の収支の計算したり。

★二次・英語
問I
解剖学の学問的発展に関する文章。他の学問との絡みなど。(多分なんかの解剖学の教科書の
序章か何か?)読解、英文和訳、説明など。
問II
浸透圧の説明文。多肢選択式穴埋め。傍線部の図示を求める問題。
問III
医師の心得何か条かが英語で書かれており、そのうち二つを選び、日本語で具体的に説明する問題。

★二次・集団面接
5人ずつ呼ばれ、同じ質問を公平にみんなに回す。従ってタネ本を読んでおけば予測のつくような
質問ばかりだが、それでも地雷を踏む奴が出てくる。討論ではないため、多数派工作による談合などの
卑怯な行為は恐れなくて良い。

三次



★三次・個人面接
一人45分。2次通過者で受験番号の若い順から6の剰余系で面接室が振られる。辞退者があれば
最大1時間繰り上がるため、それくらい前に呼ばれる。辞退者により面接室は変わらない。
マターリ和気あいあいの部屋と45分圧迫面接の部屋があるもより。圧迫でも受かってる例はあるので、
そういうものだと考えるのがよい。面接室により差がつくかについては、以下の表を見て判断するべし。
第1面接室 ○××××○○×○○○
第2面接室 ××××○×○×○×
第3面接室 ××○××××○××
第4面接室 ×○○×××××××
第5面接室 ○×××○××××○
第6面接室 ○○×○××○×××


★その他の情報・分析など
地域枠の扱いについて
2次試験までは皆同等に扱うとの建前(電話で聞いた)。
県出身者は2006年実施までは2-3人程度しか2次通過しないとの由。
受験番号はおそらく受付順で規則性なし。
ただし、2007年の県出身者は二次通過者は少なくとも6人以上。
地域枠は最大で5人で、これと全国枠合格者を合わせて20人とするため、額面どおり全国枠は15人と考えるべき。

  • 一次の物理・化学分野は高校レベルで、極めて簡単な部類
  • 一次の生物分野と二次生命科学の問IVは「生物標準問題精講」(旺文社)でお釣りのくるレベルで、おそらく類題あり
  • 二次の生命科学の問I-IIIは生命科学系院試の易問レベル。c
ellと生理学の教科書を読んでおけば安心だが、もっと薄い本があると思う。
  • 英語は洋書で基礎医学書が読めればおk。
ただし、ときどき単語の注が必要なところについてなかったり、必要ないところについてたりしてもどかしい。
  • 小論文・面接は教学社やエール出版の面接や小論文関係の本を読んでおくのが良い。

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最終更新:2007年12月02日 10:56