統治機構が
アルタラス王国を支配してから、器量の良い若い女性に「反政府活動家」のレッテルを張って、統治機構への連行を繰り返す。
噂では生粋の変態で、連行した女性を「辱めてから殺害」しているとされていた。
そして、地の文で「その噂は真実だった」と書かれている。
長官がこんな調子だったため、大部分の職員や警備兵も現地人に好き放題の暴力や略奪、辱めを行っていたとされている。
当然、アルタラス人の対パーパルディア感情は最悪であり、それゆえの報いは大きかった。
アルタラス王女
ルミエスが
日本国への亡命に成功し、日本と皇国とが戦争状態に突入したことが、シュサクと職員たちにとって、予想外の破滅へと繋がっていく。
自衛隊の介入により、在アルタラス属領統治軍と海軍は
一撃で全滅。同時にアルタラス側地下組織が一斉に蜂起。
全軍事力を一瞬で失った統治機構は、他に選択肢が無く、即座に全面降伏。
と言っても、それで今までの暴挙を見逃してくれるほどアルタラス人は甘くなく、
シュサク以下のほぼ全員が苛烈な報復を受け惨殺されるという、因果応報の末路を迎えることになった。
コミカライズ版では名前も登場していないが、統治機構下の警備隊が若い女性を頻繁にさらっているため存在自体はしていたと思われる。
蜂起の際に統治機構本部が包囲された次のコマで軍服を着た人物が何人かに囲まれて殺害されるシーンがあり、これがシュサクだった可能性がある。また同じページではさらわれた若い女性たちを抵抗組織が解放するシーンも書かれている。
本来の占領政策で考えるのなら、制圧直後に現地住民の人心の安定に努めるべきである。
にも関わらず、統治機構の長官にこのような人物を当てていることから、パーパルディア皇国の腐敗と統治機構が属領の住民をいかに軽視しているかが窺える。
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でも日本もこうなりかけたんだぞ。 |
日本史上唯一の全面戦争で完敗した後、アメリカ軍主体のGHQが日本を占領したが、当初の傍若無人ぶりは、アジア人蔑視もあってかなり酷かった。戦後アメリカ合衆国主導の西側諸国とソビエト社会主義共和国連邦の東側に分かれての冷戦状態下、日本は西側陣営に組み込まれた関係で長らくソ連赤軍・中国人民解放軍の中国東北部での在留日本人に対する非人道的な行為が喧伝されてきたが、程度の差はそれなりにあるとは言え米軍も大抵のことはやっている。
それにアメリカは当初、日本が二度と立ち上がれないよう、占領政策として日本の工業力を完全に破壊し、前近代的な農業国に戻してしまうという所謂“ハード・ピース”路線を予定していた。
潮目が変わったのは、昭和帝陛下がマッカーサーと会談を持ったこと。敗戦国の君主が占領軍の最高司令官に面談を申し込んできたため、マッカーサー自身はてっきり天皇の自己保身だと思いこんでいたが、実際は真逆。
「私は敗戦国の責任者としてあなた方に身を委ねに来た。その代わり国民が窮することはないようにして欲しい」
要約するとこんな感じの昭和帝陛下の言葉に、マッカーサーは強い感銘を受けた。第1回の会談終了後、帰途につく陛下をマッカーサーは軍装を整え、最敬礼で見送ったと言う。
その後、GHQは天皇権威失墜を企図して、それまで一般国民に対してはほとんどお姿をお見せにならなかった天皇が、眼鏡でチビの凡庸なアジア人と知らしめてやろうとするも、見事に逆効果。国民が怨嗟の声を向けるだろうと引き回しの感覚で全国行幸に出させるも、どいつもこいつも陛下の御姿を見て喜ぶわ、GHQ主導のはずの農地改革について、農民がマッカーサーのことを「農地改革のためのお雇い外国人」と勘違いするわ、挙句の果てにはソ連の抑留から帰還した、徹底的に共産主義に洗脳された旧軍兵士が、昭和帝陛下の御姿を見た瞬間「俺が間違ってました」とその瞬間に洗脳が融けてしまうという始末。
マッカーサーはこれを見て、もし軍事法廷に天皇を引っ張り出して間違って死刑にしてしまったらどんなアメリカリード状態からでもその瞬間に戦争再開と感じ、イギリスやオランダ、ソ連の「天皇の戦争責任を問え」という要求を全て突っぱねた。
そしてハード・ピース路線を修正し、最終的には朝鮮戦争の勃発も加わって、日本を再建する方針に変わるわけである。そして40年後にアメリカの工業製品の象徴だった自動車産業を日本にTKO直前にされる。カメラに至ってはもう目も当てられない。
とはいえ、マッカーサーのこの方針は、建国以来完全共和制のアメリカだからできたことで、かえって同じ君主制のイギリスやオランダ、また王政だった時代の意識が根底にあるフランスには無理だったとも言われる。
パーパルディアレベルどころか、20世紀中頃の地球でもこれが現実だった。
ちなみに更なる余談だが、GHQの天皇権威失墜作戦に、第1回会談の時の昭和帝陛下とマッカーサーの並んだ写真が使われた。これは正装をして直立不動の陛下に対し、着崩した軍装でリラックスした様子のマッカーサー、という構図のものだった。
が、実はマッカーサー、この手の軍務規定違反の常習犯であり、アメリカの大統領や(国防総省発足前の)陸軍参謀総長の前でも度々こういう態度を取っては睨まれている人間だったりする。
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〔最終更新日:2025年07月28日〕
最終更新:2025年07月28日 16:04