短編129 - (2010/11/19 (金) 13:02:47) の1つ前との変更点
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投稿日:2010/08/12(木) 12:31:25
――私は見慣れた場所に立っていた。 ここは体育館のステージ裏。
目の前にはセットされたベースやドラムが見える。
そうだ、もうすぐライブなんだ。
私はもう一度鏡を見て全体をセットし、気合を入れた。
――今回は高校生活最後の学園祭でのライブだから、絶対に逃げない。
そのとき、突然。
律「澪」
後ろから名前を呼ばれた。
私を呼んでいるのは律だとすぐに分かったけれど、いつもとは何だか違う。
怒っているようにも、落ち着いているようにも聞こえた。
澪「何?」
律「澪は、今日からもう軽音部に来なくていいから。 ライブも、ベースはさわちゃんにやってもらうから、帰っていいよ」
律はペットボトルの水を飲みながら、冷静にそう言った。
澪「……はあ!? 何言ってるんだ!大体さわ子先生はベースできないだろ?」
律「なんとかする」
澪「何とかするって……どうして?どうして急にそんなこと……」
律「澪さ、本当に私たちと演奏したいのかわかんないんだよな。今回は最後のライブなのに怖がってばっかだし、なんていうか、軽音部への愛情が薄すぎるように見えるっていうか。 だからもういいよ」
律はそう言って、飲んでいたペットボトルを机に勢い良く置くと、ステージの方へと歩いていった。
澪「待って! 律! 行くな!!」
そう言って手を伸ばしても、律は振り返ってはくれない。
澪「私もライブに出たいんだ!私も……放課後ティータイムの一員だから!私も一緒に演奏させてくれ!」
澪「私は軽音部が大好きなんだ!! 大大大大好きなんだ……!!!!」
律「……みおー」
澪「……ん?」
大好きなんだ。
そう叫んだ自分の言葉に、私はふっと目が覚めた。
瞬時に目の前の世界は切り替わり、私が今いるのは部室……、そして目の前には律の顔。
唯「澪ちゃん、ずーっと泣きながら寝てたんだよ!」
紬「律っちゃんの腕の中でね」ニヤニヤ
梓「澪先輩、なにかあったんですか? もうすぐライブなのに」
そう言う唯たちの言葉で、やっと状況を整理し始めた。
ライブ前の最後の練習の途中で、私はいつのまにか眠りに落ちていた。
そして夢を見ていた。律に、もう要らないといわれて、私は「軽音部が大好きだ」って、泣き叫んで……。
澪「って、なんで私は律に抱きついているんだ!」
律「あらー、澪しゃんが大好きだ!って叫びながら私に抱きついてきたくせに何をおっしゃるー?」
澪「ち……違うっ、それは……」
律「澪」
律が私の名前を呼ぶ。
夢の中とは違う優しい声で。
顔を上げると、律はいつもの優しい顔で、私の涙を指で拭った。
律「私も澪のこと大好きだぞ! 愛してるぞー澪!」
律はそう言って私をぎゅっと抱きしめた。
澪「っ……」
瞬時に顔が熱くなって、体温が上昇していくのが分かる。
澪「ち、ちがうー! やめろ離せー! 離せえええええ」
そう叫びながらも、律の腕の中はすごく居心地がよくて。
いつものように拳骨を制裁することはしなかった。
投稿日:2010/08/12(木) 12:31:25
――私は見慣れた場所に立っていた。 ここは体育館のステージ裏。
目の前にはセットされたベースやドラムが見える。
そうだ、もうすぐライブなんだ。
私はもう一度鏡を見て全体をセットし、気合を入れた。
――今回は高校生活最後の学園祭でのライブだから、絶対に逃げない。
そのとき、突然。
律「澪」
後ろから名前を呼ばれた。
私を呼んでいるのは律だとすぐに分かったけれど、いつもとは何だか違う。
怒っているようにも、落ち着いているようにも聞こえた。
澪「何?」
律「澪は、今日からもう軽音部に来なくていいから。 ライブも、ベースはさわちゃんにやってもらうから、帰っていいよ」
律はペットボトルの水を飲みながら、冷静にそう言った。
澪「……はあ!? 何言ってるんだ!大体さわ子先生はベースできないだろ?」
律「なんとかする」
澪「何とかするって……どうして?どうして急にそんなこと……」
律「澪さ、本当に私たちと演奏したいのかわかんないんだよな。今回は最後のライブなのに怖がってばっかだし、なんていうか、軽音部への愛情が薄すぎるように見えるっていうか。 だからもういいよ」
律はそう言って、飲んでいたペットボトルを机に勢い良く置くと、ステージの方へと歩いていった。
澪「待って! 律! 行くな!!」
そう言って手を伸ばしても、律は振り返ってはくれない。
澪「私もライブに出たいんだ!私も……放課後ティータイムの一員だから!私も一緒に演奏させてくれ!」
澪「私は軽音部が大好きなんだ!! 大大大大好きなんだ……!!!!」
律「……みおー」
澪「……ん?」
大好きなんだ。
そう叫んだ自分の言葉に、私はふっと目が覚めた。
瞬時に目の前の世界は切り替わり、私が今いるのは部室……、そして目の前には律の顔。
唯「澪ちゃん、ずーっと泣きながら寝てたんだよ!」
紬「律っちゃんの腕の中でね」ニヤニヤ
梓「澪先輩、なにかあったんですか? もうすぐライブなのに」
そう言う唯たちの言葉で、やっと状況を整理し始めた。
ライブ前の最後の練習の途中で、私はいつのまにか眠りに落ちていた。
そして夢を見ていた。律に、もう要らないといわれて、私は「軽音部が大好きだ」って、泣き叫んで……。
澪「って、なんで私は律に抱きついているんだ!」
律「あらー、澪しゃんが大好きだ!って叫びながら私に抱きついてきたくせに何をおっしゃるー?」
澪「ち……違うっ、それは……」
律「澪」
律が私の名前を呼ぶ。
夢の中とは違う優しい声で。
顔を上げると、律はいつもの優しい顔で、私の涙を指で拭った。
律「私も澪のこと大好きだぞ! 愛してるぞー澪!」
律はそう言って私をぎゅっと抱きしめた。
澪「っ……」
瞬時に顔が熱くなって、体温が上昇していくのが分かる。
澪「ち、ちがうー! やめろ離せー! 離せえええええ」
そう叫びながらも、律の腕の中はすごく居心地がよくて。
いつものように拳骨を制裁することはしなかった。
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