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投稿日:2010/08/12(木) 12:31:25 ――私は見慣れた場所に立っていた。 ここは体育館のステージ裏。 目の前にはセットされたベースやドラムが見える。 そうだ、もうすぐライブなんだ。 私はもう一度鏡を見て全体をセットし、気合を入れた。 ――今回は高校生活最後の学園祭でのライブだから、絶対に逃げない。 そのとき、突然。 律「澪」 後ろから名前を呼ばれた。 私を呼んでいるのは律だとすぐに分かったけれど、いつもとは何だか違う。 怒っているようにも、落ち着いているようにも聞こえた。 澪「何?」 律「澪は、今日からもう軽音部に来なくていいから。 ライブも、ベースはさわちゃんにやってもらうから、帰っていいよ」 律はペットボトルの水を飲みながら、冷静にそう言った。 澪「……はあ!? 何言ってるんだ!大体さわ子先生はベースできないだろ?」 律「なんとかする」 澪「何とかするって……どうして?どうして急にそんなこと……」 律「澪さ、本当に私たちと演奏したいのかわかんないんだよな。今回は最後のライブなのに怖がってばっかだし、なんていうか、軽音部への愛情が薄すぎるように見えるっていうか。 だからもういいよ」 律はそう言って、飲んでいたペットボトルを机に勢い良く置くと、ステージの方へと歩いていった。 澪「待って! 律! 行くな!!」 そう言って手を伸ばしても、律は振り返ってはくれない。 澪「私もライブに出たいんだ!私も……放課後ティータイムの一員だから!私も一緒に演奏させてくれ!」 澪「私は軽音部が大好きなんだ!! 大大大大好きなんだ……!!!!」 律「……みおー」 澪「……ん?」 大好きなんだ。 そう叫んだ自分の言葉に、私はふっと目が覚めた。 瞬時に目の前の世界は切り替わり、私が今いるのは部室……、そして目の前には律の顔。 唯「澪ちゃん、ずーっと泣きながら寝てたんだよ!」 紬「律っちゃんの腕の中でね」ニヤニヤ 梓「澪先輩、なにかあったんですか? もうすぐライブなのに」 そう言う唯たちの言葉で、やっと状況を整理し始めた。 ライブ前の最後の練習の途中で、私はいつのまにか眠りに落ちていた。 そして夢を見ていた。律に、もう要らないといわれて、私は「軽音部が大好きだ」って、泣き叫んで……。 澪「って、なんで私は律に抱きついているんだ!」 律「あらー、澪しゃんが大好きだ!って叫びながら私に抱きついてきたくせに何をおっしゃるー?」 澪「ち……違うっ、それは……」 律「澪」 律が私の名前を呼ぶ。 夢の中とは違う優しい声で。 顔を上げると、律はいつもの優しい顔で、私の涙を指で拭った。 律「私も澪のこと大好きだぞ! 愛してるぞー澪!」 律はそう言って私をぎゅっと抱きしめた。 澪「っ……」 瞬時に顔が熱くなって、体温が上昇していくのが分かる。 澪「ち、ちがうー! やめろ離せー! 離せえええええ」 そう叫びながらも、律の腕の中はすごく居心地がよくて。 いつものように拳骨を制裁することはしなかった。
投稿日:2010/08/12(木) 12:31:25 ――私は見慣れた場所に立っていた。 ここは体育館のステージ裏。 目の前にはセットされたベースやドラムが見える。 そうだ、もうすぐライブなんだ。 私はもう一度鏡を見て全体をセットし、気合を入れた。 ――今回は高校生活最後の学園祭でのライブだから、絶対に逃げない。 そのとき、突然。 律「澪」 後ろから名前を呼ばれた。 私を呼んでいるのは律だとすぐに分かったけれど、いつもとは何だか違う。 怒っているようにも、落ち着いているようにも聞こえた。 澪「何?」 律「澪は、今日からもう軽音部に来なくていいから。 ライブも、ベースはさわちゃんにやってもらうから、帰っていいよ」 律はペットボトルの水を飲みながら、冷静にそう言った。 澪「……はあ!? 何言ってるんだ!大体さわ子先生はベースできないだろ?」 律「なんとかする」 澪「何とかするって……どうして?どうして急にそんなこと……」 律「澪さ、本当に私たちと演奏したいのかわかんないんだよな。今回は最後のライブなのに怖がってばっかだし、なんていうか、軽音部への愛情が薄すぎるように見えるっていうか。 だからもういいよ」 律はそう言って、飲んでいたペットボトルを机に勢い良く置くと、ステージの方へと歩いていった。 澪「待って! 律! 行くな!!」 そう言って手を伸ばしても、律は振り返ってはくれない。 澪「私もライブに出たいんだ!私も……放課後ティータイムの一員だから!私も一緒に演奏させてくれ!」 澪「私は軽音部が大好きなんだ!! 大大大大好きなんだ……!!!!」 律「……みおー」 澪「……ん?」 大好きなんだ。 そう叫んだ自分の言葉に、私はふっと目が覚めた。 瞬時に目の前の世界は切り替わり、私が今いるのは部室……、そして目の前には律の顔。 唯「澪ちゃん、ずーっと泣きながら寝てたんだよ!」 紬「律っちゃんの腕の中でね」ニヤニヤ 梓「澪先輩、なにかあったんですか? もうすぐライブなのに」 そう言う唯たちの言葉で、やっと状況を整理し始めた。 ライブ前の最後の練習の途中で、私はいつのまにか眠りに落ちていた。 そして夢を見ていた。律に、もう要らないといわれて、私は「軽音部が大好きだ」って、泣き叫んで……。 澪「って、なんで私は律に抱きついているんだ!」 律「あらー、澪しゃんが大好きだ!って叫びながら私に抱きついてきたくせに何をおっしゃるー?」 澪「ち……違うっ、それは……」 律「澪」 律が私の名前を呼ぶ。 夢の中とは違う優しい声で。 顔を上げると、律はいつもの優しい顔で、私の涙を指で拭った。 律「私も澪のこと大好きだぞ! 愛してるぞー澪!」 律はそう言って私をぎゅっと抱きしめた。 澪「っ……」 瞬時に顔が熱くなって、体温が上昇していくのが分かる。 澪「ち、ちがうー! やめろ離せー! 離せえええええ」 そう叫びながらも、律の腕の中はすごく居心地がよくて。 いつものように拳骨を制裁することはしなかった。 #comment

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