「短編67」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

短編67 - (2010/11/19 (金) 12:43:19) のソース

投稿日:2009/12/28(月) 01:50:09

―――――――澪の動く気配で目が覚めた。
あれ?目が覚めたって、さっきまで澪と話してたような…。
上手く働かない頭でぼんやり考えると、やっとさっきのは夢だったんだと気付く。

「ねえ」

いまだ覚醒しきらない意識のまま言葉を紡ぐ。

「夢に澪が出てきたよ」

寝呆けたまま、ただそれだけを伝えた。


「本物が目の前にいるだろ」


顔が一瞬で熱くなる感じがして布団に潜った。
こんなクサイ台詞を吐かれるなんて思ってなかったから、澪の顔が見れない。
こいつ無自覚かよっ…!
顔を上げないままでいたら強く抱きしめられた。
もういいや、澪に身を委ねたまま眠ってしまおう。



――――――――「夢に澪が出てきたよ」

起き抜けに何を言いだすんだ、こいつは。

「目の前に本物がいるだろ」

至極当たり前の返事を返すと、律は寝惚け眼を一瞬驚いたように開いて
そのまま布団に潜ってしまった。
布団の隙間から冷たい空気が入り込んで寒い。
せっかくの冬休み、いまだ顔を出してくれない律を抱きしめて二度寝しよう。



#comment
記事メニュー
ウィキ募集バナー