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短編73 - (2010/11/19 (金) 12:44:49) のソース
投稿日:2010/01/09(土) 06:06:56 「律ー、年賀状書いちゃいなさーい」 「はあーい」 そういって無造作に私に数十枚の年賀状を渡す母親。そんなに書かないけどなー・・・ とりあえず暖かいホットレモンを入れて部屋に戻り、[[お気に入り]]のシャーペンに芯を補充して机に向かう …年賀状を書くだけとはいえ、机に向かうのは少しかったるい どんな絵柄にするかも思いつかないので、今までの年賀状を参考にしようと、机の中を漁る 「・・・あ、これ・・・」 そのとき見つけた、澪からの初めての年賀状。パッと見でそこに描かれた物体を蛇と判断するのは至難の業 そういえば・・・このときは巳年でなあ、小学何年生だったかな・・・澪が蛇が怖くて描けないってんで私に相談してきて 何故か澪の出す分の年賀状も私が描いてあげたんだった・・・澪が私に出す年賀状を私が書くというのは なんとも奇妙なことだった。それでイタズラしようと思って、 私からは図鑑見ながらすっごくリアルに描いた蛇の年賀状送って、元旦から泣きながら澪が電話してきたのを覚えてる 何度も書き直したんだよなあアレ・・・なんでそこまで真剣になれたのか、今でも理解しがたい 記憶を辿ると、自分で言うのもどうかと思うけど、澪に何かしようとするときの私はいつでも真剣だった 驚かせるにしても、喜ばせるにしても、元気付けるにしても・・・ いつだかの澪の誕生日に、澪が欲しいといっていたクマのぬいぐるみをゲームセンターで何回も挑戦して取ったこともあった。 お小遣いがほとんど飛んで行ったなあ・・・でもそれ以来かなり私はUFOキャッチャーが上手くなった そこまでしておいて、普通に渡すのはつまらない・・・ってことで、別にびっくり箱を用意して、 そっちを先に渡して驚かせてから、クマのぬいぐるみを渡して喜ばせる・・・アメとムチ作戦を決行したのもよく覚えてる あのときの澪ったら驚いて泣き出したり喜んで泣き出したり・・・・ホントに泣いてばっかだったなあ その半年くらい先の誕生日で澪ったら仕返しのつもりか、対抗してビックリ箱用意したんだけど・・・ 自分で開けてビックリして泣き出しちゃったんだよなあ。そのことに私が驚いたから、ある意味では結果オーライだったんだけど・・・ 私と澪のプレゼント交換にはいつでもビックリ箱が顔を出してた・・・ まずい!なんか澪のこと考えてたら会いたくなってきた・・・今日は予備校ないって言ってたから会いに行っちゃうか! 私は足早に着替えを済ませ、階段を駆け下りた 「かあさーん!ちょっと出かけてくるー!」 「はーい・・・・って律!ねんがじょ・・・・もう聞こえてないか・・・」 さーて、今日はどうやって澪をいじろうかな! #comment