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短編76 - (2010/11/19 (金) 12:45:41) のソース

投稿日:2010/01/16(土) 08:00:37

帰り道の夕暮れ。
「澪!」
いつもの明るい声。
そこには毎度のように抱きついてくる律がいた。
律の体温を背中に感じる。
相変わらず慎ましい胸だ。

…だけど、律だからこんな事許せるんだよな。
それが当たり前になってる事に少し戸惑いも感じない訳じゃないけど
なんだか少し嬉しくて、切なかった。

なんであんなに思ってんのに…
たくさん律の口調とか一生懸命マネしてんのに…
ふと思った。
自分が女ではなく、男だったら、と。
…卑猥な思考が頭の中を駆け巡る。
「考えてもしょうがないな」
「? 何がだよ、澪?」
「もし私が男だったら、律との関係ってどうなってたのかなって」
「うーむ、男ねぇ…」
珍しく律が真剣に考えてる。
こんな顔の律、初めてかも。
しばらくしたのち。

「…んぁぁぁぁぁぁああっ!!」
「!?」
「わっかんないょそんな事ぉ!」
「律!?」
律は顔を赤らめながら十字路に向かって走りあっという間に見えなくなった。
「♪」
メールの受信音、律からだ。
[澪のばか!変な事考えちゃったじゃないかぁ!○]
!の隣に顔を赤らめるマークが付いてるのを見て
泣きそうになった。
[ありがと、律。]

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