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短編90 - (2010/11/19 (金) 12:51:07) のソース
投稿日:2010/05/04(火) 01:45:20 (あ、つい) 午前10時すぎ。かぶっていた布団を律のほうへ追いやりながら目を覚ました。 まとわりつく髪のせいで首筋にうっすらと汗が滲んでいる。 (今日は最高気温26度とか言ってたな) ごろんと寝返りをうつと、さっき端に寄せた布団に抱きついた。 汗ばんだ背中や首にスーっ空気が触れて気持ちが良い。 起きる様子のない律だが、押し付けられた布団が暑いのだろう、モゾモゾと身を捩っている。 (こういきなり気温が上がるとなんかダルいなぁ。しかも隣で寝てるこいつは子ども体温だし) 「ちょっと…みお暑いって」 布団もとい律に抱きついたままそんなことをボーっ考えていると、律が目を覚ました。 律はすっぽりかぶっていた布団から顔を出すと、今度はそれを足下へ追いやる。 「なんか今日めちゃくちゃあつくないかぁ?」 「おはよう、今日は最高気温26度だって」 それを聞くと律は露骨に嫌そうな顔をして前髪を掻き上げた。 せっかくのゴールデンウィークだというのに、こうも二人してだらけていていいものか。 といっても昨日は軽音部のみんなと一緒に遊びに行き、それで疲れてしまったというのもある。 「律、そろそろ起きろ」 身体を起こしながら声をかける。 (ああ、やっぱ身体がダルい。昨日遊びすぎた) 「んー起きるのはいいけど。澪しゃんその格好は反則だよ」 そう言われてやっと、自分がパジャマの上しか身にまとっていないことを思い出す。 瞬間、昨夜のことも思い起こされて羞恥で顔が熱くなるのを感じた。 「なっなに言ってんだ!早く起きろ!」 律は私の反応を見ながら笑っている。 (律のやつ、なんで昨日の今日で平気な顔してられるんだ!) 恥ずかしくて死にそうになっていると、不意に後ろから律に抱きつかれた。 「澪、顔真っ赤になってるよ?」 「暑いからだ!」 無理がある言い訳をしていたら、そのまま律に押し倒された。 「りっ律」 「そーいう可愛い反応されると、また襲いたくなるんですけど」 それだけ言うと、不意に口づけられた。 私の髪を、頬を、優しく撫でながら何度も何度も口づける。 「ハァ、澪しゃんあついね…」 そう言う律の頬にも少し赤みがさしていた。 (暑いのに…これ以上暑くなってどうすんだ、バカ) #comment