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短編122 - (2011/12/05 (月) 21:57:56) のソース
投稿日:2010/07/29(木) 09:41:05 夢の世界から現実へと引き戻す鐘の音が喧しく鳴り響き、目を覚ます。 あぁ、もう朝か。目覚ましを止めて窓の外を見ると、晴天。……こりゃ、今日も暑いな。 さて、準備を始める前に日課を遂行。 携帯を取り出し、メールを作成。宛先は勿論、アイツ。 もうアイツは準備を終えて、朝ごはんでも食べてるだろうか。 それとも昨日も夜遅くまで起きてから、まだ寝ているだろうか。 何時もこうやってアイツの事を考えてしまうのは、頭の中にそれしかないから。……なんてな。 おっと、いかんいかん。さっさとメールして準備始めないと。 件名は無し、本文はひらがなでたったの4文字。さっと打ち込んで送信する。 ディスプレイに『送信しました』の文字が出たのを確認して、準備開始。 準備を終え、あとは出るだけと言うところで携帯が鳴り響く。このメロディはアイツ専用。 結構返信までに時間かかったな。……気づかなかったんかな? まぁなんて返ってきてるかなんて、見なくたって分かるんだけど。 私が送信した内容と同じ、ひらがなで4文字のはずだ。 ……分かってても、毎回返事の確認をしちゃうんだよなあ。 そう思いつつ、携帯を手に取る。 差出人はやっぱりアイツ。まぁ、専用の着信音にしてるから当たり前なんだけど。 メールを開くと、ひらがな4文字。でも、私が予想していたものとは違った。 その文字を見た瞬間。顔に熱が集まって、同時に胸の奥がキュっと締め付けられた。 あぁもう、やってくれるじゃんか……あんにゃろ。 返信はせずに携帯を閉じ、全速力で待ち合わせ場所に向かう。 待ち合わせ場所には、既にアイツがいて携帯と睨めっこしていた。 もしかして、私からの返信待ちか?そうだったらすげー嬉しい。 ニヤつく顔をなんとか抑え、静かに澪に近づく。 ……気付かれないようにそーっと、そーっと。 「澪っ!」 「ひゃあああ!」 名前を呼び、後ろから抱きしめてやったら予想以上の反応。 これはこれは、驚かしがいがあるってーもんだよな。 「りーつー!」 「へへ、悪い悪い」 澪を抱きしめたまま、軽く謝る。 離せと言いながら暴れるコイツに、早速メールの返事をしてやることにする。 耳元に唇を寄せて、出来る限り低い声で囁く。 「『わたしも』だよ」 「!」 一瞬肩がビクリと反応したから、メールの返事ってことは伝わってるはず。 でも、それ以上の反応はなく、澪は暴れるのをやめて俯いている。 「……澪?」 急に無反応になられると、その、なんだ。困る。 何か、言ってくれよ。段々恥ずかしくなってくるじゃないか。 「……と、言って」 「え?」 「だ、だから。……ちゃんと、言って……欲しい」 どうやら今の返事ではご不満だったらしい。 どこまで可愛いんだよ、コイツ。 本当に、予想外のことばっかりやってくれちゃうんだから堪んない。 嬉しさとおかしさが抑えられず、私は吹き出した。 「ちょ、律!」 「ごめっ……ははっ!……お前っ可愛すぎ」 「なっ!ば、ばかりつ!」 再び暴れ始める澪を一旦開放してやる。すると、澪は抗議をしようとこちらを向いた。 そこをすかさず再び抱きしめる。ちゃんと言うなら、しっかり向き合いたいじゃん? 「澪」 「……なに」 澪の頬に手を添えてこちらを向かせる。顔を真っ赤にして目を潤ませちゃって、まあ。 このままこの表情を堪能していたいところだけど、ちゃんと言ってやんないとね。 『 』 差出人:律 件名: 本文:おはよう 差出人:澪 件名:Re: 本文:だいすき おわる。 - おおおお -- 名無しさん (2011-12-05 21:57:30) - こうゆうのなんか感動するw -- 名無しさん (2011-12-05 21:57:56) #comment