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短編131 - (2012/02/08 (水) 12:12:49) のソース

投稿日:2010/08/20(金) 20:19:19 

作詞が捗らず、気分転換に部屋を整頓していると懐かしいノートを見つけた。
私の記念すべき歌詞集第一弾。あちらこちらになにやら落書きされているけど、
全部ひっくるめて微笑ましい。頁を捲りながら当時のことを振り返る。しかしどの歌詞も
律のこと一色だ。今でもそうなので思わず笑ってしまった。その笑った拍子に、
折り曲げられた紙切れ落ちてきた。

なんだろう。
その紙切れを拾うと、私は首を傾けてそれを広げた。

◇

 『りっちゃんを下さい/秋山 みお』

今私の願い事が叶うならば りっちゃんが欲しい
この背中に 二人だけの 甘い翼 つけてください

この大空に りっちゃんと二人 飛んで行きたいよ
誰も知らない 秘密の世界(そら)へ
翼はためかせ 行きたい

◇
『翼を下さい』の替え歌だ。自分で書いていて赤面もの。
ご丁寧に名前まで書いてある。いつ書いた歌詞だろう。
記憶の糸を手繰り寄せる。

ああ、そうだ。

これは、私が人生で始めて書いた歌詞。多分、小学校4年生か5年生くらいだ。
そう、このときから私は律が好きで。ただただ伝えることの出来ないその想いを
この歌詞に託して。

これが私の原点。大好きな人への想いを素直に綴る。それで良いんだ。

◇

今お茶とかお菓子ならばいらないけど 笑顔が見たい
あの時から 募る想い 今も同じ 変わりはしない

この大空に 律と一緒に 飛んで行きたいよ
笑顔でいれる 律と二人 ずっとどこまでも 行きたい

◇

紙切れの空いた場所にそれを書き終えると、私は静かにペンを置いて
元のように丁寧にたたんでノートの適当な場所に挟んだ。
自分の気持ちを見失いそうになったらこれを見れば良い、きっと変わらない気持ちに
気付くから。

私はずっと――

「大好きだよ、バカ律」

◆



- 「翼をください」って名曲だな。  -- アクティブ  (2012-02-08 12:12:49)
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