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短編151 - (2010/11/19 (金) 13:10:41) のソース
投稿日:2010/10/17(日) 22:15:54 「いいか、ここはテストに……」 私は何となく授業に集中できなくて、呆と窓の外を眺めた。 窓の外では、律たちのクラスが体育をしていた。 体育祭の練習かな。リレーの練習をしているようだった。 唯が半周回って、私の良く知らない子にバトンを渡した。 その子が次にムギにバトンを渡して、ムギは走っていく。 その顔があまりにも爽やかで、私は思わず笑ってしまった。 「秋山ァ、聞いてるのか?」 その笑い声で、先生に気付かれてしまった。私は慌てて前に向き直った。 そういえば律の順番はまだなのかな。 私は授業に集中する振りをしながら、窓の外にちらりと目をやった。 すぐに律の姿を発見できた。 律は次に走るらしい。 律にバトンが渡った。 律が走り出す。 まるで小動物。だけど、見る者を魅了してしまうような走り。 単純に速いとかそんなんじゃなくって、律の走り方は綺麗だと思った。 あぁ、律から他の人へバトンが移ってしまった! もう少し、律の走るところを見ていたかった私は、溜息を吐くと前に向き直った。 「秋山ァ」 前には先生が居た。 「一旦、教室の外へ出て、頭冷やしてくるか?」 #comment