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短編159 - (2010/11/20 (土) 18:42:41) のソース
投稿日:2010/11/09(火) 00:04:57 「田井中ってさ~秋山さんとはぶっちゃけ釣りあわないよね」 たまに屋上で涼もうと思ったら聞き捨てならない台詞が聞こえた。 そっと覗くと律が、そのなんというかあまりよろしくなさそうな生徒3人に囲まれている。 「そんなのお前達に関係ないだろ!」 うん。私もそう思う。でも3人は引き下がらない。 「私達秋山さんのファンなんだよね」「ぶっちゃけ秋山さんのベースに比べてドラム下手すぎ」 「成績だって秋山さんの方が上で田井中は足ひっぱてるよね」「ロミジュリはよかったけど」 なんだよそれ、あなた達に律の何がわかるっていうんだ。 「いいたいことはそれだけか?私は教室に帰るからな」 「あっ!待ちなよ!!」屋上から出ようとする律の手が掴まれる 「痛っ!」その瞬間、私は屋上に飛び出した。 「止めろ!!」「あっ秋山さん!?」普段の私なら怯えちゃう。でもそんなの関係あるか 「お前達に律の何かわかるんだ!確かに律はバカだしお調子者だし、ドラム走るし」 「みっ澪ぉ…」 「でも、いつだって律は私を助けてくれたし、音楽の道にも導いてくれた。私は律がいなかった ら何にもできなかった。律のことうわっつらしか知らない癖に律を悪くいうな!!」 3人は呆然としている。何故か律も呆然としている。でもそんなの知るか 「行くぞ律。」律の手を取って屋上を後にする。 部室に避難?すると一気に気が抜けた。 「ふー怖かったあ」我ながらよくあんなことしたなと思う。 「澪、ありがとな。あと、そろそろ手いいよ」 律が少し頬を赤くしながら素直にお礼をいってきた。そういえば手つないだままか。まあいいや。 「でもやっぱ澪は人気あるなあ~。あれって嫉妬なんだろうな~」 「人気があるっていっても恥ずかしいし、あんなのは悪いけど迷惑だよ」 「でもあいつらのいうことも少しあたってるんだよな…私と澪は釣りあわ…」 「バカ!何言ってんだ!私達はそんなんじゃないだろ?」 バカなことを言おうとしたので律を思いっきり抱き締めてやる。 「うん。そうだな。」 私達が積み重ねてきたものがそんな簡単に否定されてはたまらない。 「さっきの澪かっこよかったけど、なんかいつもの澪らしくなかったな」 「ああ、私もそう思う。でも私だってやる時はやるんだぞ?」 「うん、知ってる」 「さっき言ったこと全部本音だからな」 恥ずかしいけどいってやる。 「バカでお調子者でドラム走るって?」 「バカ律」 律のオデコに軽くデコピンしてやる 「ふふっ」 「あはははは」 誰もいない部室で二人で笑いあった。 「なあ、もう授業始まってるよな…こりゃ先生に怒られるな」 「どっどうしよう!?りつぅ~」 - まじいい話だぁ~ -- カットマン (2010-11-20 18:42:41) #comment