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短編203 - (2012/02/09 (木) 03:02:12) のソース
//>>750 投稿日:2011/02/12(土) 02:23:25 「ひゃんっ」 律は悲鳴までが可愛らしい。 けれども、それは助けを求めるサインでもある。 だから私は浸る事をすぐに止め、視線を律へと向ける。 そこで展開される光景に、私も危うく悲鳴を漏らしそうになる。 いちごに胸を揉まれて頬を赤らめる律、 その情景を視界に納めつつも自制の念を働かせる事は容易ではない。 「な、何すんだよー。くすぐったいじゃんかー」 「律、私をジュリエットに推薦しようとしたでしょ? そのお返し。 あ、後ね、お姫様みたいって言ったでしょ? そのお礼も込めて」 容易ではないが、必死の努力で理性を働かせて衝動的な感情を抑えこむ。 そして努めて冷静な口調で、いちごに止めるよう促した。 口調だけでもクールダウンさせないと、 衝動が理性を突き破って嫉みのまま行動しかねない。 「あの……律、小さくて気にしてるからあんま触らないであげてというか……」 途端、律が俯いた。 劣等意識を抱いている身体的欠陥を抉られた衝撃が大きかったのだろう。 この二人のやり取りは、 律がいちごを姫だと形容した事を私にフラッシュバックさせていた。 その時の怒りが毒となって言葉に篭ってしまったのだ。 「ふーん。じゃあ、大きくしてあげないとね」 いちごは私の制止を無視して、律の胸を更に弄んだ。 私は先程より強めの口調で、制止を促した。 「なぁ、止めてくれないか?」 「ヤダ」 いちごの返答はにべも無かった。 もう級友だからといって容赦してやる必要は無い。 その華奢な腕を掴んで、睥睨と共に言葉を放つ。 「私の物を勝手に触らないでくれないか?」 いちごは反発を含めた強気の表情で私を一瞥した。 だが、その強気の表情は一瞬で崩れた。 見る間にその顔は青褪めてゆき、 「ご、ごめん」 紫色へと変色した唇から掠れた声で謝罪の言葉を紡いだ。 恐ろしいものを目にしてしまったかのような豹変振りだ。 私が手を放してやると、いちごは足早に去っていった。 「律、大丈夫だったか?」 「あ、うん。でも澪ったら酷いぜ。 人が気にしてる事を」 私は素早く後ろに回って、その細い身体を抱いてやる。 「ごめんな。その責任取るから、許してよ」 「ど、どうやって?」 「いちごがやろうとした事と、同じ方法。 つまりこうやって」 私は律の胸に掌を添える。 途端、律の華奢な肢体が痙攣したように小刻みに震えた。 いちごの時とは明らかに違う反応に、私の心が躍る。 震えは身体だけではなく、声にも表れていた。 「お、大きくなるまでやってもらうからなっ」 そういう事言われると、 いつまでも大きくならないで欲しいって思っちゃうな。 <FIN> - そこはやっぱり「大きくなって『も』やってもらうからなっ!」と脳内変換すべきww -- 通りすがりの百合スキー (2011-02-13 02:06:28) - おおそれいいなw -- 名無しさん (2011-12-05 20:47:28) - キャーッ!! イイ....イイっすよ!! -- 名無しさん (2012-01-21 17:31:33) - ふぅ… -- 名無しさん (2012-02-09 03:02:12) #comment