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投稿日:2010/08/02(月) 03:27:25 「ねえ、澪。」 律が呼ぶ。 その声はなんだか今にも泣き出しそうだった。 律は私のベッドに横になっていて、私はベッドを背もたれに雑誌を読んでいる。 今日は二人で遊んだあと、そのまま私の部屋まで来ていたのだ。 「どうした?」 急に弱々しい声を出すもんだから心配になって振り向くと、やはり泣き出しそうな表情の律と目が合った。 「ねえ澪、こっちきて」 そう言って腕を引っ張るので私はベッドに腰掛ける。 すると後ろから抱き締められた。 ぎゅう、と細い腕を腰に回して身体をくっつける。 「律ー、どうしたんだ?」 私も体勢を横にしながら問い掛ける。 二人とも同じ方向を向いたまま、顔は見えない。 本当は律がなんで泣きそうなのかもわかっていた。 もうずっと前から、私達はお互いの気持ちを知っていた。 その上でごまかし続けてきた。 それは律に対してじゃなくて自分に。 多分律だってそうなんだろう。 私だってこうやって抱き締められてるくせに、本当の気持ちは言葉にしない。 好きとか愛してるとか、言葉にしたら形になってしまう。 それが怖いから、今の関係が一番心地いいから、二人とも相手の気持ちに気付いていても何も言わないんだ。 私はくるりと律のほうを向くと、律の背中に腕を回した。 律は私の髪を撫でている。 それが気持ち良くて、私もお返しとばかりに律の髪に触れた。 すると律と目が合って、もう泣きそうな顔はしてないな…と思っていたら、そのまま後頭部を引き寄せられた。 柔らかい感触を軽く唇に受けると、すぐに離れる。 それが切なくて、今度は私から律へと口付けた。 『律、あいしてる』 伝えられない思いを心の中で囁いた。 終わり
投稿日:2010/08/02(月) 03:27:25 「ねえ、澪。」 律が呼ぶ。 その声はなんだか今にも泣き出しそうだった。 律は私のベッドに横になっていて、私はベッドを背もたれに雑誌を読んでいる。 今日は二人で遊んだあと、そのまま私の部屋まで来ていたのだ。 「どうした?」 急に弱々しい声を出すもんだから心配になって振り向くと、やはり泣き出しそうな表情の律と目が合った。 「ねえ澪、こっちきて」 そう言って腕を引っ張るので私はベッドに腰掛ける。 すると後ろから抱き締められた。 ぎゅう、と細い腕を腰に回して身体をくっつける。 「律ー、どうしたんだ?」 私も体勢を横にしながら問い掛ける。 二人とも同じ方向を向いたまま、顔は見えない。 本当は律がなんで泣きそうなのかもわかっていた。 もうずっと前から、私達はお互いの気持ちを知っていた。 その上でごまかし続けてきた。 それは律に対してじゃなくて自分に。 多分律だってそうなんだろう。 私だってこうやって抱き締められてるくせに、本当の気持ちは言葉にしない。 好きとか愛してるとか、言葉にしたら形になってしまう。 それが怖いから、今の関係が一番心地いいから、二人とも相手の気持ちに気付いていても何も言わないんだ。 私はくるりと律のほうを向くと、律の背中に腕を回した。 律は私の髪を撫でている。 それが気持ち良くて、私もお返しとばかりに律の髪に触れた。 すると律と目が合って、もう泣きそうな顔はしてないな…と思っていたら、そのまま後頭部を引き寄せられた。 柔らかい感触を軽く唇に受けると、すぐに離れる。 それが切なくて、今度は私から律へと口付けた。 『律、あいしてる』 伝えられない思いを心の中で囁いた。 終わり #comment

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