CAPCOM VS. SNK

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#contents ---- *概要 当時、対戦格闘の二強として名を馳せていた「カプコン」と「SNK」が、ついに同じ土俵で戦うドリームマッチが実現した、[[クロスオーバー]]のビッグタイトルである。 カプコンとSNKがそれぞれの機種やジャンルでクロスオーバー作品を出していくプロジェクトの第3弾。 (第1弾はNEOGEOポケットのカードゲーム『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』、第2弾は同機種の対戦格闘ゲーム『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』) それまで格闘ゲームファンから「絶対に叶わない対決」としてこの両社のキャラクター達の競演が挙げられていた。 しかし両社公認の、しかも真っ向からの対決として、発表された当初からカプコン・SNK両陣のファンから熱い期待を持たれたタイトルである。 [[リュウ]]対[[テリー>テリー・ボガード]]、[[ケン]]対[[京>草薙京]]、[[春麗]]対[[舞>不知火舞]]といった、当時は想像の話でしかなかった対決がメーカーの枠を越えて実現した。 このシリーズは後に、SNKプレイモアの『[[SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS]]』にも続き、これまでカプコンはカプコン、SNKはSNKという棲み分けから、 互いのキャラクター達が交流し合うという、ゲーム業界におけるクロスオーバーの概念に転機をもらたした。 これを境に、他のメーカーも積極的なクロスオーバー作品を発表し、新たな楽しみを提供している。 ---- **CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000 #image(CVS1_logo.jpg,width=270) 2000年稼働。 セガの汎用アーケード基板「NAOMI」でリリース。略称は「カプエス」「CVS1」。 対戦格闘ゲームの二大巨頭のクロスオーバーという事もあり、ユーザーの期待は大きなものであった。 そして満を持して登場となった本作は、稼働初期には大きな反響を以て受け入れられた。 -カプコンとSNKの独自のシステムを尊重し、それを選択出来る「[[グルーヴ]]」 -キャラクターの体力や攻撃力を示す「レシオ」 -その決められたレシオ数の範囲内でチームが構成できる、[[KOF>THE KING OF FIGHTERS]]譲りの「チームバトル対戦」 と、出来る限りの要素を詰め込んでの登場となった。 しかし -システム面での練り込みが足りなかった -「レシオ」制度によるキャラ優遇 -カプコンサイドの[[ドット絵]]が、リュウ、ケン、[[ベガ]]以外は『[[ストリートファイターZERO]]』シリーズの使い回し -NEOGEOと同じ4ボタン式で攻撃の幅が狭まってしまった -キャラ別EDが存在せず、共通EDとなっている という原因もあり、あまり長続きはしなかった。 (ただ、同じ4ボタンでもSNKはきちんと攻撃の幅を持たせていたので、カプコンにとっては慣れない操作系だったのでは、とも言われている) しかし、この反省点から後のCVS2へと繋がる布石となった、記念すべきタイトルにもなった。 また、デモ画面でしか登場しなかった[[ダン]]と[[ジョー>ジョー東]]を追加し、バランス調整を行ったアッパーバージョンの『PRO』もある。 なおタイムリリースサービスとして、キャラ性質が異なる「[[EXキャラクター]]」が選択できるようになっている。 このEXキャラクターはCVS2には存在しないので、例えば「闇払いを撃つCVSドットの京」が見られるのはCVS1だけである。 また、一部のキャラは逆にEXキャラクターの方がCVS2に継承されたため、妙に[[かりん様>神月かりん]]っぽい攻め方ができる[[さくら>春日野さくら]]もCVS1でしか使えない。 -システム 1レバー+4ボタン(弱・強×パンチ・キック)。 1~4体のキャラクターでチームを構成し、チーム同士の勝ち抜き戦を行う。 ラウンド終了後敗れた側は次のキャラに交代し、勝った側は若干体力が回復した状態で引き続き戦い、相手チームの全員を倒した側が勝利となる、 KOFの基本ルールに則っての進行となる。 尚、キャラクターにはそれぞれ強さを示す「レシオ」が設定され、この合計が4に収まるようにチームを組む必要がある。 レシオは1~4とあり、 -1:テクニカル系 -2:パワーラッシュ系 -3:ボス系 -4:(真)ボス・隠しキャラ系 という振り分けとなっている。 チームを組むとなると下記のパターンとなる。 -レシオ1のみで構成の4名 -レシオ2と1を含む3名 -レシオ2同士の2名 -レシオ1と3の2名 -レシオ4が1名 体力と攻撃力は足りないが、手数で攻めるレシオ1で構成するか、バランスを重視したレシオ2のキャラを投入するか、 一発逆転の破壊力を持つレシオ3のキャラを入れるかというのも戦略のひとつとなった。 また家庭用では特典としてキャラのレシオを自由に変更できるようになっており、全キャラレシオ4でプレイできる。この場合は1人のみの選択となり、チームは組めない。 しかしキャラ性能の調整がこの固定レシオ制と真っ向から反発する結果となる。 レシオ3のボス級キャラは体力や性能はぼちぼちだが、必然的に2人チームとなるためキャラ選択の余地がなく、人数面での不利を覆す程の性能は持ち合わせていなかった。結果レシオ3は死にキャラ帯となる。 一方レシオ1は体力面の不利はあったものの、逆に言えば体力以外は他レシオと大差ない性能になってしまっており、特に火力に関しては申し分ないキャラの方が多かった。 最大で4人で組めるチーム編成の自由度の高さもあり、最も使用率の高い勝ち組層となる。 レシオ2はレシオ相当の調整はされていたが、レシオ1×2人以上に相当する腕or性能が必要となり、 主人公格のスタンダードキャラが多かった事もあって使用頻度はレシオ1に比べると低かった。 ただし[[隠しキャラ]]の[[ナコルル]]は別格で、強烈な崩し性能・攻め能力から、ナコルル込みのチームが最強とする説もあった。 結果として、「レシオ1×4」or「レシオ2+レシオ1×2」が主流チームとなり、使われるキャラが大きく偏る事となってしまった。 なお、『PRO』ではレシオ3が大幅に強化、レシオ1が弱体化したため、チーム編成の自由度が上がり、レシオ制は本来意図した戦略性を大幅に回復している。 -[[グルーヴ]] (GROOVE) グルーヴとは、異なるゲーム同士の対戦を実現するためのシステムである。プレイヤーはキャラクター選択前にCAPCOMグルーヴとSNKグルーヴのどちらかを選択し、 それによってキャラクターの特性が決定される。それぞれのグルーヴには以下の特徴がある。 CAPCOMグルーヴ 攻撃などの行動によってスーパーコンボレベルゲージが徐々に溜まっていき、一定量溜まるとこれを消費して[[スーパーコンボ>超必殺技]]を発動できる。溜まり具合によってレベルがLv1~3の3段階に分けられ、レベルが上がる毎に若干攻撃力や防御力が上がり、またより強力なスーパーコンボが使用可能になる。スーパーコンボを使用する際にボタンの種類でレベルを指定可能(弱でLv1、強はLv2、両方を同時に押すとLv3になる)。『ストリートファイターZERO3』のZ-ISMに近い。 回避動作は前転となり、KOFシリーズよりもコンパクトな動作となっているため、裏回り連携は勿論、暴れ、割り込みにと大活躍する事となった。 結果、避け動作、ゲージ溜めなどで足が止まりがちなSNKグルーヴよりも、アクティブに動けるCAPCOMグルーヴが主流となっていった。 SNKグルーヴ エキストラゲージと呼ばれるゲージがあり、こちらは攻撃では溜まらない替わりに「ゲージ溜め」という行動を取ることで任意に溜めることがでる。これが上限まで溜まる(MAX状態)と、一定時間攻撃力がアップすると共に、ゲージを全て消費して[[超必殺技]]を発動できる。またダメージを受け体力が一定以下になると常時超必殺技が使えるようになり、体力が一定以下かつエキストラゲージがMAX状態だとMAX超必殺技(Lv3スーパーコンボに相当)というさらに強力な技を発動できる。『THE KING OF FIGHTERS '98』のEXTRAモードに近い。 前述の理由で人気薄となったSNKグルーヴだが、体力点滅時に庵の八酒杯のようなLv1スーパーコンボを連発する戦法が割と面倒臭く、ライトプレイヤー層には結構選択されていたりもする。 グルーヴはキャラクターの出自にかかわらず選択でき、例えばSNKグルーヴのリュウやCAPCOMグルーヴの京なども使用可能。選択したグルーヴによって、[[キャラクターのイラスト>絵師]]が変化する。 カプコングルーヴは西村キヌ氏およびイケノ氏のイラスト、SNKグルーヴはキャラセレクトはBENGUS氏、それ以外は森気楼氏のイラストとなる。 #image(Kyo_BENGUS.gif,title=森風BENGUS京) なおCVS2ではC・A・Pグルーヴは西村キヌ氏、S・N・Kグルーヴは森気楼氏の担当となっている。 &nicovideo(sm7545885)&nicovideo(sm7546031) ***登場キャラクター -CAPCOM >[[リュウ]]、[[ケン]]、[[春麗]]、[[ガイル]]、[[ザンギエフ]]、[[ダルシム]]、[[エドモンド本田]]、[[ブランカ]]、[[M・バイソン]] >[[バルログ]]、[[サガット]]、[[ベガ]]、[[春日野さくら]]、[[キャミィ]]、[[殺意の波動に目覚めたリュウ>リュウ]]、[[モリガン・アーンスランド]]([[隠しキャラ]])、[[豪鬼]]([[隠しキャラ]])、[[ダン]](『PRO』) -SNK >[[草薙京]]、[[八神庵]]、[[テリー・ボガード]]、[[リョウ・サカザキ]]、[[不知火舞]]、[[キム・カッファン]]、[[ギース・ハワード]]、[[山崎竜二]]、[[ライデン]] >[[ルガール・バーンシュタイン]]、[[バイス]]、[[二階堂紅丸]]、[[ユリ・サカザキ]]、[[キング]]、[[ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ>八神庵]]、[[ナコルル]]([[隠しキャラ]])、[[ジョー東]](『PRO』) ---- **CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001 #image(CVS2_logo.jpg,width=270) 2001年8月稼働。 前作と同じく、セガの汎用アーケード基板「NAOMI」でのリリース。「カプエス2」「CVS2」と呼ばれる。 前作はROMボードだったが、今作ではドリームキャストと同じGD-ROMでの供給となった。 前作の反省点を踏まえ、大幅なシステムの追加と調整、キャラの選択やドットの作り直し、そして6ボタンにして作りをカプコンサイドに持って行き、徹底した作り込みを行った。 その結果、対戦ツールとしての完成度は前作に比べ大幅に向上し、それに伴いインカムもかなり長きに渡るようになった。 しかし、全く問題がなかった訳でも無く、稼働時は6種のグルーヴからなる対戦の醍醐味とキャラバランスが良好ではあったのだが、研究が進むにつれバランスは次第に崩れていった。 各グルーヴ間の相性、キャラとグルーヴの相性、グルーヴ自体のシステム解析が進み、キャラとグルーヴの選択はどんどん狭まっていき、「オリコン」の発展が大きくパワーバランスを乱していった。 更に追い討ちをかけるように「[[前転キャンセル]]」なるバグ技が発見された事で状況は一変。 その恩恵を受けるキャラが猛威を振るう事となり、更に前述のAグルーヴとの相性が非常に良好だったため、「Aグルと相性の良いキャラ」が一気に地位を上げ、下位との溝を決定的な物にした。 (家庭用に移植されたうち、XBOX版とゲームキューブ版はこのバグが修正されている) また、&bold(){飛び込みからの連続技を積極的に狙うのではなく、一発一発を慎重に当てていく}という社風上、積極的に飛び込みを仕掛け迎撃のリスクを承知しつつもそれを上回るリターンをもたらす高威力の連続技を狙って行くというスタイルが主流であった殆どのSNKキャラはシステム的なカプコンナイズにより前述の地上戦(の技の差し合い合戦)における慎重な試合運びを身上としているカプコンキャラに対して不利な面が多く、タイトルでは『カプエス2』ではあるのに使われるキャラはカプコンキャラのみという、ある意味本末転倒な結果となってしまった(現在ではSNKキャラの研究も進み、[[八神庵]]や[[高嶺響]]などは上位に入り使用率も高いが、比率は圧倒的)。 また対戦ツールとしては(バグやAグルーヴの猛威を除けば)かなり完成度が高いが、特定条件下で見れる個別エンディングが質素であったり、前作ではあったKOF'94の様な試合開始前のステージ演出が無くなってしまったりと、演出面での不足が目立つ作りとなってしまっている。 なお本作をドリームマッチ、クロスオーバーの傑作とするユーザーも多い。 上記のバグ技やキャラの偏りはあったものの、カプコンキャラに攻撃避けや緊急回避が、SNKキャラに中攻撃やブロッキングが付いたことで新たに動かす楽しみが付加されたこと、そして純粋に対戦が楽しい作りであったことが、前述のように長いインカムへと繋がったといえる。 クロスオーバー企画の対戦格闘として、そして二大対戦格闘メーカー対決としての重役を担う事が出来たことは、評価できるタイトルと言えるだろう。 -システム 1レバー+6ボタン(弱・中・強×パンチ・キック) 基本的なルールは前作と変わらない、勝ち抜き戦のチームバトルであるが、レシオのルールが大きく変化した。 まずレシオが合計で4になるのは変わらないが、今作ではレシオがキャラごとに固定ではなくなり、最大3人までのチームメンバーに4のレシオを振り分けるスタイルに変更となった。 そのため自分の思い入れのあるキャラ、リーダー格となるキャラに高いレシオを振り分ける、またキャラを1人だけ選択してレシオ4を全て振り分けるといった、好みの戦略を作り出せるようになった。 -[[グルーヴ]] (GROOVE) グルーヴとは、異なるゲーム同士の対戦を実現するためのシステムである。前作の2種類に対し本作では6種類と大きく増えており、プレイヤーはキャラクター選択前に C, A, P, S, N, K のうちひとつのグルーヴを選択する。強力な必殺技を出すためのゲージの仕様が主に異なり、その他高速移動・回避行動などの各種の特性(サブシステム)がグルーヴによってそれぞれ変化する。ゲージはSとK以外では攻撃などの行動で少しずつ溜まっていく。 詳細は別ページに纏められているので、[[こちら>グルーヴ]]を参照の事。 -共通システム 相手の近くでレバー前or後ろ+強攻撃で相手のガードを崩す投げ。 P投げは発生が早いが抜け猶予が大きく、K投げは発生が遅いが抜け猶予が短いと言う差別化がされている。 体力下にガードゲージがあり、相手の攻撃をガードすると消費。ガードゲージが無くなるとガードクラッシュが成立し、一定時間無防備になる。 レバーを下に倒してから上に入れることで大ジャンプ。 ゲージを一定量消費してスーパーコンボ(超必殺技)が使用できる。スーパーコンボはLv1~Lv3(MAX)の3種類に分かれ、使用条件はグルーヴにより異なる。 //同じ内容が2つのページに書いてあるのは効率悪いし、ほとんど書いてある事同じなのに微妙に違って両方読まなきゃ行けなかったので、以下一気に「グルーヴ」のページに統合。 // //-カプコン系 //C, A, Pグルーヴが該当する。高速移動のためのサブシステムはダッシュ(ステップ)。 //スーパーコンボ発動時は、背景がネガ反転する。 // //Cグルーヴ - スーパーコンボレベルゲージシステム - 空中ガード、回り込み、時間差起きあがり、ガードキャンセル攻撃 //ゲージはレベル(Lv)1 - 3の3段階に分けられており、溜まり具合に応じてLv1 - 3のスーパーコンボを出すことができる(レベル選択はボタンの弱中強で行う)。 //全グルーヴ中唯一空中ガードが可能。Lv2のスーパーコンボを出せるのもこのグルーヴのみで、Lv2は全ての必殺技及びLv1スーパーコンボでキャンセルすることが可能。 //汎用性が高く、初心者を初め多くのプレイヤーに好まれるスタンダードなグルーヴ。 //空中ガードが比較的強く、安定した防御的な戦い方をするのにも向いたグルーヴである。 //『ストリートファイターZERO3』のZ-ISM(海外版ではA-IZM)に近く、前作のCAPCOMグルーヴとほぼ同じ。 //余談として家庭用の設定でゲージ常時MAXにするとLv2スーパーコンボからのキャンセルがLv2および3にもキャンセルでき、ぶっちゃけた話技によってはLv2スーパーコンボをキャンセルしまくれば簡単に[[永久]]が出来たりする(「[[龍虎乱舞]]」や「鳳凰脚」などの[[乱舞技]]はもちろんのこと、「[[昇龍裂破>昇龍拳]]」や「無式」さらには当て方によっては「スクリューアッパー」までも可能)。 // //Aグルーヴ - オリジナルコンボゲージシステム - 回り込み、ダウン回避、ガードキャンセル攻撃 //ゲージは2段階に分かれており、半分以上溜まるとLv1のスーパーコンボが、完全に溜まると[[オリジナルコンボ]]が使用可能。 //オリジナルコンボを発動するとゲージが徐々に減少していき、ゲージが空になるまでの間、通常技・必殺技を問わずキャンセル(攻撃を当てた後の隙を強制的に解除して別の攻撃を出す)が可能になる。 //また残りゲージ量にかかわらず、持続中であればLv1スーパーコンボを1回だけ出すことができる。 //またオリジナルコンボ発動の瞬間は、Lv3スーパーコンボと同等の無敵時間が設定されており、非常に強力である。 //オリジナルコンボ以外のシステムは、他のグルーヴに比べるとやや貧弱である。そのためゲージが溜まりきるまで、どう闘うかが鍵となるはずだったが、前キャンで大幅にこの弱点は埋められてしまった。 //ケンの鉈落とし蹴りのような、従来は「振りがコンパクトだが立ち回りで振れない技」だったものが、無敵付加によって「強判定の置き技をブンブン振り回してゲージ溜め」と言う強力な行動に変化し、立ち回りの強さ、ゲージ回収率が大幅に補強されてしまう事となった。 //一部のキャラクターはオリジナルコンボを絡めた戦法が桁違いに強力であるため、全グルーヴ中Kグルーヴと共に最強とされ、これの為だけに大会でAグルーヴとそのキャラクターを選択するプレイヤーも多い。 //『ストリートファイターZERO3』のV-ISMに近い。 // //Pグルーヴ - スーパーコンボゲージシステム - ブロッキング、時間差起きあがり、小ジャンプ //ゲージは1段階のみで、完全に溜まったときのみLv3のスーパーコンボが使用可能。 //ゲージが溜まる速度は他のグルーヴより遅いが、ブロッキング成功時はゲージが多めに溜まる。 //また、ゲームキューブ版とXbox版では必殺技からスーパーコンボに繋げるスーパーキャンセルが使用可能。 //『[[ストリートファイターIII]]』の特徴的なシステムであるブロッキングが使用できる。 //相手の攻撃を受ける直前にレバーを前方か真下に入力することで相手の攻撃を受け止め、すぐさま隙なく行動可能になる。 //ハイリスクなブロッキングであるが、ブロッキングを前提にデザインされた『ストIII』と違い成功時の時間停止が小さく、成功を確認しての反撃は難しい。 //特に飛び道具をブロッキングした時は、ブロッキングした側だけが一方的に停止し無駄にスキを作ってしまうと言う欠点まであった。 //システムも貧弱で、スーパーコンボが使用可能になるまでに時間がかかりすぎることもあり、一発逆転のイメージからは残念ながらほど遠いのが現状である。 //それでも上級者の中にも、ブロッキングにある種のロマンを感じあえてこのグルーヴを使い続けるプレイヤーも存在する。 //特に小ジャンプからの攻めが強く、強攻撃からのコンボダメージが高い京のようなキャラはPグル向きで、熟練を要するものの、非常に強い組み合わせだった。 //ブロッキングに関しても、「ムーミンガード」と呼ばれる現象に対応しており、3rd的な感覚ではなく、カプエス独自のブロッキングの使い方をすれば決して弱いシステムではない。 //『ストリートファイターIII』の長いゲージ1本のスーパーアーツを持つキャラクターに近い。 // //-SNK系 //S, N, Kグルーヴが該当する。高速移動のためのサブシステムはラン。 //[[超必殺技]]発動時は、背景が暗転する。 // //Sグルーヴ - エキストラゲージシステム - 攻撃避け、時間差起きあがり、ガードキャンセル攻撃、小ジャンプ //前作のSNKグルーヴと同じく、強攻撃2ボタン同時押しによる「ゲージ溜め行動」で任意にゲージを溜められる。 //ゲージが一杯になると減少を始め、空になるまでの間攻撃力が上がり、1回だけ超必殺技(Lv1のスーパーコンボに相当)が使用可能になる。 //また、体力が減少した状態では超必殺技を無制限に出すことができるほか、ゲージが一杯になっていればMAX超必殺技(Lv3のスーパーコンボに相当)を出すことができる。 //ゲージを溜めるために、時には攻撃をたたみかけるチャンスを捨てねばならないうえ、瀕死になるまでMAX超必殺技を出せないと言う点がネックになって大ダメージを与えるチャンスに欠ける。 //システムも癖が強く使いづらい。しかし、キャラによっては条件付で無制限に超必殺技を出せることのメリットや、これを利用した超高威力の連続技も可能。 //避けはそれ自体に硬直がない(全フレーム打撃無敵)のため、完全なタイミングで出せば永遠に打撃無敵でいる事もできる。 //避けが前キャンに強く、小ジャンプ・ランを絡めた攻め、Lv1スーパーコンボの性能が高いキャラならば非常に強いグルーヴと言われていたが、扱いが難しく浸透しなかったため、最もレアなグルーヴとなった。 //『THE KING OF FIGHTERS '98』のEXTRAモードに近い。 // //Nグルーヴ - アドヴァンストパワーゲージシステム - 回り込み、ダウン回避、ガードキャンセル攻撃、ガードキャンセル移動、小ジャンプ //ゲージが一杯になるとストックとして3つまで保持することができ、これを消費して超必殺技や強攻撃2ボタン同時押しによるパワーMAXを発動できる。 //パワーMAX状態は一定時間持続し、この間攻撃力が増加するほか、更にストックを1つ消費してMAX超必殺技を使用可能。 //豊富なシステムによってあらゆる状況に対応でき、ゲージ効率・機動力共に高く、パワーMAX状態でラッシュをかけてプレッシャーを与える戦い方が可能。 //『THE KING OF FIGHTERS '98』のADVANCEDモードに近い。 //カプコンサイドでのCグルーヴと対を成す、SNKサイドでの初心者入門グルーヴであり、効率と逆転要素がバランス良く整っているグルーヴである。 //小ジャンプ・ラン・MAX発動が組み合わさったラッシュ力が最大の持ち味で、事実闘劇では大貫氏が強烈なラッシュで鬼神の如き強さを見せ付けていた。 //また、ガードキャンセル移動で他グルーヴには不可能な反撃を行う事ができるのも強み。 // //Kグルーヴ - 怒りゲージシステム - ジャストディフェンス、ダウン回避、小ジャンプ //怒りゲージは能動的には溜められず、相手の攻撃を食らうことで溜まっていく。ゲージが溜まりきると怒り状態になり、ゲージは減少を始める。 //空になるまでの間、攻撃力・防御力ともに大きく上昇するほか、MAX超必殺技が1回だけ使用可能になる。 //防御面では、相手の攻撃が当たる直前にガードすることで硬直を若干減らし間合いが離れなくなる[[ジャストディフェンス]]を備える。 //これを成功させると、体力が若干回復するほか、怒りゲージも溜まる。 //怒り状態の攻撃力上昇が大きいので、この間にいかに攻撃を当てるかが鍵となる。 //相手もできる限り逃げようとするので、元々機動力の低いキャラクターにはあまり向かないグルーヴである。 //ジャストディフェンスがローリスクで使いやすく、防御面でも強い。 //ただし、緊急回避やガードキャンセルなど柔軟性のある防御手段がないため、そこには注意したい。 //怒りゲージは『サムライスピリッツ』から、ジャストディフェンスは『餓狼 MARK OF THE WOLVES』からそれぞれ採用されている。 //怒り時の攻撃力の高さから、「単価の高いキャラ」「ラッシュ力のあるキャラ」と相性が良く、攻撃力・防御力を大幅に強化できるため、Aグルーヴに並ぶ強グルーヴと言われる。 //ブロッキング・ジャストディフェンスが通常ガードより成立が早く、通常ガードできない状況でガード可能になる現象、通称「ムーミンガード」の発覚も大きい。 //実質「ブロッキング・ジャストディフェンスで硬直を1F減らせる」に等しく、一部の技に反撃がなくなる(反撃しようとすればゲージ・体力・有利Fを与えてしまう)ためKグル選択時の大きな強化点となる。 // &nicovideo(sm3863061) ***登場キャラクター &bold(){前作からの追加キャラクター} -CAPCOM >[[イーグル]]、[[マキ]]、[[鑑恭介]]、[[ユン]]、[[ロレント]]、[[神人豪鬼>真・豪鬼]]([[ラスボス]]) -SNK >[[藤堂竜白]]、[[麻宮アテナ]]、[[ロック・ハワード]]、[[覇王丸]]、[[高嶺響]]、[[チャン・コーハン]]、[[ゴッドルガール]]([[ラスボス]]) ---- ---- *MUGENでの扱い クロスオーバーの代名詞なタイトルだけあって、システム面での影響はかなり大きい。 1つのキャラクターに6つのグルーヴを備えることにより色々な操作の楽しみ方がある事、ブロッキングやジャストディフェンス、攻撃避けや緊急回避等の特殊防御システムの充実等、「そのキャラクターの新たな魅力を引き出す可能性」を多く持つシステム構造に人気がある。 また、MUGENでのCVSシリーズのグルーヴシステムの基礎が非常に高い完成度で出来上がっている事もあり、本来CVSでは登場していないキャラクターにも、このシステムを搭載するMUGENキャラクターもいたりする。 様々な特徴あるシステムのお手本・教科書の様な存在として、MUGENでは人気の高いシステムである。 ----
#contents ---- *概要 当時、対戦格闘の二強として名を馳せていた「カプコン」と「SNK」が、ついに同じ土俵で戦うドリームマッチが実現した、[[クロスオーバー]]のビッグタイトルである。 カプコンとSNKがそれぞれの機種やジャンルでクロスオーバー作品を出していくプロジェクトの第3弾。 (第1弾はNEOGEOポケットのカードゲーム『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』、第2弾は同機種の対戦格闘ゲーム『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』) それまで格闘ゲームファンから「絶対に叶わない対決」としてこの両社のキャラクター達の競演が挙げられていた。 しかし両社公認の、しかも真っ向からの対決として、発表された当初からカプコン・SNK両陣のファンから熱い期待を持たれたタイトルである。 [[リュウ]]対[[テリー>テリー・ボガード]]、[[ケン]]対[[京>草薙京]]、[[春麗]]対[[舞>不知火舞]]といった、当時は想像の話でしかなかった対決がメーカーの枠を越えて実現した。 このシリーズは後に、SNKプレイモアの『[[SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS]]』にも続き、これまでカプコンはカプコン、SNKはSNKという棲み分けから、 互いのキャラクター達が交流し合うという、ゲーム業界におけるクロスオーバーの概念に転機をもらたした。 これを境に、他のメーカーも積極的なクロスオーバー作品を発表し、新たな楽しみを提供している。 ---- **CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000 #image(CVS1_logo.jpg,width=270) 2000年稼働。 セガの汎用アーケード基板「NAOMI」でリリース。略称は「カプエス」「CVS1」。 対戦格闘ゲームの二大巨頭のクロスオーバーという事もあり、ユーザーの期待は大きなものであった。 そして満を持して登場となった本作は、稼働初期には大きな反響を以て受け入れられた。 -カプコンとSNKの独自のシステムを尊重し、それを選択出来る「[[グルーヴ]]」 -キャラクターの体力や攻撃力を示す「レシオ」 -その決められたレシオ数の範囲内でチームが構成できる、[[KOF>THE KING OF FIGHTERS]]譲りの「チームバトル対戦」 と、出来る限りの要素を詰め込んでの登場となった。 しかし -システム面での練り込みが足りなかった -「レシオ」制度によるキャラ優遇 -カプコンサイドの[[ドット絵]]が、リュウ、ケン、[[ベガ]]以外は『[[ストリートファイターZERO]]』シリーズの使い回し -NEOGEOと同じ4ボタン式で攻撃の幅が狭まってしまった -キャラ別EDが存在せず、共通EDとなっている という原因もあり、あまり長続きはしなかった。 (ただ、同じ4ボタンでもSNKはきちんと攻撃の幅を持たせていたので、カプコンにとっては慣れない操作系だったのでは、とも言われている) しかし、この反省点から後のCVS2へと繋がる布石となった、記念すべきタイトルにもなった。 また、デモ画面でしか登場しなかった[[ダン]]と[[ジョー>ジョー東]]を追加し、バランス調整を行ったアッパーバージョンの『PRO』もある。 なおタイムリリースサービスとして、キャラ性質が異なる「[[EXキャラクター]]」が選択できるようになっている。 このEXキャラクターはCVS2には存在しないので、例えば「闇払いを撃つCVSドットの京」が見られるのはCVS1だけである。 また、一部のキャラは逆にEXキャラクターの方がCVS2に継承されたため、妙に[[かりん様>神月かりん]]っぽい攻め方ができる[[さくら>春日野さくら]]もCVS1でしか使えない。 -システム 1レバー+4ボタン(弱・強×パンチ・キック)。 1~4体のキャラクターでチームを構成し、チーム同士の勝ち抜き戦を行う。 ラウンド終了後敗れた側は次のキャラに交代し、勝った側は若干体力が回復した状態で引き続き戦い、相手チームの全員を倒した側が勝利となる、 KOFの基本ルールに則っての進行となる。 尚、キャラクターにはそれぞれ強さを示す「レシオ」が設定され、この合計が4に収まるようにチームを組む必要がある。 レシオは1~4とあり、 -1:テクニカル系 -2:パワーラッシュ系 -3:ボス系 -4:(真)ボス・隠しキャラ系 という振り分けとなっている。 チームを組むとなると下記のパターンとなる。 -レシオ1のみで構成の4名 -レシオ2と1を含む3名 -レシオ2同士の2名 -レシオ1と3の2名 -レシオ4が1名 体力と攻撃力は足りないが、手数で攻めるレシオ1で構成するか、バランスを重視したレシオ2のキャラを投入するか、 一発逆転の破壊力を持つレシオ3のキャラを入れるかというのも戦略のひとつとなった。 また家庭用では特典としてキャラのレシオを自由に変更できるようになっており、全キャラレシオ4でプレイできる。この場合は1人のみの選択となり、チームは組めない。 しかしキャラ性能の調整がこの固定レシオ制と真っ向から反発する結果となる。 レシオ3のボス級キャラは体力や性能はぼちぼちだが、必然的に2人チームとなるためキャラ選択の余地がなく、人数面での不利を覆す程の性能は持ち合わせていなかった。結果レシオ3は死にキャラ帯となる。 一方レシオ1は体力面の不利はあったものの、逆に言えば体力以外は他レシオと大差ない性能になってしまっており、特に火力に関しては申し分ないキャラの方が多かった。 最大で4人で組めるチーム編成の自由度の高さもあり、最も使用率の高い勝ち組層となる。 レシオ2はレシオ相当の調整はされていたが、レシオ1×2人以上に相当する腕or性能が必要となり、 主人公格のスタンダードキャラが多かった事もあって使用頻度はレシオ1に比べると低かった。 ただし[[隠しキャラ]]の[[ナコルル]]は別格で、強烈な崩し性能・攻め能力から、ナコルル込みのチームが最強とする説もあった。 結果として、「レシオ1×4」or「レシオ2+レシオ1×2」が主流チームとなり、使われるキャラが大きく偏る事となってしまった。 なお、『PRO』ではレシオ3が大幅に強化、レシオ1が弱体化したため、チーム編成の自由度が上がり、レシオ制は本来意図した戦略性を大幅に回復している。 -[[グルーヴ]] (GROOVE) グルーヴとは、異なるゲーム同士の対戦を実現するためのシステムである。プレイヤーはキャラクター選択前にCAPCOMグルーヴとSNKグルーヴのどちらかを選択し、 それによってキャラクターの特性が決定される。それぞれのグルーヴには以下の特徴がある。 CAPCOMグルーヴ 攻撃などの行動によってスーパーコンボレベルゲージが徐々に溜まっていき、一定量溜まるとこれを消費して[[スーパーコンボ>超必殺技]]を発動できる。溜まり具合によってレベルがLv1~3の3段階に分けられ、レベルが上がる毎に若干攻撃力や防御力が上がり、またより強力なスーパーコンボが使用可能になる。スーパーコンボを使用する際にボタンの種類でレベルを指定可能(弱でLv1、強はLv2、両方を同時に押すとLv3になる)。『ストリートファイターZERO3』のZ-ISMに近い。 回避動作は前転となり、KOFシリーズよりもコンパクトな動作となっているため、裏回り連携は勿論、暴れ、割り込みにと大活躍する事となった。 結果、避け動作、ゲージ溜めなどで足が止まりがちなSNKグルーヴよりも、アクティブに動けるCAPCOMグルーヴが主流となっていった。 SNKグルーヴ エキストラゲージと呼ばれるゲージがあり、こちらは攻撃では溜まらない替わりに「ゲージ溜め」という行動を取ることで任意に溜めることがでる。これが上限まで溜まる(MAX状態)と、一定時間攻撃力がアップすると共に、ゲージを全て消費して[[超必殺技]]を発動できる。またダメージを受け体力が一定以下になると常時超必殺技が使えるようになり、体力が一定以下かつエキストラゲージがMAX状態だとMAX超必殺技(Lv3スーパーコンボに相当)というさらに強力な技を発動できる。『THE KING OF FIGHTERS '98』のEXTRAモードに近い。 前述の理由で人気薄となったSNKグルーヴだが、体力点滅時に庵の八酒杯のようなLv1スーパーコンボを連発する戦法が割と面倒臭く、ライトプレイヤー層には結構選択されていたりもする。 グルーヴはキャラクターの出自にかかわらず選択でき、例えばSNKグルーヴのリュウやCAPCOMグルーヴの京なども使用可能。選択したグルーヴによって、[[キャラクターのイラスト>絵師]]が変化する。 カプコングルーヴは西村キヌ氏およびイケノ氏のイラスト、SNKグルーヴはキャラセレクトはBENGUS氏、それ以外は森気楼氏のイラストとなる。 #image(Kyo_BENGUS.gif,title=森風BENGUS京) なおCVS2ではC・A・Pグルーヴは西村キヌ氏、S・N・Kグルーヴは森気楼氏の担当となっている。 &nicovideo(sm7545885)&nicovideo(sm7546031) ***登場キャラクター -CAPCOM >[[リュウ]]、[[ケン]]、[[春麗]]、[[ガイル]]、[[ザンギエフ]]、[[ダルシム]]、[[エドモンド本田]]、[[ブランカ]]、[[M・バイソン]] >[[バルログ]]、[[サガット]]、[[ベガ]]、[[春日野さくら]]、[[キャミィ]]、[[殺意の波動に目覚めたリュウ>リュウ]]、[[モリガン・アーンスランド]]([[隠しキャラ]])、[[豪鬼]]([[隠しキャラ]])、[[ダン]](『PRO』) -SNK >[[草薙京]]、[[八神庵]]、[[テリー・ボガード]]、[[リョウ・サカザキ]]、[[不知火舞]]、[[キム・カッファン]]、[[ギース・ハワード]]、[[山崎竜二]]、[[ライデン]] >[[ルガール・バーンシュタイン]]、[[バイス]]、[[二階堂紅丸]]、[[ユリ・サカザキ]]、[[キング]]、[[ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ>八神庵]]、[[ナコルル]]([[隠しキャラ]])、[[ジョー東]](『PRO』) ---- **CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001 #image(CVS2_logo.jpg,width=270) 2001年8月稼働。 前作と同じく、セガの汎用アーケード基板「NAOMI」でのリリース。「カプエス2」「CVS2」と呼ばれる。 前作はROMボードだったが、今作ではドリームキャストと同じGD-ROMでの供給となった。 前作の反省点を踏まえ、大幅なシステムの追加と調整、キャラの選択やドットの作り直し、そして6ボタンにして作りをカプコンサイドに持って行き、徹底した作り込みを行った。 その結果、対戦ツールとしての完成度は前作に比べ大幅に向上し、それに伴いインカムもかなり長きに渡るようになった。 しかし、全く問題がなかった訳でも無く、稼働時は6種のグルーヴからなる対戦の醍醐味とキャラバランスが良好ではあったのだが、研究が進むにつれバランスは次第に崩れていった。 各グルーヴ間の相性、キャラとグルーヴの相性、グルーヴ自体のシステム解析が進み、キャラとグルーヴの選択はどんどん狭まっていき、「オリコン」の発展が大きくパワーバランスを乱していった。 更に追い討ちをかけるように「[[前転キャンセル]]」なるバグ技が発見された事で状況は一変。 その恩恵を受けるキャラが猛威を振るう事となり、更に前述のAグルーヴとの相性が非常に良好だったため、「Aグルと相性の良いキャラ」が一気に地位を上げ、下位との溝を決定的な物にした。 (家庭用に移植されたうち、XBOX版とゲームキューブ版はこのバグが修正されている) また、&bold(){飛び込みからの連続技を積極的に狙うのではなく、一発一発を慎重に当てていく}という社風上、積極的に飛び込みを仕掛け迎撃のリスクを承知しつつもそれを上回るリターンをもたらす高威力の連続技を狙って行くというスタイルが主流であった殆どのSNKキャラはシステム的なカプコンナイズにより前述の地上戦(の技の差し合い合戦)における慎重な試合運びを身上としているカプコンキャラに対して不利な面が多く、タイトルでは『カプエス2』ではあるのに使われるキャラはカプコンキャラがほとんどという、ある意味本末転倒な結果となってしまった(SNKキャラの研究も進んでからは、[[八神庵]]や[[高嶺響]]などは上位に入り使用率も高いが、比率は圧倒的)。 また対戦ツールとしては(バグやAグルーヴの猛威を除けば)かなり完成度が高いが、特定条件下で見れる個別エンディングが質素であったり、前作ではあったKOF'94の様な試合開始前のステージ演出が無くなってしまったりと、演出面での不足が目立つ作りとなってしまっている。 なお本作をドリームマッチ、クロスオーバーの傑作とするユーザーも多い。 上記のバグ技やキャラの偏りはあったものの、カプコンキャラに攻撃避けや緊急回避が、SNKキャラに中攻撃やブロッキングが付いたことで新たに動かす楽しみが付加されたこと、そして純粋に対戦が楽しい作りであったことが、前述のように長いインカムへと繋がったといえる。 クロスオーバー企画の対戦格闘として、そして二大対戦格闘メーカー対決としての重役を担う事が出来たことは、評価できるタイトルと言えるだろう。 あまり待遇の良くないキャラ(SNKでは月華の剣士の[[雪]]が代表的(シリアスなエンディングを迎えさせられながら、いまだにどのクロスオーバー作品にも出されていない))も少なからず存在するため、それらのことも考えたうえで次回作が出ることを期待して待ちたいところである。 -システム 1レバー+6ボタン(弱・中・強×パンチ・キック) 基本的なルールは前作と変わらない、勝ち抜き戦のチームバトルであるが、レシオのルールが大きく変化した。 まずレシオが合計で4になるのは変わらないが、今作ではレシオがキャラごとに固定ではなくなり、最大3人までのチームメンバーに4のレシオを振り分けるスタイルに変更となった。 そのため自分の思い入れのあるキャラ、リーダー格となるキャラに高いレシオを振り分ける、またキャラを1人だけ選択してレシオ4を全て振り分けるといった、好みの戦略を作り出せるようになった。 -[[グルーヴ]] (GROOVE) グルーヴとは、異なるゲーム同士の対戦を実現するためのシステムである。前作の2種類に対し本作では6種類と大きく増えており、プレイヤーはキャラクター選択前に C, A, P, S, N, K のうちひとつのグルーヴを選択する。強力な必殺技を出すためのゲージの仕様が主に異なり、その他高速移動・回避行動などの各種の特性(サブシステム)がグルーヴによってそれぞれ変化する。ゲージはSとK以外では攻撃などの行動で少しずつ溜まっていく。 詳細は別ページに纏められているので、[[こちら>グルーヴ]]を参照の事。 -共通システム 相手の近くでレバー前or後ろ+強攻撃で相手のガードを崩す投げ。 P投げは発生が早いが抜け猶予が大きく、K投げは発生が遅いが抜け猶予が短いと言う差別化がされている。 体力下にガードゲージがあり、相手の攻撃をガードすると消費。ガードゲージが無くなるとガードクラッシュが成立し、一定時間無防備になる。 レバーを下に倒してから上に入れることで大ジャンプ。 ゲージを一定量消費してスーパーコンボ(超必殺技)が使用できる。スーパーコンボはLv1~Lv3(MAX)の3種類に分かれ、使用条件はグルーヴにより異なる。 //同じ内容が2つのページに書いてあるのは効率悪いし、ほとんど書いてある事同じなのに微妙に違って両方読まなきゃ行けなかったので、以下一気に「グルーヴ」のページに統合。 // //-カプコン系 //C, A, Pグルーヴが該当する。高速移動のためのサブシステムはダッシュ(ステップ)。 //スーパーコンボ発動時は、背景がネガ反転する。 // //Cグルーヴ - スーパーコンボレベルゲージシステム - 空中ガード、回り込み、時間差起きあがり、ガードキャンセル攻撃 //ゲージはレベル(Lv)1 - 3の3段階に分けられており、溜まり具合に応じてLv1 - 3のスーパーコンボを出すことができる(レベル選択はボタンの弱中強で行う)。 //全グルーヴ中唯一空中ガードが可能。Lv2のスーパーコンボを出せるのもこのグルーヴのみで、Lv2は全ての必殺技及びLv1スーパーコンボでキャンセルすることが可能。 //汎用性が高く、初心者を初め多くのプレイヤーに好まれるスタンダードなグルーヴ。 //空中ガードが比較的強く、安定した防御的な戦い方をするのにも向いたグルーヴである。 //『ストリートファイターZERO3』のZ-ISM(海外版ではA-IZM)に近く、前作のCAPCOMグルーヴとほぼ同じ。 //余談として家庭用の設定でゲージ常時MAXにするとLv2スーパーコンボからのキャンセルがLv2および3にもキャンセルでき、ぶっちゃけた話技によってはLv2スーパーコンボをキャンセルしまくれば簡単に[[永久]]が出来たりする(「[[龍虎乱舞]]」や「鳳凰脚」などの[[乱舞技]]はもちろんのこと、「[[昇龍裂破>昇龍拳]]」や「無式」さらには当て方によっては「スクリューアッパー」までも可能)。 // //Aグルーヴ - オリジナルコンボゲージシステム - 回り込み、ダウン回避、ガードキャンセル攻撃 //ゲージは2段階に分かれており、半分以上溜まるとLv1のスーパーコンボが、完全に溜まると[[オリジナルコンボ]]が使用可能。 //オリジナルコンボを発動するとゲージが徐々に減少していき、ゲージが空になるまでの間、通常技・必殺技を問わずキャンセル(攻撃を当てた後の隙を強制的に解除して別の攻撃を出す)が可能になる。 //また残りゲージ量にかかわらず、持続中であればLv1スーパーコンボを1回だけ出すことができる。 //またオリジナルコンボ発動の瞬間は、Lv3スーパーコンボと同等の無敵時間が設定されており、非常に強力である。 //オリジナルコンボ以外のシステムは、他のグルーヴに比べるとやや貧弱である。そのためゲージが溜まりきるまで、どう闘うかが鍵となるはずだったが、前キャンで大幅にこの弱点は埋められてしまった。 //ケンの鉈落とし蹴りのような、従来は「振りがコンパクトだが立ち回りで振れない技」だったものが、無敵付加によって「強判定の置き技をブンブン振り回してゲージ溜め」と言う強力な行動に変化し、立ち回りの強さ、ゲージ回収率が大幅に補強されてしまう事となった。 //一部のキャラクターはオリジナルコンボを絡めた戦法が桁違いに強力であるため、全グルーヴ中Kグルーヴと共に最強とされ、これの為だけに大会でAグルーヴとそのキャラクターを選択するプレイヤーも多い。 //『ストリートファイターZERO3』のV-ISMに近い。 // //Pグルーヴ - スーパーコンボゲージシステム - ブロッキング、時間差起きあがり、小ジャンプ //ゲージは1段階のみで、完全に溜まったときのみLv3のスーパーコンボが使用可能。 //ゲージが溜まる速度は他のグルーヴより遅いが、ブロッキング成功時はゲージが多めに溜まる。 //また、ゲームキューブ版とXbox版では必殺技からスーパーコンボに繋げるスーパーキャンセルが使用可能。 //『[[ストリートファイターIII]]』の特徴的なシステムであるブロッキングが使用できる。 //相手の攻撃を受ける直前にレバーを前方か真下に入力することで相手の攻撃を受け止め、すぐさま隙なく行動可能になる。 //ハイリスクなブロッキングであるが、ブロッキングを前提にデザインされた『ストIII』と違い成功時の時間停止が小さく、成功を確認しての反撃は難しい。 //特に飛び道具をブロッキングした時は、ブロッキングした側だけが一方的に停止し無駄にスキを作ってしまうと言う欠点まであった。 //システムも貧弱で、スーパーコンボが使用可能になるまでに時間がかかりすぎることもあり、一発逆転のイメージからは残念ながらほど遠いのが現状である。 //それでも上級者の中にも、ブロッキングにある種のロマンを感じあえてこのグルーヴを使い続けるプレイヤーも存在する。 //特に小ジャンプからの攻めが強く、強攻撃からのコンボダメージが高い京のようなキャラはPグル向きで、熟練を要するものの、非常に強い組み合わせだった。 //ブロッキングに関しても、「ムーミンガード」と呼ばれる現象に対応しており、3rd的な感覚ではなく、カプエス独自のブロッキングの使い方をすれば決して弱いシステムではない。 //『ストリートファイターIII』の長いゲージ1本のスーパーアーツを持つキャラクターに近い。 // //-SNK系 //S, N, Kグルーヴが該当する。高速移動のためのサブシステムはラン。 //[[超必殺技]]発動時は、背景が暗転する。 // //Sグルーヴ - エキストラゲージシステム - 攻撃避け、時間差起きあがり、ガードキャンセル攻撃、小ジャンプ //前作のSNKグルーヴと同じく、強攻撃2ボタン同時押しによる「ゲージ溜め行動」で任意にゲージを溜められる。 //ゲージが一杯になると減少を始め、空になるまでの間攻撃力が上がり、1回だけ超必殺技(Lv1のスーパーコンボに相当)が使用可能になる。 //また、体力が減少した状態では超必殺技を無制限に出すことができるほか、ゲージが一杯になっていればMAX超必殺技(Lv3のスーパーコンボに相当)を出すことができる。 //ゲージを溜めるために、時には攻撃をたたみかけるチャンスを捨てねばならないうえ、瀕死になるまでMAX超必殺技を出せないと言う点がネックになって大ダメージを与えるチャンスに欠ける。 //システムも癖が強く使いづらい。しかし、キャラによっては条件付で無制限に超必殺技を出せることのメリットや、これを利用した超高威力の連続技も可能。 //避けはそれ自体に硬直がない(全フレーム打撃無敵)のため、完全なタイミングで出せば永遠に打撃無敵でいる事もできる。 //避けが前キャンに強く、小ジャンプ・ランを絡めた攻め、Lv1スーパーコンボの性能が高いキャラならば非常に強いグルーヴと言われていたが、扱いが難しく浸透しなかったため、最もレアなグルーヴとなった。 //『THE KING OF FIGHTERS '98』のEXTRAモードに近い。 // //Nグルーヴ - アドヴァンストパワーゲージシステム - 回り込み、ダウン回避、ガードキャンセル攻撃、ガードキャンセル移動、小ジャンプ //ゲージが一杯になるとストックとして3つまで保持することができ、これを消費して超必殺技や強攻撃2ボタン同時押しによるパワーMAXを発動できる。 //パワーMAX状態は一定時間持続し、この間攻撃力が増加するほか、更にストックを1つ消費してMAX超必殺技を使用可能。 //豊富なシステムによってあらゆる状況に対応でき、ゲージ効率・機動力共に高く、パワーMAX状態でラッシュをかけてプレッシャーを与える戦い方が可能。 //『THE KING OF FIGHTERS '98』のADVANCEDモードに近い。 //カプコンサイドでのCグルーヴと対を成す、SNKサイドでの初心者入門グルーヴであり、効率と逆転要素がバランス良く整っているグルーヴである。 //小ジャンプ・ラン・MAX発動が組み合わさったラッシュ力が最大の持ち味で、事実闘劇では大貫氏が強烈なラッシュで鬼神の如き強さを見せ付けていた。 //また、ガードキャンセル移動で他グルーヴには不可能な反撃を行う事ができるのも強み。 // //Kグルーヴ - 怒りゲージシステム - ジャストディフェンス、ダウン回避、小ジャンプ //怒りゲージは能動的には溜められず、相手の攻撃を食らうことで溜まっていく。ゲージが溜まりきると怒り状態になり、ゲージは減少を始める。 //空になるまでの間、攻撃力・防御力ともに大きく上昇するほか、MAX超必殺技が1回だけ使用可能になる。 //防御面では、相手の攻撃が当たる直前にガードすることで硬直を若干減らし間合いが離れなくなる[[ジャストディフェンス]]を備える。 //これを成功させると、体力が若干回復するほか、怒りゲージも溜まる。 //怒り状態の攻撃力上昇が大きいので、この間にいかに攻撃を当てるかが鍵となる。 //相手もできる限り逃げようとするので、元々機動力の低いキャラクターにはあまり向かないグルーヴである。 //ジャストディフェンスがローリスクで使いやすく、防御面でも強い。 //ただし、緊急回避やガードキャンセルなど柔軟性のある防御手段がないため、そこには注意したい。 //怒りゲージは『サムライスピリッツ』から、ジャストディフェンスは『餓狼 MARK OF THE WOLVES』からそれぞれ採用されている。 //怒り時の攻撃力の高さから、「単価の高いキャラ」「ラッシュ力のあるキャラ」と相性が良く、攻撃力・防御力を大幅に強化できるため、Aグルーヴに並ぶ強グルーヴと言われる。 //ブロッキング・ジャストディフェンスが通常ガードより成立が早く、通常ガードできない状況でガード可能になる現象、通称「ムーミンガード」の発覚も大きい。 //実質「ブロッキング・ジャストディフェンスで硬直を1F減らせる」に等しく、一部の技に反撃がなくなる(反撃しようとすればゲージ・体力・有利Fを与えてしまう)ためKグル選択時の大きな強化点となる。 // &nicovideo(sm3863061) ***登場キャラクター &bold(){前作からの追加キャラクター} -CAPCOM >[[イーグル]]、[[マキ]]、[[鑑恭介]]、[[ユン]]、[[ロレント]]、[[神人豪鬼>真・豪鬼]]([[ラスボス]]) -SNK >[[藤堂竜白]]、[[麻宮アテナ]]、[[ロック・ハワード]]、[[覇王丸]]、[[高嶺響]]、[[チャン・コーハン]]、[[ゴッドルガール]]([[ラスボス]]) ---- ---- *MUGENでの扱い クロスオーバーの代名詞なタイトルだけあって、システム面での影響はかなり大きい。 1つのキャラクターに6つのグルーヴを備えることにより色々な操作の楽しみ方がある事、ブロッキングやジャストディフェンス、攻撃避けや緊急回避等の特殊防御システムの充実等、「そのキャラクターの新たな魅力を引き出す可能性」を多く持つシステム構造に人気がある。 また、MUGENでのCVSシリーズのグルーヴシステムの基礎が非常に高い完成度で出来上がっている事もあり、本来CVSでは登場していないキャラクターにも、このシステムを搭載するMUGENキャラクターもいたりする。 様々な特徴あるシステムのお手本・教科書の様な存在として、MUGENでは人気の高いシステムである。 ----

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