スレッタ・マーキュリー


「お母さんが言いました。逃げたら一つ、進めば二つ、手に入るって」

機動戦士ガンダム 水星の魔女』の主人公であり同TVシリーズ初の女性主人公*1
担当声優は 市ノ瀬加那 女史*2
セーラー戦士や『ガンダム・ザ・バトルマスター』シリーズの登場人物とは無関係。

シン・セー開発公社CEOのプロスペラ・マーキュリーの娘であり、赤髪に褐色肌に太い麻呂眉と言った顔つきが特徴。
なお、正面向きのイラストでは分かりづらいが髪は結構長くて後ろで縛っている。
ファンからはタヌキ顔と言われ、二次創作でも彼女がタヌキ化したイラストも多く見られる
(苗字のせいかセーラー戦士のコスチュームを着せられたイラストも投稿されている)。
おかげで「水星たぬき」と呼ばれた上、放送時期が近い『仮面ライダーギーツ』の仮面ライダータイクーンと合わせて、
「日曜日のたぬき」とも呼ばれ、双方共に衝撃的な展開を迎えた事でネットが騒然となった
そしてスレッタは2期19話にて、言い訳しようがないレベルのたぬきムーブをした事でその地位を完全に確立する事に……
が、実際のモチーフはタヌキではなくとの事*3(タヌキもイヌ科なので当たらずも遠からずではある)。
「タヌキ」のあだ名を付けられたように、単独の公式イラストを見るとややずんぐりした小柄な少女に見えるが、実際はガタイのいい長身女であり、
劇中に出てくる同世代女子連中では一番大柄(男子達と比べると互角からやや低め)である。
尤も件のイラストも良く見ると頭身が高い(=身長が高い)のだが。
ちなみにスレッタの身長は170cmであり、TVシリーズの歴代主人公の中ではアムロ・レイ(『逆シャア』時172cm)や
00』の刹那・F・セイエイ(『2nd』時175cm)、『AGE』のフリット・アスノ(成人~晩年189cm)のように後に身長が伸びたケースや、
∀ガンダム』のロラン・セアックや『Gのレコンギスタ』のベルリ・ゼナムのように身長が設定されていないケースを除けば、
Gガンダム』のドモン・カッシュ(180cm)、『AGE』第2部のアセム・アスノ(172cm)に次ぐ長身だったりする。

「エアリアルは、たかがじゃありません!
 私とずっと一緒に育った、私の家族なんです!」

幼い頃からの愛機であり"家族"であるガンダム・エアリアルのパイロット。
作中では人類の生存圏である事すら一般的に意識されなくなっている水星軌道上の出身であり、
故郷では若年ながらエアリアルを手足のように操り、資源採掘作業や人命救助に従事していた。
しかしそんな環境で育ったためか他者とのコミュニケーションが苦手で、当初は同年代の子供が相手でもまともな会話ができていなかった
(ただし緊張しまくって適切な受け答えができずとも、会話自体には積極的に応じるし、
 特にエアリアルのパイロットとしての自身の実力への自信は凄まじく、そこに関する自己主張は実の所かなり強い)。
A.S.(アド・ステラ)122年、母プロスペラの推薦でモビルスーツ産業最大手のベネリットグループが運営する教育機関、
アスティカシア高等専門学園のパイロット科2年生として編入されるが、
編入初日に同作のもう1人の主人公であるミオリネ・レンブランが宇宙空間を漂流している場面に遭遇し、救出
(実際はミオリネが理事長でもある父親に反発し学園から逃走しようとした現場に通りがかっただけだった)。
善意からとはいえ自身の行動を邪魔されたミオリネからは責任を取るよう求められるわ、
彼女の婚約者である学園最強のパイロットにしてヒロイン、グエル・ジェタークの横暴を止めようとして決闘に臨む事になるわと、*4
スレッタ自身の夢見ていた平穏で楽しいそれとは無縁の波乱の学園生活をスタートさせてしまった
(なお、スレッタは水星ではエアリアルのライブラリに保存されていた古いアニメ等をよく鑑賞していたらしく、
 学校やそこでの生活というものに対するイメージもここで形成されている。
 「やりたいことリスト」を作るという形で学園生活へもかなりの期待があったようだが、
 彼女自身はそれとは別に水星に学校を作るという夢を持っている)。

そんな中で、グエルに並ぶ決闘委員会のトップであるシャディク・ゼネリやエラン・ケレスからの興味を買ったり、
ミオリネや地球出身の学生達と次第に打ち解け、彼女達と立ち上げた「株式会社ガンダム」の発展のために務めていくが、
同時に母プロスペラやミオリネの父、デリング・レンブランの陰謀に知らず知らずに巻き込まれていく……。

なお、アスティカシアの制服は本来緑色で初期に公開された番組キービジュアルでもスレッタはこれを着用しているが、
理事長の娘であるミオリネを花嫁とする権利、通称「ホルダー(花婿)」の座を第1話で手に入れた事で、学園最強のパイロットの証である白色に変化している
(学生証を操作する事で色が変化する素材らしい)。

「で、ででででもわたし…女、ですけど……?!」
「───水星ってお堅いのね。こっちじゃ全然ありよ」
(あわわわわ……)

「よろしくね、花婿さん」

この怒涛の展開から、シリーズ構成の大河内一楼氏がノベライズを担当した『少女革命ウテナ』に掛けて『少女革命スレッタ』というネタも生まれた。

余談だが「GUND-ARM」の普及を目指してミオリネが設立した「株式会社ガンダム」のプロモーションビデオも作られており、
スレッタもそのPVに出演しているが肝心の内容は非常にツッコミどころ満載。
株式会社ガンダムPV(腹筋崩壊注意)


「乗って! 安心! 動いて! 安全!
    飛べるぅ! 踊れるぅ! エアリアルぅ~!!」

+ と、一見おとぼけキャラのように見えたが……(『水星の魔女』第一期ネタバレ&グロ注意)

「やめな…さいッッ!!」

スレッタ自身が明るく楽しいおとぼけキャラとしての気質を持っているのは事実ではある。
一方でプロスペラの復讐の道具として大きく偏った教育を受けていた事が窺える描写も散見され、本作の第一期の最終回は、
その明るさの象徴とも言える「逃げれば一つ、進めば二つ」の言葉によって、
殺し合いに否定的だったはずのスレッタがミオリネ(とその父デリング)をもう殺されるという土壇場の状況で、
二人を救うために生身のテロリスト(銃で武装はして発砲寸前だった)をエアリアルの掌で叩き潰して殺害
…は不可抗力として、殺人を犯した罪悪感を感じさせない「明るい笑顔」で血塗れた手をミオリネに差し出す
という姿で締め括られた。
この展開はミオリネのみならず視聴者にも大きな衝撃を与えたのは言うまでも無い。
そのため、殺人への忌避感ゼロだった前作主人公でさえ「自分が人殺しである事を自覚していただけスレッタよりマトモ」と言われる事態に。
また、事を起こした後笑っているという共通点から、
『Ζガンダム』の主人公カミーユ・ビダンが第1話にて生身の人間にガンダムMK-IIのバルカンを撃ったシーンが挙げられるが、
こちらは殺意は一切無い威嚇行為であり、スレッタとは全くベクトルの違う行動である
(カミーユはプチモビの大会で優勝する程の操縦技術を持っているため、絶対に当てないという自信と腕があった。……十分問題行動だけど)。
また、『水星の魔女』第1期放送開始の同年に公開された映画『ククルス・ドアンの島』では、
『1st』の主人公アムロ・レイが民間人を守るために生身のジオン兵をガンダムで踏み潰している
しかし、アムロはこの際苦渋に満ちた表情を浮かべるというスレッタと真逆の様子を見せており、
「アムロですら苦悩したのに」と比較される事態にもなった。*5
あと、『水星の魔女』とコラボしたとあるスナック菓子のフレーバーが作風の影響で ヤバい方向で考察される羽目になってしまい 、仕入れた店が阿鼻叫喚に


「助けに来たよ!ミオリネさん!」
「……なんで笑ってるの? 人殺し……!!」

そして第2期16話では前述の件でミオリネから謝罪されるも「お母さんは間違っていなかった」と答えた事で、
驚愕した彼女に「母親が言うなら水星に学校を作る夢もガンダムで人を救う夢も捨てられるのか」と詰め寄られるが、
スレッタは迷いを見せながらも「お母さんが言うならそうします」「お母さんはいつも正しいのですから」と答えてしまう。
プロスペラの操り人形と化している事実を知ったミオリネは愕然とし、紆余曲折の果てにある決断をする遠因となる…。

また、本編前の第0話に当たる「プロローグ」にて、
義肢技術「GUND」をMSに応用した副作用で死者を出したGUND-ARM(ガンダム)を恐れてデリングも関わったヴァナディース機関の抹殺から、
4歳と言う歳でガンダム・ルブリスと副作用無しでシンクロし、父親を殺した追手3機を状況も分らぬまま笑顔で撃墜した研究員の娘、
エリクト・サマヤとは酷似しており、追手を欺くため名を変えたエリクトその人と思われ、教育方針を抜きにしても実はハードな生い立ちを持っている。
……と、思われていたのだが、ヴァナディース機関の生き残りがプロスペラの行為を指して「21年前の復讐」と呼んでおり
(=本編時点でエリクトは25歳、スレッタと酷似したエリクトの眉毛は父親似で既に父が他界しているので妹説も考えにくい)、
当初考えられていた以上にただならぬ事情が示唆されている。

+ 空っぽな私たち(『水星の魔女』第二期超ネタバレ注意!)
プロスペラの正体はエリクトの実の母親エルノラ・サマヤであり、スレッタはエリクトの遺伝子から作られたリプリチャイルドだった
(一種のクローン人間。ガノタ的にはプルシリーズやイノベイドのような存在と言えば分かるだろう。
 加えてエリクトのリプリチャイルドはスレッタ以前にも多数生み出されているが、
 現在はその全員が肉体を持たず、意識データとしてエアリアルのエスカッシャン(ビット)の中の人となっている)。
そしてエリクトはプロローグでの戦闘で肉体的には死亡してしまったが、
その意識や記憶、人格といった「魂」とでも呼ぶべき情報はガンダム・ルブリスの中で完全に一体化していた
(元来GUND医療は人間が厳しい宇宙環境に適応して生き抜くためのものなのでその究極の形と言える)。
そしてエアリアルは近代化改修&外見への偽装を施されたルブリスそのものであり、いわばエリクトの仮初の身体でもあるのだ。

スレッタはエリクトが生きられるデータストームの範囲を広げるためにエアリアルがパーメットスコアを上げるまでの鍵として生み出されたが、
エリクト自身はスレッタの事を妹として家族愛は持っており、現状の世界を敵に回す母の計画に巻き込む事には反対していた。
エリクトを救うためにスレッタを利用していたプロスペラも、平等ではないにしても娘の一人としてはスレッタを愛しており、
パーメットスコアが上がり、エリクトの意思でエアリアルが動くようになった後は計画とは無関係に学園で平和に暮らせるよう配慮していた。*6
しかし、プロスペラ陣営とミオリネ陣営が本人の意向を無視して色々動いた結果、スレッタは全てを失い宇宙で救助を待つ憂き目を見た。
学園に戻った後も塞ぎ込んでいたが地球寮の生徒の協力によって立ち直り、再び起きた学園への無差別攻撃で多くの負傷者が出た際は、
自分のケガも顧みずに人命救助や食料の配給を行うなど、自発的に動くようになる。
そして宇宙議会連合から協力を要請され、自身の出生を皆に明かしたスレッタはプロスペラが説得に応じない事を承知しつつも、
その計画を阻止するため、かつてルブリスより前に建造されながら封印された「化け物」の名を持つガンダム・キャリバーンに乗り込み、
エリクトが操るエアリアルと対峙する。

「そのために、たくさんのフロントを飲み込むの?命を奪うの!?」
「だから、止めたいの!お母さんを……悪い魔法使いにしたくない!!」

「私は……エリクトが好き!お母さんが好き!
 お母さんが泣いてるなら……抱きしめてあげたい!
 そばにいてあげたい!

     忘れるなんて……!できないよ!!」

キャリバーンに長時間乗り続けた影響でデータストームに汚染され、操縦も満足にできなくなってしまうが、
それでも諦めないスレッタの前に強化人士4号を始めとするガンダムの犠牲になった者達が現れる。
彼らの魂は死後にデータストームに還っており、全てのガンダムによる協力でパーメットスコア8の突破に成功。
この機に乗じてベネリットグループを潰さんと目論んでいた議会連合の惑星間レーザーを無効化すると、
役目を終えたガンダム全機はパーメット粒子に分解されて消えていき、
プロスペラも夫や恩師、研究仲間との対話、そしてエリクトとスレッタに諭された事で復讐の呪縛から解放され、ガンダムによる事件に終止符が打たれた。
3年後を描いたエピローグではミオリネと結婚、静かに余生を送る事を決めたプロスペラを連れて地球に移住しており、
地球にも学校を作るという新たな夢を叶えるべく、リハビリに励む姿が描かれた。
最終話でパーメットスコア8の先を発現してエアリアルを失ったエリクトも、スレッタの助けで「ホッツさん」というデバイスに移住し、
「ボク少女な実年齢成人女性で毒舌気味な小姑を名乗るキーホルダー」という濃すぎる存在として生き延びた。
このデバイスにGUNDフォーマットが使用されているという設定は、少なくとも劇中では説明されていなかったので困惑した視聴者も多かったとか

ちなみにTVシリーズのガンダムとしては初の放送期間にニコニコでの配信も行われている。
配信から1週間限定で無料視聴可能であった。

外部出演としては前述した『バトルアライアンス』でDLCとして参戦。
残念ながらサクラとの絡みは無かったが

『パズル&ドラゴンズ』とのコラボでは放送時期が近かった事もあり、発表当時から参戦が期待されていたが、
コラボイベントのステージとは別に用意された「エアリアル降臨」のボスとして登場し、ユーザー達を驚かせた。

降臨は他にもジオング、復刻ではデビルガンダムにも専用のステージが用意された。


MUGENにおけるスレッタ・マーキュリー

希望vs絶望シリーズの作者であるhumi氏により、
エアリアルに搭乗してではなくスレッタ本人がMUGEN入りを果たした。
同作で生身でMUGEN入り出来そうなキャラは他にいるのだが……
まあ原作からガチガチに素手で戦える事で有名な方々はともかく、
ロボットアニメのパイロットが生身で戦うのはMUGENでは日常茶飯事だけど

……しかしその実態は、「スレッタ・ワスレッタ」と言うスレッタの皮を被った誰かである。
自らの周りに白い何かが囲み相手を攻撃したり、「やめな…さいッッ!!」と言いながら相手を叩き潰したり、
グエルが尻を叩かれた際のポーズで迫ってくる等、実にやりたい放題のカオスキャラ。
ランクは氏恒例の狂キャラ。
参考動画(カオス注意)


「スレッタ、忘れった」
(※第10話にてとっさに放った迷言。アド・ステラでは日本語が公用語として話されているのだろうか
なお、宇宙世紀にも「ズゴックE」を「凄くいい」に聞き間違えた奴がいる。もっと言うと一人称の使い分けについて言及したやりとりもある

出場大会

  • 「[大会] [スレッタ・マーキュリー]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
TVシリーズ以外の映像作品では『MS IGLOO2 重力戦線』第3話や『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』、
映像作品以外だと漫画『エコール・デュ・シエル』や、ゲーム『バトルオペレーション コードフェアリー』等の前例はある。
なお、よく誤解されるが『機動戦士ガンダム0080』の主人公はガンダムNT-1のパイロットであるクリスチーナ・マッケンジーではなく、
ジオン新兵のバーナード・ワイズマン…ですらなく、一般市民の少年アルフレッド・イズルハである
(要はこいつと同類。サブタイトルの『ポケットの中の戦争』も、
 一つのコロニー内で終わった出来事というのと同時に「ポケットに兵器の玩具を入れてるような子供から見た戦争」という事である。
 一応、アル・バーニィ・クリスの「ABCトリオ」全員を主人公とする意見もなくはないが)。
また、声も子役時代の浪川大輔氏が演じているため(『Gジェネ』では女性声優が代役しているが)、
「映像作品で初の女性声優が演じた主人公」でさえもない(それだと該当するのは『∀』のロラン)。

ちなみに「非主人公含めてのガンダムパイロットの女性」であれば、制作順では第二作目『機動戦士Ζガンダム』にて、
ガンダムMk-IIのテストパイロットであるエマ・シーンが登場するため意外に古くから存在する
(ただし、宇宙世紀内での時系列では前述のクリスに加え『第08MS小隊』のカレン・ジョシュワが先。
 また正パイロットに限らなければ『1stガンダム』でセイラ・マスがガンダムを操縦した事があり、
 それを理由に初代格ゲー版ではリュウに対するケンに相当するキャラとして「セイラ専用ガンダム」が登場している。
 しかもアムロ用より強いとか。まぁ初代『ストII』でもケンの方が強かったし…)。

*2
サンライズ作品では『境界戦機』の紫々部シオン、ガンダム関連では『水星の魔女』が放送開始する直前に発売されたゲーム、
『SDガンダム バトルアライアンス』に登場する仮想人格のサクラ・スラッシュを演じている。
余談だが『バトルアライアンス』では「名字がマーキュリーのライバルキャラにサクラが一時的に洗脳される」という展開があったため、
ユーザーの間でネタにされていたり

なお、市ノ瀬女史は後年『アイドルマスター シンデレラガールズ』にてライラ役を演じる事となったのだが、
彼女の見た目がシャディクを思わせる褐色肌・碧眼・長いブロンドヘアーである事から、
アイマス・ガンダム界隈では「スレッタがシャディクの義妹になった」とネタにされた
(ライラの登場時期自体は『水星の魔女』放送開始よりも遥か昔。
 なお、シャディク役の古川慎氏は『アイドルマスター SideM』にてアスラン=ベルゼビュートII世を演じている。
 勿論、こっちのアスランとは無関係)。

*3
なお、バンダイナムコのプラモオリジナルメカ少女シリーズである『30ミニッツシスターズ』にルルチェと言う褐色娘がおり、
こちらはデザイナー自身がタヌキがモチーフと明言している(同梱の強化パーツに狸耳と(徳利型の)尻尾がある)。
そしてFigure-rise Standard版スレッタは、関節部を30MSから流用した事から30MSとの互換性があり、
発売直後はルルチェ用水着(バンドゥビキニ)ボディにスレッタの頭を載せる遊びでネットがにぎわった
更には花嫁であるミオリネの方もFigure-rise Standard版がリリースされ、30MSのティアーシャとの互換性からかスク水姿にされた。
そして(先輩であるリシェッタやティアーシャを差し置いて)ルルチェ用の第二の水着ボディが発売される事が発表され、
それが白スクだった事もあり「ホルダー(スレッタ)用か?」と言われたりしている。
基本的にティアーシャ用スク水ボディの色替えではあるため貧乳だが…

*4
「勝敗はモビルスーツの性能のみで決まらず」
「操縦者の技のみで決まらず」
「「───ただ、結果のみが真実!!」」

決 心 解 放(フィックス・リリース)

アスティカシア高等専門学園は経営戦略科・パイロット科・メカニック科の三つの学科を持つ教育機関であるが、
入学にはベネリットグループ傘下の企業による推薦が必須であるなどその実態は私塾に近い(スレッタ自身もグループ下位とはいえ社長令嬢である)。
そして学園内では生徒間のトラブルを解決する手段としてモビルスーツを用いての決闘が公式に行われている。
この決闘はモビルスーツの性能やパイロットの技量を競うのみならず、あらゆる形での支援体制やその力関係をも競う、
身も蓋もない言い方をしてしまえば裏工作すら黙認されるという決して公正とは言い難い物だが、
そもそも結果のみが真実という大前提の下、その勝敗に言い訳は不可能となっている。逆に言うと権力者側が負けても結果は覆せない。
しかし、上記のデリングはエアリアルが「呪いのモビルスーツ」と呼ばれ、
開発・運用が禁止されているGUNDフォーマット搭載型MS「GUND-ARM(ガンダム)」である事を理由に、
第一話で行われたグエルとの決闘の結果を認めず、審議会にてミオリネから「ダブスタクソ親父」と痛罵される事となる
(デリングは元々は軍人であり、かつて無人機を主力とした大規模な戦争に参加した経験から、
 「兵器はあくまでも人殺しの道具であり、使用者の命を危険に晒すようなものは必要無い」
 「戦争とは人と人の命の奪い合いこそが最低限の作法
 という思想を掲げており、それを基にガンダムの存在を認めない方針を取っている)。

また「ビーム兵器まで使った決闘って余裕で死人が出るよね?」はよくあるツッコミ
(国家同士の代理戦争であるガンダムファイトでは、不慮の事故によるガンダムファイターの死は織り込み済みだが、
 こちらはあくまでも学生(しかも一部は大企業の御曹司)同士で行う校内行事である)。
一応は学園で運用されているモビルスーツは軍用機とは異なる弱装出力のビームを使用しており、
小説版や第2期等ではコクピットや機関部への意図的な攻撃を不可能とするシステムがモビルスーツ側に組み込まれている事や、
そうした重要部分には低出力のビームが貫通できないだけの防御を施す等の安全規定がある事が明示されている。
しかしそれでも装甲に覆われた巨大ロボを達磨ににするだけの出力はあるわけで…。
劇中で死者が出ていないのは、偏に決闘の参加者達が一線を超えないように配慮している部分が大きく、やはり危険な催しには違いないのだろう。
そして第2期開始早々、学園に潜入したテロリストが実戦仕様のガンダムや無人兵器による無差別攻撃を行った結果、
実際に死人が出た事で、モビルスーツは人殺しの道具でもあるという現実が学生達に突き付けられてしまった
(生徒の中にはショックのあまりモビルスーツや決闘への忌避感を示す者や退学者も現れ、
 ガンダムへの恐怖からスレッタや地球寮の生徒すらテロリストの一員と見なし、学園から追放しようとする者まで続出した)。

*5
アムロはMS戦においてコクピット狙いの非情な戦闘スタイルを取っているが、
大元はサイド7にてザクIIの爆発による二次被害で父親を巻き込んだ事もあっての戦い方であり
生身の人間に対してはTVアニメ版『1st』にてMSでジオン兵を殺さないように立ち回ったり、
初期にライフルを向けたものの葛藤の末に威嚇射撃に留めたシャアがザクに乗って現れたら
「相手がザクなら人間じゃない」と言っている通り、あくまでもMS等兵器の撃墜であり殺人をしている訳では無いと罪の意識を誤魔化している。
本作を含めた『THE ORIGIN』シリーズは『1st』とは世界線が違うとはいえ、この時は緊急的な対応を取っていたと見るのが自然であろう。

*6
プロスペラやエアリアル等、本作にはウィリアム・シェイクスピアの戯曲『テンペスト』から引用されたと思しき固有名詞が散見され、
放送開始前~第二期中盤まではその内容と照らし合わせ、
「プロスペラは家族を奪われた復讐のためにエアリアルを利用している(そして結果的には和解する)」
という事情や展開を予測していた視聴者が多かったのだが、結果的には彼女の行動する理由は単なる復讐では無く、
仇敵でもあるデリングとも互いの利益の一致から協調している
(更には作中でもミオリネが『ロミオとジュリエット』の話題を出している事からアド・ステラの世界にもシェイクスピアの作品は存在し、
 メタ的な視点からの命名ではなく、プロスペラが自身の偽名やエアリアルの名前を『テンペスト』から意識して引用した事が窺える)。
計画遂行のために無関係な人間を多数巻き込んで命まで奪っている事は全く擁護できないが、
その行動が一貫して、親としての愛娘への愛情に基づく物であった事は事実である。
スレッタに対するプロスペラの様々な言動も背景事情等を鑑みればきちんとスレッタの安全と幸せに配慮しており、
彼女を利用していた事と大切に思っていた事も、いずれも間違いの無い事実であったのだろう。


「帰りましょう」
「はい!私お腹空いちゃいました!」
「私も!」


最終更新:2024年06月29日 21:53