受け身

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受け身 - (2023/01/16 (月) 11:23:44) のソース

受け身とは格闘技の用語であり、投げられて床や地面に倒れる際などのダメージを軽減するために行う動作である。
ここから転じて、格ゲーにおいては、「本来ならダウンする状況においてダウンしないようにする」ための行動を指す。
「受身」と書くこともあるが、どちらでも特に問題はないだろう。また、「ダウン回避」という呼び方もある。

格ゲーでは[[起き攻め]]が伝統的に強く、相手のダウンを奪うことが重要視されてきた。
だが、起き攻めが強力なキャラに仕掛けられると、一度ダウンすると再び転ばされ、
そこから起き攻めが[[ループ]]する事態になり、どうにもならなくなってしまうことがある。
そこで、ダウンを回避する手段が取り入れられ始めた。
これにより攻撃している側には「受身を取らないと読んでさらに[[コンボ]]を続ける」「受け身を取ることを読んで[[受身狩り]]」という選択肢が、
攻撃されている側には「受身を取る」「あえて受け身を取らずに相手の受身狩りを空振らせる」という選択肢が発生することになり、
受身を巡って今までに無い新しい駆け引きが生まれた。

また、『[[Eternal Fighter Zero]]』を始めとする黄昏フロンティア製作の格闘ゲームでは共通の仕様として
&b(){「受身可能時間中は無敵」}というものがあるために受身可能なコンボを繋ぐという選択肢が存在しない。
そのためコンボ〆の代わりに受身狩りを行うということがよく行われる。
しかしこのゲームは強力な起き攻めが多いため、ダウンすることを嫌って受身を取ることも選択肢として一応成立している。

なお似たようなシステムに移動起き上がりやダウン中専用の[[必殺技]]等がある。
現在の格ゲーでは、主に地上受け身と空中受け身の二種類がある。

***地上受け身
ダウンする寸前に地上で受け身を取る。ゲームによっては単にダウン回避と呼ばれるだけのことも多い。
通常のダウンから起き上がりのプロセス、「吹き飛び>地面に激突(>バウンド>ダウン状態)>起き上がり動作>ニュートラル」における
(  )の部分を省略して立ち上がる分素早くニュートラルに復帰することができ、相手の起き攻めの猶予を短くすることができる。
主に地上戦を重視した格闘ゲームによく見られるシステムだが、
一部ゲームのダウン時間短縮系統のシステム(『[[北斗の拳]]』や『[[ストIII>ストリートファイターIII]]』のクイックスタンディングなど)も、
見た目こそ違えど内部処理的にもこちらに近いことも多いため、事実上このシステムを実装しているゲームの数は結構多い。
後述の空中受け身と比較すると、地上付近まで落ちてからでないと使えないこと、状況的にもともと追撃を回避するよりも
起き攻めを未然に防ぐ意味合いの方が強い(そもそも地上戦主体のゲームは吹き飛び~ダウンに追い打ちはもともと入らないことも多い)ことなどのため
動作自体に隙がある例は少ないが、読まれていれば結局攻撃側がタイミングを変えることで通常の起き攻めと同じ攻めが通じてしまう。
コモンステートにも地上受け身用のステートが準備されているが、
これもこの記述をそのまま使うと&b(){受身動作中完全無敵が持続し、隙は全くできない}。
そのため、ダウン回避狩りなどの行動は全く意味を成さないので、終わり際を狙った二択攻めなどをする必要がある。

***空中受け身
空中吹き飛びの最中に受け身を取る。主にコンボゲーで見られ、相手の空中コンボを回避するためという目的もある。
ゲームによってはダメージ重視のコンボ、ダウン重視のコンボと使い分けをされることも多い。
昔のゲームは空中コンボが存在しなかったため、空中受け身が搭載されていないことがあり、
そういった性能のキャラとコンボゲーのキャラがMUGENで戦うと、空中コンボで永久などのそれは酷い地獄絵図が展開されることもある。
ただしMUGENのコモンステートには空中受身の記述があるので、コモンステートを利用しているキャラならば受身は取れる。
なおコモンステートをそのまま利用すると、&b(){受身開始から15[[F>フレーム]]の完全無敵が付き、5Fの間無防備な状態になった後ctrlが戻る}。
また無敵の持続中に着地した場合、無敵が持続したまま52番ステートの着地処理が行われる。

ちなみにMUGENでは受身を取る際に受身可能かどうかを判断するフラグとしてCanRecoverが存在するが、
MUGENのデフォルト空中受身の記述はこれ以外にも、
y方向の速度(上昇中は受け身を取れない)や地面からの高さに関する条件(地上付近では地上受身が優先される)が存在するため、
CanRecoverフラグが立っていても受身が取れないということがあるので注意。
実際に空中受身のある格闘ゲームでy方向の速度に制限されるような例は少ないため、
再現キャラではCanRecoverフラグのみで判断していることも多い。
#region(ここで問題になるのが)

ここで問題になるのが、知らないと上昇中受け身不可を前提とした記述で打ち上げ攻撃を作ってしまうことである。
CanRecoverフラグまでの猶予を設定するfall.recovertimeという項目があり、
[[KFM>カンフーマン]]でもしっかり使われているのだが、一部fall.recover = 0(受け身不可)の方で設定してfall.recovertimeを省略している技もあり、
こちらを参考にキャラを作成してしまうと記述を忘れたままになりやすい。

[[新MUGEN>新バージョンmugenについて]]ではコモンステートでもy方向の速度、地面からの高さともに&b(){各キャラ毎に設定するようになっている}ため、
攻撃側が受け身不能のコントロールをするにはCanRecoverフラグの管理が必須となっている。
#endregion

逆に一部のキャラはCanRecoverフラグを無視して地上・空中受身可能になっているため、一種の[[喰らい抜け]]として機能してしまうこともある
(JIN氏やアフロン氏製作の『[[KOF>THE KING OF FIGHTERS]]』仕様準拠キャラなど)。
ただし、CanRecoverとは空中受け身の可否の判断として捉えることもでき、
『KOF』のような「ダウン回避」の可否とはは別の物と捉えることもできる。
とは言うものの、上の例で上がっているJIN氏やアフロン氏製作の『KOF』仕様準拠キャラなどは
デフォルトのコモンで規定されている高さよりも高い位置で地上ダウン回避ができるため空中受け身のようになり、
実質的に喰らい抜けとなってしまう。
これは、AIによっても差が出てくるものであり、
空中でダウン回避可能になった瞬間ダウン回避を行うAIの対戦では、同じKOF系統同士の対戦でもコンボが繋がらないことが生じる。

このような場合は受身のトリガーにきちんとCanRecoverを入れてやるか、攻撃側でステートを奪って無理やり受け身不能にする、
技の属性をfallではなくtripにするといった方法がある
(CanRecoverフラグを受身条件にとらない場合、fall状態ならいつでも受身できるようにしている場合が多いためtripだと受身が取れない)。
ただtrip属性の技からコンボしようとした場合はMUGENの仕様上強制的にtrip[[補正]]が掛かってしまうため、
[[原作再現]]キャラや火力がただでさえ低いキャラには採用しずらい側面もある。
一応trip補正を無効化するような処理も組めなくはないのだが、
DefenceMulSetが作動している相手はTrip補正がかからないため、本来よりもダメージが上がってしまう。
またtripを前提にした火力にすると、タッグ戦での拾いで相方のダメージとの間に齟齬が生じる。
これらの事情から、tripによる制御はかなり難しい。

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***関連項目
[[特殊システム一覧>https://w.atwiki.jp/niconicomugen/tag/特殊システム]]
[[格闘ゲームテクニック一覧>https://w.atwiki.jp/niconicomugen/tag/テクニック]]

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