バトルクロード

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バトルクロード - (2020/05/10 (日) 12:05:49) のソース

#image(Battle K-road.jpg)

『バトルクロード』(Battle K-Road)は彩京が1994年に発売した対戦格闘ゲーム。
・ストーリー
>空手、ムエタイ、ボクシング、コマンドサンボ…。
>各武術の達人達が繰り広げる夢の異種格闘技トーナメント、勃発!!
>そして最後に待ち受ける格闘王としての試練。
>地上最強を目指し、いま闘いのゴングが鳴る!!
>
>ある一人の財界者の手によって創設された、究極の異種格闘技トーナメント”K-ROAD”。
>そこでは、人間が素手で行えるすべての技が許可され、
>莫大な優勝賞金とその名誉をめぐり、命を賭した真剣勝負が繰り広げられるという。
>2年に一度開催されるこの大会に今年も世界中から自負する格闘家達が結集した!!

*概要
格ゲーブーム全盛期に、シューティングゲームメーカーとして有名な[[彩京がリリースした>堕落天使]]初の対戦格闘ゲーム。
(ちなみに彩京のデビュー作のSTG『戦国エース』の次に出してきたのが本作である。)
キャラクターイメージイラストは[[バーチャファイター>結城晶]]も担当した寺田克也。
当時巷に溢れていた『[[ストII>ストリートファイターII]]』の亜種とは違い、リアルな技やダウン制などリアルさを重視した作りになっており、
[[必殺技]]も[[飛び道具]]など派手なものは無く、[[コマンド]]も全キャラ共通の簡略化されたものになっている。
しかしその独特のシステムや操作が万人受けしたとは言い難く、あまり注目されず消えて行ったタイトルの一つである。

「K-ROAD」のネーミングから解るとおり実在の立ち技格闘技イベント「K-1」がモチーフになっているが、
K-1の第1回大会(93年4月)とバトルクロードの発売時期(94年1月)から考えると、
世間一般にK-1ブームが起きる前に本作が企画・制作されたのは疑いようがなく、
//K-1ブームが起こったのは少なくとも94年以降だと思います
また登場キャラクターのモデルのチョイスも、[[佐竹雅昭>ジョー東]]や千代の富士、貴ノ花(当時)など一目瞭然の人物から
アンディ・フグ(当時はまだそれほど有名ではなかった)やヴォルク・ハン、ディック・フライなど格闘技ファンがニヤリとする人物までおり、
彩京の製作スタッフにかなりの格闘技マニアがいた事は間違いないと思われる。

格ゲータイトルの中でも特徴の多い本作であるが、その中で最も特徴的な物はチャンピオン防衛戦という扱いで''&font(red){CPU戦に2周目が存在する}''事だろう。
格闘ゲームで[[2周目が存在する>アーサー#arthur_mvc]]のはかなり特殊で狭義では本作以外には無く
(範囲を拡大するとプロレスゲーム時代の『[[マッスルボマー]]』であるが)、シューティングを多数制作している彩京らしい作りと言える。
2周目と言っても戦うのは4戦だけだが、CPUの攻撃力と防御力が1周目から恐ろしく跳ね上がっており、
こちらの''1[[コンボ]]で1割減るかどうか''なのにCPUは''一撃で8~9割を持って行く''のがざらで、''&font(red){一発即死}''も珍しくない。
またその他の特徴的な仕様(後述)が全てCPU戦を難しくしており、2周クリアは格ゲーの中でも屈指の難易度を誇る。

と色々書いたが、結局この作品で一番有名なのは必殺技に''[[カンチョー]]や電気アンマを使う女性キャラ''、[[藤原ゆうき]]であろう。
またリアルさを追求していながら、格闘スタイルの中に[[サイボーグ>マキシマ]]があったり、
[[ラスボス]]が[[熊>アナログマ]]…なのはまぁ格闘家的に最後が[[熊殺>山田十平衛]][[し>ジャック・ターナー]]なのはアリとして、その[[熊>クロウベア]]が[[竜巻旋風脚]]や[[昇熊拳>昇龍拳]]を使ってきたり、
登場キャラのモデルが何故か[[モロボシ・ダン>ウルトラセブン]]((しかもこっちは勝利セリフがホモ臭いどころかエンディングでホモと名言している。))や[[シュワちゃん>ダッチ・シェーファー]]だったりと、えも言われぬ味を出している。

**キャラクター
キャラクターは14人+1匹。同キャラ対戦は出来ない。
「空手・サイボーグ・ボクシング・ムエタイ・相撲・コマンドサンボ・柔術」の7つの格闘スタイルからそれぞれ2人ずつ。
ただし、同じ[[格闘スタイル]]のキャラは使用する技が一部例外を除いて全て同じであり、性能の差は殆ど無い。
また格闘スタイルによって頭部、腹部、脚部の防御力の差や気絶のしやすさ等の特性がある。
・使用可能キャラクター
>&font(b,red){強} ''空手'':[[アンソニー・ホーク]]/[[大山正道]] &font(red,i,b){男ならこれを選べ!!}
>&font(b,red){機} ''サイボーグ'':[[D-9F型]]/[[T-8P型]] &font(red,i,b){常識を超えたパワー!!}
>&font(b,red){殴} ''ボクシング'':[[リック・シンプソン]]/[[ジェフ・ハワード]] &font(red,i,b){無数のコンビネーション!!}
>&font(b,red){蹴} ''ムエタイ'':[[前川真作]]/[[ジョン・アンダーソン]] &font(red,i,b){ヒジとヒザの嵐!!}
>&font(b,red){烈} ''相撲'':[[谷町光司]]/[[播磨王>播磨灘]] &font(red,i,b){スモウは強い!!}
>&font(b,red){技} ''コマンドサンボ'':[[ウルフ教官]]/[[ダン隊員]] &font(red,i,b){旧ソ連の芸術品!!}
>&font(b,red){艶} ''柔術'':[[ティサ・ウィリング]]/[[藤原ゆうき]] &font(red,i,b){格闘界のお約束!!}
・CPU専用キャラクター
>[[クマちゃん/クマ様>クマちゃん]]

&nicovideo(sm11241778)

CPU戦の流れは、まず同門キャラクターと戦い「K-ROAD」の出場権を獲得、
その後本戦トーナメントで各格闘スタイル使いと戦い(一人のみ、順不同)、優勝すると乱入してきたクマちゃんと戦う。
クマちゃんを倒すとEDとなり、この時点でノーコンティニューの場合はその後「RETURN MATCH」の表示と共に2周目が始まる(1回でもコンティニューをしていた場合は2周目には行かず、ED後に強制ゲームオーバー)。
2周目は対戦相手の順番が固定で『ボクサー→相撲→空手→クマ様』となり、自キャラが左の3キャラの時のみ同門キャラに変わる。
また、キャラクターによって出現する相手がある程度固定される。
ちなみに2周目をクリアしてもスタッフロールや一枚絵など特別なものは''何も無い''
(1周目開始→クリア→エンディング→2周目突入→クリア→おしまい…という流れになる)。

**システム
基本操作は8方向レバー+6ボタン(弱中強P・K)。[[通常技]]はレバーを前に入れて出すと変化する。
屈む事は可能で一部の技をスカす事が出来るが、レバーを真下に入れなければ屈まないためガードが出来ない。
「↓↘→」でステップイン。ダッシュ動作は技、ジャンプや防御などの操作で[[キャンセル]]可能。バックステップは無し。
投げはレバー前or後+中or強Pで掴み、その後各種操作で投げ動作に移る。掴まれた後はレバガチャ、ボタン連打で振りほどける。
また必殺技コマンドが全キャラ共通で「''強P(K)を押しっぱなしにして、『→』や『↓』などレバー入力と同時に離す''」というもので、
このため必殺技がとっさに出せず、溜めを作る必要があるので強P・Kと必殺技が同時に使えない。
ちなみに必殺技の数も全キャラ同じ(10個)である。

なお、キャンセルは存在するものの一般的な概念のキャンセルではなく、
「ある通常技がある必殺技でキャンセルできても、違う必殺技ではキャンセルできない」
といった具合に、一部の技が特定の技でのみキャンセルできるという仕様になっている。
また[[気絶]]も存在し、頭部への攻撃が最も気絶させやすく、脚部への攻撃が気絶させにくい。
全キャラで最も気絶しやすいサイボーグだと頭部への重い攻撃で一発、弱い攻撃でも数発で気絶する。
・&font(b,red){ダメージ耐性}
投げ、必殺技を含む全ての攻撃に対し耐性がつき、同じ技でも与えられるダメージが徐々に減っていくようになっている。
よって効率よくダメージを奪うには攻撃パターンを散らし、全ての技をまんべんなく使っていく必要がある。
・ガードシステム
全ての技が上段攻撃と下段攻撃に分かれており、それぞれ上段・下段ガードと対応している。
たとえガード方向を間違えても、どちらかのガードをしていればダメージを50%軽減できる。
ただし、上段攻撃と言ってもいわゆる[[中段]]の事で下段ガード出来ず(屈まないため上段攻撃をスカせない)、
また下段技が立ち状態からいきなり出せるためガードの見極めが非常に困難であり、
いくらダメージが軽減されるとは言え、接近戦では常に上下段[[ニ択>択一攻撃]](投げを入れると三択)を迫られる事になる。
この辺りは3D格闘ゲームとよく似たシステムである。
・ダウン制
一定以上のダメージが溜まるとダウンし、仕切りなおしとなる。ダウンによるデメリットは特に無し。
上記のダメージ耐性のため、一撃でダウンを奪えた技でも試合が進むと当ててもダウンしなかったりする。
確実に一撃でダウンを奪える技は投げのみである。
・&font(b,red){2周目の存在}
前述の通りCPU戦に2周目が存在し、2周目はCPUの攻撃力と防御力が異常に跳ね上がる。
一撃で8割持って行く恐るべき攻撃力で上下ニ択攻撃されるためダメージ50%軽減は何の意味も成さず、
驚異的な防御力+ダメージ耐性の前ではダメージがまったく与えられない。
基本的に連続技が無く、単発ヒットでダメージを奪い合うこのゲームでこの攻撃・防御力の差はいかんともしがたく、
更にCPUはこちらの上下段攻撃を的確にガードするため、まともに戦うと勝ち目は無い。

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**MUGENでの扱い
[[原作再現]]のキャラはおそらく存在しない。
まあダウンするたびに仕切り直しになったり、ボタン溜めで必殺技という仕様は再現しても面白いものではないだろう。
なぜか[[きらきら>大道寺きら]]のアルカナとしてボスのクマが登場''。
プレイヤーキャラではないが、技も殆ど再現されており、プレイヤーキャラと同じように操作できる。
ほかにも3㌶氏のリムルルのお供になっていたりと、外部出演ばかり。
とか言っていたら、The_None氏の手によりクマが作られた。後日、同氏によってウルフ教官も公開。

そして、2010年10月、ですからー氏によってアンソニー・ホークとT-8Pが公開された。
その後、11月~2011年1月にかけて他のキャラも続々と公開。
『[[マッスルボマー]]』に続きバトルクロードも''一人でコンプリート''してしまった。
ですからー氏……一体何者なんだ……
ただし、''見た目だけ''と言っているだけありなぜか一部キャラは[[こんな事>播磨灘]]になっているが。
全員3ボタン(一部、+特殊攻撃ボタン)の仕様となっており、
やたら[[判定]]の強い技と、尋常ではなく繋がる空中コンボによりガン攻めができるキャラクター達である。
原作で[[コンパチ>EXキャラクター]]だったキャラも個性が与えられ、もはや新しい格ゲーが一つ出来たような印象。
全キャラに11段階調整可能なAIが標準搭載されているため、これからの活躍が期待される。

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