巨神獣
とは、【ゼノブレイド2】の種族。
巨神獣 |
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他言語 |
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別名義 |
アルス | |
初登場 |
【ゼノブレイド2】 |
「巨神獣」と書いて「アルス」と読む。
微生物サイズから背や体内に動植物が住まう大地そのもののサイズまで、大きさに非常にばらつきがある生物群。
最大クラスの巨神獣の背や体内に人々が生活する国や町が作られたり、大型サイズの者も船や兵器に改造されたりと、アルストの住民になくてはならない生物となっている。
本作の冒険の舞台は基本的にこの生き物の背中である。
背中に建築物を建てられたり、身体を生態兵器に改造されたりとかなり悲惨な目に合っているようにも見えるが、基本的には人間たちに対して非常に友好的で何ら抵抗することはない。(*1)
作中で主にフィールドマップとして登場する主な巨神獣と国家・地域名は
ゴルトムント:アヴァリティア商会
グーラ:グーラ領
インヴィディア:インヴィディア烈王国
スペルビア:スペルビア帝国
アーケディア:アーケディア法王庁
ゲンブ:ルクスリア王国
テンペランティア:亡国ユーディキウム
となっており、その他に無数の大型巨神獣が島々を成しているリベラリタス島嶼群、かつて聖杯大戦で失われた巨神獣イーラに築かれた古王国イーラなどが存在している。
基本的には巨神獣の名前がそのまま地名となることが多いのだが、上述したようにテンペランティアやゲンブのように巨神獣とは別の名前の地名が付くこともある。
『ゼノブレイド1』の巨神と機神を彷彿とさせる設定だが、活動を停止している巨神や機神と違って生物としての代謝を行っており、巨神獣の生態・特徴によって地域環境も異なっている。
本編に出てくる以外にも人々が暮らせるような大型巨神獣は存在しているのだが、その規模の巨神獣は年々寿命によって数を減らしており、残された人々は減り行く大地と資源を求めて争っている。
また、全ての巨神獣は世界樹の周辺の雲海を同じルートで回遊し続けている。
巨神獣が死を迎えるとその身体からブレイドのコアクリスタルが産まれるという特徴がある。
余りにも生態がかけ離れているため、アルストの中でも極一部の者にしか知られていないが、ドライバーとの同調を繰り返し、記憶をリセットしながら永遠に生きると思われていたブレイドにも寿命があり、寿命を迎えると巨神獣へと変化する。
そして巨神獣が死を迎えると前述した通りブレイドのコアクリスタルが産まれるため、ブレイドと巨神獣は循環しながらアルストを形作っているのである。
その正体は、クラウスがゲートを用いた相転移実験の失敗の後悔から「世界の再生」のために作り上げた新たな世界・アルストの原初の生命体。
ゲートの影響で様々なものや人が別次元(巨神界)へ飛ばされたことで荒廃した地球の再生を目指したクラウスは崩壊した物質を再構築する分子体、アルストで「雲海」と呼ばれている物質を海に放って世界を再生。
その後、世界にすべての生物の遺伝情報が組み込まれている素子、アルストで「コアクリスタル」と呼ばれている物質を雲海に覆われた世界に解き放った。
放たれたコアクリスタルは雲海の分子構造と結びつくことで生命核となり、それが巨神獣へと変化。
最初に生まれた巨神獣は微細な生命体に過ぎなかったが、次第に大型の者へと進化していき、やがてその体に宿した膨大な生命情報を元に、コアクリスタルに由来しない純粋な生命体を生み出し、それが進化を繰り返すうちに人間が誕生した。
しかしクラウスは、こうして再生という形で生み出した人間達が、かつてのクラウスの世界の人々達と同じ過ちを犯すのではないかと危惧し、ブレイドとトリニティ・プロセッサーを用いた新たな世界のシステムを構築した。
ブレイドが人と同調した後に、人間とブレイドの間に生まれた感情や外界からの淘汰圧などのあらゆる情報を、ブレイドの管理者に設定されたロゴスとプネウマに送信し、情報が蓄積されるとロゴス・プネウマはブレイドに新たな進化コードを送り返すことで、ブレイドの未分化な部分を発達させていき、ブレイドは巨神獣となって胎内で全く新たなコアクリスタルを生成していく仕組みを作り上げるに至った。これを「
命の記憶の循環
」システムと呼ぶ。
しかし、現在ではアーケディア法王庁・マルベーニが、やがて世界そのもの(神に等しい存在)となる巨神獣になるブレイドを恐れたことで、アルスト全土のコアクリスタルを掌握するという行為を行ったため、人間と同調するブレイドの数が激減したことで巨神獣になるブレイドは殆ど現れず、結果的にブレイド/巨神獣/トリニティ・プロセッサーが成す命の記憶の循環が上手くいかなくなっており、既存の大型巨神獣も寿命で力尽き雲海の底に沈んでいくばかり。これこそが、アルストで人の住める場所がどんどん減っている所以だった。
だが、世界を前へ進める意志と答えを持つレックスに出会ったクラウスは、世界を再生することができないという絶望から解放され、この世界の未来をレックス達「我が子」に託し、現存する巨神獣達を新たな大地にするという「最後の手向け」を行った。
ホムラ達が過ごしていた楽園とは違うものの、この「減り行く大地を巡って争わずに済む新しい世界」こそが真の楽園であったことをレックス達は確信していた。
本編で触れられていた古王国イーラとその巨神獣イーラが登場する。
本作で探索できる巨神獣はイーラとグーラのみとなるが、イーラは完全に新規マップ。
オープニングによるとアーケディアやスペルビアと対立する「軍事大国シヤ」なる巨神獣もあったようなのだが、本編開始前の時点で【メツ】の【セイレーン・デバイス】(ブラックセイレーン)によって沈められている。
また、アーケディア法王庁の科学者・スタニフは、この時点で巨神獣とブレイドの相関関係たる命の記憶の循環システムの一部を解析していた。
具体的には、ブレイドと巨神獣の遺伝子に相当する情報には共通する部分が数多くあり、さらにブレイドに未分化な部分があり、ここが成長することでやがてブレイドは巨神獣になる、というところまで調べ上げていた。これが、後にマルベーニがアーケディアの法王になった後に洗礼と称してコアクリスタルを独占しアルストの巨神獣の数を減らしていくきっかけとなった。
但し、ブレイドと巨神獣に相関関係があるところまでは見抜けても、それらとトリニティ・プロセッサー(天の聖杯)にも関係があることまでは見抜けなかった。
命の記憶の循環システムの要の1つであるブレイドが、人との間で子を成すことができるようになっているような変化が確認できる。
『2』のエンディングで巨神獣達が自ら新たな大地となっていったが、クラウスの最後の手向けとはそれだけではなく、「命の記憶の循環」システム全般を大幅に改変しブレイドなどにも前述の様な新たな変化を及ぼしている可能性が高い。しかし、具体的にどのように改変しアルストがどのような世界へ変わったのかは、『3』『新たなる未来』でも明かされることはなかった。
また、『新たなる未来』ではオリジンの記憶により、『2』のアルストの世界樹周辺にあった旧世界の都市群(モルスの地)が「ラダマンティス自治州」であることが明かされた。これは、オリジンの記憶で映された第1軌道タワー・ラダマンティス(後の世界樹)がラダマンティス自治州に設備されていたことによる。
したがって、『2』で巨神獣が世界樹(第1軌道タワー・ラダマンティス)周辺の雲海を回遊していたことから、
アルストはラダマンティス自治州に位置していた
ことがほぼ確定となった。
トリニティ・プロセッサーの管理対象であるゲートが保管されていたアオイドスを置くオービタルリングを形成していた軌道タワーは3種あり、そのうちの1つが前述のラダマンティス、残りがミーノースとアイアコアとなっている。
オリジンの記憶では第2軌道タワーのミーノースの名を持つミーノース州も言及されており、残る第3軌道タワー・アイアコアについてもアイアコア州があるものと思われるが、この2つの州は現在では登場していない。
『1』の巨神界と『2』のアルストが融合した「アイオニオン」の中で、巨神獣の身体や国・場所は至る所に散らばっている。生物としてではなく、完全な大地となってしまっているようだ。