予兆詩第141番(旧130番) 1567年について
原文
Mort, maladie aux jeunes femmes, rheumes
1
De teste aux yeux, malheur
2 marchands de terre,
De mer
infaust,
semes3 mal, vin par brumes.
Prou huile, trop de pluye, aux fruits moleste guerre.
異文
(1) rheumes 1594JF 1628 : rhumes
T.A.Eds.
(2) malheur : mal heur 1605 1649Xa, mal-heur 1628
(3)
semes : femmes 1650Le 1668
日本語訳
若い娘たちに死と病、風邪は
頭から双眼へと。陸の商人たちには不幸、
海のには不運。種蒔きは凶。ワインは霧のせいで。
油は潤沢。多雨と戦争が果実を傷める。
訳について
4行目の後半は、多雨と戦争を主語にとると moleste の活用形と整合しないが、こういう例がしばしばあることは
ピエール・ブランダムールらも指摘している。
信奉者側の見解
ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは1567年に当てはめているが、具体的な事件とは対応させず、若い女性たちの病気、陸と海での商人の損失、種まきの時期に雨が多いことなどとした。
同時代的な視点
この年向けの暦書は1566年の前半に執筆された。
ノストラダムスはその年の7月2日に歿している。死を予感したものなのか、この年向けの予兆詩には遺産相続などを思わせるモチーフがしばしば登場しているが、全般向けであるこの詩の主題は病気の流行と作物の豊凶となっている。
最終更新:2010年08月31日 21:27