Romanie

 Romanie はノストラダムスの予言に何度か登場する地名。
 リチャード・シーバースはことごとくルーマニア (ロムニア România, フランス式には Roumanie) の綴りの揺れとみなした。当時は o と ou が交換可能であったので、もっとも素直な読み方といえるだろう。
 ただし、シーバースは、解釈に際して神聖ローマ帝国と解釈しているケースがある。

  • ピーター・ラメジャラーの訳では、語源に遡った本来の意味である 「ローマの土地」(ローマの支配地域) として訳している箇所が複数ある。


  • エドガー・レオニは、神聖ローマ帝国、イタリアのロマーニャ地方、教皇領(ローマ教皇庁の土地)の3通りの可能性を挙げていた*2

  • 中世史の用語として Romania は、ロマンス諸語(俗ラテン語から派生した諸語。フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、プロヴァンス語、ルーマニア語など)の話される地域を指す言葉として使われる*3

登場箇所


 ほかに詩百篇第4巻36番(未作成)では、イタリアのロマーニャ地方(Romagna, フランス式には Romagne, ラテン語では Romania) の綴りの揺れとして、増補版以降の異文で登場している。

 また、本物かは未確定だが、シャストゥイユが伝えた詩百篇断片2番にも登場している。


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最終更新:2013年01月28日 22:08

*1 Rose [2002c]

*2 Leoni [1961]

*3 ラベール/セール『100語でわかる西欧中世』文庫クセジュ